JPH0740976A - 容 器 - Google Patents

容 器

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JPH0740976A
JPH0740976A JP5206952A JP20695293A JPH0740976A JP H0740976 A JPH0740976 A JP H0740976A JP 5206952 A JP5206952 A JP 5206952A JP 20695293 A JP20695293 A JP 20695293A JP H0740976 A JPH0740976 A JP H0740976A
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英樹 黒川
Shunichi Nagasawa
俊一 長沢
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武嗣 国弘
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    • B65D5/00Rigid or semi-rigid containers of polygonal cross-section, e.g. boxes, cartons or trays, formed by folding or erecting one or more blanks made of paper
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    • B65D5/70Break-in flaps, or members adapted to be torn-off, to provide pouring openings
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高いガスバリアー性を備えるとともに、廃棄
処理の問題を生じることのない容器を提供する。 【構成】 容器を構成する基材を紙層を含む積層構造と
し、シール層と紙層との間に位置するバリアー層に無機
酸化物の薄膜を設け、シール層はポリオレフィン系樹脂
により形成し厚みを70〜150μmの範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は容器に係り、特に優れた
ガスバリアー性と廃棄処理性を兼ね備えた容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】果汁類、酒類、ヨーグルト等の液状食品
等を内填する容器として、紙層を中心に各種樹脂層を積
層した基材により形成された容器がある。基材として
は、容器形成性を考慮して熱融着性を有するポリオレフ
ィン系樹脂層を最外面および最内面に具備したものが使
用されていた。また、内容物が酸化されて劣化するのを
防止するために、基材中にバリアー層としてアルミニウ
ム箔層が設けられていた。しかし、基材にアルミニウム
箔層を備えているため、使用済みの容器の廃棄処理が困
難になるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これに対処するため
に、酸素透過性の低い樹脂層を用いてバリアー層を形成
した容器が開発されている。例えば、特開昭63−39
50号、特開昭63−312143号には、エチレン−
ビニルアルコール共重合体(EVOH)の高いガスバリ
アー性に着目して、ポリエチレン(PE)/紙/ポリエ
チレン(PE)/EVOHの4層構造の基材を用いた容
器、PE/紙/EVOH/PEの4層構造の基材を用い
た容器が開示されている。
【0004】しかしながら、EVOHは、水蒸気に接触
するとガスバリアー性が低下するという性質があるた
め、前者の容器のようにEVOH層が直接内容物に接触
する場合、果汁等の液体を長期間に亘って安定して保存
できないという問題がある。また、後者の容器ではEV
OH層と内容物との接触は防止されるが、容器内が高湿
度状態にあると、徐々に水分がEVOH層に達し、ガス
バリアー性の低下を生じるという問題があった。
【0005】本発明は、上述のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、高いガスバリアー性を備えるととも
に、廃棄処理の問題を生じることのない容器を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は紙層と、該紙層の外側に形成された
