JP2962981B2 - 過渡時空燃比補正噴射時間の制御方法 - Google Patents

過渡時空燃比補正噴射時間の制御方法

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸気マニホルド内での
燃料輸送遅れ等を考慮して燃料噴射量を決定する過渡時
空燃比補正噴射時間の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の過渡時空燃比補正方法とし
ては、例えば特開昭62−228637号公報に記載の
内燃エンジンの加速時の燃料供給制御方法のように、例
えば吸気圧(吸気管内圧力)の変化量や等のエンジン負
荷を表すパラメータ値に基づいて、吸気管内壁に付着し
た付着燃料を予測し、その予測値に応じて噴射燃料量
(ウエット補正量)を増量するものが知られている。ま
た、特開平2−173334号公報に記載のエンジンの
適応制御方法のように、空燃比センサによる計測空燃
比、燃料噴射量、吸入空気量や冷却水温を含む検出量か
ら吸気管壁面に燃料が付着する割合を推測し、その推測
した付着率に基づいて気筒に供給する燃料量を制御する
ものも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た公報のもののように、冷却水温等の変化量から燃料の
付着率を推測すると、始動直後において不具合が出てく
る。すなわち、始動時及び始動直後にあっては、エンジ
ンの運転状態の変動が大きくとも、過渡時として燃料噴
射を制御すると変動の大きさから制御がうまくいかず、
そのために定常状態と見なして制御を行うが、吸気管壁
面に燃料が付着していないため、付着率の要求値が大き
くなる。
【0004】例えば、ウエット補正量TPWETは、下
式により演算される。
【0005】 TPWET=(X*TTAU−MFo/Y)/1−X (1) ただし、TPWETは実際の燃料量を示すものではな
く、燃料噴射弁の開弁時間で表すものとする。また、X
は壁面付着率、Yは蒸発時定数、MFoは前回の壁面付
着量、TTAUは噴射量計算時の要求量を示す。
【0006】始動直後にあっては、壁面付着量MFは非
常に少なく(=0)、したがって要求されるウエット補
正量TPWETrは、 TPWETr=(X*TTAU−0)/1−X (2) となり、(1)式において(2)式の要求値にあわせる
ためには、壁面付着率Xを大きくする必要がある。
【0007】このような状況下において、壁面付着率X
を冷却水温によって一義的に決定すると、始動直後の過
渡時に要求値に対してウエット補正量TPWETが不足
することになり、空燃比がリーンになる場合がある。
【0008】本発明は、このような不具合を解消するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係る過渡時空燃比補正噴射時間
の制御方法は、吸気バルブ近傍の吸気管路の壁面に付着
する燃料量とすでに付着していた燃料が燃料噴射の際に
蒸発する燃料量とを含むウエット補正量を、少なくとも
エンジン温度に応じて設定される壁面付着率に少なくと
も基づいて計算し、過渡時である場合の燃料噴射量をそ
のウエット補正量により補正する過渡時空燃比補正噴射
時間の制御方法であって、始動時のエンジン温度を検出
し、始動時のエンジン温度に応じて始動時壁面付着率を
設定し、設定された始動時壁面付着率と始動後の経過時
間に応じて所定量減量される付着率補正量とから始動直
後における前記壁面付着率を設定することを特徴とす
る。
【0010】本発明におけるエンジン温度としては、エ
ンジンの冷却水温、潤滑油温度、吸入空気温度等が挙げ
られる。
【0011】
【作用】このような構成のものであれば、始動直後のウ
エット補正量は始動時のエンジン温度に応じた値の始動
時壁面付着率と始動後の経過時間に応じて減量される付
着率補正量とから壁面付着率が設定される。つまり、壁
面付着率は、始動時のエンジン温度により変化し、しか
も始動後の経過時間に応じて次第に小さくなるように設
定される。したがって、始動時壁面付着率を大きくして
おけば、始動直後に壁面付着率の要求値が大きくとも、
十分に満たすことができる。しかも、その後壁面付着量
