JPH0742483Y2 - 油水分離自動排水装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、油水分離自動排水装置
に係わり、更に詳しくは、油冷式スクリューコンプレッ
サーが２４時間駆動中であっても、オイルセパレーター
室内のドレンを効率良く、かつ確実に外部に排水するこ
とができるようにした油水分離自動排水装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知の通り、油冷式スクリューコンプレ
ッサーが用いられている。上記油冷式スクリューコンプ
レッサーは、電動機によって駆動される油冷式スクリュ
ーコンプレッサーと、オイルセパレーター室と、オイル
クーラーと、オイルフィルター間を循環配管により接続
し、上記油冷式スクリューコンプレッサーにて吸入した
空気をオイルとともに圧縮し、その圧縮空気とオイルを
上記オイルセパレーター室にて分離し、圧縮空気を使用
先へ供給するようにしている。

【０００３】上記のように構成された油冷式スクリュー
コンプレッサーにおいては、上記圧縮した空気中に含ま
れる水分がオイル中に混合してしまう。そこで、上記オ
イル中に混合した水分を除去するために、上記オイルセ
パレーター室の下部からドレンを排出するようにしてい
る。

【０００４】上記ドレンを排出に関し、排出装置を簡略
的に構成する場合には、上記オイルセパレーター室の下
部にドレン抜きバルブを設けておき、上記油冷式スクリ
ューコンプレッサー装置の停止中に上記ドレン抜きバル
ブを開にして上記オイルセパレーター室の下部からドレ
ンを直接排出するようにしている。

【０００５】しかし、例えば無人化工場のように、油冷
式スクリューコンプレッサー装置を２４時間連続運転さ
せることが多くなってきた。油冷式スクリューコンプレ
ッサー装置の場合、駆動中は上記オイルセパレーター室
内のオイルが撹拌されてしまうので、ドレンが下方に溜
まらずドレンだけを排出することができないという問題
点があった。

【０００６】また、オイルは常に油冷式スクリューコン
プレッサーに用いられているので、非常に高温（約摂氏
８０度）となっているので、上記ドレン抜きバルブを手
動で開操作するのは大変危険であった。

【０００７】したがって、油冷式スクリューコンプレッ
サー装置を２４時間連続運転した状態ではドレンを抜く
ことができないので、オイルが劣化し易くなり、装置の
故障の原因となり易いものであった。

【０００８】このような問題を解決するために、例え
ば、実公平２−３９５２８号公報および実公平２−３９
５２９号公報において、上記オイルセパレーター室の下
部に溜まったドレンを自動的に外部に排出することが可
能な「油水分離自動排水装置」が提案された。

【０００９】上記各公報にて提案されている「油水分離
自動排水装置」の場合、オイルセパレータにて分離され
たドレン水をフロート室内に送るようにしている。そし
て、上記フロート室内にドレン水が所定量だけ溜まる
と、上記フロート室内に設けられているフロートが浮上
する。

【００１０】上記フロートが浮上すると、上記フロート
室内に溜まったドレン水を排出する配管中に介設されて
いる電磁弁が開動作して、上記フロート室内に溜まって
いるドレン水を外部に排出するようにしている。

【００１１】

【考案が解決しようとする課題】したがって、上記各公
報にて提案されている「油水分離自動排水装置」によれ
ば、上記フロート室内にドレン水が所定量だけ溜まる
と、上記ドレン排出配管を介して外部に自動的に排出す
ることができるので、水分によるオイル劣化を少なくす
ることができ、水分によって生じる装置の故障を可及的
に少なくすることができる。

【００１２】しかし、上記「油水分離自動排水装置」の
場合には、上記フロート室内にドレン水が所定量だけ溜
まらないと外部に排出することができなかった。このた
め、例えば、空気中の水分が少ないことによりドレン水
が多く発生しない場合には上記フロートが長期間動作し
ないことになるので、可動部の動きが悪くなる問題があ
った。

