JPH0740510U - 液体注出容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 容器体に対応したデザインに自由に変形でき
る注出器本体を備えた液体注出容器を得る。 【構成】 注出器本体のシリンダー４、筒状ピストン
５、ステム６、復帰ばね７、ねじキャップ10等のポンプ
機構部１は共通の１つの組立て体として組立て構成して
おき、押下げヘッド２と肩カバー３を螺合、係嵌の簡単
な手段で装脱できる別途の組込み体とし、注出器本体
を、押下げヘッド２と肩カバー３の形状選択により容器
体８に対応したデザインに自由に変形できるようにした
構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、手動操作のポンプ形の液体注出容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えばクリーム状物の液体注出容器は、容器体の口部にポンプ形の注出器本体 を組込んだもので、従来多数提案され極く周知なので簡単に概要を説明する。

【０００３】 即ち、この容器は容器体の口部に内設したシリンダーから上方外部に立上げた ステム上端にノズル管付き押下げヘッドを連通嵌着し、この押下げヘッドを復帰 ばねに抗し押下げ操作することによりシリンダー内の筒状ピストンを押下げてシ リンダー内液を加圧し、この加圧液を開弁した吐出弁を通しノズル管から外部に 注出させるものである。

【０００４】 注出が終了すると筒状ピストン、ステム、押下げヘッドの可動部が復帰ばねに より上方に復帰し、この復帰でシリンダー内が負圧化するとシリンダー底部の吸 込み弁が開弁して容器体内から液を吸上げ、この吸上げで負圧化しようとする容 器体内変化を利用してこの容器体内の中皿を上昇移動させて負圧化を防止し、次 回の注出に備える。

【０００５】 この種注出容器では、普通容器体の口頸部は胴部よりかなり小径なので、ねじ キャップの外囲に肩カバーを取付けて容器体の肩部から口頸部にかけての外見の 見映えをよくしており、この肩カバーは予かじめ注出器本体の一部として一体的 に組込まれている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記注出容器で、容器体は化粧品メーカーにより独自の形状として特徴を出す 傾向にあり、多種のデザインの容器体が出回っている。

【０００７】 このため、注出器本体も機能的には同じでありながら容器体に合ったデザイン としており、多種類製品化し経済性を損ねている。この場合、ポンプ機構部、即 ち吸込み弁付きシリンダー、筒状ピストン、ステム、復帰ばね、吐出弁そしてね じキャップは固定デザインでよいので、容器体のデザインに対応してデザインを 変える必要があるのはノズル管付き押下げヘッドと肩カバーである。

【０００８】 本考案は、注出器本体のポンプ機構部を共通の一つの組立て体とし、ノズル管 付き押下げヘッドと肩カバーは装脱自在の別途組込み体とし、容器体に対応した デザインに自由に変形できる注出器本体を備えた液体注出容器を得るにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案の液体注出容器は、吸込み弁36付きシリンダー４、筒状ピストン５及び シリンダー４から上方外部に立上げられた吐出弁付きステム６との可動部、この 可動部を上方に押上げ付勢する復帰ばね７、シリンダー４を介し上記各部を支持 して容器体８の口頸部９に取付け固定するねじキャップ10を共通の一つの組立て 体とするポンプ機構部１と、前記ステム６上部に螺合により連通結合される別途 組込み体のノズル管11付き押下げヘッド２と、前記ねじキャップ10外面に係嵌装 着される別途組込み体の肩カバー３とからなる注出器本体を備えたものである。

【００１０】

【作用】

上記したように、本考案の注出器本体は、図１に示すようにポンプ機構部１は 共通の１つの組立て体であり、ノズル管11付きの押下げヘッド２と肩カバー３は ポンプ機構部１に対し螺合及び係嵌により後工程で組込んで完成できる構成とし ているので、図２の組立て完成図に示すように、予かじめ別工程で組立てられた ポンプ機構部１に、あとから肩カバー３を上方からねじキャップ10外面に嵌合し て係合固定し、ついで押下げヘッド２を連通結合管12によりステム６上部に螺合 して嵌合結合し組立てることができる。

【００１１】 従って、押下げヘッド２と肩カバー３は所望の形状のものが選択できることか ら、注出器本体を容器体８に対応したデザインとすることができる。

【００１２】

【実施例】

以下図面を参照し一実施例としてのクリーム状物注出容器を説明するに、本考 案では注出器本体のポンプ機構部１を１つの共通の組立て体とし、押下げヘッド ２と肩カバー３はポンプ機構部１に簡単に装脱できる別途組込み体とし、この押 下げヘッド２と肩カバー３を異なった形状のものの中から適宜選択できてデザイ ンを自由に変形できるようにした点に特徴を有する。

【００１３】 ポンプ機構部１は、この実施例ではピストン５は吐出弁兼用の従動形のものを 示している。

【００１４】 ねじキャップ10は、取付け周壁13の下部内面に係合突条14を、外面下端に突縁 15を突出し、また上端から内向きフランジを介しピストン５の上限位置を定める 係止筒16を下向きに設け、内向きフランジ上面から押え筒17を立設しており、一 方底部開口に吸込み弁36を配した縦形のシリンダー４は、ねじキャップ10上端の 前記内向きフランジ裏面に押込み嵌着されている。

