JPH0742258U - 原稿自動搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 読取部における、原稿の読取光学系に対する
光路長と角度とを常に一定に保てる原稿自動搬送装置を
提供する。 【構成】 読取部13において、押え板18が先端部18aを
ガイド板12aに接触するように配置されており、押え板1
8は、固定端部18bにビスが植設されている。押え板18の
固定端部18bと固定部19とは、ビス18cが挿入した状態で
スプリング20を狭持しており、押え板18は、ビス18cを
ナット21で締結されることにより固定され、ナット21を
調整されることにより、先端部18aの押圧力が調整され
る。原稿は読取部において押え板18によって押圧され、
ガイド板12aに接触させられることにより、読取光学系
に対する光路長と角度とが常に一定に保たれる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ファクシミリ，複写機などの原稿画像読取装置に搭載される原稿自 動搬送装置に係り、特に画像の読取りを高精度に行わせる原稿自動搬送装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

図３は、本考案が適用され得る原稿自動搬送装置(ＡＤＦ)の一例の外観を示し たもので、１は読取装置本体、２は読取装置本体１に搭載されたＡＤＦであり、 ３はそのベース部材、４は原稿テーブル、５は上カバー、６a，６bは左右カバー である。

【０００３】 従来のＡＤＦ２は、図４に示したように構成されている。７は原稿テーブル４ に載置された原稿Ｄを一対の分離ローラ８まで送るコロ、９，10は分離ローラ８ により１枚ずつに分離された原稿をガイド部材に沿って搬送する搬送ローラ、11 は読取装置本体１に設けられた原稿ガラスで、原稿が矢印Ｒの位置にきたとき、 原稿ガラス11とガイド板12aとの間に形成された読取部13において、一定の搬送 速度で移動させられて、図示しない読取光学系により画像が読み取られる。14は 読取り済み原稿を排出する原動ローラ、15は原動ローラ14に圧接する従動ローラ であり、読取部13で画像読取りが行われた原稿は、原稿ガラス11上の一部に設け られた案内スケール16により先端が持ち上げられ、ガイド板12bに沿って搬送さ れて、排出ローラ(14，15)により排出される。17はベース部材の一部からなり、 排出された原稿を収容するスタッカー部である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記の従来例において、読取部13の間隔を狭くし(通常0.5mm以下)、原稿は、 読取光学系に対して光路長と角度とが変動しないよう考慮されている。しかしな がら、原稿が、搬送ローラ10によって移動させられている場合、あるいは原動ロ ーラ14によって移動させられている場合、あるいは搬送ローラ10と原動ローラ14 とによって移動させられている場合等の状況の変化によって、原稿の通過位置が 、読取部13において変動するため、読取光学系に対する光路長と角度との変動が 生じる。

【０００５】 読取光学系に対する原稿の光路長と角度との変動は、読取光学系における結像 位置に偏差を生じさせるため、再生画像が不鮮明になったり、歪んだりする。

【０００６】 本考案の目的は、上記の問題を解決するため読取部における、原稿の読取光学 系に対する光路長と角度とを常に一定に保てる原稿自動搬送装置を提供すること にある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案は、原稿を１枚ずつ読取光学系の読取部に 搬送し、読取部で前記原稿を一定速度で移動させて原稿の画像を読取らせる原稿 自動搬送装置において、前記読取部に、前記読取光学系から原稿までの光路長を 一定にするための、原稿を押圧する弾性を有した押え板を設置したことを特徴と する。

【０００８】 また、前記押え板を、押圧力を調整可能に構成したことを特徴とする。

【０００９】

【作用】

上記の手段によれば、読取部において弾性を有した押え板によって、原稿を押 圧することにより、読取部における原稿の通過位置が常に一定になる。

【００１０】 また前記押え板の原稿に対する押圧力を調整可能にしたことにより、押圧力の 調整を容易に行える。

【００１１】

【実施例】 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１２】 図１は、本考案の一実施例の構成を示す断面図であり、構成部材において図４ に基づいて説明した部材に対応する部材には、同一符号を付して説明を省略する 。