【００１３】また、装置の構成が複雑なので、全体の構
成が大がかりになるとともに、コスト高になってしまう
問題があった。本考案は上述の問題点にかんがみ、油冷
式スクリューコンプレッサー装置を運転している最中に
オイル中の水分だけを排出することができる装置の耐久
性を向上させるとともに、安価に構成できるようにする
ことを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案は次の技術的手段を有する。すなわち、実施例
に対応する添付図面中の符合を用いてこれを説明する
と、電動機３によって駆動される油冷式スクリューコン
プレッサー４と、オイルセパレーター室６と、オイルク
ーラー９と、オイルフィルター１１との間を循環配管に
より接続し、吸入した空気を上記油冷式スクリューコン
プレッサー４によってオイルとともに圧縮し、上記圧縮
した空気とオイルを上記オイルセパレーター室６に送っ
て分離し、圧縮空気を使用先へ供給するとともに、上記
オイルセパレーター室６の下部に溜まる水分を除去する
ようにした油水分離自動排水装置において、上記オイル
セパレーター室６の下部に接続されているドレン配管１
５に接続され、上記オイルセパレーター室６の底部に溜
まる水分をオイルと分離して外部に排出するための油水
分離室１８と、上記油水分離室１８の下部に接続された
排水管２４中に介設された常閉電磁弁２２と、上記常閉
電磁弁２２を所定のタイミングで時限的に開動作させる
ためのタイマー２６と、上記油冷式スクリューコンプレ
ッサー４の電動機３に駆動電力を供給する電源スイッチ
１に接続された排水用スイッチ２３とを具備し、上記油
水分離室１８の上部に円筒状の６隔壁１９を設けるとと
もに、上記円筒状の隔壁１９の中央にフィルター２０を
設け、上記フィルター２０の内側からオイル戻し配管２
５を外部に導出して上記オイルクーラー９とオイルフィ
ルター１１との間の循環配管１０に接続し、上記電源ス
イッチ１から上記電動機３に駆動電力が供給されたとき
に、上記排水用スイッチ２３を介して上記タイマー２６
に電力が供給されるようにして、上記油冷式スクリュー
コンプレッサー４が運転中は上記常閉電磁弁２２を所定
のタイミングで開動作させることにより、上記油水分離
室１８に溜まる水分を上記排水管２４を通して外部に排
出するようにしたことを特徴とする油水分離自動排水装
置である。

【００１５】

【作用】本考案は上記技術手段よりなるので、上記油冷
式スクリューコンプレッサー４に駆動電力が供給されて
いるときには上記タイマー２６が常に時限動作を行うの
で、ドレン発生量に応じた所定のタイミングで常閉電磁
弁２２を開動作させることが可能となり、発生したドレ
イン水が内部に滞留してしまう不都合を防止することが
できるようになる。

【００１６】また、タイマー２６を一個用いるだけで上
記常閉電磁弁２２の開閉動作を制御する装置を構成でき
るので、装置の小型化および低価格化を可能にすること
ができるとともに、故障の発生を少なくして装置の耐久
性を向上させることができるようになる。

【００１７】

【実施例】次に、添付図面に従い本考案の油水分離自動
排水装置の好適な実施例を詳述する。図１は、本実施例
の油冷式スクリューコンプレッサー装置と油水分離自動
排水装置の系統図である。

【００１８】本実施例の油水分離自動排水装置は、油冷
式スクリューコンプレッサー装置２と油水分離自動排水
装置１７とにより構成されており、上記油冷式スクリュ
ーコンプレッサー装置２は電動機３によって駆動される
油冷式スクリューコンプレッサー４と、オイルセパレー
ター室６と、オイルクーラー９と、オイルフィルター１
１との間を循環配管により接続して構成されている。

【００１９】上記油水分離自動排水装置１７は、油水分
離室１８と、排水管２４と、常閉電磁弁２２と、タイマ
ー２６とより成っており、上記油冷式スクリューコンプ
レッサー装置２を構成するオイルセパレーター室６の下
部と上記油水分離室１８とがドレン配管１５で接続さ
れ、ドレン配管１５の途中にドレン抜きバルブ１６が設
けられている。

【００２０】次に、上記のように構成された油冷式スク
リューコンプレッサー装置２の運転中における油水分離
自動排水装置１７の作用について述べる。まず、油冷式
スクリューコンプレッサー装置２のスイッチ１をオンに
することによって電動機３が動き、油冷式スクリューコ
ンプレッサー４が駆動する。

【００２１】上記油冷式スクリューコンプレッサー４の
駆動に応じて装置内のオイルが循環し、油冷式スクリュ
ーコンプレッサー４の空気吸入口１３より空気を吸入し
て圧縮する。そして、配管５を介して上記圧縮した空気
をオイルとともにオイルセパレーター室６へと送給す
る。

【００２２】上記オイルセパレーター室６へ送り込まれ
た圧縮空気は、オイルセパレーター室６内に配設された
オイルセパレーターフィルター７を通して外部に導出さ
れ、圧縮空気配管１４を介して使用先へ供給される。

【００２３】一方、圧縮空気と分離されたオイルは、配
管８を介してオイルクーラー９へ供給されるとともに、
配管１０を介してオイルフィルター１１へ供給され、次
に、配管１２を介して油冷式スクリューコンプレッサー
４へと再び戻される。

【００２４】上記の行程が繰り返され行われると、圧縮
空気中に含まれる水分がオイル中に混入してしまう。上
記水分の混入したオイルは、上記オイルセパレーター室
６の下部に接続されたドレン配管１５を介して油水分離
自動排水装置１７の油水分離室１８へと流入させる。

【００２５】そして、油水分離自動排水装置１７の排水
用スイッチ２３がオンにセットされていると、上記油冷
式スクリューコンプレッサー装置２の電源スイッチ１が
オンにされるとタイマー２６に電力が供給されてタイマ
ー動作を開始する。

