JPH0742140B2 - 電子線着色を防止したガラス物品 - Google Patents

電子線着色を防止したガラス物品

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JPH0742140B2
JPH0742140B2 JP59198776A JP19877684A JPH0742140B2 JP H0742140 B2 JPH0742140 B2 JP H0742140B2 JP 59198776 A JP59198776 A JP 59198776A JP 19877684 A JP19877684 A JP 19877684A JP H0742140 B2 JPH0742140 B2 JP H0742140B2
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glass
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potassium
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國雄 中口
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はTVブラウン管フェースプレートなど電子線照射
を受けるガラス物品に関する。
〔従来技術〕
TVブラウン管フェースプレートに用いられるガラスには
管内で発生するX線吸収の目的で酸化鉛などの重金属を
含有させることが古くから知られている。しかし画像の
カラー化、高輝度化、高解像度化や画面の大形化等の市
場ニーズに伴い電子線加速電圧が高くなるとX線吸収能
の向上、X線によるガラス着色防止や電子線によるガラ
ス着色防止が必要となってきた。
前記X線吸収はガラス中の酸化鉛含有量の増加で、また
X線によるガラス着色はガラス中に酸化セリウムを1重
量%以下含有させることで解決されることは知られてい
るが、前記酸化鉛を多く含んだガラスは強度の電子線照
射によってブラウニングと称される着色現象により前記
高加速電圧が用いられるブラウン管フェースプレート部
には用いられなくなってきた。酸化鉛を含んだガラスの
電子線着色の原因は、電子線照射面から約10μm程度の
深さまで電子線が浸透し、酸化鉛を還元させる為と知ら
れている。
前記した諸問題を解決する目的で、酸化鉛の代りに酸化
バリウム、酸化ストロンチウムや酸化ジルコニウムをX
線吸収成分として含有させたガラスが例えば特公昭59−
27729号で提案されている。前記酸化鉛に代る成分は高
いX線吸収能を有するとともに電子線照射に対して安定
であり、着色することがない。また前記先行発明では、
ガラスの溶解性向上の目的で含有させるアルカリ金属酸
化物が電子線照射によって還元を受けガラスが着色する
のを防止する目的で酸化ナトリウムと酸化カリウムの両
者を含有させるとともにその両者の此を一定範囲内とす
ることを提案している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記特公昭59−27729号のガラスは酸化カリウムを多量
に含有するので原料費が大であり、またX線吸収成分と
して酸化バリウム、酸化ストロンチウムや酸化ジルコニ
ウムを含み、アルカリ金属酸化物を少量しか含まないガ
ラスは極めて溶解性や成形性の点で劣る。
〔問題点を解決するための手段〕
前記問題点を解決すべく本発明のガラス物品は、電子線
照射を受ける個所に用いられる陰極線管用ガラス製フェ
ースプレートであって、前記ガラス母体には少なくとも
1種のアルカリ金属酸化物が合計量として10〜18重量%
含まれ、かつ、かつ前記アルカリ金属酸化物のうち65重
量%以上を酸化ナトリウムが占め、前記ガラス物品をカ
リウムイオンを含む溶融塩中に漬けておこなうガラス中
のナトリウムイオンと溶融塩中のカリウムイオンとのイ
オン交換により、少なくとも前記個所において、ガラス
表面に圧縮応力層が形成され、かつ、ガラス表面から2
μm以上の深さでかつガラス表面から5μm以下の深さ