【００１５】 ステム６は上半部材と下半部材を螺着して一体化したもので、吐出孔18は下部 側壁に開孔し、この吐出孔18直下部外面に突縁19が突設してあり、この突縁19が ピストン５下面に係止させてある。20は上部内面に形成された押下げヘッド２結 合用のねじである。

【００１６】 復帰ばね７は、ステム６上端の外向きフランジと前記ねじキャップ10の係止筒 16上面間に配され、常時ステム６を上方に押上げ付勢している。

【００１７】 しかし、図示常時において、ピストン５は上限位置にあるので、突縁19がピス トン５に係止するステム６も図示上限位置で係止している。

【００１８】 このポンプ機構部１は、ねじキャップ10を図２のように容器体８の口頸部９外 面に外嵌し、係合突条14を口頸部９外面の係合突条21に係合して口頸部９に取付 け固定される。22は取付け周壁13外面の縦条群である。

【００１９】 押下げヘッド２は、一側から、軸芯部の連通結合管12に連通するノズル管11を 突出しており、そして連通結合管12外面にねじ23を形成しており、このねじ23を 前記ねじ20に螺合することによりポンプ機構部１に簡単に装脱できる構成として いる。

【００２０】 肩カバー３は、周辺部を外斜め下方向に傾斜させた頂板24の中央部に前記押え 筒17外面に遊嵌できる孔25を開孔し、この孔25外囲の頂板24裏面から取付け周壁 26を垂下し、この取付け周壁26下端内面に係合突条27を突設し、また頂板24周縁 から化粧周壁28を垂下した形状のもので、前記ねじキャップ10外面に嵌合し、係 合突条27を係合突縁15に係合して取付けられ、取付けた状態で化粧周壁28は容器 体８の胴部上にこの胴部を上方に延長するように乗る。29はリブであり、また30 は取付け周壁26内面の縦条群で、前記縦条22群に歯合しねじキャップ10に回り止 めされる。

【００２１】 容器体８は、胴部上方に肩部を介し小径の口頸部９を立設し、胴部には上下ス ライド可能な中皿31を内嵌している。32は底板33に開孔した通気孔、34は肩部上 の放射方向数枚の支持板である。

【００２２】 上記実施例によれば、押下げヘッド２はねじ23をねじ20に螺合させることでス テム６に連通結合でき、また肩カバー３は係合突条27を突縁15に係合させること でねじキャップ10外面に嵌合固定でき、いずれもポンプ機構部１に簡単に装脱で きるので所望の形状の押下げヘッド２、肩カバー３を後工程でポンプ機構部１に 組込むことが可能となり、容器体８に対応したデザインとすることができる。

【００２３】 なお、このクリーム状物注出容器の注出機能はよく知られており、しかも本考 案要旨とは係わりがないので極く簡単に説明する。

【００２４】 クリーム状物注出時には押下げヘッド２を復帰ばね７に抗し押下げる。すると 可動部は押下げ初期ピストン５より先行下降し、この下降でピストン５下面に密 接していたステム６下部外面の突縁19がピストン５から離れて吐出孔18が開孔し 、爾後この吐出孔18開孔状態でピストン５が押下げ段部35により可動部と同体に 押下げられることから、シリンダー４内のクリーム状物は加圧され、この加圧さ れたクリーム状物は吐出孔18、ステム６を経てノズル管11から外部に注出される 。

【００２５】 クリーム状物注出終了で押下げを停止すると、可動部が復帰ばね７により上方 に押上げられるが、押上げの初期突縁19がピストン５下面に密接して吐出孔18を 塞ぎ、つまり吐出弁が閉じ、この吐出弁閉状態でピストン５が突縁19を介し同体 に押上げられることからシリンダー４が負圧化し、これにより吸込み弁36が開弁 し容器体８からシリンダー４内にクリーム状物が吸上げられる。

【００２６】 この吸上げにより容器体８内が負圧化しようとするが、この容器体８内の中皿 31が上方にスライドし容器体８容積を減縮して負圧化を防止する。

【００２７】 上記実施例では縦動形ピストン方式のクリーム状物注出容器について説明した が、他方式、他構造でもよく、また他の液体の注出容器にも適用できる。

【００２８】

【考案の効果】

上記したように、本考案の液体注出容器では、注出器本体のポンプ機構部１は 共通の１つの組立て体として組立て構成しておき、押下げヘッド２と肩カバー３ は螺合、係嵌の簡単な手段で装脱可能な別途の組込み体としたので、注出器本体 を、押下げヘッド２と肩カバー３の形状選択により容器体８に対応したデザイン に自由に変形することが可能となり、経済性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例の分解半部縦断面図である。

【図２】同実施例の組立て完了状態の半部縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ポンプ機構部 ２ 押下げヘッド ３ 肩カバー ８ 容器体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸込み弁36付きシリンダー４、筒状ピス
   トン５及びシリンダー４から上方外部に立上げられた吐
   出弁付きステム６との可動部、この可動部を上方に押上
   げ付勢する復帰ばね７、シリンダー４を介し上記各部を
   支持して容器体８の口頸部９に取付け固定するねじキャ
   ップ10を共通の一つの組立て体とするポンプ機構部１
   と、前記ステム６上部に螺合により連通結合される別途
   組込み体のノズル管11付き押下げヘッド２と、前記ねじ
   キャップ10外面に係嵌装着される別途組込み体の肩カバ
   ー３とからなる注出器本体を備えた液体注出容器。