がある程度増加した状態では、時間の経過に応じて付着
率補正量が減量するため、壁面付着率はその要求値に対
応するものとなる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。
【0013】図1に概略的に示したエンジンは自動車用
のもので、その吸気系1には図示しないアクセルペダル
に応動して開閉するスロットルバルブ2が配設され、そ
の下流側にはサージタンク3が設けられている。サージ
タンク3に連通する吸気系1の吸気マニホルド4のシリ
ンダヘッド30側の端部近傍には、さらに燃料噴射弁5
が設けてあり、この燃料噴射弁5を、電子制御装置6に
より制御するようにしている。燃料噴射弁5の前方のシ
リンダヘッド30には、吸気バルブ31が配設されてい
る。また排気系20には、排気ガス中の酸素濃度を測定
するためのOセンサ21が、図示しないマフラに至る
までの管路に配設された三元触媒22の上流の位置に取
り付けられている。このOセンサ21からは、酸素濃
度に対応して電圧信号hが出力される。
【0014】電子制御装置6は、中央演算装置7と、記
憶装置8と、入力インターフェース9と、出力インター
フェース11とを具備してなるマイクロコンピュータシ
ステムを主体に構成されている。電子制御装置6の入力
インターフェース9には、サージタンク3内の圧力を検
出するための吸気圧センサ13から出力される吸気圧信
号a、エンジン回転数NEを検出するための回転数セン
サ14から出力される回転数信号b、車速を検出するた
めの車速センサ15から出力される車速信号c、スロッ
トルバルブ2の開閉状態を検出するためのアイドルスイ
ッチ16から出力されるLL信号d、エンジンの冷却水
温を検出するための水温センサ17から出力される水温
信号e、上記したOセンサ21から出力される電圧信
号hなどが入力される。一方、出力インターフェース1
1からは、燃料噴射弁5に対して燃料噴射信号fが、ま
たスパークプラグ18に対してイグニッションパルスg
が出力されるようになっている。
【0015】電子制御装置6には、吸気圧センサ13か
ら出力される吸気圧信号aと回転数センサ14から出力
される回転数信号bとを主な情報とし、エンジン状況に
応じて決まる各種の補正係数で基本噴射時間TPを補正
して燃料噴射弁開成時間すなわち最終噴射時間TAUを
決定し、その決定された時間により燃料噴射弁5を制御
して、エンジン負荷に応じた燃料を該燃料噴射弁5から
シンンダヘッド30近傍の吸気系1に噴射させるための
プログラムが内蔵してある。さらにこのプログラムにお
いては、吸気バルブ31近傍の吸気管路の壁面に付着す
る燃料量とすでに付着していた燃料が燃料噴射の際に蒸
発する燃料量とを含むウエット補正量を、少なくともエ
ンジン温度に応じて設定される壁面付着率Xに基づいて
少なくとも計算し、過渡時である場合の燃料噴射量をそ
のウエット補正量TPWETにより補正するプログラム
が内蔵してあり、始動時のエンジン温度を検出し、始動
時のエンジン温度に応じて始動時壁面付着率Xoを設定
し、設定された始動時壁面付着率Xoと始動後の経過時
間に応じて所定量減量される付着率補正量Xsとから始
動直後における前記壁面付着率Xを設定するようにプロ
グラミングされている。
【0016】この過渡時空燃比補正プログラムの概要は
図2に示すようなものである。ただし、定常運転時にお
ける種々の補正係数を考慮して最終噴射時間TAUを演
算するプログラムそれ自体は、従来知られているものを
利用できるので図示及び説明を省略する。
【0017】まず、ステップS1では、始動時のエンジ
ンの冷却水温THWが検出され、その検出値に基づいて
付着率補正量Xsの初期値を算出して決定する。次に、
ステップS2では検出した冷却水温THWに基づいて始
動時壁面付着率Xoを算出して決定する。この付着率補
正量Xsと始動時壁面付着率Xoとは、冷却水温THW
が低いほど大きな値となるよう、演算式が設定してあ
る。そして、ステップS3では、算出した付着率補正量
Xsと始動時壁面付着率Xoとを加算して壁面付着率X
を計算し、ステップS4で得られた壁面付着率Xに基づ
いて最終噴射時間TAUを演算する。ステップS4の概
要については後述する。この後ステップS5では、付着
