JP3953618B2 - ラミネ−トチュ−ブ容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラミネ−トチュ−ブ容器に関し、更に詳しくは、例えば、練り歯磨き、食品、化粧品、医薬品、その他等の内容物の充填包装に適する押し出しラミネ−トチュ−ブ容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、練り歯磨き、粘体状食品等を充填包装するに適する押し出しラミネ−トチュ−ブ容器としては、種々のものが提案されている。
通常、ラミネ−トチュ−ブ容器は、最外層、基材層、および最内層を順次に積層してなる積層材を使用し、該積層材の両端部の最外層と最内層の面を重ね合わせてその対向面をヒ−トシ−ルして筒状胴部を製造し、該筒状胴部の一方の開口部に口部、肩部を形成し、これにキャップを螺合させ、他方、上記の筒状胴部の他方の開口部から内容物を充填し、しかる後該開口部を密閉シ−ルして包装製品を製造している。
而して、上記のようなラミネ−トチュ−ブ容器においては、筒状胴部を製造する際に、積層材の両端部の最外層と最内層の面を重ね合わせてその対向面をヒ−トシ−ルすることから、該最外層と最内層を構成する材料としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アイオノマ−樹脂、酸変性ポリエチレン系樹脂もしくはポリプロピレン系樹脂、その他等のヒ−トシ−ル性を有する樹脂のフィルムないしシ−トが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のラミネ−トチュ−ブ容器において、最外層と最内層を構成する材料として、上記のようなヒ−トシ−ル性を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用する場合、シ−ルの安定性に問題点があり、例えば、内容物を充填包装し、該包装製品を貯蔵し、あるいは市場で陳列販売しているとその底部あるいは胴部等のシ−ル部から内容物が滲出することがある。
また、流通過程等の取り扱い中に包装製品を過って落下する場合、その落下等の衝撃でシ−ル部が破れるという問題点もある。
更にまた、上記のラミネ−トチュ−ブ容器に充填包装される内容物は、通常、練り歯磨き、練り香辛料、軟膏薬、クリ−ム等の化粧品等のように香料、その他等の浸透性、透過性等の高い成分を含むものであり、この結果、それらの成分は、内容物側のヒ−トシ−ル性を有する樹脂のフィルム層を通して積層材を構成するバリア−層中に達し、そのヒ−トシ−ル性を有する樹脂のフィルム層とそのバリア−層との間でデラミ現象を発生し、その両者の層間で剥離して、ラミネ−トチュ−ブ容器のシ−ル性強度等を更に著しく低下させ、流通過程で内容物が漏洩するという問題点もある。
そこで本発明は、シ−ルの強度が強く、かつシ−ルの安定性に富み、更に、デラミ現象等も起こさず内容物等の漏洩等のないラミネ−トチュ−ブ容器を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく鋭意研究した結果、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体に着目し、これをラミネ−トチュ−ブ容器を構成する最外層および最内層のいずれか一方、またはその両者に使用し、これをヒ−トシ−ル性を有する樹脂のフィルムとして筒状胴部を製造し、該筒状胴部を使用してラミネ−トチュ−ブ容器を製造し、これに練り歯磨き等の内容物を充填包装したところ、シ−ルの安定性に優れ、内容物の漏洩等も認められず、またデラミ等の現象もなく、内容物の保香性、保存性等に極めて優れているラミネ−トチュ−ブ容器を製造し得ることを見出して本発明を完成したものである。
【0005】
すなわち、本発明は、最外層、基材層、および最内層を順次に積層してなる積層材を使用し、該積層材の両端部の最外層と最内層の面を重ね合わせてその対向面をヒ−トシ−ルして胴部を製造し、該胴部から構成してなるラミネ−トチュ−ブ容器において、最外層および最内層のいずれか一方、またはその両者をメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層で構成してなることを特徴とするラミネ−トチュ−ブ容器に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
まず、本発明にかかるラミネ−トチュ−ブ容器の構成について図面を用いて説明すると、まず、図1、図2および図3は、本発明にかかるラミネ−トチュ−ブ容器を構成する積層材の層構成の一例を示す概略的断面図である。
上記の積層材としては、図1に示すように、外側から、最外層1、基材層2、および最内層3としてのメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層3aを順次に積層した積層材A、あるいは、図2に示すように、外側から、最外層1としてのメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層1a、基材層2、および最内層3を順次に積層した積層材B、更に、図3に示すように、外側から、最外層1としてのメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層1a、基材層2、および最内層3としてのメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層3aを順次に積層した積層材C等を使用することができる。
【0007】
更に、本発明にかかるラミネ−トチュ−ブ容器を構成する積層材としては、上記の積層材に限定されるものではなく、別の形態の積層材を使用することができる。