ポリオレフィン系樹脂層と、前記紙層の内側にカルボキ
シル基含有ポリエチレン樹脂層を介して形成され無機酸
化物の薄膜を有するバリアー層と、該バリアー層の内側
にポリオレフィン系樹脂により形成されたシール層とを
備え、前記シール層の厚みが70〜150μmの範囲に
ある基材を、前記ポリオレフィン系樹脂層が外表面とな
るようにして製函した構成である。
【0007】
【作用】容器を構成する基材が積層構造を有し、シール
層と紙層との間に位置するバリアー層は無機酸化物の薄
膜を有するため、シール層を透過した水蒸気にバリアー
層が接触しても、そのガスバリアー性が低下することは
なく、優れたガスバリアー性が得られ、さらに、シール
層はポリオレフィン系樹脂により形成され厚みが70〜
150μmの範囲にあるため、容器形成時にシール層に
供給された熱はシール層で遮断され、熱による無機酸化
物薄膜の破壊が有効に防止される。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0009】図1は本発明の容器の一例を示す斜視図で
ある。図1において、容器1は基材11を用いて製函さ
れたカートン形式の容器であり、有底の胴部2と、この
胴部2に連設された頂部3とを有している。また、頂部
3には開口部(図示せず)が設けられ、この開口部に注
出部材21が装着されている。
【0010】図2は容器1を構成する基材11の概略断
面図である。図2において、基材11は紙層12と、こ
の紙層12の一方の面にアンカーコート層13を介して
形成されたポリオレフィン系樹脂層14、紙層12の他
方の面にアンカーコート層15を介して形成されたカル
ボキシル基含有ポリエチレン樹脂層16、このカルボキ
シル基含有ポリエチレン樹脂層16にアンカーコート層
17を介して積層されたバリアー層18、シール層19
とからなる積層構造を有している。そして、ポリオレフ
ィン系樹脂層14が容器1の外面を構成し、シール層1
9が容器1の内面を構成している。
【0011】基材11を構成する紙層12は、坪量10
0〜500g/m2 程度が好ましい。この紙層12に積
層されるポリオレフィン系樹脂層14は、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、特に低
密度ポリエチレンにより形成することができ、その厚さ
は10〜50μm程度が好ましい。そして、ポリオレフ
ィン系樹脂層14の表面にはコロナ放電処理が施され、
印刷インキとの密着性が向上されている。
【0012】カルボキシル基含有ポリエチレン樹脂層1
6は紙層12とバリアー層18とを接着するための層で
あり、厚さは10〜60μm程度が好ましい。使用する
カルボキシル基含有ポリエチレン樹脂としては、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、(EAA)、エチレン−メタ
クリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマー樹脂、エ
チレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルア
クリレート−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
【0013】バリアー層18は、樹脂フィルム18aの
一方の面に形成した無機酸化物薄膜18bとの2層積層
構造をなし、シール層19側に無機酸化物薄膜18bが
位置している。
【0014】樹脂フィルム18aとしては、ポリエステ
ル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチ
レン樹脂等のフィルムを用いることができる。また、こ
れらの樹脂フィルムは、一軸または二軸延伸処理を施し
たもの、コロナ放電処理、低温プラズマ処理等の放電処
理を施したもの、シランカップリング剤塗布、プライマ
ー塗布、サンドプラスト処理等の表面処理を施し、無機
酸化物薄膜18bとの接着性を向上させたものであって
もよい。この樹脂フィルム18aの厚さは5〜30μm
程度が好ましい。
【0015】上記の樹脂フィルム18aの一方の面に形
成される無機酸化物薄膜18bは、例えばケイ素酸化物
(SiOx )、酸化アルミニウム(Al23 )等の薄
膜で構成される。無機酸化物薄膜18bを形成する方法
としては、特に制限はなく、イオンビーム法、電子ビー
ム法等の真空蒸着法、スパッタリング法等がある。
【0016】このような無機酸化物薄膜18bの厚さ
は、十分なバリアー性を得るために、通常、10nm以
