JPH0739818B2 - 内燃機関のアイドル回転速度制御装置 - Google Patents

内燃機関のアイドル回転速度制御装置

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JPH0739818B2
JPH0739818B2 JP1226701A JP22670189A JPH0739818B2 JP H0739818 B2 JPH0739818 B2 JP H0739818B2 JP 1226701 A JP1226701 A JP 1226701A JP 22670189 A JP22670189 A JP 22670189A JP H0739818 B2 JPH0739818 B2 JP H0739818B2
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D31/00Use of speed-sensing governors to control combustion engines, not otherwise provided for
    • F02D31/001Electric control of rotation speed
    • F02D31/002Electric control of rotation speed controlling air supply
    • F02D31/003Electric control of rotation speed controlling air supply for idle speed control
    • F02D31/005Electric control of rotation speed controlling air supply for idle speed control by controlling a throttle by-pass

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Description

【発明の詳細な説明】 概 要 内燃機関のアイドル時に回転速度の変動が検出されたと
きには、比較的大きい変化率で、アイドル用のバイパス
側路に設けられた流量制御弁の制御量を変化する。これ
によつて、前記回転速度の時間変化率が零付近となる
と、その時点における吸気管圧力、または該吸気管圧力
と回転速度との積値に関係する値を、維持、あるいは緩
やかに変化することができる値まで急激に流量制御弁の
制御量を変化する。
したがつて、たとえば実際の回転速度NEが、第13図
(1)のように落込んだときには、積分制御によつて達
成される時間変化率よりも大きい時間変化率で吸入空気
量が増加されエンストを防止することができる。
また第13図(2)のように回転速度の時間変化率が、時
刻t21における零を経て、上昇を開始すると、その時点
における(a)前記吸気管圧力、または(b)吸気管圧
力と回転速度との積の値に関係する値を維持することが
できる値まで、第13図(3)に示される制御量、したが
つて吸入空気流量が急激に減少され、過制御によるいわ
ゆる吹上がりが防止される。過制御の現象は、図13
(1)の参照符L11で示され、また図13(2)では参照
符L12でそれぞれ示される。本発明では、このような過
制御の現象L11,L12が防がれる。図13(2)の時刻t21で
は、回転速度の時間変化率が零を経て上昇を開始する時
点であり、つまり、実際の回転速度NEの低下が止まり、
復帰し始める時点であり、しかしながらその実際の回転
速度NEは、目標回転速度よりは低い状態である。本発明
では上述のような制御が行われ、このようにして、高い
制御ゲインで、かつ良好な安定性を有するアイドル回転
速度制御を行う。
産業上の利用分野 本発明は、内燃機関のアイドル回転速度を制御するため
の装置に関する。
従来の技術 内燃機関では、発生するトルクの小さいアイドル時に
は、僅かな負荷変動によつて単位時間当りの回転速度が
変動する。たとえば、音響機器などの電力負荷や冷房機
などの使用開始時、ならびにパワーステアリングの据切
りや自動変速機のDレンジ投入時には回転速度が落込
む。
一方、近年、燃費向上のためにアイドル回転速度は比較
的低く抑えられており、したがつて上述のような負荷変
動を生じる要因が重複した場合には、エンストを生じる
おそれがある。
このため典型的な従来技術では、アイドル用のバイパス
側路に設けた流量制御弁を制御する制御装置には、負荷
変動の要因となる各種の機器の出力やセンサの検出結果
などを取込み、たとえば冷房機が使用されているときに