【００２６】上記タイマー２６は、セットされた所定の
時間、例えば３秒から８秒間だけ常閉電磁弁２２に開動
作させるために設けられているものである。上記常閉電
磁弁２２が開動作すると、上記油水分離室１８内で下方
へ沈降して底部に溜まったオイル中の水分が、排水管２
４を通して外部に排出される。なお、上記排水管２４中
にストレーナー２１が介設されており、上記ストレーナ
ー２１を通して排出されるようになされている。

【００２７】本実施例においては、上述したようにタイ
マー２６の制御により、３秒から８秒間だけ常閉電磁弁
２２が開となるので、上記油水分離室１８内の水分だけ
が排出されるようになる。

【００２８】一方、上記油水分離室１８の上部には、円
筒状の隔壁１９が設けられているとともに、上記円筒状
の隔壁１９の中央部にはフィルター２０が設けられてお
り、水分が除去されて浄化されたオイルは上記フィルタ
ー２０を通して油水分離室１８の外部に導出されるよう
になされている。そして、上記油水分離室１８の外部に
導出されたオイルは、オイル戻し配管２５を介して油冷
式スクリューコンプレッサー装置２の配管１０へと戻入
される。

【００２９】本実施例の油水分離自動排水装置は以上の
ように構成したので、油冷式スクリューコンプレッサー
装置２が２４時間連続運転している場合に、水分の混入
したオイルをオイルセパレーター室６の下部より、ドレ
ン配菅１５を介して油水分離室１８へ送出する。

【００３０】そして、上記油水分離室１８においてオイ
ル中の水分を沈降させて外部に排出するようにしてい
る。したがって、オイルおよび水分が撹拌されている状
態のオイルセパレーター室６から排水する場合と異な
り、オイル中から水分を良好に分離することができる。
そのため、油冷式スクリューコンプレッサー装置２の駆
動中でも、オイルに混入する水分を効率良く、安全に排
出することができる。

【００３１】

【考案の効果】本考案は上述したように、本考案によれ
ば、油冷式スクリューコンプレッサーに駆動電力が供給
されているときには、常閉電磁弁を制御するためのタイ
マーを常に時限動作させることができるので、ドレン発
生量に応じた所定のタイミングで常閉電磁弁を開動作さ
せることができ、発生したドレイン水を外部に確実に排
出することができる。

【００３２】また、タイマーを一個用いるだけで常閉電
磁弁の開閉動作を制御する装置を構成できるので、装置
の小型化および低価格化を可能にすることができるとと
もに、故障の発生を少なくして装置の耐久性を向上させ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の油冷式スクリューコンプレッサー装置
と油水分離自動排水装置の系統図である。

【符合の説明】

２ 油冷式スクリューコンプレッサー装置 ３ 電動機 ４ 油冷式スクリューコンプレッサー ６ オイルセパレーター室 １５ ドレン配管 １７ 油水分離自動排水装置 １８ 油水分離室 ２２ 常閉電磁弁 ２３ 排水用スイッチ ２４ 排水管 ２５ オイル戻し配管 ２６ タイマー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電動機３によって駆動される油冷式スク
   リューコンプレッサー４と、オイルセパレーター室６
   と、オイルクーラー９と、オイルフィルター１１との間
   を循環配管により接続し、吸入した空気を上記油冷式ス
   クリューコンプレッサー４によってオイルとともに圧縮
   し、上記圧縮した空気とオイルを上記オイルセパレータ
   ー室６に送って分離し、圧縮空気を使用先へ供給すると
   ともに、上記オイルセパレーター室６の下部に溜まる水
   分を除去するようにした油水分離自動排水装置におい
   て、 上記オイルセパレーター室６の下部に接続されているド
   レン配管１５に接続され、上記オイルセパレーター室６
   の底部に溜まる水分をオイルと分離して外部に排出する
   ための油水分離室１８と、 上記油水分離室１８の下部に接続された排水管２４中に
   介設された常閉電磁弁２２と、 上記常閉電磁弁２２を所定のタイミングで時限的に開動
   作させるためのタイマー２６と、 上記油冷式スクリューコンプレッサー４の電動機３に駆
   動電力を供給する電源スイッチ１に接続された排水用ス
   イッチ２３とを具備し、 上記油水分離室１８の上部に円筒状の６隔壁１９を設け
   るとともに、上記円筒状の隔壁１９の中央にフィルター
   ２０を設け、上記フィルター２０の内側からオイル戻し
   配管２５を外部に導出して上記オイルクーラー９とオイ
   ルフィルター１１との間の循環配管１０に接続し、 上記電源スイッチ１から上記電動機３に駆動電力が供給
   されたときに、上記排水用スイッチ２３を介して上記タ
   イマー２６に電力が供給されるようにして、上記油冷式
   スクリューコンプレッサー４が運転中は上記常閉電磁弁
   ２２を所定のタイミングで開動作させることにより、上
   記油水分離室１８に溜まる水分を上記排水管２４を通し
   て外部に排出するようにしたことを特徴とする油水分離
   自動排水装置。