上であり、特に20〜150nmの範囲が好ましい。無
機酸化物薄膜18bの厚さが150nmを越えると、無
機酸化物薄膜18bにクラックが入り易くなり、ガスバ
リアー性が低下する危険性があるとともに、材料コスト
が割高となり好ましくない。
【0017】尚、無機酸化物薄膜18bは、例えば一酸
化ケイ素と二酸化ケイ素との混合物、ケイ素酸化物と酸
化アルミニウムとの混合物等であってもよい。
【0018】シール層19は、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン系樹脂、特に低密度ポリエチ
レンにより形成することができ、その厚さは70〜15
0μm程度、好ましくは80〜120μm程度である。
シール層19の厚さを上記の範囲に設定することによ
り、基材11を用いて容器1を形成する時に基材11に
供給された熱から無機酸化物薄膜18bを保護すること
ができる。すなわち、基材11の外側(ポリオレフィン
系樹脂層14側)から供給された熱は、紙層12により
遮断されて無機酸化物薄膜18bまで至らないが、基材
11の内側(シール層19側)に供給された熱は、シー
ル層に隣接する無機酸化物薄膜18bに到達しやすく、
無機酸化物薄膜破壊の危険性がある。しかし、シール層
19の厚さが上記の範囲にあることにより、シール層1
9側に供給された熱は、シール層19において吸収、遮
断され、熱による無機酸化物薄膜の破壊が有効に防止さ
れることになる。
【0019】上記のような基材11を形成する場合、例
えば次のようにして形成することができる。まず、樹脂
フィルムの片面に無機酸化物薄膜が形成されているバリ
アー層18を構成するためのフィルムと、シール層19
を構成するためのフィルムとをドライラミネートして積
層フィルムAを作成する。この場合、バリアー層18を
構成するためのフィルムは、無機酸化物薄膜が形成され
ている面においてシール層に積層される。次に、アンカ
ーコート剤層を介して、上記の積層フィルムAのバリア
ー層18側にカルボキシル基含有ポリエチレン樹脂を押
し出しラミネートして、積層フィルムBを形成する。こ
の積層フィルムBは、図2において16b〜19で示さ
れる部分に相当する。その後、紙層12を構成するため
の紙基材と、上記の積層フィルムBとを、溶融押し出し
されたカルボキシル基含有ポリエチレン樹脂によりラミ
ネート(サンドラミ)して、積層体Cを作成する。この
積層体Cは、図2において12〜19で示される部分に
相当する。この段階で、カルボキシル基含有ポリエチレ
ン樹脂層16aと16bとが一体となってカルボキシル
基含有ポリエチレン樹脂層16が形成される。そして、
この積層体Cの紙層上にポリオレフィン系樹脂を押し出
しラミネートすることにより基材11が作成される。こ
の際、ポリオレフィン系樹脂は、積層体Cに融着する面
と反対側をコロナ処理される。
【0020】このような基材11を用いた容器1の形成
は、ヒートシール法、超音波シール法等の公知の手段を
用いて行うことができる。
【0021】次に、容器1の頂部3に設けられた開口部
と、この開口部に装着された注出部材21について説明
する。
【0022】図3は、図1に示される容器の III−III
線断面図である。図3において、容器1を構成する基材
11の頂部3部分に開口部4が形成されて、この開口部
4を覆うように容器内側から密封部材31が、容器外側
から密封部材35がそれぞれ固着されている。そして、
密封部材35上には、注出部材21が固着されている。
【0023】使用する密封部材のうち、密封部材31
は、バリアー性樹脂層の両側にポリオレフィン系樹脂層
を設けた3層構成の積層体であることが好ましい。この
場合、バリアー性樹脂層としては、例えば、塩化ビニリ
デンをコートしたポリエチレンテレフタレート(PE
T)樹脂により形成することができる。また、ポリオレ
フィン系樹脂層は、上記のポリオレフィン樹脂を用いて
形成することができる。このような密封部材31の厚さ
は20〜100μm程度、バリアー性樹脂層の厚さは5
〜30μm程度、各ポリオレフィン系樹脂層の厚さは5
〜40μm程度とすることが好ましい。
【0024】また、密封部材35は、ポリエチレンテレ
フタレート樹脂等のポリエステル樹脂層の両側にポリオ
レフィン系樹脂層を設けた3層構成の積層体であること
が好ましい。この場合、ポリオレフィン系樹脂層は、上
記のポリオレフィン樹脂を用いて形成することができ、
密封部材35の厚さは30〜100μm程度、ポリエス
テル樹脂層の厚さは6〜20μm程度、各ポリオレフィ
ン系樹脂層の厚さは10〜40μm程度とすることが好