率補正量Xsが0以下となったかどうかを判定し、0よ
り大きい場合はステップS6に進み、0以下の場合はメ
インルーチンに戻る。ステップS6では、付着率補正量
Xsから所定量αを減算し、ステップS2に戻る。この
所定量αは、予め決定された一定値であり、したがっ
て、付着率補正量Xsは噴射量が計算される周期を基に
した時間の経過毎に減量されるものである。なお、上記
のステップは、始動から完爆判定された始動後までの期
間に実行されるもので、始動後の壁面付着率Xについて
は、後述する計算ルーチンに基づいて決定されるもので
ある。
【0018】次に、ステップS4の最終噴射時間TAU
の演算の概要について、図3により説明する。
【0019】まず、ステップ51では、エンジンの回転
数NEと吸気圧PMとか基本噴射時間TPを計算する。
この基本噴射時間TPの計算それ自体は、従来と同じも
のであってよい。ステップ52では、要求基本噴射量T
TAUが下式により計算される。
【0020】 TTAU=TP*FTHA*KG*(1+FWL+FPOWER) (1) ただし、FTHAは吸気圧温度補正係数、KGはA/F
学習補正係数、FWLは暖機増量補正係数、FPOWE
Rはパワー増量補正係数である。これらの補正係数につ
いては、当該分野で広く知られている方法により、各運
転状態に応じて決定されるものであってよい。
【0021】ステップ53では、定常運転状態であるか
否かが判定され、定常状態であればステップ57に移行
し、過渡状態であればステップ54に進む。定常状態の
判定は、ウェット補正量TPWETが0であるか、ある
いは要求基本噴射量TTAUの変化が0であるかにより
行われる。すなわち、定常状態から過渡状態に移行した
その時点ではまだウェット補正量TPWETは算出され
ておらず、したがって定常状態の要求基本噴射量TTA
Uからのその変化量を判定することにより、過渡状態に
移行したか否かを判定する。つまり前回(定常状態)の
要求基本噴射量TTAUn−1と今回の要求基本噴射量
TTAUとの差(変化)が0でない場合には、過渡状
態と判定する。しかして、過渡状態に移行してからは、
ウェット補正量TPWETが常に0以外の数値であるの
で、前回決定されたウェット補正量TPWETが0でな
いことを判定することにより定常状態でないことを判定
する。
【0022】ステップ54では、吸気バルブ31近傍の
吸気系1の内壁面1aに付着する燃料の壁面付着率Xと
1噴射前の壁面付着量MFn−1と蒸発時定数(率)τ
とから、下式によりウェット補正量TPWETを計算す
る。
【0023】 TPWET=(X*TTAU−MFn−1/τ)/(1−X) (2) 壁面付着率Xと蒸発時定数τとは、始動直後の過渡時を
除いて、後述するマップに基づいて(X,τ)計算ルー
チンにより、その時の冷却水温、エンジン回転数NE及
び吸気圧PMに応じて算出されて決定される。
【0024】ステップ55では、壁面付着率Xと1噴射
前の壁面付着量MFn−1と蒸発時定数τとステップ5
4の計算で得られたウェット補正量TPWETとか
ら、今回噴射後の壁面付着量MFを下式により計算す
る。
【0025】 MF=X*(TTAU+TPWET) +(τ−1)*MFn−1/τ (3) ステップ56では、要求基本噴射量TTAUとウェッ
ト補正量TPWETとから、下式により最終噴射時間
TAUを計算し、インジェクタ駆動ルーチンに移行す
る。
【0026】 TAU=(TTAU+TPWET)*FAF (4) ステップ53で、定常状態と判定された場合に進むステ
ップ57では、今回の壁面付着量MFを、下式により
計算するとともに、ウェット補正量TPWETを0に
設定する。
【0027】 MF=X*τ*TTAU (5) 次に、(X,τ)計算ルーチンについて図4〜6により
説明する。
【0028】図4は、(X,τ)計算ルーチンの概略フ
ローチャートである。このルーチンは始動後つまり完爆
判定後に実行されるもので、まずステップ61におい
て、エンジンの回転数NEと吸気圧PMと冷却水温との
データを読み込む。ステップ62では、読み込まれたデ
ータにより、(X,τ)マップと水温係数マップとをサ
ーチする。(X,τ)マップは、図5に示すように、回
転数NEと吸気圧PMとにより全運転域で設定されてい