は、アイドル回転速度を250rpmだけ上昇するといる具合
に、アイドル回転速度が制御される。またこのように設
定された回転速度となるように、各負荷毎に予め定めた
制御量を上乗せするとともに、過制御を抑えるための小
さい制御ゲインで積分制御が行われる。
発明が解決しようとする課題 上述のような従来技術では、制御装置は、各種の機器か
らの出力やセンサの検出結果などを取込む必要があり、
構成が複雑になつてコストが上昇してしまう。また、制
御ゲインが低いために応答性に劣り、目標回転速度に達
するまでに長時間を要する。一方、この制御ゲインを大
きくすると、応答性は向上するが安定性に劣る。すなわ
ち、制御の行過ぎが生じて過制御となり、いわゆるハン
チングや吸上がりなどの不所望な事態を招く。
本発明の目的は、構成を簡略化することができるととも
に、応答性と安定性とを両立することができる内燃機関
のアイドル回転速度制御装置を提供することである。
課題を解決するための手段 本発明は、スロツトル弁の上流側と下流側とをアイドル
用のバイパス側路で連通し、その側路に設けた流量制御
弁の開度を積分制御によつて変化することによつて、内
燃機関の回転速度を予め定める目標回転速度に維持する
内燃機関のアイドル回転速度制御装置において、 前記回転速度の落込みを検出したとき、前記積分制御に
よつて達成される時間変化率よりも高い第1の時間変化
率で流量制御弁の開度を増加し、 回転速度の時間変化率が零、あるはほぼ零となつた時点
で、前記積分制御によつて達成される時間変化率よりも
高い第2時間変化率で流量制御弁の開度を減少して、前
記時点における吸気管圧力、または吸気管圧力と回転速
度との積に関係する値を維持し、これによつて内燃機関
の安定した回転速度の積分制御を行つている状態での積
分制御を達成することを特徴とする内燃機関のアイドル
回転速度制御装置である。
また本発明は、回転速度の落込み検出による前記開度量
の増加制御は、 該回転速度が前記目標回転速度近傍で、その目標回転速
度より高い予め定める第1の値より低いときに実行する
ことを特徴とする。
また本発明は、スロツトル弁の上流側と下流側とをアイ
ドル用のバイパス側路で連通し、その側路に設けた流量
制御弁の制御量を変化することによつて、内燃機関の回
転速度を予め定める目標回転速度に維持する内燃機関の
アイドル回転速度制御装置において、 前記回転速度の上昇を検出したとき、前記積分制御によ
つて達成される時間変化率よりも高い第1の時間変化率
で流量制御弁の開度を減少し、 回転速度の時間変化率が零、あるいはほぼ零となつた時
点で、前記積分制御によつて達成される時間変化率より
も高い第2時間変化率で流量制御弁の開度を増加して前
記時点における吸気管圧力、または吸気管圧力と回転速
度との積に関係する値を維持し、これによつて内燃機関
の安定した回転速度の積分を行つている状態での積分制
御を達成することを特徴とする内燃機関のアイドル回転
速度制御装置である。
また本発明は、回転速度の上昇検出による前記開度量の
減少制御は、 該回転速度が前記回転速度近傍で、その目標回転速度よ
り低い予め定める第1の値より高いときに実行すること
を特徴とする。
作 用 本発明に従えば、内燃機関のアイドル時に回転速度の落
込みまたは上昇が検出されたときには、積分制御によつ
て達成される時間変化率よりも高い第1の時間変化率
で、アイドル用のバイパス側路に設けられた流量制御弁
の制御量を変化する。これによつて、前記回転速度の時
間変化率が零、あるいはほぼ零となつた時点で、前記積
分制御によつて達成される時間変化率よりも高い第2時
間変化率で流量制御弁の開度を制御し、前記時点におけ
る吸気管圧力、または吸気管圧力と回転速度との積に関
係する値を維持する。これによつて内燃機関の安定した
回転速度の積分制御を行つている状態での積分制御を達
成する。
したがつて、たとえば回転速度が落込んだときには、積
分制御によつて達成される時間変化率よりも高い第1の
時間変化率で吸入空気流量が増加されて、エンストを防
止することができる。また回転速度の時間変化率が零、
あるいはほぼ零となつた時点で、積分制御によつて達成
される時間変化率よりも高い第2時間変化率で流量制御
弁の開度を制御して、前記時点における吸気管圧力、ま
たは吸気管圧力と回転速度との積に関係する値を維持
し、いわゆる吹上がりを防止する。このようにして、高
い制御ゲインで、かつ良好な安定性を有するアイドル回
転速度制御を行う。
実施例 第1図は、本発明の一実施例の内燃機関の制御装置1と
それに関連する構成を示すブロツク図である。吸気口2
から導入された燃焼用空気は、エアクリーナ3で浄化さ