図示しないが、本発明にかかるラミネ−トチュ−ブ容器を構成する別の形態の積層材としては、上記の図1に示す積層材Aにおいて、最外層1と基材層2との間、あるいは基材層2と最内層3としてのメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層3aとの間、あるいはその両者の間に、中間層等を積層させた積層材であってもよい。
更に、上記の図2に示す積層材Bにおいても、上記と同様に、最外層1としてのメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層1aと基材層2との間、あるいは基材層2と最内層3との間、更には、その両者の間に、中間層等を積層させた積層材であってもよい。
また、上記の図3に示す積層材Cにおいても、上記と同様に、最外層1としてのメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層1aと基材層2との間、あまいは、基材層2と最内層3としてのメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層3aとの間、更には、その両者の間に、中間層等を積層した積層材であってもよい。
【0008】
本発明において、上記のような中間層等を積層した積層材についてその一例を図示すると、図4は、本発明にかかるラミネ−トチュ−ブ容器を構成する別の形態の積層材の層構成を示す断面図であり、すなわち、図4に示すように、本発明においては、最外層1、基材層2、中間層4、および最内層3としてのメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層3aとを順次に積層した積層材D等も使用することができる。
【0009】
次に、本発明において、上記のような積層材を使用して、本発明にかかるラミネ−トチュ−ブ容器を製造する一例を挙げれば、図5は、上記の図1に示す積層材Aを使用して製造した本発明にかかるラミネ−トチュ−ブ容器の構成を示す概略的半断面図である。
図5に示すように、まず、上記の積層材Aを丸めて、その端縁を重ね合わせ、その重合端部を溶着して溶着部5を形成して筒状胴部6を製造し、該筒状胴部6をラミネ−トチュ−ブ容器を構成する筒状胴部とするものである。
次いで、本発明においては、上記の筒状胴部6の一方の開口部の上部に、ラミネ−トチュ−ブを構成する肩部7、口部8等を常法に従って形成し、更に該口部8に密閉するキャップ9を取り付けて、本発明にかかるラミネ−トチュ−ブ容器Eを製造するものである。
而して、上記で製造したラミネ−トチュ−ブ容器Eは、筒状胴部6の他方の開口部の下端部より、例えば、練り歯磨き等の内容物10を適量分だけ充填包装し、しかる後該開口部を溶着して底溶着部11を形成して、内容物を充填包装したチュ−ブ包装体を製造することができる。
上記に挙げた例は、本発明の積層材およびそれを使用したラミネ−トチュ−ブ容器Bの一例を例示したにしか過ぎないものであり、これによって本発明は限定されるものではない。
【0010】
次に、本発明において、上記のような積層材、ラミネ−トチュ−ブ容器等を構成する材料について説明する。
まず、本発明において、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体について説明すると、かかるメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体としては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して重合してなるエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。
メタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト触媒とも呼ばれているものである。
具体的には、三菱化学株式会社製の商品名「カ−ネル」、三井石油化学工業株式会社製の商品名「エボリュ−」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティ−(AFFINITY)、商品名「エンゲ−ジ(ENGAGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用することができる。
而して、本発明において、上記のようなメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層としては、そのフィルムないしシ−ト、あるいはその共重合体を含む組成物によるコ−ティング膜等の状態で使用することができ、それによって、最内層または最外層、もしくはその両者の層を構成するヒ−トシ−ル性を有する樹脂のフィルムないしシ−トとして機能するものである。
その膜もしくはフィルムないしシ−トの厚さとしては、5μmないし300μm位、好ましくは、10μmないし100μm位が望ましい。
特に、本発明において、ヒ−トシ−ル性を有するフィルムとしては、50μmないし90μm位が最も望ましいものである。
【0011】
次に、本発明において、最外層または最内層を上記のようなメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層で構成しない場合、該最外層または最内層を構成する材料としては、前述のように、積層材を丸めてその重合端部を溶着して筒状胴部を製造することから、加熱により溶融して相互に融着することができるヒ−トシ−ル性を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましい。