の範囲の深さ方向のすべてについて、酸化ナトリウムと
酸化カリウムの含有割合を重量比で、0.32≦Na2O/(Na2
O+K2O)≦0.76としたことを特徴とする電子線着色を防
止した陰極線管用の化学強化されたガラス製フェースプ
レートである。
ガラス中のナトリウムイオンと溶融塩中のカリウムイオ
ンとのイオン交換により生ずるカリウムが内部よりも多
く含まれるガラス表面近傍の層が、電子線照射による着
色を防止し、かつ、圧縮応力を有する機械的強度が大き
い層となるためには、ガラス中に含まれるアルカリ金属
酸化物の含有率は10〜18重量%で、かつ、前記アルカリ
金属酸化物のうち65重量%以上を酸化ナトリウムとする
ことが必要である。
〔作 用〕 本願発明者の研究によると、アルカリ金属酸化物を含有
するガラスに電子線を照射するとガラス最表面にはアル
カリ金属が存在しなくなり、表面から2〜5μm(電子
線速度が大の程深くなる)の位置にアルカリ金属リッチ
な層が出現する。この層のアルカリ金属濃度は母体ガラ
スよりも大でありかつこの層が茶褐色に着色されてい
る。この現象はガラス表層部のアルカリ金属酸化物が電
子線に叩かれるとアルカリ金属原子と酸素との結合が絶
ち切られ、前者はガラス内部に押し込められた後者は気
体であるので外部に逸出し、押し込められたアルカリ金
属原子近傍には余剰の酸素がないので金属原子のままで
存在するので着色が生じるものと考えられる。
先に挙げた特公昭59−27729号において酸化ナトリウム
と酸化カリウムを一定比率範囲で共存させて効果を上げ
ているのはアルカリ金属酸化物を含むガラスのイオン伝
導性に与えるアルカリ金属混合効果を同一と考えられ
る。すなわち、ガラスの電気伝導度はアルカリ金属酸化
物の含有量が多い程大きくなるが、例えばアルカリ金属
としてナトリウム単独の場合に較べナトリウムとカリウ
ムとを混合した場合の方が電気伝導度が小さいという現
象がある。
ガラスのイオン電導はガラス中のアルカリ金属イオンの
移動のし易すさで決るが、別種のアルカリ金属酸化物を
混合して含有するとアルカリ金属イオンが移動しにくく
なるということが知られている。アルカリ金属がナトリ
ウムとカリウムの場合両者のモル比がほぼ1:1(酸化物
重量比でNa2O/(Na2O+K2O)≒0.4)の時に電気伝導度
が最小になることが知られており、この知見は電気絶縁
の目的を有するガラスに広く用いられている。
2種以上のアルカリ金属酸化物を混合することによって
アルカリ金属イオンの移動を小さくできるということは
電子線照射によるガラスの着色防止にも応用できると考
えられる。本願発明は上述の知見に基きなされたもので
ある。
電子線照射による着色層の深さは電子線の加速電圧が大
となる程深くなるが、一般に電子線がガラス中に侵入す
る深さD(cm)は、D=Vp2/β・dで示される。ここで
Vpは電子の加速電圧(ボルト)、dはガラス密度(g/cm
3)、βは定数である。
Vp=21000ボルト、d=2.85g/cm3、β=6.2×1011ボル
ト・cm2/gとするとD=2.5μmとなる。電子線加速電
圧、ガラスの種類など条件の変化を考慮しても電子線の
侵入深さはせいぜい10μmと見ておけば十分である。こ
の程度の深さであれば特に母体ガラス組成を選ばなくと
もイオン交換によってガラス表層のアルカリ金属イオン
の配合比を変更することは容易である。
本願発明の構成から生ずる作用の1つは、イオン交換に
よってガラス表層部に別種のアルカリ金属を混合するこ
とが出来るということと、2つめはガラス中のアルカリ
金属をより原子半径の大きい別種のアルカリ金属とイオ
ン交換することによりガラス表面に圧縮応力層を設ける
ことができる。この圧縮応力層ではガラスを形成するネ
ットワークが圧縮されているので当然の事ながら電子線
が通過する網目面積がせばまり通過し難くなる。
本発明のガラス物品に含有させるべきアルカリ金属酸化
物は当然1種類あればよいのであるが、他の特性例えば
耐水性等を考慮して2種以上含有せしめても構わない。
例えばアルカリ金属酸化物として酸化ナトリウムと酸化