れ、吸気管4を介して、該吸気管4に介在されるスロツ
トル弁5でその流入量が調整された後、サージタンク6
に流入する。サージタンク6から流出した燃焼用空気
は、吸気管7に介在される燃料噴射弁8から噴射される
燃料と混合され、吸気弁9を介して、内燃機関10の燃焼
室11に供給される。燃焼室11には点火プラグ12が設けら
れており、この燃焼室11からの排ガスは、排気弁13を介
して排出され、排気管14から三元触媒15を経て大気中に
放出される。
前記吸気管4には吸入空気の温度を検出する吸気温度検
出器21が設けられ、前記スロツトル弁5に関連してスロ
ツトル弁開度検出器22が設けられ、サージタンク6には
吸気管7の圧力を検出する吸気圧検出器23が設けられ
る。また前記燃焼室11付近には冷却水温度検出器24が設
けられ、排気管14において、三元触媒15より上流側には
酸素濃度検出器25が設けられ、三元触媒15より下流側に
は排気温度検出器26が設けられる。内燃機関10の回転速
度、すなわち単位時間当りの回転数はクランク角検出器
27によつて検出される。
制御装置1には、前記各検出器21〜27とともに、車速検
出器28と、内燃機関1を始動させるスタータモータ33が
起動されているかどうかを検出するスタート検出器29
と、冷房機の使用などを検出する空調検出器30と、該内
燃機関10が搭載される自動車が自動変速機付きであると
きには、その自動変速機の変速段がニユートラル位置で
あるか否かを検出するニユートラル検出器31とからの検
出結果が入力される。
さらにまたこの制御装置1は、バツテリ34によつて電力
付勢されており、該制御装置1は前記各検出器21〜31の
検出結果、および電圧検出器20によつて検出されるバツ
テリ34の電源電圧などに基づいて、燃料噴射量や点火時
期などを演算し、前記燃料噴射弁8および点火プラグ12
などを制御する。
前記吸気管4にはまた、スロツトル弁5の上流側と下流
側とをバイパスする側路35が形成されており、この側路
35には流量制御弁36が設けられている。流量制御弁36
は、制御装置1によつてデユーテイ制御され、スロツト
ル弁5がほぼ全閉であるアイドル時の燃焼用空気の流量
を調整制御する。制御装置1はまた、内燃機関10が運転
されているときには、燃料ポンプ32を駆動する。
第2図は、制御装置1の具体的構成を示すブロツク図で
ある。前記検出器20〜25の検出結果は、入力インタフエ
イス回路41からアナログ/デジタル変換器42を介して、
処理回路43に与えられる。また前記検出器22,27〜31の
検出結果は、入力インタフエイス回路44を介して前記処
理回路43に与えられる。処理回路43内には、各種の制御
用マツプや学習値などを記憶するためのメモリ45が設け
られており、またこの処理回路43には、前記バツテリ34
からの電力が、定電圧回路46を介して供給される。
処理回路43からの制御出力は、出力インタフエイス回路
47を介して導出され、前記燃料噴射弁8に与えられて燃
料噴射量が制御され、またイグナイタ48を介して点火プ
ラグ12に与えられて点火時期が制御され、さらにまた前
記流量制御弁36に与えられてアイドル時の側路35を介す
る流入空気流量が制御され、また燃料ポンプ32が駆動さ
れる。
前記排気温度検出器26の検出結果は、制御装置1内の排
気温度検出回路49に与えられ、その検出結果が異常に高
温であるときには、駆動回路50を介して警告灯51が点灯
される。
第3図は、上述のように構成された制御装置1の動作を
説明するためのタイミングチヤートである。なお、酸素
濃度検出器25などからの出力に基づいて、空燃比制御が
行われているとする。第3図(2)において時刻t1以前
で示されるように、内燃機関10の回転速度NEが比較駅安
定しているときには、流量制御弁36の制御デユーテイ
は、実際の回転速度NEと目標回転速度NTとの差から第3
図(4)で示されるように、比較的小さい増分ΔD1ずつ
積分制御される。
この積分制御の増分ΔD1は、第4図で示されるように、
実際の回転速度NEと、目標回転速度NTとの差が、たとえ
ばNT±15rpmの不感帯W1内にあるときには零とされ、不
感帯W1外では前記差NE−NTに対応した値に設定される。
こうして定常時には、回転速度NEが前記不感帯W1内に入
るように制御されている。
前記目標回転速度NTは、たとえば無負荷時には700rpmに
設定されており、冷房機が使用されたときには950rpmに
設定される。
時刻t1において第3図(1)で示されるように、ニユー
トラル検出器31で自動変速機の変速段がニユートラル位
置からドライブ位置に切換えられると、内燃機関10への