ましい。
【0025】そして、上記のような密封部材31,35
は、開口部4内において互いに熱融着されて一体化部3
9を形成している。
【0026】注出部材21は、密封部材35上に固着す
るためのフランジ23を周辺下部に備えた基部22と、
基部22に着脱可能に螺着されたキャップ25と、この
キャップ25内に形成されたカッター系合部26に着脱
可能に螺着されたカッター27とを有している。注出部
材21の基部22は、図4に示されるように円筒状をな
し周辺下部にフランジ23を備え、外周面にはネジ部2
2aが形成されている。また、基部22の内周面には軸
方向に沿ってガイド部24,24が互いに対向するよう
に配設されている。そして、注出部材21のフランジ2
3の下面と密封部材35とを超音波シール等のヒートシ
ールにより固着することにより、注出部材21が容器1
の頂部3に装着される。
【0027】また、キャップ25は、図5に示されるよ
うに上部閉塞部25aを有する円筒状キャップであり、
その内周面にはネジ部25bが形成され、このネジ部2
5bと基部22のネジ部22aとを螺合することにより
キャップ25は基部22に螺着される。また、キャップ
25の内側には上部閉塞部25aから突出するように円
筒状のカッター係合部26が設けられており、その外周
面にはネジ部26aが形成されている。
【0028】カッター27は、図4に示されるように円
筒形状をなし、基部22の内側に上下動可能に挿入され
る寸法を有する。このカッター27の外周面にはガイド
溝28が形成されており、このガイド溝28に上記のガ
イド部24,24を係合するようにして基部22内にカ
ッター27が挿入されるので、基部22内におけるカッ
ター27の回転が防止される。また、カッター27の内
周面にはネジ部27aが形成されており、このネジ部2
7aとカッター係合部26のネジ部26aとを螺合する
ことにより、カッター27はキャップ25のカッター係
合部26に螺着される。さらに、カッター27に下端部
には、後述するように密封部材31と密封部材35との
一体化部分39を押し切るための刃29が形成されてい
るとともに、切欠き部27bが設けられている。
【0029】このような注出部材21から内容物を注出
しる時には、まず、キャップ25を回転させて基部22
から取り外す。図6は、このときの状態を説明するため
の断面図である。図6に示されるように、キャップ25
が回転されて基部22の軸方向上方に移動すると、カッ
ター27は基部22の軸方向下方へ移動する。これは、
キャップ25の回転にともなってカッター係合部26も
回転するが、このカッター係合部26に形成されている
ネジ部16aのピッチがキャップ25に形成されている
ネジ部25bのピッチよりも大きいため、ガイド突部2
4により自身の回転が防止されているカッター27が、
カッター係合部26の回転により基部22の内側をキャ
ップ25に移動方向と逆方向へ進むためである。そし
て、基部22の内側をその軸方向下方へカッター27が
移動することにより、カッター27の先端の刃29は、
密封部材31と密封部材35との一体化部分39に当接
し、さらにカッター27が移動することにより一体化部
39が押し切られて開封される。このとき、カッター2
7の先端には切欠き部27bが形成されているので、上
記の一体化部39のうち刃29により囲まれた部分は、
切欠き部27bが位置する箇所で一体化部39の他の部
分と接続されたままとなり、容器内への落下が防止され
る。そして、キャップ25が基部22から取り外される
と、カッター27もカッター係合部26に螺合した状態
で基部22の内側から引き出される。
【0030】このようにして、密封部材31と密封部材
35との一体化部分39を開封した後は、カッター27
は不要となるので、キャップ25から取り外してもよ
い。また、注出部材21を閉じる場合は、キャップ25
のみを基部22に螺着すればよい。
【0031】次に、実験例を示して本発明を更に詳細に
説明する。 (実験例) 試料1の作成:まず、片面にケイ素酸化物(SiO2
の蒸着薄膜(厚さ50nm)を有する二軸延伸ポリエス
テルフィルム(三菱化成(株)製 テックバリアー、厚
さ12μm)をバリアー層を構成する樹脂フィルムとし
て使用し、この樹脂フィルムのケイ素酸化物薄膜側に、
低密度ポリエチレン樹脂フィルム(大日本樹脂(株)製
SKL、厚さ100μm)をドライラミネートしてシー
ル層とし、積層フィルムAを作成した。
【0032】次に、積層フィルムAの二軸延伸ポリエス
テルフィルム面に、アンカーコート剤(武田薬品工業
