JPH074087Y2 - 主軸移動型旋盤における長尺製品受取装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、主軸移動型旋盤における長尺製品受取装置に
関する。

「従来の技術」 主軸移動型自動旋盤は長い棒材を主軸を貫通させて保持
し、主軸より前方に突出した部分を所定の形状に加工し
た後、製品として切り離し、次いで長い棒材を前進さ
せ、再び先端部分から順次加工し製品として切り離すと
いう動作を自動的に繰り返し、効率よく製品加工を行い
得るものであるので、近年多く用いられている。

棒材から切り離された製品は、そのまま側方に落下する
としたのでは、切粉の中に落下して、傷が付いたり、切
粉が付着するという欠点があった。これを解消するた
め、製品の切り離し時に受皿を製品のすぐ下に移動さ
せ、受皿で製品のみを受け取るようにしたものも知られ
ている。

しかし、製品が長尺である場合には長尺の受皿で対応す
ることは装置が複雑化するので実行されておらず、側方
に落下させているのが実状である。

「考案が解決しようとする課題」 叙上の従来の手段によると、長尺製品は種々の突起を有
する旋盤側面に衝突しながら落下するが、短尺物と異な
り、長さと重量が大であるので、その際の衝突は極めて
大きく、損傷を受け易すく、不良品を発生させ易すいの
が実情である。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、簡単
な構造で長尺製品を振れ止め支持をしたうえで切り離し
後は旋盤より所定離隔位置まで受止支持して搬送し得
て、落下衝突を解消する長尺製品受取装置を提供しよう
とするものである。

「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本考案における装置は、四
面にボルトヘッド係止用のアリ溝を付形の長物フレーム
の一側面に分割式のベルトコンベヤーをロックボルト止
めにて突設すると共に該長物フレームの上面には該ベル
トコンベヤー上に進退自在な受け双腕を有する触れ止め
装置を備えたブロックとベルトコンベヤー上に進退自在
なロックよりなるストッパー装置を備えたブロックとを
ロックボルト止めにて取り付けてなる長尺体を、主軸軸
線方向に往復動させる手段を介して主軸前方に配置して
なるとしたものである。

「作用」 長尺体は主軸前方に往復動手段を介して設置されている
ので、製品受け取りに際しては主軸に接近させ得る。ベ
ルトコンベヤー上方に位置する長尺製品をストッパー装
置で所定の主軸からの突出量に止めたうえで受け腕をも
って受止するところの振れ止め装置で押えることができ
る。振れ止めのもとで加工を完了した製品は切り離され
ると該振れ止め装置の受腕上に支持される。この態様の
まま該長尺体を主軸より離反させておいてから該受腕を
引き止めると該長尺製品はベルトコンベヤー上に落下
し、搬送されるがベルトコンベヤーの分割間隙部で切粉
はふり落とされる。

該ベルトコンベヤー先端下方にはもはや旋盤本体は存在
していなく落下に際して衝突して損傷する心配は無い。
適宜受皿を配置する等して収容すればよい。

「実施例」 実施例について図面を参照して説明する。

第１図〜第５図において、長尺フレーム１は四面にボル
トヘッド係止用のアリ溝2,…を付形の市販品である。長
尺フレーム１の側面先端にはギヤヘッド３を介してイン
ダクションモーター４を取り付けたモータープレート５
がプレート止め６を介してボルト止め22されている。該
ギヤヘッド３より持ち出しの駆動軸７にはリブスタプー
リー８が取り付く。当該リブスタプーリー８は前記側面
にロックボルト止め9,…にて取り付けられるベルトコン
ベヤー10の駆動プーリーであり、反対側の従動リブスタ
プーリー11との間にはリブスタベルト12が張設される。
該ベルトコンベヤー10は長尺フレーム１の全長に渡って
延びないで、途中までであり、残余部にはリブスタプー
リー14,15間にリブスタベルト16を張設の別のベルトコ
ンベヤー13が配される。つまり、分割式とされている。

当該ベルトコンベヤー13は該リブスタプーリー11と14と
の間に架配のタイミングベルト17を介して駆動する。

しかして、ベルトコンベヤー10と13とで構成された分割
式のコンベヤーは連絡部にて間隙18を有する。

当該間隙18の形成は主軸35より切り離された長尺製品25
の搬送路である点から極めて重要な意義を有する。

すなわち、前述の切り離しに際して長尺製品25に付着が
免れ得ない切粉が、この間隙18で落下し、搬送途中でふ
り落されることとなるからである。

一方、長尺フレーム１の上面には振れ止めブロック19と
ストッパーブロック20とがロックボルト止め21,…に
て、該振れ止めブロック19を主軸35側にして対設され
る。

