JP2862688B2 - 内燃機関のアイドル回転速度制御方法 - Google Patents

内燃機関のアイドル回転速度制御方法

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JP2862688B2
JP2862688B2 JP1554691A JP1554691A JP2862688B2 JP 2862688 B2 JP2862688 B2 JP 2862688B2 JP 1554691 A JP1554691 A JP 1554691A JP 1554691 A JP1554691 A JP 1554691A JP 2862688 B2 JP2862688 B2 JP 2862688B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関のアイドル回
転速度の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関では、発生するトルクの小さい
アイドル時には、僅かな負荷変動によって回転速度が変
動する。たとえば、ヘッドライトの点灯などの電力負荷
や、冷房機などの使用開始時、ならびにパワーステアリ
ングの据切りや自動変速機のDレンジ投入時には回転速
度が落込む。
【0003】一方、近年、燃費向上のためにアイドル回
転速度は比較的低く抑えられており、したがって上述の
ような負荷変動を生じる要因が重複した場合には、エン
ストを生じるおそれがある。
【0004】このため典型的な従来技術では、アイドル
用のバイパス側路に設けた流量制御弁を制御する制御装
置には、負荷変動の要因となる各種の機器の出力などを
取込み、たとえば冷房機が使用されているときには、ア
イドル回転速度を250rpmだけ上昇するという具合
に、アイドル時の目標回転速度が設定される。また、こ
のように設定された回転速度となるように、見込制御
や、過制御を抑えるために小さい制御ゲインでの積分制
御が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来技術
では、制御ゲインが低いために応答性に劣り、目標回転
速度に達するまでに長時間を要する。一方、この制御ゲ
インを大きくすると、応答性は向上するが安定性に劣
る。すなわち、制御の行過ぎが生じて過制御となり、い
わゆるハンチングや吹上がりなどの不所望な事態を招
く。
【0006】本発明の目的は、構成を簡略化することが
できるとともに、耐エンスト性を向上し、応答性と安定
性とを両立することができる内燃機関のアイドル回転速
度制御方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、スロットル弁
の上流側と下流側とをアイドル用のバイパス側路で連通
し、その側路に設けた流量制御弁の制御量を変化するこ
とによって、内燃機関の回転速度を予め定める目標回転
速度に維持する内燃機関のアイドル回転速度制御方法に
おいて、前記回転速度の落込みが検出されたときには、
予め定める値だけ前記制御量を上乗せし、前記回転速度
の変化加速度の極性が反転して前記落込みが収束を開始
し、かつ前記回転速度の変化速度が予め定める値以上で
あって急激な落込みでないときには、前記制御量の上乗
せを解除し、前記制御量の上乗せによって回転速度が上
昇し、回転速度の変化速度が零あるいはほぼ零となった
時点で、その時点における内燃機関のトルクに関連する
パラメータの目標値を設定し、前記目標値を維持、ある
いは緩やかに変化することができる所定値まで前記制御
量を変化することを特徴とする内燃機関のアイドル回転
速度制御方法である。
【0008】本発明の前記上乗せされる制御量の値は、
内燃機関の回転速度の変化速度に基づく値であることを
特徴とする。
【0009】また本発明の前記上乗せされる制御量の値
は、内燃機関の回転速度の変化加速度に基づく値である
ことを特徴とする。
【0010】さらにまた本発明の前記上乗せされる制御
量の値は、内燃機関の回転速度の変化速度に基づく値
と、変化加速度に基づく値との加算値であることを特徴
とする。
【0011】また本発明の前記上乗せされる制御量の値
は、内燃機関の回転速度の変化速度に基づく値と、変化
加速度に基づく値との積値であることを特徴とする。
【0012】さらにまた本発明の前記パラメータは、吸
気管圧力、または該吸気管圧力と内燃機関の回転速度と
の積値に関係する値であることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明に従えば、内燃機関のアイドル時に、た
とえば内燃機関の回転速度の変化速度が予め定める値以
下となって回転速度の落込みが検出されると、スロット
ル弁をバイパスするアイドル用のバイパス側路に設けら
れた流量制御弁の制御量に、予め定める値を上乗せす
る。これによって、吸入空気流量が増大し、前記回転速
度の落込みが抑えられる。前記上乗せされる制御量の値
には、比較的大きい一定値、ならびに内燃機関の回転速
度の変化速度に基づく値や、変化加速度に基づく値、さ
らには前記変化速度に基づく値と変化加速度に基づく値
との2つの値の加算値や積値などが用いられる。
【0014】前記落込み時の回転速度の変化速度は負側
に大きく、前記制御量の上乗せによって回転速度の落込
みが収束を開始し、変化加速度の極性が反転して負側か
ら正側となると、その時点で、回転速度の変化速度が予
め定める値以上であって急激な落込みでないときには、
前記制御量の上乗せを解除する。
【0015】また、前記制御量の上乗せによって回転速
度が上昇し、回転速度の変化速度が零、あるいはほぼ零
となった時点で、その時点における内燃機関のトルクに
関連するパラメータ、たとえば吸気圧や、該吸気圧と回
転速度との積値、すなわち吸入空気量を表す目標値を設
定し、その後、その目標値を維持あるいは緩やかに変化
することができる所定値まで、前記制御量を変化する。
【0016】したがって、回転速度が落込むと、速やか
に吸入空気流量が増加されてエンストを防止することが
できる。また、上述のように回転速度の落込みが収束を
開始する時点で、制御量の上乗せを解除し、さらに前記
回転速度の変化速度が零、すなわち回転速度が回復を開
始する時点で、前記パラメータの目標値を維持すること
ができる所定値まで、最終的に制御量を変化する。これ
によって、急激な制御量の上乗せによって吸気経路内に
充填された吸入空気の影響による不所望な吹上がりを招
くことなく、回転速度を前記パラメータの目標値を維持
することができる速度に速やかに収束させることができ
る。このようにして、良好な応答性と安定性とを有する
アイドル回転速度制御を行う。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の内燃機関の制御
