JPH0741136U - ピストンピン構造 - Google Patents

ピストンピン構造

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JPH0741136U
JPH0741136U JP7292393U JP7292393U JPH0741136U JP H0741136 U JPH0741136 U JP H0741136U JP 7292393 U JP7292393 U JP 7292393U JP 7292393 U JP7292393 U JP 7292393U JP H0741136 U JPH0741136 U JP H0741136U
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JP
Japan
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piston pin
piston
pin body
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pin
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Application number
JP7292393U
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English (en)
Inventor
英雄 吉村
Original Assignee
株式会社ユニシアジェックス
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジン運転時にピストンが加熱され高温と
なった場合でも、ピストンピン本体とピン孔との間での
局部的な高面圧部位の発生を極力防止し、しかもピスト
ンピン本体の熱膨張促進効果の不足や浮き・剥離・割れ
等の因を無くすべく意図した。 【構成】 鋼材等のピストンピン本体18の材質より大
きな熱膨張係数をもつ例えばアルミニウムで形成された
耐熱性部材19は、基部19aとこの基部19aの一側
部に突出させて形成した環状凸部19bおよび環状凸部
19b内に位置する円柱状凸部19cとで構成し、環状
凸部19bをピストンピン本体18の両端部壁に形成し
た環状凹部18cに圧入し、同じく円柱状凸部10cを
中央孔18bに圧入して、ピストン本体18に耐熱性部
材19をピストンピン本体の外周より表出させずに埋設
した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、自動車等の内燃機関に使用するピストン本体とコネクチングロッド とを連結するピストンピン構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ピストンをアルミニウム材により形成する場合、強度上の理由からピ ストンピンを鋼材により形成することが一般に広く行われている。しかしアルミ ニウム材の熱膨張係数は鋼材よりも大きいため、エンジン運転時にピストンおよ びピストンピンが加熱され温度が高くなると、ピストンのピン孔とピストンピン との嵌合状態がルーズになり、ピン孔内周壁とピストンピンとに擦りが生じてピ ン孔が摩耗し、長期間使用している間に異常音を発生したりピストン損傷の要因 ともなり兼ねなかった。
【0003】 そこで、従来、この種のピストンピン構造においては、図4に示すようにピス トンピン1の本体2は鋼材により形成し、このピストンピン本体2の両端部外周 壁にそれぞれ環状溝2a,2aを形成し、各環状溝2a,2aに、ピストンの材 質、例えばアルミニウム材と同等もしくはそれよりも熱膨張係数の大きい耐熱材 、例えば亜鉛からなるリング状固定部材4,4を埋設して、エンジンの運転時に ピストンが加熱され高温になってもピストンピン1とピン孔との嵌合状態に緩み が生じないようにして、ピン孔の摩耗を防止しようとしていた(例えば、実開昭 59-115835 号公報)。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のピストンピン構造においては、エンジン運転 時ピストンが加熱され高温となった場合、ピストンピン本体2とリング状固定部 材4との物性の差異により、リング状固定部材4の周辺のピストンピン本体2が 、ピン孔との間で局部的な高面圧部位が発生することとなり、この部位での摩耗 を引き起こすこととなり、延いてはこの部位での焼き付きの因ともなり兼ねない 。
【0005】 また、ピストンピン本体2よりも、リング状固定部材4の熱膨張係数が大きい ために、ピストンの加熱時にリング状固定部材4がより大きく熱膨張してしまい 、ピストンピン本体1の熱膨張促進効果の不足や浮き・剥離・割れ等の因ともな り兼ねない。
【0006】 本考案は、かかる点に鑑み、エンジン運転時にピストンが加熱され高温となっ た場合でも、ピストンピン本体とピン孔との間での局部的な高面圧部位の発生を 極力防止し、しかもピストンピン本体の熱膨張促進効果の不足や浮き・剥離・割 れ等の因を無くすべく意図したピストンピン構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案のピストンピン構造は、ピストンピン本体の両端部壁内にピストンピン 本体の材質より大きな熱膨張係数をもつ耐熱性部材を前記ピストンピン外周に表 出させず埋設した。