負荷が増大し、回転速度NEは第3図(2)で示されるよ
うに落込みを開始する。
この落込みによつて、回転速度NEの単位時間当りの変化
率ΔNEが、第3図(3)で示されるように予め定める闘
値L2以下となり、かつ回転速度NEが目標回転速度NTより
たとえば100rpmだけ高い闘値L4未満であるときには、そ
の時刻t2において第3図(4)で示されるように、流量
制御弁36の制御デユーテイの計算値には、前記変化率Δ
NEに対応した比較的大きい増分ΔD2が加算され、これに
よつて第3図(5)で示されるように、サージタンク6
の吸気圧PMは急激に上昇し、吸入空気流量が増大する。
なお、前記変化率ΔNEと増分ΔD2との関係は、第5図で
示されるように、零より小さい一方の闘値L2より大き
く、零より大きい他方の闘値L1未満であるときには、Δ
D2=0の不感帯W2に設定されている。また変化率ΔNE
が、前記闘値L2以下であるとき、およびL1以上であると
きには、増分ΔD2は変化率ΔNEに対応して設定される。
この第5図で示されるグラフと、前記第4図で示される
グラフとは、メモリ45内に予めマツプとしてストアされ
ている。
前記吸入空気流量の増大によつて回転速度NEの落込みが
抑えられ、時刻t3で変化率ΔNEが最小の状態を経て、時
刻t4において第3図(3)で示されるように、変化率Δ
NEが前記闘値L2を超えて再び不感帯W2内に入る、すなわ
ち変化率ΔNEがほぼ零になると、第3図(4)で示され
るように、吸入空気流量に関連する値が後述の目標値α
とほぼ等しくなる(時刻t4a)まで、前記制御デユーテ
イの計算値は予め定める値ΔD3ずつ繰返し減算されて、
急激に減少される。これによつて、制御デユーテイの変
化に対する内燃機関10の発生トルクの応答送れによる制
御の行過ぎを抑える。
しかしながらこの制御によつても回転速度NEがうまく安
定せず、上昇を示すような場合には、時刻t5で示される
ように変化率ΔNEが闘値L1以上となり、かつ回転速度NE
が目標回転速度NTよりたとえば50rpmだけ低い闘値L3を
越えているときには、制御デユーテイは前記第5図で示
されるように、変化率ΔNEに応じた増分ΔD2だけ減算さ
れる。こうして、時刻t6で変化率ΔNEが不感帯W2内に入
ると、前述のとおり、吸入空気流量に関連する値が目標
値αとほぼ等しくなる(時刻t6a)まで、制御デユーテ
イの計算値は前記増分ΔD3ずつ急激に増加される。そし
て第3図(5)で示されるように吸気圧PMが安定する
と、その時刻t6aから、実際の回転速度NEと目標回転速
度NTとの差に対応した前記積分制御が行われる。
なお、本実施例では、増分ΔD2の値を変化率ΔNEの値に
応じた値としているが、流量制御弁36の容量が小さい場
合や、サージタンク6の容量が大きいときには、該増分
ΔD2の値を一定値としても問題はない。すなわち、回転
速度NEの落込みを検出すれば流量制御弁36をほぼ全開
に、回転速度NEの上昇を検出すれば、ほぼ全閉に制御し
ても、同等の性能を得ることができる。
また、時間t7以降に示されるように、自動変速機の変速
段がニユートラル位置に切換えられたときには、回転速
度NEは上昇し、同様の動作によつて速やかに安定され
る。
一方、該アイドル回転速度や燃料噴射量の制御演算に用
いられる吸気圧検出器23の検出出力には、第6図(1)
で示されるように、吸気弁9の開閉動作による変動が生
じており、その変動幅は、たとえば4000rpmで50〜1000m
mHg程度の大きな値である。この変動を吸収して正確な
吸気圧を検出するために、該吸気圧検出器23の検出出力
には、制御装置1内でフイルタ処理が行われている。
したがつこのフイルタ処理による遅延によつて、たとえ
ば流量制御弁36が第6図(2)で示されるように急激に
開かれても、前記フイルタ処理後の圧力波形は、第6図
(3)において参照符l1で示される実際の吸気圧の圧力
波形の変化に対して、時間Δt2だけ遅延して参照符号l2
で示されるように現われる。
したがつて第6図(3)において、計算タイミングt11
における吸気圧に基づいて制御デユーテイを演算する
と、本来、制御デユーテイの演算に使用すべき吸気圧に
対して、フイルタ処理時間Δt2に対応する圧力差ΔP2分
だけ小さくなつてしまう。このため、時間Δt2の遅れに
対応する圧力差ΔP2を予想して求め、吸気圧を補正する
必要がある。
この第6図(3)で示されるように、フイルタ処理後の
圧力波形l2は実際の吸気圧の圧力波形l1とほぼ等しく、
したがつて吸気圧Pの時間変化率dP/dtを正確に求める
ことによつて、このような遅れに対する補正を精度よく
行うことができる。