装置1とそれに関連する構成を示すブロック図である。
吸気口2から導入された燃焼用空気は、エアクリーナ3
で浄化され、吸気管4を介して、該吸気管4に介在され
るスロットル弁5でその流入量が調整された後、サージ
タンク6に流入する。サージタンク6から流出した燃焼
用空気は、吸気管7に介在される燃料噴射弁8から噴射
された燃料と混合され、吸気弁9を介して、内燃機関1
0の燃焼室11に供給される。燃焼室11には点火プラ
グ12が設けられており、この燃焼室11からの排ガス
は、排気弁13を介して排出され、排気管14から三元
触媒15を経て大気中に放出される。
【0018】前記吸気管4には吸入空気の温度を検出す
る吸気温度検出器21が設けられ、前記スロットル弁5
に関連してスロットル弁開度検出器22が設けられ、サ
ージタンク6には吸気管7の圧力を検出する吸気圧検出
器23が設けられる。また前記燃焼室11付近には冷却
水温度検出器24が設けられ、排気管14において、三
元触媒15より上流側には酸素濃度検出器25が設けら
れ、三元触媒15内には排気温度検出器26が設けられ
る。内燃機関10の回転速度、すなわち単位時間当りの
回転数はクランク角検出器27によって検出される。
【0019】制御装置1には、前記各検出器21〜27
とともに、車速検出器28と、内燃機関10を始動させ
るスタータモータ33が起動されているかどうかを検出
するスタート検出器29と、冷房機の使用などを検出す
る空調検出器30と、該内燃機関10が搭載される自動
車が自動変速機付きであるときには、その自動変速機の
変速段がニュートラル位置であるか否かを検出するニュ
ートラル検出器31からの検出結果が入力される。
【0020】さらにまたこの制御装置1は、バッテリ3
4によって電力付勢されており、該制御装置1は前記各
検出器21〜31の検出結果、および電圧検出器20に
よって検出されるバッテリ34の電源電圧などに基づい
て、燃料噴射量や点火時期などを演算し、前記燃料噴射
弁8および点火プラグ12などを制御する。
【0021】前記吸気管4にはまた、スロットル弁5の
上流側と下流側とをバイパスする側路35が形成されて
おり、この側路35には流量制御弁36が設けられてい
る。流量制御弁36は、制御装置1によつてデューティ
制御され、スロットル弁5がほぼ全閉であるアイドル時
の燃焼用空気の流量を調整制御する。制御装置1はま
た、内燃機関10が運転されているときには、燃料ポン
プ32を駆動する。
【0022】前記流量制御弁36は、電磁ソレノイド内
にバルブシャフトが配置され、前記電磁ソレノイドのコ
イルをデューティ制御することによって、前記バルブシ
ャフトが変位し、該バルブシャフトの一端部に固着され
たバルブの開度が変化する、いわゆるリニアソレノイド
タイプの流量制御弁である。
【0023】図2は、制御装置1の具体的構成を示すブ
ロック図である。前記検出器20〜25の検出結果は、
入力インタフェイス回路41からアナログ/デジタル変
換器42を介して、マイクロコンピュータなどで実現さ
れる処理回路43に与えられる。また前記検出器22,
27〜31の検出結果は、入力インタフェイス回路44
を介して前記処理回路43に与えられる。処理回路43
内には、各種の制御用マップや学習値などを記憶するた
めのメモリ45が設けられており、またこの処理回路4
3には、前記バッテリ34からの電力が、定電圧回路4
6を介して供給される。
【0024】処理回路43からの制御出力は、出力イン
タフェイス回路47を介して導出され、前記燃料噴射弁
8に与えられて燃料噴射量が制御され、またイグナイタ
48を介して点火プラグ12に与えられて点火時期が制
御され、さらにまた前記流量制御弁36に与えられてア
イドル時の側路35を介する流入空気流量が制御され、
また燃料ポンプ32が駆動される。
【0025】前記排気温度検出器26の検出結果は、制
御装置1内の排気温度検出回路49に与えられ、その検
出結果が異常に高温であるときには、駆動回路50を介
して警告灯51が点灯される。
【0026】図3は、上述のように構成された制御装置
1の動作を説明するためのタイミングチャートである。
なお、酸素濃度検出器25などからの出力に基づいて、
空燃比制御が行われているとする。
【0027】図3において時刻t1以前で示されるよう
に、内燃機関10の回転速度NEが比較的安定している
定常状態には、流量制御弁36の制御デューティDUT
Yは、前記回転速度NEと、目標回転速度NTとなどに
基づいて、図4で示される比較的小さい増分ΔD1が加
算されて積分制御される。
【0028】前記増分ΔD1は、前記図4で示されるよ
うに、回転速度NEと目標回転速度NTとの差が、±1
5rpmの不感帯W1内にあるときには零とされ、前記
不感帯W1外では、前記差NE−NTに対応した値に設
定される。この積分制御によって、定常時には、回転速
度NEは前記不感帯W1内に入るように制御されてい
る。
【0029】前記目標回転速度NTは、たとえば無負荷
時には700rpmに設定されており、冷房機が使用さ
れたときには950rpmに設定され、自動変速機の変
速段がドライブ位置Dにあるときには、発進防止のため
に600rpmに設定される。
【0030】前記時刻t1において、自動変速機の変速
段がニュートラル位置Nからドライブ位置Dに切換えら
れると、内燃機関10への負荷が増大し、前記回転速度
NEは落込みを開始する。また、前記切換動作は、ニュ
ートラル検出器31によって検出されており、制御装置
1は前記切換動作を検出すると、流量制御弁36の制御
デューティDUTYを予め定める増分ΔD10だけ上乗
せする見込制御を行う。前記増分ΔD10は、前記自動
変速機の変速段の切換時や、冷房機の使用開始時など
で、それぞれ変動する負荷の種類に対応した最適な値が
メモリ45から読出されて設定される。
【0031】前記落込みによって、前記回転速度NEの
変化速度ΔNEが予め定める閾値L1以下となり、かつ
回転速度NEが前記目標回転速度NTよりたとえば10
0rpmだけ高い閾値L2未満であるときには、その時
刻t2において前記制御デューティDUTYには、予め
定める値であり、比較的大きい、たとえば50%の増分
ΔD2が上乗せされる全開制御が行われる。これによっ
て、吸入空気流量が増大し、サージタンク6の吸気圧P
Mは急激に上昇する。
【0032】前記閾値L1は、図5で示されるように、
前記回転速度NEに対応して決定される。すなわちたと
えば、処理回路43の8演算周期である32msec当
りの変化速度ΔNEは、前記回転速度NEが700rp
m以下であるときには−9.375rpmの一定値に設
定され、また前記回転速度NEが1200rpm以上で
あるときには−18.75rpmの一定値に設定され、
回転速度NEが前記700〜1200rpmであるとき
