JPH0821274A - 過渡時燃料噴射制御方法 - Google Patents

過渡時燃料噴射制御方法

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JPH0821274A
JPH0821274A JP15744194A JP15744194A JPH0821274A JP H0821274 A JPH0821274 A JP H0821274A JP 15744194 A JP15744194 A JP 15744194A JP 15744194 A JP15744194 A JP 15744194A JP H0821274 A JPH0821274 A JP H0821274A
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JP
Japan
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fuel
deceleration
during
acceleration
wall surface
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JP15744194A
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Kenji Hayashi
賢治 林
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Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】過渡時の空燃比を改善する。 【構成】吸気バルブ近傍の吸気管路の壁面に付着する燃
料量とすでに付着していた燃料が燃料噴射の際に蒸発す
る燃料量とを、過渡時の燃料噴射量において補正する過
渡時空燃比補正方法であって、加速時と減速時との壁面
付着率及び燃料蒸発時定数をそれぞれ個別に設定し、加
速中と減速中とを個別に検出し、加速時を検出した場合
には、設定された加速時の壁面付着率と燃料蒸発時定数
とを用い、減速時を検出した場合には、設定された減速
時の壁面付着率と燃料蒸発時定数とを用いてそれぞれ燃
料噴射量を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸気マニホルド内での
燃料輸送遅れ等を考慮して燃料噴射量を決定する過渡時
燃料噴射制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の過渡時空燃比補正方法とし
ては、例えば特開昭62−228637号公報に記載の
内燃エンジンの加速時の燃料供給制御方法のように、例
えば吸気圧(吸気管内圧力)の変化量等のエンジン負荷
を表すパラメータ値に基づいて、吸気管内壁に付着した
付着燃料を予測し、その予測値に応じて噴射燃料量を増
量するものが知られている。また、特開平2−1733
34号公報に記載のエンジンの適応制御方法のように、
空燃比センサ、燃料噴射量、吸入空気量を含む検出量か
ら吸気管壁面に付着する燃料を推測し、その推測した値
に基づいて気筒に供給する燃料量を制御するものも知ら
れている。
【0003】通常、このような燃料付着量を考慮するも
のでは、過渡時すなわち加速時と減速時との燃料噴射量
を決定する場合に、制御手順を簡略化するために、燃料
の壁面付着量と壁面に付着したその燃料の蒸発状態を設
定した燃料蒸発時定数とを同一の値により基本となる燃
料噴射量を補正するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように、燃料付着量や燃料蒸発時定数を加速時も減速
時も同一値を用いて燃料噴射量を補正すると、加速時と
減速時とそれぞれの場合において最適な値とならないこ
とがある。すなわち、加速時及び減速時を、定常状態に
対する過渡時として、その時の燃料付着量及び燃料蒸発
時定数を設定すると、加速時と減速時とではエンジンの
運転状態が異なるため、必ずしも最適な数値とはならな
い。その結果、空燃比がオーバーリッチやオーバーリー
ンの状態となり、ドライバビリティが悪化したり排気ガ
スレベルが低下したりすることがある。
【0005】本発明は、このような不具合を解消するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係る過渡時燃料噴射制御方法