【0008】 また、請求項2によれば、ピストン本体が中央孔を有する中空体で構成し、前 記中央孔内に前記耐熱制部材を埋設した。
【0009】
【作用】
かかる構成において、エンジン運転時にピストンが加熱されて高温となった場 合、ピストンピン本体の両端部壁内に埋設された耐熱性部材がより大きく膨脹し て、ピストンピン本体の両端部壁すなわちピン孔付近での熱膨張量が、ピストン ピン本体単体のときの熱膨張よりも増長し、ピストンピン本体の両端部壁全体を 膨脹させて、ピストンピン本体がピン孔との間のクリアランスを縮小させ、局部 的な高面圧部の発生を抑える。この場合、耐熱性部材はピストンピン本体に埋設 されているために、より大きく膨脹したとしても、ピストンピン本体の熱膨張促 進効果の不足や浮き・剥離・割れ等の因を無くす。
【0010】 また逆に、ピストンの冷間時には、ピストンピン本体の縮小量より、耐熱性部 材の縮小量が上回ることとなり、ピン孔付近でのピストンピン本体の収縮が促進 され、ピストンピン本体とピン孔との間での締まりばめの状態を緩和する。
【0011】 また、請求項2によれば、エンジン運転時にピストンが加熱されて高温となっ た場合、ピストンピン本体の中央孔両端部壁に埋設された耐熱性部材がより大き く膨脹して、ピストンピン本体とピン孔との間での締まりばめの状態を緩和する 。
【0012】
【実施例】
次に、本考案の一実施例につき、図を用いて説明する。
【0013】 図1は、本考案の一実施例のピストンピン(半断面)によりピストン本体とコ ネクチングロッドとの連結状態を示したピストンの縦断面図である。
【0014】 11はアルミニウム製のピストンで、このピストン11は厚肉のピンボス部1 2、クラウン部13およびエプロン部14を有する。
【0015】 クラウン部13の外周には、図示しないピストンリングが挿着されるリング溝 13a,13b,13cが刻設されている。
【0016】 ピンボス部12は、エプロン部14に連接して設けられており、ピン孔15が 形成されている。ピン孔15には、コネクチングロッド16を連結するピストン ピン17が挿着されている。
【0017】 そして、このピストンピン17の本体18は、中央孔18bを有する中空の鋼 材により形成され、このピストンピン本体18の両端部壁には、それぞれその中 央部に向かって軸方向に行き止まりのスリット18aが少なくとも1条形成され ている。
【0018】 19は前記ピストンピン本体18の材質より大きな熱膨張係数をもつ例えばア ルミニウム等の耐熱性部材であり、図2に示すように、基部19aと基部19a の一側部に突出させて形成した環状凸部19bおよびこの環状凸部19b内に位 置した円柱状凸部19cとで構成している。そして、環状凸部19bは、ピスト ンピン本体18の両端部壁に形成した環状凹部18cに圧入し、又円柱状凸部1 9cは前記中央孔18b内に圧入されている。この結果、ピストンピン本体18 の両端部壁内には、耐熱性部材19がピストンピン本体18の外周に表出させず に埋設されることとなる。基部19aはピストンピン本体18の両端面に当接し 、スナップリング20によりピストンピン本体18と共に抜け止めされている。 そして、基部19aの径は、ピストンピン本体18の径より小さく、ピン孔15 に当接しないようになっている。
【0019】 かかる構成において、エンジン運転時にピストン11が加熱されて高温となっ た場合、ピストンピン本体18の両端部壁に埋設された耐熱性部材19がより大 きく膨脹する。そして、環状凹部18cに埋設された環状凸部19bおよび中央 孔18bに埋設された円柱状凸部19cの膨脹によって、ピストンピン本体18 の両端部壁全体は、ピン孔15付近での熱膨張量がピストンピン17単体のとき の熱膨張よりも増長し、より大きく膨脹する。この結果、ピストンピン本体18 がピン孔15との間のクリアランスを縮小させ、局部的な高面圧部の発生を抑え る。この場合、耐熱性部材19はピストンピン本体18の両端部壁に埋設されて いるために、より大きく膨脹したとしても、ピストンピン本体18の熱膨張促進 効果の不足や浮き・剥離・割れ等の因を無くす。
【0020】 また逆に、ピストン11の冷間時には、ピストンピン本体18の縮小量より、 耐熱性部材19の縮小量が上回ることとなり、ピン孔15付近でのピストンピン 本体18の収縮が促進され、ピストンピン本体18とピン孔15との間での締ま りばめの状態を緩和する。
【0021】 又、ピストンピン本体18の両端部壁に設けたスリット18aも、ピン孔15 との間で高面圧部が発生しないように作用する。
【0022】 なお、上記実施例では、ピストンピン本体18を中空体で構成したが、これに 限るものでなく、棒状体で構成してもよく、この場合、円柱状凸部19cは、形 成されていない。