前記時間変化率dP/dtは、以下のようにして求められ
る。すなわち、サージタンク6への吸入空気流量をQin
とし、サージタンク6からの流出空気量をQoutとすると
き、 ただし、ΔQは吸入空気流量の変化量であり、K1は定数
である。また流量制御弁36の制御デユーテイをDUTYと
し、内燃機関10の回転速度をNとすると、 Qout=K3・η・N・P ……(3) ただし、K2,K3は定数であり、ηは吸気効率であり、P0
は大気圧である。したがつて前記第1式から、遅れ補正
が行われた吸気圧Pは、 ただし、Piは前記計算タイミングでの吸気圧であり、K1
a=1/K1である。
一方、クランク軸の180゜CA間の回転に要する時間をT
とすると、 となる。この第5式においてΔt2は時間軸に対して一定
であり、これをBとおくと、 すなわち、フイルタ処理による遅延に関しては、ΔQを
正確に求めることによつて、これらの補正は一般性を持
つて精度よく求めることができる。
続いて、ΔQ/Nの算出方法について説明する。流量制御
弁36が急開したときの吸入空気流量Qinの変化は、第7
図において参照符l3で示されるようになる。これに対し
て、サージタンク6の影響などによつて、該サージタン
ク6からの流出空気流量Qoutは、参照符l4で示さえるよ
うになる。これら流量Qin,Qoutは、前記第2式および第
3式でそれぞれ示される。
内燃機関10の定常運転時にはQin=Qoutであり、流量Qin
を、流量制御弁36の制御デユーテイDUTYおよび吸気圧P
をパラメータとして、定常時の流量Qoutを実測して予め
求めておく。すなわち、前記第3式におけるN・Pに相
当する値は、第8図で示されるように、制御デユーテイ
DUTYを一定に保つて吸気圧Pを変化した場合の、各制御
デユーテイDUTYにおけるNとPとの積値MAPを用いると
する。その結果、流量Qinは第7式のように表すことが
できる。なお、前記第8図で示されるグラフは、メモリ
45内にマツプとしてストアされている。
Qin=K3・η・MAP ……(7) したがつて、 と表すことができる。
しかしながらこの第8式において、MAP/NとPMとは、内
燃機関10の製造上のばらつきや経年変化などによつて、
実際の制御時には、定常状態において一致しないことが
あり、このため本実施例では、吸気圧PMを計算によつて
求めた値Pcに置換えて用いる。吸気圧PMは、上述のよう
なばらつきなどによるずれが生じても、その時間変化率
dP/dtはほぼ同一であり、したがつて第4式で示される
前述の遅れ補正と同様に、 と表すことができる。ただし、Pciは今回の計算値であ
り、Pci-1は前回の計算値である。したがつて、MAP/N
と、計算で求めた値Pcとは定常時には必ず一致し、また
過渡時には制御デユーテイDUTYの変化に伴つてMAP/Nが
急変し、値Pcはこれに一致するように追従変化する。し
たがつて値Pcは、第10式に基づいて、たとえば4msec毎
に遂次近似演算される。
ただし、K5=K1a・K3・ηである。
以上のようにして、フイルタ処理による遅延および内燃
機関10のばらつきを考慮して補正値Pcを求めたけれど
も、上記遅延が小さい場合や、制御をより簡潔に行いた
い場合には値Pcの代わりに実際の吸気圧PMを用いても制
御可能である。
第9図〜第12図は、上述のアイドル回転速度制御動作を
説明するためのフローチヤートである。第9図は内燃機
関10の回転速度NEを求めるための動作を表し、この動作
は内燃機関10の各気筒間の行程差による誤差の少ないタ
イミング、たとえば4気筒であるときには180゜CA毎に
行われる。ステツプs1では、クランク角検出器27によつ
て回転速度NEが計測され、ステツプs2では、前記ステツ
プs1における計測結果と前回の計測結果とから時間変化
率ΔNEが計算される。ステツプs3では、回転速度NEの計
測処理を行つたことを表すフラグFNEを1セツトして他
の動作に移る。
第10図は吸気圧PMを求めるための動作を表し、ステツプ
s11で吸気圧検出器23の計測結果が、アナログ/デジタ
ル変換器42でデジタル変換されて処理回路43に読込まれ
る。この動作は、たとえば2msec毎の変換動作のたび毎
に行われる。
第11図は前述の近似演算および補正演算を説明するため
のフローチヤートであり、たとえば4msec毎に行われ
る。ステツプs21では、流量制御弁36の制御デユーテイD
UTYと後述のステツプs29で求められる値Pcとから、前記
第8図で示されるグラフに基づいてマツプ値MAPが読出
される。
ステツプs22では前記値MAPと回転速度NEとが除算され、
ステツプs23でその除算結果から前記値Pcが減算され