は、吸気バルブ近傍の吸気管路の壁面に付着する燃料量
とすでに付着していた燃料が燃料噴射の際に蒸発する燃
料量とを、過渡時の燃料噴射量において補正する過渡時
空燃比補正方法であって、加速時と減速時との壁面付着
率及び燃料蒸発時定数をそれぞれ個別に設定し、加速中
と減速中とを個別に検出し、加速時を検出した場合に
は、設定された加速時の壁面付着率と燃料蒸発時定数と
を用い、減速時を検出した場合には、設定された減速時
の壁面付着率と燃料蒸発時定数とを用いてそれぞれ燃料
噴射量を決定することを特徴とする。
【0007】
【作用】このような構成のものであれば、加速時及び減
速時が検出されると、それぞれ個別に設定された壁面付
着率と燃料蒸発時定数とを用いて、その時の燃料噴射量
を決定する。つまり、燃料噴射量を決定するために、過
渡時ではあるものの状態が全く異なる加速時と減速時と
をそれぞれ検出し、その2つの過渡状態に合致した壁面
付着率と燃料蒸発時定数とを用いている。そのために、
加速時には適合しているが、減速時には適合していない
壁面付着率と燃料蒸発時定数とを減速時に用いるあるい
はその逆のことはなくなる。したがって、それぞれの過
渡状態に適合した燃料噴射量が決定でき、空燃比がリッ
チになり過ぎたりあるいはリーンになり過ぎたりするこ
とが防止され、ドライバビリティを向上させる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。
【0009】図1に概略的に示したエンジンは自動車用
のもので、その吸気系1には図示しないアクセルペダル
に応動して開閉するスロットルバルブ2が配設され、そ
の下流側にはサージタンク3が設けられている。サージ
タンク3に連通する吸気系1の吸気マニホルド4のシリ
ンダヘッド30側の端部近傍には、さらに燃料噴射弁5
が設けてあり、この燃料噴射弁5を、電子制御装置6に
より制御するようにしている。燃料噴射弁5の前方のシ
リンダヘッド30には、吸気バルブ31が配設されてい
る。また排気系20には、排気ガス中の酸素濃度を測定
するためのOセンサ21が、図示しないマフラに至る
までの管路に配設された三元触媒22の上流の位置に取
り付けられている。このOセンサ21からは、酸素濃
度に対応して電圧信号hが出力される。
【0010】電子制御装置6は、中央演算装置7と、記
憶装置8と、入力インターフェース9と、出力インター
フェース11とを具備してなるマイクロコンピュータシ
ステムを主体に構成されており、その入力インターフェ
ース9には、サージタンク3内の圧力を検出するための
吸気圧センサ13からの吸気圧信号a、エンジン回転数
NEを検出するための回転数センサ14から出力される
回転数信号b、車速を検出するための車速センサ15か
ら出力される車速信号c、スロットルバルブ2の開閉状
態を検出するためのアイドルスイッチ16から出力され
るLL信号d、エンジンの冷却水温を検出するための水
温センサ17から出力される水温信号e、上記したO
センサ21から出力される電圧信号hなどが入力され
る。一方、出力インターフェース11からは、燃料噴射
弁5に対して燃料噴射信号fが、またスパークプラグ1
8に対してイグニッションパルスgが出力されるように
なっている。なお、図示しないが、電子制御装置6は、
吸気圧信号aや水温信号e等のアナログ信号をディジタ
ル信号に変換するA/D変換器を備えるものである。
【0011】電子制御装置6には、吸気圧センサ13か
ら出力される吸気圧信号aと回転数センサ14から出力
される回転数信号bとを主な情報とし、エンジン状況に
応じて決まる各種の補正係数で基本噴射時間TPを補正
して燃料噴射弁開成時間すなわち最終噴射時間TAUを
決定し、その決定された時間により燃料噴射弁5を制御
して、エンジン負荷に応じた燃料を該燃料噴射弁5から
シンンダヘッド30近傍の吸気系1に噴射させるための
プログラムが内蔵してある。さらにこのプログラムにお
いては、吸気バルブ31近傍の吸気管路の壁面に付着す
る燃料量とすでに付着していた燃料が燃料噴射の際に蒸
発する燃料量とを、過渡時の燃料噴射量において補正す
るものであって、加速時と減速時との壁面付着率及び燃
料蒸発時定数をそれぞれ個別に設定し、加速中と減速中
とを個別に検出し、加速時を検出した場合には、設定さ
れた加速時の壁面付着率と燃料蒸発時定数とを用い、減