更に、上記の最内層を構成する材料としては、内容物と接触することから、更に、耐ストレスクラック性、耐保香性等を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましい。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテンポリマ−、エチレン−アクリル酸共重合体またはエチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体を酸変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
而して、上記のフィルムないしシ−トは、その樹脂を含む組成物によるコ−ティング膜の状態で使用することができる。
その膜もしくはフィルムないしシ−トの厚さとしては、5μmないし300μm位、好ましくは、10μmないし100μm位が望ましい。
【0012】
ところで、本発明において、図示しないが、上記のメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層としては、例えば、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用し、多層Tダイキャスト成形製膜法、多層インフレ−ション製膜法、あるいは、多層共押し出しラミネ−ト製膜法等により製膜化してなる多層の樹脂層からなるものでもよい。
更に、本発明において、図示しないが、上記のメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層としては、例えば、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体と上記のヒ−トシ−ル性を有する樹脂とを使用し、こられを多層Tダイキャスト成形製膜法、多層インフレ−ション製膜法、あるいは、多層共押し出しラミネ−ト製膜法等により製膜化してなる3〜7層位の多層の樹脂層からなるものでもよい。
上記の3〜7層位の多層の樹脂層において、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層は、それを使用した積層材の状態において、その積層材を構成する表面および/または裏面に、少なくとも、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層が位置するような多層の樹脂層からなることが好ましいものである。
上記において、多層の樹脂層を製膜化する場合、使用する樹脂の密度、分子量等を変え、例えば、低密度のものから高密度のものへと順に積層してなる多層の樹脂層を製膜化して、多層の樹脂層とすることもできる。
【0013】
次に、本発明において、基材層を構成する材料としては、該基材層が本発明にかかるラミネ−トチュ−ブ容器を構成する積層材の基本素材となることから、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、特に、強度を有して強靱であり、かつ耐熱性を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができ、具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−ト、その他等を使用することができる。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
そのフィルムの厚さとしては、5μmないし100μm位、好ましくは、10μmないし50μm位が望ましい。
なお、本発明においては、上記のような基材フィルムには、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が施されていてもよい。
【0014】
次にまた、本発明において、上記の基材層を構成する材料としては、例えば、紙層を構成する各種の紙基材を使用することができ、具体的には、本発明において、紙基材としては、賦型性、耐屈曲性、剛性等を持たせるものであり、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは純白ロ−ル紙、クラフト紙、板紙、加工紙等の紙基材、その他等を使用することができる。
上記において、紙層を構成する紙基材としては、坪量約80〜600g/m2 位のもの、好ましくは、坪量約100〜450g/m2 位のものを使用することが望ましい。
勿論、本発明においては、紙層を構成する紙基材と、上記に挙げた基材フィルムとしての各種の樹脂のフィルムないしシ−ト等を併用して使用することができる。
【0015】
次にまた、本発明においては、中間層を構成する材料について説明すると、かかる中間層としては、例えば、バリア−性を有する基材等を使用することもでき、而して、かかるバリア−性を有する基材としては、太陽光等の光を遮光する性質、あるいは水蒸気、水、ガス等を透過しない性質等を有する材料を使用することができ、これは、単体の基材でもよく、あるいは二種以上の基材を組み合わせてなる複合基材等であってもよい。
具体的には、例えば、遮光性とバリア−性を有するアルミニュウム箔またはその蒸着膜を有する樹脂のフィルム、バリア−性を有する酸化珪素、酸化アルミニュウム等の無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂のフィルム、水蒸気、水等のバリア−性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシ−ト、ガスバリア−性を有するポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコ−ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂のフィルムないしシ−ト、樹脂に顔料等の着色剤を、その他、所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂のフィルムないしシ−ト等を使用することができる。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5μmないし300μm位、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