該振れ止めブロック19下部にはマルチマウントシリンダ
23によって前記のベルトコンベヤー上に進退自在な長尺
製品24を受止する受け双腕24,24が装備され、又、上部
にはノックシリンダー26によって該受け双腕24,24の中
間にて長尺製品25を押え付ける振れ止めアーム27が昇降
自在に装備されている。

一方、該ストッパーブロック20にはマルチマウントシリ
ンダ28によって長尺製品25軸線上にその当接面を突き出
す度決めロッド29が進退自在に装備されている。叙上振
れ止めブロック19とストッパーブロック20とは対の関係
にあり、受け双腕24,24上を摺動して度決めロッド29に
その先端を突き当てて止められた長尺製品25を振れ止め
アーム27で押え付けて振れ止めするとしたものである。
よって、長尺製品25の事情によっては、叙上の振れ止
め、ストッパー装置は１段ですまずに多段化しなければ
ならないこともある。すなわち、長尺製品25が長尺両端
のみでなく中間部にても切削加工の要がある場合には図
示例の如く２段構えとしなければならない。

しかし、その脱着は上述の如くロックボルトを介したも
のであるので、極めて簡単である。叙上の振れ止め装置
にあっては、長尺製品25先端部を三角を形成する上１点
下２点で挾持しているので、極めて安定した把持とな
り、バイト36による切り離し後も長尺製品25はみだりに
落下するようなことが無い。受け双腕24,24を後退（引
き込める）ことにより長尺製品25は前述のベルトコンベ
ヤー上に落下する。

叙上の長尺フレーム１に振れ止め，ストッパー装置を装
備させたところの長尺体は、長尺フレーム１の下面にロ
ックボルト30,30止めにて対峙垂設の長物ブラケット31,
31間に旋盤フレーム34に固定の長物シリンダー32を介装
させることにより、主軸35軸線方向に往復動自在とな
る。

尚、図中33は該ブラケット31,31間に固定され、旋盤フ
レーム34を貫通したスライドロッドである。

叙上の長尺体29の往復動機構は、長尺製品25の切り離し
までは接近支持して振れ止めをより効果的にし、切り離
し後は、主軸35から離反して各種の切削工具が存在して
そのままの位置で落下させると工具に接触する事態を回
避させる。

「考案の効果」 本考案は、上述のとおり構成されているので、次に記載
する効果を奏する。

各種寸法の長尺製品の受け取りに対応可能であり、実用
性が大である。単に、損傷無く受け取るのみでなく、切
り離しの際の事故を無くし、さらに搬送途中にて切粉を
ふりはらうことが出来るので優れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の平面図、第２図は正面図、第３図は
第２図中矢視III〜III図、第４図，第５図は振れ止め
部，ストッパー部の拡大詳示図である。 １……長尺フレーム、２……アリ溝、３……ギヤヘッ
ド、４……インダクションモーター、５……モータープ
レート、６……プレート止め、７……駆動軸、８……リ
ブスタプーリー、９……ロックボルト止め、10……ベル
トコンベヤー、11……従動リブスタプーリー、12……リ
ブスタベルト、13……ベルトコンベヤー、14,15……リ
ブスタプーリー、16……リブスタベルト、17……タイミ
ングベルト、18……間隙、19……振れ止めブロック、20
……ストッパーブロック、21……ロックボルト止め、22
……ボルト止め、23……マルチマウントシリンダ、24…
…受け双腕、25……長尺製品、26……ノックシリンダ
ー、27……振れ止めアーム、28……マルチマウントシリ
ンダ、29……度決めロッド、30……ロックボルト、31…
…長物ブラケット、32……長物シリンダー、33……スラ
イドロッド、34……旋盤フレーム、35……主軸、36……
バイト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】四面にボルトヘッド係止用のアリ溝を付形
   の長物フレームの一側面に分割式のベルトコンベヤーを
   ロックボルト止めにて突設すると共に、該長物フレーム
   の上面には該ベルトコンベヤー上に進退自在な受け双腕
   を有する触れ止め装置を備えたブロックとベルトコンベ
   ヤー上に進退自在なロックよりなるストッパー装置を備
   えたブロックとをロックボルト止めにて取り付けてなる
   長尺体を、主軸軸線方向に往復動させる手段を介して主
   軸前方に配置してなることを特徴とする主軸移動型旋盤
   における長尺製品受取装置。