速時を検出した場合には、設定された減速時の壁面付着
率と燃料蒸発時定数とを用いてそれぞれ燃料噴射量を決
定するようにプログラミングしてある。
【0012】この過渡時燃料噴射制御プログラムの概要
は、図2に示すようなものである。ただし、定常運転時
における種々の補正係数を考慮して最終噴射時間TAU
を演算するプログラムそれ自体は、従来知られているも
のを利用できるので図示及び説明を省略する。
【0013】まず、ステップS1では、吸気圧信号aを
A/D変換して得られた吸気圧PMである吸気圧値PM
ADをなまし処理して得られるなまし値の内の2種類を
用いて、過渡時が加速時の検出を行うもので、加速時を
検出した場合はステップS2に進み、そうでない場合は
ステップS3に移行する。この実施例においては、吸気
圧値PMADのなまし値のうち、1/2なまし値PMA
DN2と1/16なまし値PMADN16とを用いる。
それぞれのなまし値は、以下の式により吸気圧PMをな
まして求めるものである。
【0014】 PMADN2=PMADN2n−1 +(PMAD−PMADN2n−1)/2 …(1) PMADN16=PMADN16n−1 +(PMAD−PMADN16n−1)/16 …(2) なお、nは正の整数である。
【0015】そして、今回得られた1/2なまし値PM
ADN2と1/16なまし値PMADN16との差
を演算し、その結果が加速減速判定値KPMH以上であ
るかを判定して、加速状態を検出する。ステップS2で
は、加速フラグXACCELをオン(=1)する。ステ
ップS3では、壁面付着率FCXとして加速時壁面付着
率KFCXAをセットし、同じく燃料蒸発時定数TAY
として加速時燃料蒸発時定数KTAYAをセットする。
ステップS4では、セットされた壁面付着率FCXと燃
料時定数TAYとを用いて、ウェット補正量PTWET
を演算する。
【0016】ステップS5では、加速フラグXACCE
Lをオフ(=0)する。ステップS6では、1/2なま
し値PMADN2と1/16なまし値PMADN16
との差を演算し、その結果が負の加速減速判定値KP
MH以下であるかを判定して、以下であればステップS
7に進み、そうでない場合はステップS9に移行する。
ステップS7では、減速フラグXDCCELをオン(=
1)して減速状態を検出する。ステップS8では、壁面
付着率FCXとして減速時壁面付着率KFCXDをセッ
トし、同じく燃料蒸発時定数TAYとして減速時燃料蒸
発時定数KTAYDをセットする。ステップS9では、
減速フラグXDCCELをオフ(=0)する。なお、加
速時壁面付着率KFCXA、加速時燃料蒸発時定数KT
AYA、減速時壁面付着率KFCXD及び減速時燃料蒸
発時定数KTAYDはそれぞれ、加速時及び減速時に適
合する値が設定してある。また、設定された壁面付着率
FCX及び蒸発時定数TAYを用いてウエット補正量T
PWETを算出し、有効噴射時間TAUを演算する方法
については、その一例を図4〜10を交えて後述する。
【0017】以上の構成において、例えば図3に示すよ
うに、加速が実行されて吸気圧PMがステップ状に高く
変化する場合は、吸気圧PMの1/2なまし値PMAD
N2の変化が1/16なまし値PMADN16の変化に
比べて急激であり、その差は時間の経過とともに大きく
なる。この場合、制御は、ステップS1→S2→S3→
S4と進み、加速時壁面付着率KFCXA及び加速時燃
料蒸発時定数KTAYAを用いてウェット補正量TPW
ETを演算する。この後、加速状態から定常状態になる
と、1/2なまし値PMADN2と1/16なまし値P
MADN16との差がなくなるので、制御は、ステップ
S1→S5→S6→S9→S4と進み、加速フラグXA
CCEL及び減速フラグXDCCELの両方をオフにし
て、定常状態を判定してウェット補正量TPWETを演
算する。加速後の定常状態では、減速が開始されるまで
の間は、加速フラグXACCELはオフしているもの
の、壁面付着率FCXと燃料蒸発時定数TAYとは加速
時の値すなわち加速時壁面付着率KFCXAと加速時燃
料蒸発時定数KTAYAとが採用される。
【0018】次に、減速状態となると、吸気圧PMが低
下し、それに伴って1/2なまし値PMADN2及び1
/16なまし値PMADN16も変化する。そして、1
/2なまし値PMADN2の変化が1/16なまし値P
MADN16の変化に比べて急激に小さくなり、その差
は時間の経過とともに大きくなる。したがって、1/2