更に、上記において、アルミニュウム箔としては、5μmないし30μm位の厚さのもの、また、アルミニュウムまたは無機酸化物の蒸着膜としては、厚さ100Åないし2000Å位のものを使用することができる。
また、上記の蒸着膜を支持する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカ−ボネ−トフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコ−ルフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、その他等を使用することができる。
【0016】
更に、上記において、上記の無機酸化物の蒸着膜層を構成する無機酸化物としては、例えば、ケイ素酸化物(SiOx )、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム等を使用することができる。
更に、本発明においては、無機酸化物としては、一酸化ケイ素と二酸化ケイ素との混合物、あるいはケイ素酸化物と酸化アルミニウムとの混合物であってもよい。
而して、本発明において、無機酸化物の薄膜層を形成する方法としては、イオンビ−ム法、電子ビ−ム法等の真空蒸着法、スパッタリング法等によって蒸着膜を構成することによって形成することができる。
上記において、無機酸化物の薄膜層の厚さとしては、十分なバリア−性を得るために、通常、10nm〜200nm位であることが好ましく、特に、本発明においては、20〜150nm位が望ましい。
上記において、無機酸化物の薄膜層の厚さが、150nmを超えると、特に、200nmを超えると、無機酸化物の薄膜層にクラック等が入りやすくなり、そりによりバリア−性が低下するという危険性があると共に、材料コストが高くなるという問題点であるので好ましくはない。
【0017】
ところで、通常、包装用容器は、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれることから、包装用容器を構成する積層材には、厳しい包装適性が要求され、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホ−ル性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が要求され、このために、本発明においては、上記のような材料の他に、上記のような諸条件を充足するその他の材料を任意に使用することができ、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0018】
次に、上記の本発明において、上記のような材料を使用して、本発明にかかる積層材を製造する方法について説明すると、かかる方法としては、通常の包装材料をラミネ−トする方法、例えば、ウエットラミネ−ション法、ドライラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネ−ション法、押し出しラミネ−ション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネ−ション法、インフレ−ション法、その他等で行うことができる。
而して、本発明においては、上記のラミネ−トを行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施すことができ、また、例えば、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系、その他等のラミネ−ト用接着剤等の公知のアンカ−コ−ト剤、接着剤等を使用することができる。
【0019】
ところで、上記のような積層材の製造法において、押し出しラミネ−トする際の接着性樹脂層を構成する押し出し樹脂としては、例えば、ポリエチレン、エチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブテン、ポエイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、あるいはエチレン−アクリル酸共重合体等のエチレンと不飽和カルボン酸との共重合体、あるいはそれらを変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、その他等を使用することができる。
また、本発明において、ドライラミネ−トする際の接着剤層を構成する接着剤としては、具体的には、ドライラミネ−ト等において使用される2液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエ−テルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、エボキシ系接着剤、ゴム系接着剤、その他等を使用することができる。
【0020】
次に、本発明においては、本発明にかかるラミネ−トチュ−ブ容器を製造するに際し、例えば、筒状胴部を製造する際のヒ−トシ−ルする方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル、火炎シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
【0021】