る。また、水温係数マップは、図6に示すように、冷却
水温が高くなるにつれてほぼ一定の値に収束する特性を
有する第1水温係数K1と第2水温係数K2とを規定し
ている。第1水温係数K1は、壁面付着率Xのためのも
ので、第2水温係数K2は、蒸発時定数τのためのもの
である。ステップ63では回転数データ及び吸気圧デー
タにより(X,τ)マップを検索して得られた壁面付着
率X及び蒸発時定数τのそれぞれのマップ値TX、Tτ
と、その時の冷却水温データに基づき水温係数マップか
ら得られた第1及び第2水温係数K1、K2とから、下
式に基づいて運転状態に対応する壁面付着率Xと蒸発時
定数τとを計算する。
【0029】 X=K1*TX (6) τ=K2*Tτ (7) なお、このルーチンは、上記ステップ54及びステップ
57において実行されるものであってよい。また、この
ルーチンを実行するにあたって、始動後であることを完
爆判定を行って判定し、始動直後の過渡時を除外すれば
よい。完爆判定は、例えばエンジン回転数が所定回転数
を超えたことで判定するものであってよい。
【0030】ここで、燃料噴射が行われた場合の燃料の
動きについて説明すると、噴射された燃料は、図7に示
すように、大部分は吸気マニホルド4など吸気系1の内
壁面1aに接触することなく(矢印A)、直接に吸気バ
ルブ31を通過してシリンダ内に吸入される。しかして
燃料の少量は、図中矢印Bで示すように、吸気系1の内
壁面1aに付着する。このように燃料が付着する一方
で、すでに内壁面1aに付着している燃料が図中矢印C
で示すように蒸発して、噴射された燃料に混合してシリ
ンダ内に吸入される。
【0031】以上の構成において、エンジンが始動され
たその直後においては、制御はまずステップS1→S2
→S3と進み、その時点での壁面付着率Xが設定され
る。この場合、始動時壁面付着率Xoと付着率補正量X
sの初期値とはそれぞれ冷却水温THWに基づいて計算
されるので、壁面付着率Xはその時の冷却水温THWに
より変動する。そして、ステップS4において、始動直
後のウエット補正量TPWETが計算され、最終噴射時
間TAUが演算される。すなわち、始動直後はエンジン
の回転数NEの変動が大きく、制御は、ステップ51→
52→53→54→55→56と進み、最終噴射時間T
AUは、要求基本噴射量TTAUにウェット補正量
TPWETを加算した値に、A/Fフィードバック補
正係数FAFを乗じた値となる。しかして、完爆判定に
より始動後となるまでステップS4においては、ステッ
プ51〜56が繰り返し実行され、最終噴射時間TAU
はウェット補正量TPWETに補正されて適正な値
となる。そして、最終噴射時間TAUが演算された
後、ステップS5が実行され、付着率補正量Xsが0以
下になっていなければ、制御は、再びステップS1〜5
と進み、ステップS6により付着率補正量Xsが0以下
となるまで繰り返される。この時の壁面付着率Xの変化
状態について、図8に示す。
【0032】このように、始動直後のウエット補正量T
PWETを決定する際の壁面付着量Xは、噴射量の計算
周期毎に所定量αずつ小さくなるので、始動直後の壁面
付着量がほぼ0に近い状態でも要求量を満足し得るウエ
ット補正量TPWETを確保することができる。すなわ
ち、始動時においては、エンジンの冷却水温THWによ
り壁面付着率Xを決定し、始動から時間が経過するにつ
れて、壁面付着量MFがある程度増加すると、壁面付着
率Xは安定するため、安定するまでの期間に付着率補正
量Xsを所定量αずつ減量すれば、ウエット補正量TP
WETが過剰になることはない。したがって、始動直後
の変動が激しい過渡時において、空燃比がリーンになら
ず、ドライバビリティが安定する。
【0033】一方、始動後の運転状況では、例えば加速
により要求基本噴射量TTAUが、図9に示すように、
変化する場合について説明する。まず、加速するまでの
定常状態では、エンジンの回転数NE及び吸気圧PMに
変化がないので要求基本噴射量TTAUにも変化がな
く、制御は、ステップ51→52→53→57→56と
進む。しかして、ウェット補正量TPWETを0に設
定するので、最終噴射時間TAUは要求基本噴射量T
TAUにA/Fフィードバック補正係数FAFを乗じ