る。ステツプs24では、前記ステツプs23における減算結
果が正であるかまたは負であるかに対応して、後述のス
テツプs29における値Pcの近似演算のための符号がセツ
トされる。ステツプs25では、そのセツトされた符号が
正であるか否かが判断され、そうでないときにはステツ
プs26で、前記ステツプs23における減算結果の絶対値が
演算された後ステツプs27に移り、そうであるときには
直接ステツプs27に移る。
ステツプs27では、前記ステツプs23における減算結果と
回転速度NEとが乗算される。ステツプs28では係数K5と
ステツプs27で求められた演算結果とが乗算され、この
乗算結果を用いて、ステツプs29で前記ステツプs24にお
いてセツトされた符号に基づいて、前記値Pcが更新され
る。このようにして、前記第10式で示される値Pcの近似
演算が行われる。なお前述したように、値Pcの代わりに
実際の吸気圧PMを用いた場合は、この第11図で示される
動作は不要となる。
第12図は、アイドル回転速度を制御するための流量制御
弁36のデユーテイ制御動作を説明するためのフローチヤ
ートである。ステツプs41では前記フラグFNEが1である
か否かが判断され、そうであるとき、すなわち回転速度
NEの計測処理が終了して所定の演算タイミングとなつた
ときにはステツプs42に移る。ステツプs42では、前記ス
テツプs2における計算結果から、変化率ΔNEが闘値L1以
上であるか否かが判断され、そうであるとき、すなわち
回転速度NEが上昇中であるときにはステツプs43に移
る。
ステツプs43では、前記ステツプs1で計測された回転速
度NEが、目標回転速度NTより50rpmだげ低い闘値L3以下
であるか否かが判断され、そうでないとき、すなわち前
記制御を実行すべき状態であるときにはステツプs44
で、回転速度NEの変化を示すフラグFΔN3を1にセツト
して回転速度NEが上昇中であることを表した後、ステツ
プs45に移る。
また前記ステツプs42において、変化率ΔNEが闘値L1未
満であるときにはステツプs46に移り、変化率ΔNEが闘
値L2以下であるか否かが判断され、そうであるとき、す
なわち回転速度NEが下降中であるときにはステツプs47
に移る。ステツプs47では、回転速度NEが、目標回転速
度NTより100rpmだけ高い闘値L4以上であるか否かが判断
され、そうでないとき、すなわち前記制御を実行すべき
状態であるときにはステツプs48で、前記フラグFΔN3
を零にリセツトして、回転速度NEが下降中であることを
表した後、前記ステツプs45に移る。
ステツプs45では、時間変化率ΔNEに基づいて、前記第
5図で示されるグラフから対応する増分ΔD2が読出さ
れ、制御デユーテイDETYにこの増分ΔD2が加算されて更
新される。こうして時刻t2で示されるような急激な制御
が行われ、ステツプs49でそのことを表す急制御フラグ
FΔN1にセツトされ、またステツプs50で不感帯フラグ
FΔN2が零にリセツトされて不感帯W2外であることを表
し、ステツプs51に移る。
また、前記ステツプs43およびステツプs47において、急
激な制御を実行すべきでない状態であると判断されたと
き、およびステツプs42,s46を経て変化率ΔNEが不感帯W
2内であると判断されたときには、ステツプs61に移る。
ステツプs61では、不感帯フラグFΔN2が0であるか否
かが判断され、そうであるときにはステツプs62で、前
記第3図において時刻t4で示される戻し制御時の目標値
αが設定された後ステツプs63に移り、そうでないとき
には直接ステツプs63に移る。
すなわち、不感帯W2外から不感帯W2内に入つた時点で、
その時点のトルクを維持することができる値αが設定さ
れる。また、この目標値αは、前記吸気圧の補正値Pc
や、吸気圧PM、または該吸気圧PMと回転速度NEとの積
値、もしくは本実施例のような値Pcと回転速度NEとの積
値などの吸入室気流量に関連した値である。ステツプs6
3では、前記不感帯フラグFΔN2が1にセツトされた
後、ステツプs51に移る。
ステツプs51では、前記回転速度NEの計測処理を行つた
ことを表すフラグFNEを零にリセツトする。ステツプs52
では、前記急制御フラグFΔN1が1であるか否かが判断
され、そうでないとき、すなわちステツプs45における
急制御が行われた後、後述するステツプs56,s57による
急戻し制御が行われたときにはステツプs53で、実際の
回転速度NEと目標回転速度NTとの差に基づいて、前記第
4図で示されるグラフから増分ΔD1が読出され、この増
分ΔD1によつて制御デユーテイDUTYが更新されて、緩や
