JP2966258B2 - 空燃比補正制御方法 - Google Patents

空燃比補正制御方法

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸気マニホルド内での
燃料輸送遅れ等を考慮して燃料噴射量を決定する空燃比
補正制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の空燃比補正方法としては、
例えば特開昭62−228637号公報に記載の内燃エ
ンジンの加速時の燃料供給制御方法のように、例えば吸
気圧(吸気管内圧力)の変化量等のエンジン負荷を表す
パラメータ値に基づいて、吸気管内壁に付着した付着燃
料を予測し、その予測値に応じて噴射燃料量(ウエット
補正量)を増量するものが知られている。また、特開平
2−173334号公報に記載のエンジンの適応制御方
法のように、空燃比センサによる計測空燃比、燃料噴射
量、吸入空気量や冷却水温を含む検出量から吸気管壁面
に燃料が付着する割合を推測し、その推測した付着率に
基づいて気筒に供給する燃料量を制御するものも知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した公報のもの
や、特には冷却水温に応じて付着率と蒸発率とを設定し
ているものでは、暖機中と完全暖機後とで付着率及び蒸
発率の値を大きく変えている。すなわち、例えば、図1
1に示すように、壁面付着率X及び蒸発率τは、冷却水
温THWの低い暖機中においてその値を大きく設定して
おき、冷却水温THWが十分に上昇したある温度から
は、それ以上の冷却水温THWにおいて共通になる値に
設定してある。境界となる冷却水温THWは、例えば7
5℃に設定されている。
【0004】しかしながら、このような設定にあって
は、暖機運転が十分に進行し冷却水温THWが境界の温
度に達した直後に、壁面付着率X及び蒸発率τは完全暖
機後の値に変更されてウエット補正量の計算が実行され
るので、このような境界付近の完全暖機後では、壁面付
着率X及び蒸発率τの値が小さすぎて、十分なウエット
補正量を算出することができない。その結果、空燃比が
リーンになることがあり、ドライバビリティを悪くする
ことがある。これらを解消するためには、吸気バルブ近
傍の温度や噴射燃料の温度を検出し、これらの温度を考
慮して壁面付着率X及び蒸発率τを計算することが考え
られるが、各種の温度センサを増設することはコストの
増加を招くものとなり、好ましくない。
【0005】本発明は、このような不具合を解消するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような手段を講じたものであ
る。すなわち、本発明に係る空燃比補正制御方法は、吸
気バルブ近傍の吸気管路の壁面に付着する燃料量とすで
に付着していた燃料が燃料噴射の際に蒸発する燃料量と
を含むウエット補正量を、エンジン温度に応じて暖機中
と完全暖機後とで異なる値に設定される壁面付着率及び
蒸発率に基づいて計算し、過渡時である場合の燃料噴射
量をそのウエット補正量により補正する空燃比補正制御
方法であって、エンジン温度が所定温度に達したことを
検知し、前記所定温度の検知以降は経過時間に応じて壁
面付着率及び蒸発率を完全暖機後の値まで変更すること
を特徴とする。
【0007】本発明におけるエンジン温度としては、エ
ンジンの冷却水温、潤滑油温度、吸入空気温度等が挙げ
られる。
【0008】
【作用】このような構成のものであれば、暖機中から完
全暖機後に切り替わった直後の付着率及び蒸発率は、暖
機中のそれらに比べて大きな変更はない。すなわち、暖
機中から完全暖機後への切替点をエンジン温度が所定温
度に達したことにより検出し、それ以降は経過時間に応
じて付着率及び蒸発率を完全暖機後の値まで変更するよ
うにしている。付着率及び蒸発率は完全暖機後に移行し
てから時間の経過とともに完全暖機後の値に変化するも
ので、移行直後においては暖機中の値と大きくは変わら
ない。したがって、ウエット補正量が極端に要求量を下