には、前記−9.375rpm〜−18.75rpmの
範囲で、回転速度NEに比例して設定されている。すな
わち、回転速度NEが低い程、前記全開制御に移り易い
ように設定されている。
【0033】なお、前記増分ΔD2には、図6で示され
るように、前記変化速度ΔNEに対応して求められる増
分ΔD2aが用いられてもよく、あるいは図7で示され
るように、変化加速度Δ2 NEに対応して求められる増
分ΔD2bが用いられてもよい。また、変化速度ΔNE
に基づく増分ΔD2aと、変化加速度Δ2 NEに基づく
増分ΔD2bとの加算値や積値であってもよい。
【0034】前記時刻t2で開始された全開制御は、回
転速度NEの落込みが収束を開始する時点、すなわち変
化速度ΔNEが最小値であり、変化加速度Δ2 NEが零
となって該変化加速度Δ2 NEの極性が負側から正側に
変化する時刻t3まで維持される。ただし、前記変化加
速度Δ2 NEの極性が反転する時刻t3においても、変
化速度ΔNEがたとえば−20(rpm/32mse
c)の閾値L3未満である急激な落込み時には、前記時
刻t3以降も全開制御が継続される。
【0035】また、前記時刻t2からの全開制御によっ
て、回転速度NEは回復を開始する。その回復を開始す
る時点、すなわち変化速度ΔNEが零となる時刻t5に
おいて、後述する吸入空気流量に関するパラメータの目
標値αが設定される。またこの時刻t5から前記パラメ
ータが前記目標値αとなる時刻t6まで、前記制御デュ
ーティDUTYは予め定める増分ΔD4ずつ繰返し減算
されて急激に変化され、こうして復帰制御が行われる。
【0036】前記復帰制御の後には、制御デューティD
UTYが安定するまでの予め定める禁止時間T3、たと
えば350msecだけ積分制御が禁止される。前記時
間T3が経過した時刻t7以降は前述の積分制御に復帰
し、回転速度NEが目標回転速度NTに一致するよう
に、制御デューティDUTYが制御される。
【0037】なお、前記時刻t2〜t5間における全開
制御が終了した後には、予め定める禁止時間T4、たと
えば50点火時間だけ全開制御を禁止する。ただし、前
記変化速度ΔNEがたとえば−15rpm以下である非
常に大きい落込み時には、前記全開制御を可能とする。
【0038】これによって、図3において参照符A1で
示されるように、全開制御によって変化速度ΔNEが回
復した後、前記復帰制御によって再び前記閾値L1以下
となって全開制御に移るような、不所望な振動を防ぐこ
とができる。
【0039】このように前記全開制御によって速やかに
吸入空気流量を増加し、回転速度NEの落込みを抑え、
耐エンスト性を向上させることができる。
【0040】また、前記全開制御によって回転速度NE
が収束を開始すると、その時刻t3において前記増分Δ
D2の上乗せを解除しておき、引続き前記回転速度NE
の変化速度ΔNEが零となった時点で、復帰制御によっ
て所望とするトルクを維持することができる値まで制御
デューティDUTYを変化する。したがって、図3にお
いて参照符A2で示されるように、復帰制御に移る直前
まで増分ΔD2の上乗せを保持した場合に生じるよう
な、サージタンク6などの吸気経路に充填されてしまっ
た過剰な吸入空気による不所望な吹上がりを未然に防止
することができる。
【0041】これに対して時刻t11で示されるよう
に、自動変速機がニュートラル位置Nに切換えられる、
いわゆる負荷抜け時には、制御デューティの積分制御の
初期値DIは、前記見込制御(N→D時)による増分Δ
D10から、前記時刻t1における制御デューティD1
と、前記時刻t11直前の制御デューティD11との差
を減算した結果を、前記制御デューティD11から減算
して求められる。すなわち、
【0042】
【数1】 DI = D11 −〔ΔD10 −(D1 − D11)〕 で求められる。
【0043】一方、アイドル回転速度や燃料噴射量の制
御演算に用いられる吸気圧検出器23の検出出力PMa
には、図8で示されるように、吸気弁9の開閉動作によ
る変動が生じており、その変動幅は、たとえば4000
rpmで50〜100mmHg程度の大きな値である。
この変動を吸収して正確な吸気圧を検出するために、前
記検出出力PMaには、制御装置1内でフィルタ処理が
行われている。
【0044】したがってこのフィルタ処理による遅延に
よって、たとえば流量制御弁36の開度θが図8で示さ
れるように急激に開かれても、前記フィルタ処理後の吸
気圧PMの波形は、図8において、参照符A11で示さ
れる実際の吸気圧の圧力波形の変化に対して、時間Δt
2だけ遅延して参照符A12で示されるように現われ
る。
【0045】したがって図8において、計算タイミング
t21における吸気圧に基づいて制御デューティを演算
すると、本来、制御デューティの演算に使用すべき吸気
圧に対して、フィルタ処理時間Δt2に対応する圧力差
ΔP2分だけ小さくなってしまう。このため、時間Δt
2の遅れに対応する圧力差ΔP2を予想して求め、計算
タイミングt21における吸気圧を補正する必要があ
る。
【0046】この図8で示されるように、フィルタ処理
後の圧力波形A12は実際の吸気圧の圧力波形A11と
ほぼ等しく、したがつて吸気圧Pの時間変化率dP/d
tを正確に求めることによって、このような遅れに対す
る補正を精度よく行うことができる。
【0047】前記時間変化率dP/dtは、以下のよう
にして求められる。すなわち、サージタンク6への吸入
空気流量をQinとし、サージタンク6からの流出空気
流量をQoutとするとき、
【0048】
【数2】 K1・(dP/dt)= Qin − Qout = ΔQ ただし、ΔQは吸入空気流量の変化量であり、K1は定
数である。また流量制御弁36の制御デューティをDU
TYとし、内燃機関10の回転速度をNとすると、
【0049】
【数3】
【0050】
【数4】Qout = K3・η・N・P で表わされる。ただし、K2,K3は定数であり、ηは
吸気効率であり、P0は大気圧である。したがって前記
数2から、遅れ補正が行われた吸気圧Pは、
【0051】
【数5】 P = Pi+(dP/dt)・Δt2 = Pi + K1a・ΔQ・Δt2 となる。ただし、Piは前記計算タイミングt21での
吸気圧であり、K1a=1/K1である。
【0052】一方、180°CA間の時間をTとする
と、
【0053】
【数6】
【0054】となる。この数6においてΔt2は時間軸
に対して対して一定であり、これをBとおくと、
【0055】
【数7】 P = Pi+K1a・ΔQ・(1/N)・N・B と表わされる。
【0056】すなわち、フィルタ処理による遅延に関し
ては、ΔQを正確に求めることによって、これらの補正
は一般性を持って精度よく求めることができる。
【0057】続いて、ΔQ/Nの算出方法について説明