かな積分制御が行われ、ステツプs54に移る。
また、前記ステツプs41においてフラグFNEが1でないと
き、すなわち回転速度NEの計測処理が行われた後、前記
ステツプs42〜s53で示される動作が既に終了されている
とき、およびステツプs52で急制御フラグFΔN1が1で
あるとき、すなわち前記ステツプs45における急激な制
御が行われたときには、直接ステツプs54に移る。
このステツプs54では、急制御フラグFΔN1が1である
か否かが判断され、そうであるときにはステツプs55で
不感帯フラグFΔN2が1であるか否かが判断され、そう
であるとき、すなわち不感帯W2内であるときにはステツ
プs56に移る。すなわち、ステツプs54,s55を行うことに
よつて、急制御が行われた後、不感帯W2内に入つた演算
タイミングでステツプs56に移る。
ステツプs56では、前記ステツプs44またはs48で設定さ
れるフラグFΔN3に対応して、制御デユーテイDUTYに予
め定める増分ΔD3が加算または減算される。すなわち、
フラグFΔN3が1のときには増分ΔD3が加算され、フラ
グFΔN3が零のときには増分ΔD3が減算され、こうして
制御デユーテイDUTYが更新される。
ステツプs57では、ステツプs56で更新された制御デユー
テイDUTYと吸気圧の補正値Pcとに基づいて、前記第8図
で示されるグラフから値MAPが読出され、この値MAPが前
記ステツプs62で設定された目標値αとほぼ等しいか否
かが判断され、そうでないときにはステツプs56,s57を
繰返し、こうして目標値αにほぼ等しくなるとステツプ
s58に移る。
ステツプs58では、前記急制御フラグFΔN1が零にリセ
ツトされた後ステツプs59に移り、上述のステツプs45,s
53またはs56で求められた制御デユーテイDUTYによつ
て、実際に流量制御弁36の開度制御が行われる。
以上の動作を要約すると、回転速度NEが急激に落込んだ
り上昇したりすると、ステツプs42,s43,s44,s45または
ステツプs42,s46,s47,s48,s45の動作によつて、時間変
化率ΔNEに対応した増分ΔD2だけ、制御デユーテイDUTY
が急激に変化される。このような急激な制御を行つた
後、不感帯W2内に入つたときには、その時点での目標値
αを維持すべくステツプs54〜s57で、目標値αに向かつ
て増分Δ3ずつ急激な戻し制御が行われ、制御の行過ぎ
が防止される。こうして回転速度NEが安定すると、ステ
ツプs53による通常の積分制御が行われ、小さいゲイン
で安定した制御が行われる。
このように本発明に従う制御装置1では、負荷変動によ
る急激な回転速度NEの落込みが検出されたときには、流
量制御弁36の制御デユーテイDUTYを、回転速度NEの変化
率ΔNEに応じた増分ΔD2だけ変化して速やかに落込みを
抑え、また回転速度NEの落込みが収まつたときには、そ
の時点における吸入空気流量の目標値αに向けて、制御
デユーテイDUTYを予め定める増分ΔD3ずつ急激に減少す
るようにしたので、大きい制御ゲインで、かつ吸上がり
が生じるよな過制御となることなく、良好な安定性を確
保することができる。
また、負荷変動によつて回転速度NEが上昇した場合も同
様に、吸上がりなどを速やかに抑えるとともに、過制御
によるエンストを確実に防止することができ、こうして
応答性と安定性とを兼ね備えたアイドル回転速度制御を
行うことができる。
さらにまた、目標回転速度NT近傍に、闘値L3,L4を設
け、増分ΔD2による急激な制御は、計測された回転速度
NEが、上昇中には闘値L3より高い場合、下降中には闘値
L4未満である場合に実行するようにしたので、不必要な
制御を防止し、これによつてさらに安定性を向上するこ
とができる。
また、このように負荷変動に対する応答性が向上するこ
とによつて、制御装置1に取込むべき各種の機器出力や
センサの測定結果などは必要最小限とすることができ、
これによつて構成を簡略化することができる。
発明の効果 本発明によれば、内燃機関のアイドル時に回転速度の落
込みまたは上昇が検出されたときには、積分制御によつ
て達成される時間変化率よりも高い第1時間変化率で流
量制御弁の制御量を変化し、前記回転速度の時間変化率
が零、あるいはほぼ零となつた時点で、積分制御によつ
て達成される時間変化率よりも高い第2時間変化率で流
量制御弁の開度を制御し、これによつて前記時点におけ
る吸気管圧力、または吸気管圧力と回転速度との積に関
係する値を維持するようにしたので、たとえば回転速度
が落ち込んだときには、前記第1の時間変化率で流量制
御弁の開度が増加されて、吸入空気流量が第1の時間変