回ることはなく、よって空燃比がリーンになるので防止
することができる。またこれによって、ドライバビリテ
ィが悪化するのを抑制することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。
【0010】図1に概略的に示したエンジンは自動車用
のもので、その吸気系1には図示しないアクセルペダル
に応動して開閉するスロットルバルブ2が配設され、そ
の下流側にはサージタンク3が設けられている。サージ
タンク3に連通する吸気系1の吸気マニホルド4のシリ
ンダヘッド30側の端部近傍には、さらに燃料噴射弁5
が設けてあり、この燃料噴射弁5を、電子制御装置6に
より制御するようにしている。燃料噴射弁5の前方のシ
リンダヘッド30には、吸気バルブ31が配設されてい
る。また排気系20には、排気ガス中の酸素濃度を測定
するためのOセンサ21が、図示しないマフラに至る
までの管路に配設された三元触媒22の上流の位置に取
り付けられている。このOセンサ21からは、酸素濃
度に対応して電圧信号hが出力される。
【0011】電子制御装置6は、中央演算装置7と、記
憶装置8と、入力インターフェース9と、出力インター
フェース11とを具備してなるマイクロコンピュータシ
ステムを主体に構成されている。電子制御装置6の入力
インターフェース9には、サージタンク3内の圧力を検
出するための吸気圧センサ13から出力される吸気圧信
号a、エンジン回転数NEを検出するための回転数セン
サ14から出力される回転数信号b、車速を検出するた
めの車速センサ15から出力される車速信号c、スロッ
トルバルブ2の開閉状態を検出するためのアイドルスイ
ッチ16から出力されるLL信号d、エンジン温度とし
てのエンジンの冷却水温を検出するための水温センサ1
7から出力される水温信号e、上記したOセンサ21
から出力される電圧信号hなどが入力される。一方、出
力インターフェース11からは、燃料噴射弁5に対して
燃料噴射信号fが、またスパークプラグ18に対してイ
グニッションパルスgが出力されるようになっている。
【0012】電子制御装置6には、吸気圧センサ13か
ら出力される吸気圧信号aと回転数センサ14から出力
される回転数信号bとを主な情報とし、エンジン状況に
応じて決まる各種の補正係数で基本噴射時間TPを補正
して燃料噴射弁開成時間すなわち最終噴射時間TAUを
決定し、その決定された時間により燃料噴射弁5を制御
して、エンジン負荷に応じた燃料を該燃料噴射弁5から
シンンダヘッド30近傍の吸気系1に噴射させるための
プログラムが内蔵してある。さらにこのプログラムにお
いては、吸気バルブ31近傍の吸気管路の壁面に付着す
る燃料量とすでに付着していた燃料が燃料噴射の際に蒸
発する燃料量とを含むウエット補正量TPWETを、エ
ンジン温度に応じて暖機中と完全暖機後とで異なる値に
設定される壁面付着率X及び蒸発率たる蒸発時定数τに
基づいて計算し、過渡時である場合の燃料噴射量をその
ウエット補正量TPWETにより補正するもので、エン
ジン温度が所定温度に達したことを検知し、前記所定温
度の検知以降は経過時間に応じて壁面付着率X及び蒸発
時定数τを完全暖機後の値まで変更するようにプログラ
ミングされている。
【0013】この空燃比補正プログラムの概要は図2に
示すようなものである。ただし、定常運転時における種
々の補正係数を考慮して最終噴射時間TAUを演算する
プログラムそれ自体は、従来知られているものを利用で
きるので図示及び説明を省略する。
【0014】まず、ステップS1では、水温センサ17
から出力される水温信号eにより検出した冷却水温TH
Wが、所定温度例えば75℃を超えているか否かを判定
し、超えている場合はステップS2に進み、下回ってい
る場合はステップS3に移行する。ステップS2では、
所定温度になる直前の冷却水温THWに対応する、壁面
付着率Xから付着率用所定値yを減算し、かつ蒸発時定
数τから蒸発率用所定値xを減算する。ステップS3で
は、冷却水温THWに応じて設定された壁面付着率X及
び蒸発時定数τを、検出された冷却水温THWdに基づ