なまし値PMADN2から1/16なまし値PMADN
16を差し引く演算を行うと、減速開始直後から負の加
速減速判定値KPMH以下となり、減速状態が終了する
まで演算結果は負の加速減速判定値KPMH以下となっ
ている。この場合、制御は、ステップS1→S5→S6
→S7→S8→S4と進み、減速フラグXDCCELを
オンして、減速時壁面付着率KFCXDと減速時燃料蒸
発時定数KTAYDとを壁面付着率FCXと燃料蒸発時
定数Dとにセットする。減速の後定常状態となると、制
御は、ステップS1→S5→S9→S4と進み、減速フ
ラグXDCCELをオフにする。この場合においても加
速時と同様、次の加速開始の検出まで、壁面付着率FC
Xと燃料蒸発時定数Dとは減速時壁面付着率KFCXD
と減速時燃料蒸発時定数KTAYDとが採用される。
【0019】このように、加速時と減速時とにおいて、
加速時用に設定された加速時壁面付着率KFCXAと加
速時燃料蒸発時定数KTAYAと、減速時用に設定され
た減速時壁面付着率KFCXDと減速時燃料蒸発時定数
KTAYDとを、それぞれ壁面付着率FCX及び燃料蒸
発時定数TAYとするので、それぞれの過渡時の状態に
良好に適合させることができる。したがって、過渡時に
空燃比がオーバーリッチになったり、逆にオーバーリー
ンになったりすることがなくなり、ドライバビリティを
向上させることができる。また、過渡時においても空燃
比を理論空燃比に維持することができるので、排気ガス
レベルを悪化させることなく、良好な状態に保持するこ
とができる。
【0020】この実施例におけるウェット補正量TPW
ETを用いた有効噴射時間TAUの演算は、以下のよう
にして行うものであってよい。
【0021】まず、図4において、ステップ51では、
エンジンの回転数NEと吸気圧PMとか基本噴射時間T
Pを計算する。この基本噴射時間TPの計算それ自体
は、従来と同じものであってよい。ステップ52では、
要求基本噴射量TTAUが下式により計算される。
【0022】 TTAU=TP*FTHA*KG*(1+FWL+FPOWER) (1) ただし、FTHAは吸気圧温度補正係数、KGはA/F
学習補正係数、FWLは暖機増量補正係数、FPOWE
Rはパワー増量補正係数である。これらの補正係数につ
いては、当該分野で広く知られている方法により、各運
転状態に応じて決定されるものであってよい。
【0023】ステップ53では、定常運転状態であるか
否かが判定され、定常状態であればステップ57に移行
し、過渡状態であればステップ54に進む。定常状態の
判定は、加速フラグXACCEL及び減速フラグXDC
CELのいずれもがオフであるか、ウェット補正量TP
WETが0であるか、あるいは要求基本噴射量TTAU
の変化が0であるか、のいずれかを判定することにより
行われる。
【0024】ステップ54では、吸気バルブ31近傍の
吸気系1の内壁面1aに付着する燃料の壁面付着率FC
Xと1噴射前の壁面付着量MFn−1と燃料蒸発時定数
TAYとから、下式によりウェット補正量TPWETを
計算する。
【0025】 TPWET=(FCX*TTAU−MFn−1/TAY) ÷(1−FCX) (2) 壁面付着率FCXと燃料蒸発時定数TAYとは、上記し
たように、加速時と減速時とのそれぞれの場合に応じて
設定された加速時壁面付着率KFCXAと加速時燃料蒸
発時定数KTAYAと減速時壁面付着率KFCXDと減
速時燃料蒸発時定数KTAYDとをセットする。なお、
暖機中及び完全暖機後に移行するまでの間を除いて、加
速時壁面付着率KFCXAと加速時燃料蒸発時定数KT
AYAと減速時壁面付着率KFCXDと減速時燃料蒸発
時定数KTAYDとは、後述するマップに基づいて、
(FCX,TAY)計算ルーチンにより、その時の冷却
水温THW、エンジン回転数NE及び吸気圧PMに応じ
て算出されて決定される。説明を簡略化するために、図
6においては、1つのマップしか図示しないが、加速時
用と減速時用とのマップが設定されているものである。
【0026】ステップ55では、壁面付着率FCXと1
噴射前の壁面付着量MFn−1と燃料蒸発時定数TAY
とステップ54の計算で得られたウェット補正量TPW
ETとから、今回噴射後の壁面付着量MFを下式に
より計算する。
【0027】 MF=FCX*(TTAU+TPWET) +(TAY−1)*MFn−1/TAY (3) ステップ56では、要求基本噴射量TTAUとウェッ