化率で増加されてエンストを防止することができる。
また回転速度の時間変化率が、零を経て上昇を開始する
と、その時点におけるトクルを維持することができる値
まで第2時間変化率で流量制御弁の開度が制御されて吸
入空気流量が減少され、過制御による吹上がりが防止さ
れる。
このようにして、高い制御ゲインで応答性を向上すると
ともに、安定性の向上とを両立して実現することができ
る。また負荷となる各種の機器やセンサから出力の取込
数を削減することができ、構成を簡略化することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の内燃機関の制御装置1とそ
れに関連する構成を示すブロツク図、第2図は制御装置
1の具体的構成を示すブロツク図、第3図は負荷変動時
のアイドル回転速度制御動作を説明するためのタイミン
グチヤート、第4図は通常の積分制御時における増分Δ
D1の変化を示すグラフ、第5図は急制御時における増分
ΔD2の変化を示すグラフ、第6図は制御デユーテイDUTY
が変化された過渡時における動作を説明するためのタイ
ミングチヤート、第7図はサージタンク6への吸入空気
流量Qinと流出空気流量Qoutとの関係を示すグラフ、第
8図は各制御デユーテイDUTYにおける吸気圧P,Pcの変化
に対する値MAPの変化を示すグラフ、第9図〜第12図は
アイドル回転速度制御動作を説明するためのフローチヤ
ート、第13図は本発明による制御動作を簡略化して説明
するための図である。 1……制御装置、4,7……吸気管、5……スロツトル
弁、6……サージタンク、8……燃料噴射弁、10……内
燃機関、14……排気管、20〜31……検出器、35……側
路、36……流量制御弁、43……処理回路、45……メモリ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スロツトル弁の上流側と下流側とをアイド
    ル用のバイパス側路で連通し、その側路に設けた流量制
    御弁の開度を積分制御によつて変化することによつて、
    内燃機関の回転速度を予め定める目標回転速度に維持す
    る内燃機関のアイドル回転速度制御装置において、 前記回転速度の落込みを検出したとき、前記積分制御に
    よつて達成される時間変化率よりも高い第1の時間変化
    率で流量制御弁の開度を増加し、 回転速度の時間変化率が零、あるはほぼ零となつた時点
    で、前記積分制御によつて達成される時間変化率よりも
    高い第2時間変化率で流量制御弁の開度を減少して、前
    記時点における吸気管圧力、または吸気管圧力と回転速
    度との席に関係する値を維持し、これによつて内燃機関
    の安定した回転速度の積分制御を行つている状態での積
    分制御を達成することを特徴とする内燃機関のアイドル
    回転速度制御装置。
  2. 【請求項2】回転速度の落込み検出による前記開度量の
    増加制御は、 該回転速度が前記目標回転速度近傍で、その目標回転速
    度より高い予め定める第1の値より低いときに実行する
    ことを特徴とする請求項第1項記載の内燃機関のアイド
    ル回転速度制御装置。
  3. 【請求項3】スロツトル弁の上流側と下流側とをアイド
    ル用のバイパス側路で連通し、その側路に設けた流量制
    御弁の制御量を変化することによつて、内燃機関の回転
    速度を予め定める目標回転速度に維持する内燃機関のア
    イドル回転速度制御装置において、 前記回転速度の上昇を検出したとき、前記積分制御によ
    つて達成される時間変化率よりも高い第1の時間変化率
    で流量制御弁の開度を減少し、 回転速度の時間変化率が零、あるいはほぼ零となつた時
    点で、前記積分制御によつて達成される時間変化率より
    も高い第2時間変化率で流量制御弁の開度を増加して前
    記時点における吸気管圧力、または吸気管圧力と回転速
    度との積に関係する値を維持し、これによつて内燃機関
    の安定した回転速度の積分を行つている状態での積分制
    御を達成することを特徴とする内燃機関のアイドル回転
    速度制御装置。
  4. 【請求項4】回転速度の上昇検出による前記開度量の減
    少制御は、 該回転速度が前記回転速度近傍で、その目標回転速度よ
    り低い予め定める第1の値より高いときに実行すること
    を特徴とする請求項第3項記載の内燃機関のアイドル回
    転速度制御装置。
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