いて、図3の(a)に示すテーブルより読み出す。この
場合、テーブルには主な冷却水温THWに対する壁面付
着率X及び蒸発時定数τしか設定されていないので、そ
れら以外の冷却水温THWに対するものについては、補
間計算を実施することにより求める。ステップS4で
は、その時点の壁面付着率X及び蒸発時定数τがそれぞ
れ、完全暖機後の付着率X及び蒸発時定数τを上回
っているのか否かを判定し、上回っている場合はステッ
プS2に進み、そうでない場合はステップS5に移行す
る。ステップS5では、壁面付着率Xとして完全暖機後
の付着率Xを、また蒸発時定数τとして同じく完全暖
機後の蒸発時定数τを設定する。なお、設定された壁
面付着率X及び蒸発時定数τを用いてウエット補正量T
PWETを算出し、有効噴射時間TAUを演算する方法
については、その一例を図4〜10を交えて後述する。
【0015】以上の構成において、エンジンが始動され
ると、所定の周期で冷却水温THWが検出される。暖機
中にあっては、所定温度に達していないので、制御は、
ステップS1→S3と進み、図3の(a)に示すよう
に、その時の冷却水温THWに応じた壁面付着率Xと蒸
発時定数τとを設定する。そして、暖機運転が続行さ
れ、冷却水温THWが所定温度を上回ると、制御は、ス
テップS1→S2→S4と進み、壁面付着率X及び蒸発
時定数τが完全暖機後の付着率X及び蒸発時定数τ
を下回っている間は、ステップS2→S4を繰り返し実
行する。この時ステップS2で算出された壁面付着率X
及び蒸発時定数τは、その都度有効噴射時間TAUの演
算に用いられる。ステップS2とステップS4とを繰り
返し実行することにより、図3の(b)に示すように、
壁面付着率Xは付着率用所定値yづつその値が小さくな
り、蒸発時定数τもまた蒸発率用所定値xづつその値が
小さくなり、最終的にはそれぞれ完全暖機後の値にな
る。すなわち、制御は、ステップS1→S2→S4→S
5と進んで、暖機後の運転状態での制御に移行する。
【0016】このようにして、暖機中から完全暖機後に
移行する際に、壁面付着率X及び蒸発時定数τを時間の
経過とともに小さくしていくことにより、急激にウエッ
ト補正量TPWETが変化して、有効噴射時間TAUが
短くなることがなくなる。したがって、所定温度に達し
た直後に空燃比がリーンになることはなくなり、ドライ
バビリティが悪化するのを抑制することができる。
【0017】ウエット補正量TPWETを用いた有効噴
射時間TAUの演算は、以下のようにして行うものであ
ってよい。
【0018】まず、図4において、ステップ51では、
エンジンの回転数NEと吸気圧PMとか基本噴射時間T
Pを計算する。この基本噴射時間TPの計算それ自体
は、従来と同じものであってよい。ステップ52では、
要求基本噴射量TTAUが下式により計算される。
【0019】 TTAU=TP*FTHA*KG*(1+FWL+FPOWER) (1) ただし、FTHAは吸気圧温度補正係数、KGはA/F
学習補正係数、FWLは暖機増量補正係数、FPOWE
Rはパワー増量補正係数である。これらの補正係数につ
いては、当該分野で広く知られている方法により、各運
転状態に応じて決定されるものであってよい。
【0020】ステップ53では、定常運転状態であるか
否かが判定され、定常状態であればステップ57に移行
し、過渡状態であればステップ54に進む。定常状態の
判定は、ウェット補正量TPWETが0であるか、ある
いは要求基本噴射量TTAUの変化が0であるかにより
行われる。すなわち、定常状態から過渡状態に移行した
その時点ではまだウェット補正量TPWETは算出され
ておらず、したがって定常状態の要求基本噴射量TTA
Uからのその変化量を判定することにより、過渡状態に
移行したか否かを判定する。つまり前回(定常状態)の
要求基本噴射量TTAUn−1と今回の要求基本噴射量
TTAUとの差(変化)が0でない場合には、過渡状
態と判定する。しかして、過渡状態に移行してからは、
ウェット補正量TPWETが常に0以外の数値であるの
で、前回決定されたウェット補正量TPWETが0でな
いことを判定することにより定常状態でないことを判定