カリウムを共存させ、カリウムを含む溶融塩でイオン交
換しても構わない。但しこの場合には表層部のナトリウ
ムの全量がカリウムと交換してしまわぬ様イオン交換の
温度および時間を調節してやる必要があるとともにイオ
ン交換後のガラス物品表層部の酸化ナトリウムと酸化カ
リウムの重量比率が0.32≦Na2O/(Na2O+K2O)≦0.76と
なるようにするのが好ましく、さらには上記の重量比率
が0.4(モル比でほぼ1:1)にするのがさらに好ましい。
〔実 施 例〕
第1表の組成(A)のガラスを460℃に保持した硝酸カ
リウム融液中に1時間浸漬してイオン交換処理し、試料
No.1とした。イオン交換後のガラス表層部のNa2Oおよび
K2Oの濃度のXMA分析結果を第2表に示す。組成(A)の
ガラスでイオン交換処理しなかったものを試料No.2と
し、第1表組成(B)のガラスでイオン交換処理しなか
ったものを試料No.3とし、試料No.1〜3につき、アノー
ド電圧21KV、カソード電流300μA、面電流密度0.58μA
/cm2、照射時間300時間の条件で電子線照射による400nm
波長光の透過率変化を調べた結果を第3表に示す。第3
表の結果から本発明の試料No.1のガラスは、あらかじめ
K2Oを多量に含有させた試料No.3のガラスと較べて電子
線着色に関して優るとも劣らないものであることが判っ
た。
さらに本発明の応用例として、X線吸収成分として酸化
鉛を用い、X線着色防止剤として酸化セ リウムを含有する第1のガラスと酸化ナトリウムを含
み、表面層をカリウムとイオン交換した第2のガラスと
をクラッドし、イオン交換面を電子線照射面として用い
ると、酸化ストロンチウム・酸化バリウム・酸化ジルコ
ニウムといった高価なガラス原料を用いなくても優れた
性能のブラウン管フェースプレートを作ることができ
る。
〔発明の効果〕
本発明によると、イオン交換という手段によってアルカ
リ金属の混合効果が得られるので、あらかじめガラス母
体中に原料費の高価なアルカリ金属酸化物を加えておく
必要がなく、したがって低コストで済むとともに、イオ
ン交換による圧縮応力層の存在により電子線の侵入を軽
減できるので低コストで電子線着色を防止したガラス物
品が得られる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−105705(JP,A) 特開 昭58−185454(JP,A) 特開 昭56−125245(JP,A) 特開 昭56−169154(JP,A) 特開 昭54−52115(JP,A) 特開 昭58−204842(JP,A) 特公 昭48−6607(JP,B1) 実公 昭48−5144(JP,Y1) 特公 昭59−27729(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子線照射を受ける個所に用いられる陰極
    線管用ガラス製フェースプレートであって、前記ガラス
    母体には少なくとも1種のアルカリ金属酸化物が合計量
    として10〜18重量%含まれ、かつ、前記アルカリ金属酸
    化物のうち65重量%以上を酸化ナトリウムが占め、カリ
    ウムイオンを含む溶融塩中に漬けて行うガラス中のナト
    リウムイオンと溶融塩中のカリウムイオンとのイオン交
    換により少なくとも前記個所において、ガラス表面に圧
    縮応力層が形成され、かつ、ガラス表面から2μm以上
    の深さでかつガラス表面から5μm以下の深さの範囲の
    深さ方向のすべてについて、酸化ナトリウムと酸化カリ
    ウムの含有割合を重量比で、0.32≦Na2O/(Na2O+K2O)
    ≦0.76としたことを特徴とする電子線着色を防止した陰
    極線管用の化学強化されたガラス製フェースプレート。
JP59198776A 1984-09-22 1984-09-22 電子線着色を防止したガラス物品 Expired - Lifetime JPH0742140B2 (ja)

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