ト補正量TPWETとから、下式により有効噴射時間
TAUを計算し、インジェクタ駆動ルーチンに移行す
る。
【0028】 TAU=(TTAU+TPWET)*FAF (4) ステップ53で、定常状態と判定された場合に進むステ
ップ57では、今回の壁面付着量MFを、下式により
計算するとともに、ウェット補正量TPWETを0に
設定する。
【0029】 MF=FCX*TAY*TTAU (5) 次に、加速時壁面付着率KFCXAと減速時壁面付着率
KFCXD及び加速時燃料蒸発時定数KTAYAと減速
時燃料蒸発時定数KTAYDとの計算ルーチンについて
図5〜7により説明する。なお、説明の都合上、(FC
X,TAY)計算ルーチンの説明における壁面付着率F
CX及び燃料蒸発時定数TAYは、加速時壁面付着率K
FCXAと減速時壁面付着率KFCXD及び加速時燃料
蒸発時定数KTAYAと減速時燃料蒸発時定数KTAY
Dとを読み替えるものとする。
【0030】図5は、(FCX,TAY)計算ルーチン
の概略フローチャートである。このルーチンは完全暖機
運転後に実行されるもので、まずステップ61におい
て、エンジンの回転数NEと吸気圧PMと冷却水温との
データを読み込む。ステップ62では、読み込まれたデ
ータにより、。加速時であれば加速時用(FCX,TA
Y)マップと水温係数マップとを、また減速時であれば
減速時用のものをそれぞれサーチする。(FCX,TA
Y)マップは、図6に示すように、回転数NEと吸気圧
PMとにより全運転域で設定されている。また、水温係
数マップは、図7に示すように、冷却水温THWが高く
なるにつれてほぼ一定の値に収束する特性を有する第1
水温係数K1と第2水温係数K2とを規定している。第
1水温係数K1は、壁面付着率FCXのためのもので、
第2水温係数K2は、燃料蒸発時定数TAYのためのも
のである。いうまでもまく、加速時用(FCX,TA
Y)マップ及び水温係数マップと、減速時用(FCX,
TAY)マップ及び水温係数マップとは設定されている
値が異なっている。ステップ63では、回転数データ及
び吸気圧データにより(FCX,TAY)マップを検索
して得られた壁面付着率FCX及び燃料蒸発時定数TA
Yのそれぞれのマップ値TFCX、TTAYと、その時
の冷却水温データに基づき水温係数マップから得られた
第1及び第2水温係数K1、K2とから、下式に基づい
て運転状態に対応する壁面付着率FCXと燃料蒸発時定
数TAYとを計算する。
【0031】 FCX=K1*TFCX (6) TAY=K2*TTAY (7) なお、このルーチンは、上記ステップ54及びステップ
57において実行されるものであってよい。
【0032】ここで、燃料噴射が行われた場合の燃料の
動きについて説明すると、噴射された燃料は、図8に示
すように、大部分は吸気マニホルド4など吸気系1の内
壁面1aに接触することなく(矢印A)、直接に吸気バ
ルブ31を通過してシリンダ内に吸入される。しかして
燃料の少量は、図中矢印Bで示すように、吸気系1の内
壁面1aに付着する。このように燃料が付着する一方
で、すでに内壁面1aに付着している燃料が図中矢印C
で示すように蒸発して、噴射された燃料に混合してシリ
ンダ内に吸入される。
【0033】例えば図9における時間t1に示すよう
に、加速により要求基本噴射量TTAUが変化する場合
を考える。このような場合には、まず、加速するまでの
定常状態では、エンジンの回転数NE及び吸気圧PMに
変化がないので要求基本噴射量TTAUにも変化がな
く、制御は、ステップ51→52→53→57→56と
進む。そうして、ウェット補正量TPWETを0に設
定するので、有効噴射時間TAUは要求基本噴射量T
TAUにA/Fフィードバック補正係数FAFを乗じ
た値となる。この定常状態にあっても、ステップ57に
おいて壁面付着量MFは計算されるが、この時にはウ
ェット補正量TPWETが0であること、及び回転数
NEと吸気圧PMと冷却水温とが変化しないため、図1
0に示すように、壁面付着量MFn−2,MFn−1
MFは変化しない。
【0034】次に、加速状態になると(図9、時間t
1)、回転数NE及び吸気圧PMが変化するので、要求
基本噴射量TTAUが変化する。したがって、ステッ
プ53では定常状態ではないと判定されるので、図6に
示したマップに基づいて壁面付着率FCX及び燃料蒸発
時定数TAYを決定し、制御は、ステップS51→52