次に本発明においては、上記で製造した積層材を使用し、まず、それを丸めてその重合端部を溶着して押し出しラミネ−トチュ−ブを構成する筒状胴部を製造し、次にその上方に、例えば、高密度ポリエチレン等を射出成形、その他の成形法で成形溶着して肩部および口部を形成し、しかる後その口部にキャップを取り付けて、本発明にかかる押し出しラミネ−トチュ−ブ容器を製造する。
而して、本発明においては、上記で製造した押し出しラミネ−トチュ−ブ容器の下端部の開口部から充填包装する内容物を充填し、次いでその開口部をヒ−トシ−ルして底溶着部を形成して、チュ−ブ包装体を製造することができる。
上記において、充填包装する内容物としては、例えば、練り歯磨き、化粧品、糊、練りがらし、練りわさび、クリ−ム、絵の具、軟膏、医薬品、その他等を挙げることができる。
上記において、ラミネ−トチュ−ブ容器の肩部、頭部等を構成する材料として、上記のような高密度ポリエチレンの他に、更に、前述のメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体等を使用することもできる。
【0022】
【実施例】
次に本発明について実施例を挙げて更に具体的に本発明を説明する。
参考例1
酸化珪素(SiOx)蒸着層を有する厚さ12μの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのポリエチレンテレフタレ−トフィルム面に、エチレン−メタクリル酸共重合体を厚さ25μmで押し出しながら、厚さ80μmのメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルム(三菱化学株式会社製、商品名 カ−ネル)をラミネ−トした。
次に、上記で製造したラミネ−トフィルムの酸化珪素(SiOx)蒸着層面に二液硬化型のウレタン系接着剤を5g(dry)/m2 の割合で塗布し、該塗布面に厚さ100μの乳白低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−ション法により積層した。
更に、上記の乳白低密度ポリエチレンフィルムの片面と裏刷印刷した厚さ80μの低密度ポリエチレンフィルムの印刷面をサンドラミネ−ション法によりサンド層が厚さ30μになるように押し出しポリエチレン層で貼り合わせて、下記の層構成からなるラミネ−トチュ−ブ容器用積層シ−トを製造した。
(外)厚さ80μ・低密度ポリエチレンフィルム/印刷層/厚さ30μ・ポリエチレン層/厚さ100μ・乳白低密度ポリエチレンフィルム/接着剤層/酸化珪素蒸着膜を有する厚さ12μ・ポリエチレンテレフタレ−トフィルム/厚さ25μm・エチレン−メタクリル酸共重合体層/厚さ80μ・メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルム
【0023】
参考例2
酸化珪素(SiOx)蒸着層を有する厚さ12μの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのポリエチレンテレフタレ−トフィルム面に、低密度ポリエチレンを厚さ25μmで押し出しながら、厚さ80μmのメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルム(三菱化学株式会社製、商品名 カ−ネル)をラミネ−トした。
次に、上記で製造したラミネ−トフィルムの酸化珪素(SiOx)蒸着層面に二液硬化型のウレタン系接着剤を5g(dry)/m2 の割合で塗布し、該塗布面に厚さ100μの乳白低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−ション法により積層した。
更に、上記の乳白低密度ポリエチレンフィルムの片面と裏刷印刷した厚さ80μのメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルム(三菱化学株式会社製、商品名 カ−ネル)の印刷面をサンドラミネ−ション法によりサンド層が厚さ30μになるように押し出し低密度ポリエチレン層で貼り合わせて、下記の層構成からなるラミネ−トチュ−ブ容器用積層シ−トを製造した。
(外)厚さ80μ・メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルム/印刷層/厚さ30μ・低密度ポリエチレン層/厚さ100μ・乳白低密度ポリエチレンフィルム/接着剤層/酸化珪素蒸着膜を有する厚さ12μ・ポリエチレンテレフタレ−トフィルム/厚さ25μm・低密度ポリエチレン層/厚さ80μ・メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルム
【0024】
参考例3
酸化珪素(SiOx)蒸着層を有する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの酸化珪素蒸着層の上に、厚さ80μmのメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルム(三菱化学株式会社製、商品名 カ−ネル)を2液硬化型ウレタン系接着剤を使用してドライラミネ−ション法により積層して第1のシ−トを製造した。
他方、坪量60g/m2 の紙の片面に、低密度ポリエチレンを押し出しラミネ−トして、厚さ20μmの低密度ポリエチレン層を積層して、第2のシ−トを製造した。
次いで、上記で製造した第1のシ−トを構成するの厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム面に、コロナ処理を施しつつ、低密度ポリエチレンを厚さ30μmで押し出しながら、上記で製造した第2のシ−トの紙面を対向させて、サンドラミネ−トして、下記の構成からなるラミネ−トチュ−ブ容器用積層体を製造した。