する。流量制御弁36が急開したときの吸入空気流量Q
inの変化は、図9において参照符A13で示されるよ
うになる。これに対して、サージタンク6などの前記吸
気経路の影響によって、該サージタンク6からの流出空
気流量Qoutは、参照符A14で示されるようにな
る。これら流量Qin,Qoutは、前記数3および数
4でそれぞれ示される。
【0058】内燃機関10の定常運転時にはQin=Q
outであり、流量Qinを、流量制御弁36の制御デ
ューティDUTYおよび吸気圧Pをパラメータとして、
定常時の流量Qoutを実測して予め求めておく。すな
わち、前記数4におけるN・Pに相当する値は、図10
で示されるように、制御デューティDUTYを一定に保
って吸気圧Pを変化した場合の、各制御デューティDU
TYにおけるNとPとの積値MAPを用いるとする。そ
の結果、流量Qinは数8のように表すことができる。
なお、前記図10で示されるグラフは、前記図4および
図5で示されるグラフとともに、メモリ45内にマップ
としてストアされている。
【0059】
【数8】Qin = K3・η・MAP したがって、
【0060】
【数9】 と表すことができる。
【0061】しかしながらこの数9において、MAP/
NとPMとは、内燃機関10の製造上のばらつきや経年
変化などによって、実際の制御時には、定常状態におい
て一致しないことがあり、このため本実施例では、吸気
圧PMを、計算によって求めた値Pcに置換えて用い
る。吸気圧PMは、上述のようなばらつきなどによるず
れが生じても、その時間変化率dP/dtはほぼ同一で
あり、したがって数5で示される前述の遅れ補正と同様
に、
【0062】
【数10】 Pci=Pc(i−1)+(dP/dt)・Δt=Pc(i−1)+K1a・ΔQ・Δt =Pc(i−1)+K1a・K3・η・N・{(MAP/N)−Pc(i−1)}・Δt と表すことができる。ただし、Pciは今回の計算値で
あり、Pc(i−1)は前回の計算値である。したがっ
て、MAP/Nと、計算で求めた値Pcとは定常時には
必ず一致し、また過渡時には制御デューティDUTYの
変化に伴ってMAP/Nが急変し、値Pcはこれに一致
するように追従変化する。したがつて値Pcは、数11
に基づいて、たとえば4msec毎に逐次近似演算され
る。
【0063】
【数11】 Pc←Pc+K5・N・{(MAP/N)− Pc} ただし、K5=K1a・K3・ηである。
【0064】以上のようにして、フィルタ処理による遅
延および内燃機関10のばらつきを考慮して補正値Pc
を求めたけれども、上記遅延が小さい場合や、制御をよ
り簡潔に行いたい場合には、値Pcの代わりに実際の吸
気圧PMを用いても制御可能である。したがって、以下
の説明でPcで記述しているものを、PMで代用する場
合はPMに置換えるものとする。
【0065】なお実際の制御には、前記値Pcには、4
演算周期に亘る平均値が用いられる。すなわち、今回の
演算周期における計算値をPc0とし、前回の演算周期
における値をPc1とし、前々回の演算周期における値
をPc2とし、3回以前の演算周期における値をPc3
とするとき、
【0066】
【数12】 Pc=(Pc0+Pc1+Pc2+Pc3)/4 また内燃機関10には、前述のようにして求められた吸
気圧の計算値Pcを用いて、たとえば流量制御弁36の
制御デューティを増加した場合、該増加に対応して値P
cが増加してから、実際に発生トルクが増加し、回転速
度NEが上昇するまでには、図11で示されるように、
理論上2点火周期程度の応答遅れがある。さらにまた、
復帰制御を行うか否かの判定に用いられ、後述する変化
速度ΔNESMMが反転する(ΔNESMM=0)時刻
は、実際の回転速度NEが回復を開始する時点(ΔNE
=0)より、実測値で約1.3点火周期だけ遅れてい
る。このため本実施例では、これらの応答遅れに対応し
て、上述のようにして求められた値Pcの3.3点火周
期だけ以前の値PcXを求め、制御デューティDUTY
の演算に用いる。
【0067】図12〜図20は、上述のアイドル回転速
度制御動作を説明するためのフローチャートである。図
12は内燃機関10の回転速度NE、変化速度ΔNEお
よび変化加速度Δ2 NEを求めるための動作を表し、こ
の動作は内燃機関10の各気筒間の行程差による誤差の
少ないタイミング、たとえば内燃機関10が4気筒4サ
イクルの内燃機関であるときには、180°クランク角
(CA)毎に行われる。
【0068】ステップs1では、クランク角検出器27
によつて回転速度NEが計測され、ステップs2では、
前記ステップs1における今回の計測結果NEiと、前
回の計測結果NE(i−1)とから変化速度ΔNEが計
算される。続いてステップs3では、前記ステップs2
における今回の計算結果ΔNEiと、前回の計算結果Δ
NE(i−1)とから変化加速度Δ2NEが計算された
後、他の動作に移る。
【0069】図13は、吸気圧PMを求めるための動作
を表し、ステップs11で吸気圧検出器23の計測結果
が、アナログ/デジタル変換器42でデジタル変換され
て処理回路43に読込まれる。この動作は、たとえば2
msec毎の変換動作のたび毎に行われる。
【0070】図14は、前述の数11で示される補正演
算の動作を説明するためのフローチャートであり、たと
えば4msec毎の、スロットル弁開度検出器22によ
って検出されるスロットル弁開度θaのアナログ/デジ
タル変換動作のたび毎に行われる。ステップs21では
スロットル弁開度θaが読込まれ、ステップs22では
前記ステップs21で求められたスロットル弁開度θa
と後述のステップs30で求められる値Pcとから、前
記図10で示されるグラフに基づいてマップ値MAPが
読出される。
【0071】ステップs23では前記値MAPと回転速
度NEとが除算され、ステップs24でその除算結果か
ら前記値Pcが減算される。ステップs25では、前記
ステップs24における減算結果が正であるかまたは負
であるかに対応して、後述のステップs30における値
Pcの近似演算のための符号がセットされる。ステップ
s26では、そのセットされた符号が正であるか否かが
判断され、そうでないときにはステップs27で、前記
ステップs24における減算結果の絶対値が演算された
後ステップs28に移り、そうであるときには直接ステ
ップs28に移る。
【0072】ステップs28では、前記ステップs24
における減算結果と回転速度NEとが乗算される。ステ
ップs29では前記値K5とステップs28で求められ
た演算結果とが乗算され、この乗算結果を用いて、ステ
ップs30で前記ステップs25においてセットされた
符号に基づいて、前記値Pcが更新される。このように
して、前記数11で示される値Pcの近似演算が行われ