た値となる。この定常状態にあっても、ステップ57に
おいて壁面付着量MFは計算されるが、この時にはウ
ェット補正量TPWETが0であること、及び回転数
NEと吸気圧PMと冷却水温とが変化しないため、図1
0に示すように、壁面付着量MFn−2,MFn−1
MFは変化しない。
【0034】次に、加速状態になると(図9、時間t
1)、回転数NE及び吸気圧PMが変化するので、要求
基本噴射量TTAUが変化する。したがって、ステッ
プ53では定常状態ではないと判定されるので、図5に
示したマップに基づいて壁面付着率X及び蒸発時定数τ
を決定し、制御は、ステップS51→52→53→54
→55→56と進み、最終噴射時間TAUを演算す
る。この場合、ウェット補正量TPWETは正の値とな
り、図9の時間t2のように減速状態になると、負の値
となる。
【0035】このように、噴射燃料が壁面付着し、また
その付着した燃料が蒸発しても、加速の種類にかかわら
ず、過渡状態であることが検出された場合には、その過
渡状態の間、壁面付着率Xと、1噴射前の壁面付着量M
n−1と、蒸発時定数τとに基づいてウェット補正量
TPWETを計算し、そのウェット補正量TPWET
により要求基本噴射量TTAUを補正しているの
で、過渡時後半における燃料の輸送の遅延を効率よく解
消することができる。
【0036】なお、本発明は以上説明した実施例に限定
されるものではない。
【0037】その他、各部の構成は図示例に限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変
形が可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明は、以上に詳述したように、始動
直後の過渡時において、吸気管の内壁面の壁面付着量が
ほぼ0に等しいことに着目して、エンジン温度に応じて
設定される始動時壁面付着率と、経過時間に応じて減量
される付着率補正量とから壁面付着率を設定しているの
で、始動直後にウエット補正量が不足する事態を未然に
防止でき、しかも時間の経過とともに付着率補正量が減
ることにより、過剰にウエット補正量が設定されること
もなく、ドライバビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成説明図。
【図2】同実施例の制御手順を示すフローチャート。
【図3】同実施例の制御手順を示すフローチャート。
【図4】同実施例の制御手順を示すフローチャート。
【図5】同実施例の(X,τ)マップの構成を示す説明
図。
【図6】同実施例の水温係数マップの構成を示す説明
図。
【図7】同実施例の燃料の動向を要部を拡大して示す要
部模式図。
【図8】同実施例の作動説明図。
【図9】同実施例の作動説明図。
【図10】同実施例の作動説明図。
【符号の説明】
1…吸気系 2…スロットルバルブ 4…吸気マニホルド 5…燃料噴射弁 6…電子制御装置 7…中央演算処理装置 8…記憶装置 9…入力インターフェース 11…出力インターフェース 13…吸気圧センサ 14…回転数センサ 17…水温センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/04 330

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気バルブ近傍の吸気管路の壁面に付着す
    る燃料量とすでに付着していた燃料が燃料噴射の際に蒸
    発する燃料量とを含むウエット補正量を、少なくともエ
    ンジン温度に応じて設定される壁面付着率に少なくとも
    基づいて計算し、過渡時である場合の燃料噴射量をその
    ウエット補正量により補正する過渡時空燃比補正噴射時
    間の制御方法であって、 始動時のエンジン温度を検出し、 始動時のエンジン温度に応じて始動時壁面付着率を設定
    し、 設定された始動時壁面付着率と始動後の経過時間に応じ
    て所定量減量される付着率補正量とから始動直後におけ
    る前記壁面付着率を設定することを特徴とする過渡時空
    燃比補正噴射時間の制御方法。
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