20μm・低密度ポリエチレン層/坪量60g/m2 ・紙/30μm・低密度ポリエチレン層/12μm・二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム・酸化珪素蒸着層/接着剤層/80μm・メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルム
【0025】
参考例4
厚さ80μmのメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルム(三菱化学株式会社製、商品名 カ−ネル)の片面に、コロナ放電処理後、該処理面に二液硬化型のウレタン系接着剤を5g(dry)/m2 の割合で塗布し、該塗布面に酸化珪素(SiOx)蒸着層を有する厚さ12μの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの蒸着面をドライラミネ−ション法により積層した。
次いで、上記の非蒸着面のポリエチレンテレフタレ−トフィルム面と、上記の二液硬化型のウレタン系接着剤を5g(dry)/m2 の割合で塗布した厚さ80μの乳白低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−ション法により積層した。
更に、上記の乳白低密度ポリエチレンフィルムの片面と裏刷印刷した厚さ12μの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの印刷面を二液硬化型のウレタン系アンカ−剤を介してサンドラミネ−ション法によりサンド層が厚さ30μになるように押し出しポリエチレン層で貼り合わせた。
しかる後上記の印刷基の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの片面と厚さ80μの中密度ポリエチレンフィルムを厚さ25μの押し出しポリエチレン層でサンドラミネ−ションを行い、下記の層構成からなるラミネ−トチュ−ブ容器用積層シ−トを製造した。
(外)厚さ80μ・中密度ポリエチレンフィルム/厚さ25μ・ポリエチレン層/厚さ12μ・二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム/印刷層/厚さ30μ・ポリエチレン層/厚さ80μ・乳白低密度ポリエチレンフィルム/接着剤層/酸化珪素蒸着膜を有する厚さ12μ・ポリエチレンテレフタレ−トフィルム/接着剤層/厚さ80μm・メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共 ン−α・オレフィン共重合体のフィルム
【0026】
参考例5
厚さ80μmの低密度ポリエチレンフィルムの片面に、コロナ放電処理を施し、その後、該処理面に二液硬化型のウレタン系接着剤を5g(dry)/m2 の割合で塗布し、該塗布面に酸化珪素(SiOx)蒸着層を有する厚さ12μの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの蒸着層面をドライラミネ−ション法により積層した。
次いで、上記の非蒸着層面のポリエチレンテレフタレ−トフィルム面と、上記の二液硬化型のウレタン系接着剤を5g(dry)/m2 の割合で塗布した厚さ12μの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムをドライラミネ−ション法で積層した。
更に、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム面に厚さ80μの乳白低密度ポリエチレンフィルムを押し出しポリエチレン層30μでサンドラミネ−ション法により積層した。
次に、上記の乳白低密度ポリエチレンフィルムの片面と裏刷印刷した厚さ80μのメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルム(三菱化学株式会社製、商品名 カ−ネル)の印刷面をサンドラミネ−ション法によりサンド層が厚さ30μになるように押し出しポリエチレン層で貼り合わせて、下記の層構成からなるチュ−ブ容器用積層シ−トを製造した。
(外)厚さ80μ・メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルム/印刷層/厚さ30μ・ポリエチレン層/厚さ80μ・乳白低密度ポリエチレンフィルム/厚さ30μ・ポリエチレン層/厚さ12μ・二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム/接着剤層/酸化珪素蒸着膜を有する厚さ12μ・ポリエチレンテレフタレ−トフィルム/接着剤層/厚さ80μ・低密度ポリエチレンフィルム
【0027】
実施例1
酸化珪素(SiOx)蒸着層を有する厚さ12μの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのポリエチレンテレフタレ−トフィルム面に、エチレン−メタクリル酸共重合体を厚さ25μmで押し出しながら、密度の異なる3種類のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用し、表面側から低密度ないし高密度に変化して順に積層している3層からなる厚さ80μmのメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の3層のフィルム(三菱化学株式会社製、商品名 カ−ネル)をラミネ−トした。
次に、上記で製造したラミネ−トフィルムの酸化珪素(SiOx)蒸着層面に二液硬化型のウレタン系接着剤を5g(dry)/m2 の割合で塗布し、該塗布面に厚さ100μの乳白低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−ション法により積層した。