る。なお前述したように、値Pcの代わりに実際の吸気
圧PMを用いた場合は、この図14で示される動作は不
要となる。
【0073】図15〜図20は、アイドル回転速度を制
御するための流量制御弁36のデューティ制御動作を説
明するためのフローチャートであり、図15はアイドル
回転速度を制御するためのメインルーチンの動作を説明
するためのフロートャートである。ステップm1では、
予め定める32.768msecの演算タイミングであ
るか否かが判断され、そうであるときにはステップm2
で、カウンタCAが1だけ加算されて更新された後ステ
ップm3に移り、そうでないときには直接ステップm3
に移る。前記カウンタCAは、前記禁止時間T3を計測
するためのカウンタであり、後述するようにこのカウン
タCAのカウント値が、前記禁止時間T3に対応した値
La以上となるまで、前記積分制御は禁止される。
【0074】ステップm3では、ニュートラル検出器3
1の検出結果から、前記変速段がドライブ位置Dからニ
ュートラル位置Nに切換えられたか否かが判断され、す
なわち前記時刻t11における負荷抜け時にはステップ
m4に移り、積分制御の初期値DIを演算するためのサ
ブルーチンがコールされ、前記数1に従って演算を終了
するとステップm5に移り、そうでないときには直接ス
テップm5に移る。
【0075】同様にステップm5では、空調検出器30
の検出結果に基づいて、冷房機がONからOFFに切換
った負荷抜け時であるか否かが判断され、そうであると
きには前記ステップm4と同様にステップm6で、初期
値DIを演算するためのサブルーチンがコールされた後
ステップm11に移り、そうでないときには直接ステッ
プm11に移る。
【0076】ステップm11では、スロットル弁開度検
出器22に含まれるアイドルスイッチの検出結果に基づ
いて、スロットル弁が全閉であり、前記アイドルスイッ
チがON状態であるアイドル状態であるか否かが判断さ
れ、そうでないとき、すなわちアイドル回転速度制御を
行わないときはステップm12に移り、アイドル状態と
なってからの時間を計測するカウンタCIが零にリセッ
トされる。ステップm13では、前記減衰制御を含む前
記全開制御を行っているか否かを表す全開制御フラグF
PCSを零にリセットして、全開制御を禁止した後、ス
テップm14に移る。また、前記ステップm11におい
てアイドル状態であるときには、直接ステップm14に
移る。
【0077】前記カウンタCIは、前記アイドルスイッ
チのチャタリングによる影響を防止するために、前記ス
テップm11におけるアイドル状態の判定を遅延させる
ためのカウンタであり、アイドル状態でないときには零
にリセットされており、前記アイドルスイッチがON状
態となると自動的にインクリメントを開始し、前記50
0msecが経過した時点で、前記ステップm11から
直接ステップm14へ移ることを許容する。
【0078】ステップm14では、クランク角検出器2
7の検出結果に基づいて、内燃機関10が停止している
か否かが判断され、そうであるときにはステップm15
で、前記吸気圧の計算値PcXに、吸気圧検出器23で
実測した吸気圧PMが、初期値として設定される。また
内燃機関10が停止しているときには、ステップm16
で制御デューティDUTYが0%に設定された後、ステ
ップm17に移る。
【0079】ステップm17では、前記ステップm16
および後述のようにして求められる制御デューティDU
TYが、流量制御弁36の分解能に対応した値となるよ
うに、1/4の分解段数に変換されてLSB合わせが行
われた後、実際の制御デューティDOPに設定され、ス
テップm18で流量制御弁36が、前記制御デューティ
DOPで制御される。このようにして、流量制御弁36
のデューティ制御が終了すると、メインルーチンは、た
とえば点火タイミングの計算等の他の処理へ移る。
【0080】前記ステップm14において、内燃機関1
0が停止していないときはステップm21に移り、処理
回路43の図示しないテスト端子Tが、ON状態である
か否かが判断され、そうでないとき、すなわち処理回路
43が正常に演算動作を行っているときはステップm2
2に移る。ステップm22では、クランク角検出器27
の検出結果に基づいて、たとえば前記クランク角検出器
27からのクランクパルスが立上がった予め定める18
0°CAタイミングであるか否かが判断され、そうであ
るときにはステップm23に移り、後述するデューティ
演算のサブルーチンをコールし、演算動作が終了すると
前記ステップm17に移って制御出力を導出し、そうで
ないときにはデューティ制御を終了し、点火タイミング
計算等の他の処理へ移る。
【0081】前記ステップm21において、テスト端子
TがON状態であるとき、すなわち処理回路43に異常
が生じているときにはフェイルセーフ動作に移り、ステ
ップm24で、冷却水温度検出器24によって検出され
る冷却水温度THWが60℃未満であるか否かが判断さ
れる。前記冷却水温度THWが60℃未満であるとき、
すなわち内燃機関10が暖機していないときには前記ス
テップm22に移り、暖機しているときにはステップm
25に移り、処理回路43が異常となってからの時間を
カウントするカウンタCTのカウント値が5sec以上
となったか否かが判断される。前記カウンタCTのカウ
ント値が5sec以上であるときには前記ステップm2
7に移って、制御デューティDUTYは予め定める値、
たとえば50%に設定された後ステップm17に移り、
そうでないときにはステップm26に移って、制御デュ
ーティDUTYには予め定める値、たとえば37%が設
定された後、前記ステップm17に移る。
【0082】図16〜図20は、前記ステップm23で
コールされる制御デューティDUTYを演算するための
フローチャートであり、図16で示される動作は主に目
標回転速度NTのセットと、ΔNE=0を求めるための
変化速度ΔNESMMの計算のために設けられており、
図17で示される動作は前記全開制御のために設けられ
ており、図18で示される動作は前記復帰制御のために
設けられており、図19で示される動作は前記積分制御
のために設けられており、図20で示される動作は見込
制御をはじめとする各種の補正を含めた最終の制御デュ
ーティDUTYを求めるために設けられている。
【0083】ステップn1では、スタート検出器29の
検出結果に基づいて、内燃機関10が始動されてから2
秒が経過したか否かが判断され、そうでないときにはス
テップn2に移り、前記全開制御フラグFPCSが零に
リセットされ全開制御が禁止される。さらにステップn
3で、前記制御デューティDUTYの始動時補正項DS
TAが、たとえば10%または20%にセットされる。
また、ステップn1において始動後2秒以上経過してい
るときは、ステップn4で前記補正項DSTAが、0.