(株)製 タケラックA−310/タケネートA−3)
を塗布(塗布量150mg/m2 )し、このアンカーコー
ト層上にエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)
を押し出しラミネート(厚さ15μm)して、積層フィ
ルムBを形成した。
【0033】次に、坪量400g/m2 の紙の片面にア
ンカーコート剤(日本触媒化学工業(株)製 P−10
0)を塗布(塗布量150mg/m2 )し、この紙基材の
アンカーコート層面上に溶融EMAAを押し出しながら
上記の積層フィルムBのEMAA層を熱融着(サンドラ
ミ)して積層体Cを作成した。
【0034】その後、積層体Cの紙基材上にポリエチレ
ン樹脂(三井石油化学工業(株)製ミラソン16sp)
を押出しラミネートしてポリエチレン樹脂層(厚さ30
μm)を形成し基材を作成した。この際、溶融押し出し
されるポリエチレン樹脂の積層体Cに融着する面と反対
側をコロナ処理した。
【0035】上記のように作成した基材を用いて容量1
800 cc のゲーベルトップカートン容器(試料1)を
作成した。
【0036】試料2の作成:シール層として、低密度ポ
リエチレン樹脂フィルム(大日本樹脂(株)製 SK
L、厚さ60μm)を用いた他は、上記の試料1と同様
にして基材を作成し、この基材を使用して容量1800
cc のゲーベルトップカートン容器(試料2)を作成し
た。
【0037】上述のようにして作成した各容器(試料
1、2)について、食用油を充填して、40℃、80%
RHの雰囲気中に120日間保管し、その後、開封して
過酸化物価を測定して評価した。
【0038】
【表1】 表1に示されるように本発明の容器である試料1は、優
れたガスバリアー性を備えているが、比較としての試料
2は、容器作成のヒートシール段階で、熱によりケイ素
酸化物薄膜の破壊が生じ、ガスバリアー性の劣化が認め
られた。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば容
器が積層構造であり、バリアー層として無機酸化物の薄
膜を有しアルミニウム箔層を備えていないため、使用済
みの容器の廃棄処理が容易であるとともに優れたガスバ
リアー性が得られ、さらに、シール層を構成するポリオ
レフィン系樹脂の厚みが70〜150μmの範囲にある
ため、容器形成時にシール層に供給された熱はシール層
で吸収、遮断され、熱による無機酸化物薄膜の破壊が有
効に防止され、容器は安定したガスバリアー性を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の容器を構成する基材の概略断面図であ
る。
【図3】図1に示される容器の III−III 線断面図であ
る。
【図4】注出部材の基部とカッターを示す斜視図であ
る。
【図5】注出部材の構成部材であるキャップを示す斜視
図である。
【図6】注出部材の開封状態を説明するための図3相当
図である。
【符号の説明】
1…容器 2…胴部 3…頂部 4…開口部 11…基材 12…紙層 14…ポリオレフィン樹脂層 14…ポリサンド層 15…バリアー層 16…カルボキシル基含有ポリエチレン樹脂層 18…バリアー層 18a…樹脂フィルム層 18b…無機酸化物薄膜 19…シール層 21…注出部材 31,35…密封部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙層と、該紙層の外側に形成されポリオ
    レフィン系樹脂層と、前記紙層の内側にカルボキシル基
    含有ポリエチレン樹脂層を介して形成され無機酸化物の
    薄膜を有するバリアー層と、該バリアー層の内側にポリ
    オレフィン系樹脂により形成されたシール層とを備え、
    前記シール層の厚みが70〜150μmの範囲にある基
    材を、前記ポリオレフィン系樹脂層が外表面となるよう
    にして製函したことを特徴とする容器。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン系樹脂層は、表面が
    コロナ処理されたものであることを特徴とする請求項1
    記載の容器。
  3. 【請求項3】 前記容器は開口部を有し、該開口部を覆
    うように容器内側から密封部材が固着され、該密封部材
    はバリアー性樹脂層の両側にポリオレフィン系樹脂層を
    設けた3層構成の積層体であることを特徴とする請求項
    1または2記載の容器。
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