更に、上記の乳白低密度ポリエチレンフィルムの片面と裏刷印刷した厚さ80μの低密度ポリエチレンフィルムの印刷面をサンドラミネ−ション法によりサンド層が厚さ30μになるように押し出しポリエチレン層で貼り合わせて、本発明に係る下記の層構成からなるラミネ−トチュ−ブ容器用積層シ−トを製造した。
(外)厚さ80μ・低密度ポリエチレンフィルム/印刷層/厚さ30μ・ポリエチレン層/厚さ100μ・乳白低密度ポリエチレンフィルム/接着剤層/酸化珪素蒸着膜を有する厚さ12μ・ポリエチレンテレフタレ−トフィルム/厚さ25μm・エチレン−メタクリル酸共重合体層/厚さ80μ・メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の3層のフィルム
【0028】
実験例
上記の参考例1参考例2参考例3参考例4参考例5および実施例1で製造したラミネ−トチュ−ブ容器用積層シ−トを使用し、まず、該積層シ−トを丸めてその重合端部をヒ−トシ−ルしてチュ−ブ洋容器本体である胴部を形成し、更にその胴部の上方に、高密度ポリエチレンを射出成形して肩部(内径38mm)と口部を形成し、しかる後その口部に高密度ポリエチレン製のキャップを取り付けて、押し出しチュ−ブ容器を製造した。
次いで上記で製造した押し出しチュ−ブ容器内に、常法に従って練り歯磨きを150g充填包装した。
上記で製造した練り歯磨きを充填包装した押し出しチュ−ブ容器は、いずれも、積層の層間でデラミ現象もなく、また、香料の吸着量は少なかった。
また、上記において、高密度ポリエチレンを使用する代わりに、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三菱化学株式会社製、商品名 カ−ネル)を使用し、上記と同様に、該共重合体樹脂を射出成形して肩部(内径38mm)と口部を形成し、しかる後その頭部に高密度ポリエチレン製のキャップを取り付けて、押し出しチュ−ブ容器を製造した。
次いで上記で製造した押し出しチュ−ブ容器内に、常法に従って練り歯磨きを150g充填包装した。
上記で製造した練り歯磨きを充填包装した押し出しチュ−ブ容器は、いずれも、積層の層間でデラミ現象もなく、また、香料の吸着量は少なかった。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体に着目し、これをラミネ−トチュ−ブ容器を構成する最外層および最内層のいずれか一方、またはその両者に使用し、これをヒ−トシ−ル性を有する樹脂のフィルムとして筒状胴部を製造し、該筒状胴部を使用してラミネ−トチュ−ブ容器を製造し、これに練り歯磨き等の内容物を充填包装して、シ−ルの安定性に優れ、内容物の漏洩等も認められず、またデラミ等の現象もなく、内容物の保香性、保存性等に極めて優れているラミネ−トチュ−ブ容器を製造し得ることができるというものである。
更に、本発明においては、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体のフィルムを最内層または最外層もしくはその両者を構成するヒ−トシ−ル性を有する樹脂のフィルムとして使用することにより、ラミネ−トチュ−ブ容器を製造する際に、低温ヒ−トシ−ル性に優れているという利点を有するものである。
また、本発明においては、内容物に対する耐ストレスクラッキング性にも優れ、更に、風合い、透明性、低臭性等に優れているラミネ−トチュ−ブ容器を製造し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるラミネ−トチュ−ブ容器を構成する積層材の層構成の一例を示す概略的断面図である。
【図2】本発明にかかるラミネ−トチュ−ブ容器を構成する積層材の層構成の一例を示す概略的断面図である。
【図3】本発明にかかるラミネ−トチュ−ブ容器を構成する積層材の層構成の一例を示す概略的断面図である。
【図4】本発明にかかるラミネ−トチュ−ブ容器を構成する別の形態の積層材の層構成を示す断面図である。
【図5】上記の図1に示す積層材Aを使用して製造した本発明にかかるラミネ−トチュ−ブ容器の構成を示す概略的半断面図である。
【符号の説明】
1 最外層
2 基材層
3 最内層
1a 最外層1としての、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層
3a 最内層3としての、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の樹脂層
4 中間層
5 溶着部
6 筒状胴部
7 肩部
8 口部
9 キャップ
10 内容物
11 底溶着部
A 積層材
B 積層材
C 積層材
D 積層材
E ラミネ−トチュ−ブ容器

Claims (3)

  1. 最外層、基材層、および最内層を順次に積層してなる積層材を使用し、該積層材の両端部の最外層と最内層の面を重ね合わせてその対向面をヒ−トシ−ルして筒状胴部を製造し、該筒状胴部から構成してなるラミネ−トチュ−ブ容器において、上記の最内層を、密度の異なる3種類のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用し、これらを積層してなる3層からなるメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の3層のフィルムで構成してなることを特徴とするラミネ−トチュ−ブ容器。
  2. 最外層と基材層との間および/または基材層と最内層との間に、中間層を積層してなることを特徴とする上記の請求項1に記載するラミネ−トチュ−ブ容器。
  3. 口部および肩部をメタロセン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用して形成することを特徴とする上記の請求項1または2に記載するラミネ−トチュ−ブ容器。
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