05%だけ減算されて更新される。
【0084】前記ステップn3,n4からはステップn
5に移り、冷却水温度検出器24によって検出される冷
却水温度THWが、80℃以上である完全暖機状態であ
るか否かが判断され、そうでないときにはステップn6
で、前記冷却水温度THWに対応した制御デューティD
UTYの水温補正項DTHWが、メモリ45内のマップ
から読出された後ステップn7に移り、そうであるとき
には直接ステップn7に移る。
【0085】ステップn7では、前記アイドルスイッチ
の出力に基づいて、アイドル状態であるか否かが判断さ
れ、そうであるときにはステップn8で、制御デューテ
ィDUTYのダッシュポット補正項DDPがセットされ
た後ステップn9に移り、そうでないときには直接ステ
ップn9に移る。前記補正項DDPは、アイドルスイッ
チがON状態となった時点で15%がセットされ、その
後、32msec毎に1.5%ずつ減少されてゆく。こ
れによってスロットル弁5が全閉されても、全閉状態と
なることを一時的に遅延したのと同等な効果を得ること
ができ、いわゆるダッシュポットと等価な機能を実現す
ることができる。
【0086】ステップn9では、前記検出器20,3
0,31などの検出結果に基づいて、メモリ45内のマ
ップから目標回転速度NTが読出されてセットされる。
すなわち、自動変速機がニュートラル位置Nにあるか否
かや、冷房機が使用されているか否か、さらにはヘッド
ライト等のオルターネータが起動される大きな電力負荷
が加わっているか否かなどの、負荷の状態に対応した目
標回転速度NTが設定されてステップn11に移る。
【0087】ステップn11では、全開制御が終了して
からの時間を計測するカウンタCCLOSEが零である
か否かが判断され、そうでないときにはステップn12
で、そのカウント値が1だけ減算されて更新された後ス
テップn13に移り、そうであるときには直接ステップ
n13に移る。
【0088】ステップn13では、前記ステップn2で
求められた変化速度ΔNEの今回の計算値ΔNEiと、
前回の計算値ΔNE(i−1)との平均値を求めること
によって、いわゆるなまし処理が行われた変化速度ΔN
ESMMが計算される。
【0089】ステップn14では、前記ステップn13
で求められた変化速度ΔNESMMが零となったか否
か、すなわち前記回転速度NEが回復を開始したか否か
が判断され、そうでないときには後述するステップn2
1以降の全開制御判定に移り、そうであるときにはステ
ップn15に移る。ステップn15では、前記全開制御
フラグFPCSが1であるか否かが判断され、そうでな
いときには前記ステップn21以降の全開制御判定に移
り、そうであるときには後述するステップn41以降の
復帰制御に移る。
【0090】ステップn21では、前記カウンタCCL
OSEのカウント値が零となったか否か、すなわち前記
全開制御が終了してから、前記禁止時間T4が経過した
か否かが判断され、そうであるときには全開制御が可能
であるとし、ステップn22において、メモリ45から
前記図5で示されるグラフに対応した閾値L1が読出さ
れてセットされる。
【0091】ステップn23では、変化速度ΔNEが前
記閾値L1以下であるか否かが判断され、そうであると
きにはさらにステップn24で、回転速度NEが閾値L
2未満であるか否かが判断され、そうであるとき、すな
わち全開制御を行うべきときにはステップn25に移
る。なお、前記ステップn21においてカウンタCCL
OSEのカウント値が零でないときには、ステップn2
0で、変化速度ΔNEが−15(rpm/32mse
c)未満であるか否かが判断され、そうであるときには
前記ステップn24に移る。すなわち、前記全開制御が
終了してから禁止時間T4が経過する以前であっても、
回転速度NEが大きく落込んだときには、全開制御を可
能とする。
【0092】ステップn25では、前記予め定める値で
ある50%が増分ΔD2にセットされ、ステップn26
では、全開制御フラグFPCSが1にセットされた後ス
テップn33に移る。
【0093】また、前記ステップn23において変化速
度ΔNEが閾値L1を超えているとき、およびステップ
n24において回転速度NEが閾値L2以上であると
き、すなわち全開制御を行う必要のないとき、ならびに
前記ステップn20において変化速度ΔNEが大きく落
込んでいないときには、直接ステップn33に移る。ス
テップn33以降の処理には、後述する復帰制御後の処
理が合流する。
【0094】ステップn33では、前記全開制御フラグ
FPCSが1であるか否かが判断され、そうでないと
き、すなわち全開制御中でないときにはステップn34
で、前記増分ΔD2が零にリセットされた後ステップn
35に移り、そうであるとき、すなわち全開制御中であ
るときにはステップn36,n37の上乗せ解除判定に
移る。
【0095】ステップn36では、前記変化加速度Δ2
NEの極性が正であるか否かが判断され、そうであると
きにはステップn37で、前記変化速度ΔNEが前記閾
値L3未満の非常に大きい落込みか否かが判断され、そ
うでないときには前記フラグn34に移って上乗せ制御
が解除される。また、前記ステップn36で変化加速度
Δ2 NEの極性が負であるとき、およびステップn37
で変化速度ΔNEが閾値L3以上であって落込みが小さ
いときには、ステップn35に移って上乗せ制御が継続
される。
【0096】ステップn35では、前記ステップn13
で求められた変化速度ΔNESMMが、前回の変化速度
の計算値ΔNE(i−1)に代入されて更新される。さ
らにステップn38では、今回の回転速度NEiが前回
の回転速度NE(i−1)に代入されて更新される。ま
たステップn39では、前記値Pcの前回の値Pc1、
前々回の値Pc2、3回以前の値Pc3が、それぞれ今
回の値Pc0、前回の値Pc1、前々回の値Pc2に更
新される。
【0097】一方、前記ステップn15から復帰制御に
移ると、ステップn41で、前記禁止時間T4を計測す
るためのカウンタCCLOSEに50がセットされる。
ステップn42では、前記禁止時間T3を計測するため
のカウンタCAが零にリセットされる。ステップn43
では、前記図14で示されるようにして求められた値P
cが、数12で示されるようにして過去3回の値と平均
化された後、変化速度ΔNESMMの反転(ΔNESM
M=0)から前記3.3点火周期だけ前の値である値P
cXが計算される。
【0098】ステップn44では、目標回転速度NT
と、前記吸気圧PcXとの積値から、内燃機関10のト
ルクに関連するパラメータである吸入空気流量の目標値
αが設定される。ステップn45では、制御デューティ
DUTYから、予め定める増分ΔD4が減算されて更新
される。ステップn46では、前記ステップn45で更