→53→54→55→56と進み、有効噴射時間TAU
を演算する。この場合、ウェット補正量TPWETは
正の値となり、図9の時間t2のように減速状態になる
と、負の値となる。暖機中及び完全暖機後に移行するま
での間にあっても、上記の加速状態と同様に過渡時と判
断されて有効噴射時間TAUが演算される。この場合、
壁面付着率FCXと燃料蒸発時定数TAYとは、別途に
設定した計算ルーチンにより計算され上記した図6に示
すマップは適用しない。
【0035】このように、噴射燃料が壁面付着し、また
その付着した燃料が蒸発しても、加速の種類にかかわら
ず、過渡状態であることが検出された場合には、その過
渡状態の間、壁面付着率FCXと、1噴射前の壁面付着
量MFn−1と、燃料蒸発時定数TAYとに基づいてウ
ェット補正量TPWETを計算し、そのウェット補正
量TPWETにより要求基本噴射量TTAUを補正
しているので、過渡時における燃料の輸送の遅延を効率
よく解消することができる。
【0036】なお、本発明は以上説明した実施例に限定
されるものではない。例えば、加速時と減速時との検出
は、上記実施例のように吸気圧の変化を判定して行う以
外に、スロットルバルブの開度の変化をモニタして行う
ものであってもよい。すなわち、スロットルバルブの開
度に応じて直線的に信号を出力するスロットルセンサを
用いて、スロットル開度の変化により加速時と減速時と
を判定するようにしてもよい。
【0037】その他、各部の構成は図示例に限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変
形が可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明は、以上に詳述したように、加速
時と減速時とで壁面付着率及び燃料蒸発時定数を個別に
設定して、燃料噴射量を決定しているので、空燃比をそ
れぞれの過渡状態に適切な状態にすることができ、ドラ
イバビリティを低下させることを防止することができ
る。また、オーバーリッチやオーバーリーンな空燃比に
ならないので、排気ガスレベルを良好なものに保持する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成説明図。
【図2】同実施例の制御手順を示すフローチャート。
【図3】同実施例の作用説明図。
【図4】同実施例の制御手順を示すフローチャート。
【図5】同実施例の制御手順を示すフローチャート。
【図6】同実施例の(FCX,TAY)マップの構成を
示す説明図。
【図7】同実施例の水温係数マップの構成を示す説明
図。
【図8】同実施例の燃料の動向を要部を拡大して示す要
部模式図。
【図9】同実施例の作用説明図。
【図10】同実施例の作用説明図。
【符号の説明】
1…吸気系 2…スロットルバルブ 4…吸気マニホルド 5…燃料噴射弁 6…電子制御装置 7…中央演算処理装置 8…記憶装置 9…入力インターフェース 11…出力インターフェース

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気バルブ近傍の吸気管路の壁面に付着す
    る燃料量とすでに付着していた燃料が燃料噴射の際に蒸
    発する燃料量とを、過渡時の燃料噴射量において補正す
    る過渡時空燃比補正方法であって、 加速時と減速時との壁面付着率及び燃料蒸発時定数をそ
    れぞれ個別に設定し、 加速中と減速中とを個別に検出し、 加速時を検出した場合には、設定された加速時の壁面付
    着率と燃料蒸発時定数とを用い、減速時を検出した場合
    には、設定された減速時の壁面付着率と燃料蒸発時定数
    とを用いてそれぞれ燃料噴射量を決定することを特徴と
    する過渡時燃料噴射制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007154757A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Denso Corp 燃料噴射制御装置
JP2017125453A (ja) * 2016-01-14 2017-07-20 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の燃料噴射量制御装置

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