【0023】 また、ピン孔15およびピストンピン17は、エンジンの運転時に通常200 度位まで上昇するが、この温度以上に耐えられる材質であれば、耐熱性部材19 を合成樹脂材で形成してもよい。
【0024】 図3は本考案の他の実施例を示す。この実施例においては、ピストンピン本体 28は中央孔28bを有する中空体で構成し、中央孔28bには、耐熱性部材2 9が圧入されている。この結果、ピストンピン本体28の両端部壁は拡径するこ ととなる(図3(イ)参照)。この状態より、拡径した両端部壁を削り取り、図 3(ロ)に示すように、ピストンピン本体28の一般径と同一にして、ピストン ピン27を形成する。この場合、耐熱性部材29の外端は、ピストンピン本体2 8の外端と面一となっている。
【0025】 この実施例においても、先の実施例と同様に、エンジン運転時にピストン11 が加熱されて高温となった場合、ピストンピン本体28の中央孔28b両端部壁 に埋設された耐熱性部材29がより大きく膨脹する。そして、耐熱性部材29に よって、ピストンピン本体28の両端部壁全体は、ピン孔15付近での熱膨張量 がピストンピン27単体のときの熱膨張よりも増長し、より大きく膨脹する。こ の結果、ピストンピン本体28がピン孔15との間のクリアランスを縮小させ、 局部的な高面圧部の発生を抑える。この場合、耐熱性部材29はピストンピン本 体28の中空部28bに埋設されているために、より大きく膨脹したとしても、 ピストンピン本体28の熱膨張促進効果の不足や浮き・剥離・割れ等の因を無く す。
【0026】 また逆に、ピストン11の冷間時には、ピストンピン本体28の縮小量より、 耐熱性部材29の縮小量が上回ることとなり、ピン孔15付近でのピストンピン 本体28の収縮が促進され、ピストンピン本体28とピン孔15との間での締ま りばめの状態を緩和する。
【0027】 なお、耐熱性部材29は、エンジン冷間時にも抜け止めされる程度に中央孔1 8bに圧入されていればよいが、この圧入代を大きく取れば、スナップリングを 使用しないタイプのピストンピンにも適用されることもちろんである。
【0028】
【考案の効果】
以上の構成にかかるピストンピン構造は、ピストンピンの本体両端部壁にピス トンピンの材質より大きな熱膨張係数をもつ耐熱性部材を前記ピストンピン本体 の外周に表出させずに埋設して構成するため、エンジン運転時にピストンが加熱 されて高温となった場合、ピストンピン本体の両端部壁に埋設された耐熱性部材 がより大きく膨脹して、ピストンピン本体の両端部壁すなわちピン孔付近での熱 膨張量が、ピストンピン本体単体のときの熱膨張よりも増長し、ピストンピン本 体の両端部壁全体を膨脹させて、ピストンピン本体がピン孔との間のクリアラン スを縮小させ、局部的な高面圧部の発生を抑える。この結果、ピストンピンの短 小化や薄肉化といった軽量化が可能となり、延いてはエンジン全体の低燃費化、 低騒音化に寄与することができる。そして、耐熱性部材はピストンピン本体に埋 設されていることは、耐熱性部材がピストン本体がより大きく膨脹したとしても 、ピストンピン本体の熱膨張促進効果の不足や浮き・剥離・割れ等の因を無くす 。
【0029】 更に、エンジンの冷間時においても、ピストンピン本体の縮小量より、耐熱性 部材の縮小量が上回ることとなり、ピン孔付近でのピストンピン本体の収縮が促 進され、ピストンピン本体とピン孔との間での締まりばめの状態を緩和する。こ の結果、ピン孔によるピストンピンの拘束に起因する焼き付きが防止され、摩耗 の低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例のピストンピン(半断面)に
よりピストン本体とコネクチングロッドとの連結状態を
示したピストンの縦断面図である。
【図2】図1に示す実施例に使用した耐熱性部材の斜視
図である。
【図3】本考案の他の実施例を示すピストンピンの一部
断面図で、(イ)はピストンピンの製作過程の途中を示
し、(ロ)は完成状態を示すものである。
【図4】従来のピストンピンを示す斜視図である。
【符号の説明】
11 ピストン 12 ピンボス部 15 ピン孔 17 ピストンピン 18 ピストンピン本体 18a スリット 18b 中央孔 18c 環状凹部 19 耐熱性部材 19a 基部 19b 環状凸部 19c 円柱状凸部 27 ピストンピン 28 ピストンピン本体 28a スリット 28b 中央孔 29 耐熱性部材

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンピン本体の両端部壁内に、該ピス
    トンピン本体の材質より大きな熱膨張係数をもつ耐熱性
    部材を前記ピストンピン本体外周に表出させずに埋設し
    たことを特徴とするピストンピン構造。
  2. 【請求項2】ピストンピン本体が中央孔を有する中空体
    で構成し、前記中央孔内に前記耐熱性部材を埋設したこ
    とを特徴とする請求項1記載のピストンピン構造。
JP7292393U 1993-12-21 1993-12-21 ピストンピン構造 Pending JPH0741136U (ja)

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