新された制御デューティDUTYと、吸気圧PcXとに
基づいて、前記図10で示されるグラフから値MAPが
読出され、この値MAPが、前記ステップn44で設定
された目標値αとほぼ等しいか否かが判断される。前記
値MAPが前記目標値αと等しくないときには、これら
ステップn45,n46を繰返して急激に制御デューテ
ィDUTYが減少され、こうして値MAPが目標値αに
ほぼ等しくなると、ステップn47に移る。
【0099】ステップn47では、上述のようにして更
新された制御デューティDUTYを積分制御の初期値と
して反映させるために、LSBを2倍に変換している。
ステップn48では、前記全開制御フラグFPCSが零
にリセットされた後、前記ステップn33以降の更新処
理に移る。
【0100】また前記ステップn39からは、ステップ
n51以降の積分制御に移る。ステップn51では、前
記ステップn3,n4で設定される始動時補正項DST
Aが零であるか否か、すなわち始動時でないか否かが判
断され、始動時でないときにはステップn52に移る。
ステップn52では、車速検出器28によって検出され
る車速Vsが、2km/h未満である車両がほぼ停止状
態であるか否かが判断され、そうであるときにはステッ
プn53で、吸気圧検出器23によって検出される吸気
圧PMや、クランク角検出器27によって検出される回
転速度NEなどに基づいて、前記車速検出器28が故障
しているか否かが判断され、故障していないときにはス
テップn54に移る。
【0101】ステップn54では、前記カウンタCAの
カウント値が、前記禁止時間T3に対応したカウント値
La以上となっているか否か、すなわち積分制御を行っ
てもよい状態であるか否かが判断され、そうであるとき
にはステップn55で、冷却水温度THWが、80℃以
上の完全暖機状態であるか否かが判断され、そうである
ときにはステップn56に移る。
【0102】ステップn56では、前記アイドルスイッ
チがON状態であるか否かが判断され、そうであるとき
にはステップn57で、前記アイドルスイッチがON状
態であっても、エンジンブレーキを作用させるための燃
料カット制御中であるか否かが判断され、そうでないと
きにはステップn58に移る。ステップn58では、全
開制御フラグFPCSが1であるか否かが判断され、そ
うでないとき、すなわち始動直後でなく、完全暖機状態
で、さらに全開制御が行われておらず、また復帰制御が
終了してから禁止時間T3が経過して、積分制御が可能
な状態であるときにはステップn59に移る。
【0103】ステップn59では、前記ステップn13
で求められた変化速度ΔNESMMおよび実際の回転速
度NEと、目標回転速度NTとの差に基づいて、内燃機
関10の1回転当りの積分制御の増分ΔD1である増分
DIが求められ、ステップn60では、前記増分DI
が、たとえば25〜55%の範囲内になるように制限さ
れた後、ステップn71に移る。
【0104】流量制御弁36は、たとえばバイメタルな
どを含んで構成されており、全閉から全開までを、暖機
していない状態では、たとえば10〜85%のデューテ
ィで制御することができるのに対して、完全暖機後では
25〜55%で制御することができる。したがってこの
動作は、制御デューティDUTYを、流量制御弁36
が、該制御デューティDUTYに正確に対応するよう
に、すなわち流量制御弁36の正確な動作が保証できる
範囲内となるように制限する動作である。
【0105】前記ステップn52において車速Vsが2
km/h以上であるとき、ステップn53において車速
検出器28が異常であるとき、ステップn54において
前記禁止時間T3内であるとき、ステップn55におい
て冷却水温度THWが80℃未満で完全暖機状態でない
とき、ステップn57で燃料カット制御中であるとき、
およびステップn58で全開制御フラグFPCSが1で
あるときには、ステップn59による積分制御を行うこ
となく、直接ステップn71に移る。また、前記ステッ
プn51において始動時であるとき、およびステップn
56においてアイドルスイッチがON状態でないときに
は、ステップn61で、前記増分DIに予め定める初期
値である37%が設定された後、前記ステップn71に
移る。
【0106】ステップn71では、前記ステップn3,
n4でセットされた始動時補正項DSTAと、ステップ
n6でセットされた水温補正項DTHWと、ステップn
8でセットされたダッシュポット補正項DDPと、電力
負荷の使用状態に対応した電力補正項DELSとから、
補正項の和ΔDTOTALが求められる。ステップn7
2では、ニュートラル検出器31および空調検出器30
の検出結果に基づいて、見込制御のための増分ΔD10
が読出される。
【0107】ステップn73では、ステップn71で求
められた和ΔDTOTALと、ステップn72で求めら
れた増分ΔD10とから、基本制御量ΔDBASEが求
められる。ステップn74では、前記ステップn73で
求められた基本制御量ΔDBASEに、前記ステップn
59で求められた積分制御の増分DIの精度が1/2に
変換されて加算され、さらにステップn27またはn3
4で設定された増分ΔD2が加算されて実際の制御デュ
ーティDUTYが求められた後、前記メインルーチンの
ステップm23に復帰する。
【0108】このように本発明に従う制御装置1では、
負荷変動が検出されると、流量制御弁36の制御デュー
ティDUTYには、まずその変動した負荷に対応する増
分ΔD10が加算される見込制御が行われ、その後、回
転速度NEの落込みが検出されたときには、予め定める
増分ΔD2を上乗せして全開制御を行い、速やかに回転
速度NEの落込みを抑える。また、回転加速度Δ2 NE
の極性が負側から正側に反転して回転速度の落込みが収
束を開始すると、前記上乗せを解除し、さらに前記回転
速度NEの変化速度ΔNEが零となって回転速度NEが
回復を開始すると、その時点における吸入空気流量を維
持することができるように、制御デューティDUTYを
増分ΔD4ずつ急激に減少するので、前記全開制御によ
って吸気経路内に過剰に吸入空気が貯留してしまう以前
に、制御デューティDUTYの減少を開始して、不所望
な吹上がりを未然に防止し、速やかに回転速度NEを収
束させることができる。
【0109】このようにして、応答性と安定性とを兼ね
備えたアイドル回転速度制御を行うことができる。ま
た、このように負荷変動に対する応答性が向上すること
によって、制御装置1に取込むべき各種の機器出力やセ
ンサの測定結果などは必要最小限とすることができ、こ
れによって構成を簡略化することができる。
【0110】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、内燃機関
のアイドル時に回転速度の落込みが検出されたときに