【００１３】 読取部13において、押え板18が先端部18aをガイド板12aに接触するよう配置さ れている。押え板18は、原稿に対する摩擦力が小さくかつ弾性に富むステンレス などの薄板によって構成されており、固定端部18bにビス18cが植設されており、 回転支点部18dにおいて装置本体に軸支されている。装置本体の押え板18に対す る固定部19には、貫通孔が形成されており、押え板18に植設されたビス18cが挿 入される。押え板18は、ビス18cをコイル状のスプリング20に挿入し、スプリン グ20を固定部19との間に狭持し圧縮した状態で、固定部19から突出したビス18c をナット21で締結されることにより固定される。

【００１４】 押え板18は、固定部19との間にスプリング20を狭持した状態で、ビス18cをナ ット21で締結され固定されているので、ナット21を回転させればスプリング20の 長さが変化し、回転支点部18dを中心として先端部18aが上下方向に移動し押圧力 を調整できる。

【００１５】 また押え板18は、原稿幅より幅を広くし、かつビス18cを一定間隔で複数植設 し多点で押圧力を調整可能に構成する。

【００１６】 原稿自動搬送時、搬送ローラ10に搬送された原稿は、搬送ローラ10によって一 定速度で読取部13に給紙され、その際、押え板18によってガイド板12aの水平部 に一定の押圧力で押圧される。そして原稿は、ガイド板12aの水平部において図 示しない読取光学系によって画像を読み取られて、原動ローラ14と従動ローラ15 とに狭持され、原動ローラ14が回転することによってスタッカー部17へ排紙され る。

【００１７】 上記構成のＡＤＦ２では、記録紙は読取部13において、押え板18で押圧される ことにより、ガイド板12aに接触させられる。そのため画像の読取り時、図示し ない読取光学系からの記録紙の光路長と角度とは、常に一定となり、読取光学系 における画像の結像位置も常に一定となり、鮮明で歪みのない再生画像が得られ る。また押え板18は、記録紙の幅方向の複数の点で押圧力が調整可能であるため 、記録紙の幅全体に一定の押圧力を加えることができる。そのため原稿が、斜行 (スキュー)することを防止でき正常な再生画像を得られ、さらに記録紙がジャム することを防止できる。

【００１８】 図２は、押え板と固定部との他の例を示す断面図である。

【００１９】 押え板28は、支点部28bを固定部29において軸支され、押え板28と固定部29と は、スプリング20を狭持し、ビス28cをスプリング20に挿入した状態で、ナット 21によってビス28cを締結している。このため押え板28は、ビス28cの調整によっ て先端部28aが上下方向に移動させられて先端部28aの押圧力を調整できる。

【００２０】 上記実施例において、原稿は、押え板18，28によって押圧されガイド板12aに 接触させられて、読取光学系に対して距離と角度とを一定にされているが、押え 板の押圧する方向を変え、原稿ガラス11に接触させるように構成しても、読取光 学系に対する光路長と角度とを一定にできる。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、読取部において弾性を有した押え板に よって、原稿を押圧することにより、読取部における原稿の通過位置が常に一定 になり、読取光学系に対する光路長と角度とが変動しない。そのため再生画像が 不鮮明になることや歪むことを防止でき、また押え板の原稿に対する押圧力を調 整可能にしたことにより、押圧力の初期調整や経時的な再調整を容易に行えるた め、読取部において常に最適な押圧力で原稿を押圧できる原稿自動搬送装置を提 供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の構成を示す断面図である。

【図２】本考案の押え板と固定部との他の例を示す断面
図である。

【図３】本考案が適用され得るＡＤＦの一例の外観を示
す斜視図である。

【図４】従来のＡＤＦの構成の一例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

13…読取部、 18…押え板、 18a…先端部、 18b…固
定端部、 18c…ビス、18d…回転支点部、 19…固定
部、 20…スプリング、 21…ナット、 28…押え板、
28a…先端部、 28b…支点部、 28c…ビス、 29…
固定部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 原稿を１枚ずつ読取光学系の読取部に搬
   送し、読取部で前記原稿を一定速度で移動させて原稿の
   画像を読取らせる原稿自動搬送装置において、前記読取
   部に、前記読取光学系から原稿までの光路長を一定にす
   るための、原稿を押圧する弾性を有した押え板を設置し
   たことを特徴とする原稿自動搬送装置。
2. 【請求項２】 前記押え板を、押圧力を調整可能に構成
   したことを特徴とする請求項１の原稿自動搬送装置。