は、流量制御弁の制御量を上乗せし、吸入空気流量を急
激に増加するので、エンストを確実に防止することがで
きる。また、前記制御量の上乗せによって、回転速度の
変化加速度の極性が負側から正側に反転して回転速度の
落込みが収束を開始すると、前記制御量の上乗せを解除
し、さらに前記回転速度の変化速度が零あるいはほぼ零
となって回転速度が回復を開始すると、その時点におけ
る内燃機関のトルクに関連するパラメータを維持、ある
いは緩やかに変化することができるように前記制御量を
変化するので、前記制御量を急激に上乗せしても、吸気
経路内に過剰に吸入空気が貯留されてしまう以前に、前
記制御量の減少を開始して不所望な吹上がりを防止し、
速やかに回転速度を収束させることができる。
【0111】このようにして、回転速度の落込み時にお
ける制御ゲインを比較的高く設定して応答性を向上し、
耐エンスト性を向上することができる。また、回転速度
が回復すると、速やかに収束させ、定常安定性を向上す
ることができる。さらにまた、制御ゲインを高く設定す
ることによって、負荷となる各種の機器やセンサからの
出力の取込み数を削減することができ、構成を簡略化す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の内燃機関の制御装置1とそ
れに関連する構成を示すブロック図である。
【図2】制御装置1の具体的構成を示すブロック図であ
る。
【図3】負荷変動時のアイドル回転速度制御動作を説明
するためのタイミングチャートである。
【図4】積分制御に用いられる増分△D1の回転速度N
Eと目標回転速度NTとの差に対する変化を示すグラフ
である。
【図5】回転速度NEに対する全開制御の閾値L1の変
化を示すグラフである。
【図6】回転速度NEの変化速度ΔNEに対する増分Δ
D2aの変化を示すグラフである。
【図7】回転速度NEの変化加速度Δ2NEに対する増
分ΔD2bの変化を示すグラフである。
【図8】流量制御弁36の開度θの変化に対する吸気圧
PM,PMaの変動を説明するためのタイミングチャー
トである。
【図9】サージタンク6への吸入空気流量Qinと流出
空気流量Qoutとの関係を示すグラフである。
【図10】各制御デューティDUTYにおける吸気圧
P,Pc,PcXの変化に対する値MAPの変化を示す
グラフである。
【図11】内燃機関10の発生トルクの応答遅れによる
回転速度NEと吸気圧Pcとのずれを示すグラフであ
る。
【図12】回転速度NEと、変化速度ΔNEと、変化加
速度Δ2 NEとを求めるための動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【図13】吸気圧PMを求めるための動作を説明するた
めのフローチャートである。
【図14】吸気圧Pcの補正演算動作を説明するための
フローチャートである。
【図15】アイドル回転速度制御を行うためのメインル
ーチンの動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】見込制御のデューティ演算動作を説明するた
めのフローチャートである。
【図17】全開制御のデューティ演算動作を説明するた
めのフローチャートである。
【図18】復帰制御のデューティ演算動作を説明するた
めのフローチャートである。
【図19】積分制御のデューティ演算動作を説明するた
めのフローチャートである。
【図20】最終の制御デューティ演算の動作を説明する
ためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 制御装置 4,7 吸気管 5 スロットル弁 6 サージタンク 8 燃料噴射弁 10 内燃機関 14 排気管 20〜31 検出器 35 側路 36 流量制御弁 43 処理回路 45 メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−223246(JP,A) 特開 平2−78748(JP,A) 特開 平3−88936(JP,A) 実開 昭62−87139(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/16 F02D 41/08 315 F02D 41/34

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スロットル弁の上流側と下流側とをアイ
    ドル用のバイパス側路で連通し、その側路に設けた流量
    制御弁の制御量を変化することによって、内燃機関の回
    転速度を予め定める目標回転速度に維持する内燃機関の
    アイドル回転速度制御方法において、前記回転速度の落
    込みが検出されたときには、予め定める値だけ前記制御
    量を上乗せし、前記回転速度の変化加速度の極性が反転
    して前記落込みが収束を開始し、かつ前記回転速度の変
    化速度が予め定める値以上であって急激な落込みでない
    ときには、前記制御量の上乗せを解除し、前記制御量の
    上乗せによって回転速度が上昇し、回転速度の変化速度
    が零あるいはほぼ零となった時点で、その時点における
    内燃機関のトルクに関連するパラメータの目標値を設定
    し、前記目標値を維持、あるいは緩やかに変化すること
    ができる所定値まで前記制御量を変化することを特徴と
    する内燃機関のアイドル回転速度制御方法。
  2. 【請求項2】 前記上乗せされる制御量の値は、内燃機
    関の回転速度の変化速度に基づく値であることを特徴と
    する請求項1記載の内燃機関のアイドル回転速度制御方
    法。
  3. 【請求項3】 前記上乗せされる制御量の値は、内燃機
    関の回転速度の変化加速度に基づく値であることを特徴
    とする請求項1記載の内燃機関のアイドル回転速度制御
    方法。
  4. 【請求項4】 前記上乗せされる制御量の値は、内燃機
    関の回転速度の変化速度に基づく値と、変化加速度に基
    づく値との加算値であることを特徴とする請求項1記載
    の内燃機関のアイドル回転速度制御方法。
  5. 【請求項5】 前記上乗せされる制御量の値は、内燃機
    関の回転速度の変化速度に基づく値と、変化加速度に基
    づく値との積値であることを特徴とする請求項1記載の
    内燃機関のアイドル回転速度制御方法。
  6. 【請求項6】 前記パラメータは、吸気管圧力、または
    該吸気管圧力と内燃機関の回転速度との積値に関係する
    値であることを特徴とする請求項1〜5の少なくともい
    ずれかに記載の内燃機関のアイドル回転速度制御方法。
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