する。
【0021】ステップ54では、吸気バルブ31近傍の
吸気系1の内壁面1aに付着する燃料の壁面付着率Xと
1噴射前の壁面付着量MFn−1と蒸発時定数τとか
ら、下式によりウェット補正量TPWETを計算する。
【0022】 TPWET=(X*TTAU−MFn−1/τ)/(1−X) (2) 壁面付着率Xと蒸発時定数τとは、暖機中及び完全暖機
後に移行するまでの間を除いて、後述するマップに基づ
いて(X,τ)計算ルーチンにより、その時の冷却水温
THW、エンジン回転数NE及び吸気圧PMに応じて算
出されて決定される。
【0023】ステップ55では、壁面付着率Xと1噴射
前の壁面付着量MFn−1と蒸発時定数τとステップ5
4の計算で得られたウェット補正量TPWETとか
ら、今回噴射後の壁面付着量MFを下式により計算す
る。
【0024】 MF=X*(TTAU+TPWET) +(τ−1)*MFn−1/τ (3) ステップ56では、要求基本噴射量TTAUとウェッ
ト補正量TPWETとから、下式により有効噴射時間
TAUを計算し、インジェクタ駆動ルーチンに移行す
る。
【0025】 TAU=(TTAU+TPWET)*FAF (4) ステップ53で、定常状態と判定された場合に進むステ
ップ57では、今回の壁面付着量MFを、下式により
計算するとともに、ウェット補正量TPWETを0に
設定する。
【0026】 MF=X*τ*TTAU (5) 次に、(X,τ)計算ルーチンについて図5〜7により
説明する。
【0027】図5は、(X,τ)計算ルーチンの概略フ
ローチャートである。このルーチンは完全暖機運転後に
実行されるもので、まずステップ61において、エンジ
ンの回転数NEと吸気圧PMと冷却水温とのデータを読
み込む。ステップ62では、読み込まれたデータによ
り、(X,τ)マップと水温係数マップとをサーチす
る。(X,τ)マップは、図6に示すように、回転数N
Eと吸気圧PMとにより全運転域で設定されている。ま
た、水温係数マップは、図7に示すように、冷却水温T
HWが高くなるにつれてほぼ一定の値に収束する特性を
有する第1水温係数K1と第2水温係数K2とを規定し
ている。第1水温係数K1は、壁面付着率Xのためのも
ので、第2水温係数K2は、蒸発時定数τのためのもの
である。ステップ63では回転数データ及び吸気圧デー
タにより(X,τ)マップを検索して得られた壁面付着
率X及び蒸発時定数τのそれぞれのマップ値TX、Tτ
と、その時の冷却水温データに基づき水温係数マップか
ら得られた第1及び第2水温係数K1、K2とから、下
式に基づいて運転状態に対応する壁面付着率Xと蒸発時
定数τとを計算する。
【0028】 X=K1*TX (6) τ=K2*Tτ (7) なお、このルーチンは、上記ステップ54及びステップ
57において実行されるものであってよい。
【0029】ここで、燃料噴射が行われた場合の燃料の
動きについて説明すると、噴射された燃料は、図8に示
すように、大部分は吸気マニホルド4など吸気系1の内
壁面1aに接触することなく(矢印A)、直接に吸気バ
ルブ31を通過してシリンダ内に吸入される。しかして
燃料の少量は、図中矢印Bで示すように、吸気系1の内
壁面1aに付着する。このように燃料が付着する一方
で、すでに内壁面1aに付着している燃料が図中矢印C
で示すように蒸発して、噴射された燃料に混合してシリ
ンダ内に吸入される。
【0030】一般的に、例えば図9に示すように、加速
により要求基本噴射量TTAUが変化する場合を考え
る。このような場合には、まず、加速するまでの定常状
態では、エンジンの回転数NE及び吸気圧PMに変化が
ないので要求基本噴射量TTAUにも変化がなく、制御
は、ステップ51→52→53→57→56と進む。し
かして、ウェット補正量TPWETを0に設定するの
で、有効噴射時間TAUは要求基本噴射量TTAU
にA/Fフィードバック補正係数FAFを乗じた値とな
る。この定常状態にあっても、ステップ57において壁
面付着量MFは計算されるが、この時にはウェット補
正量TPWETが0であること、及び回転数NEと吸
気圧PMと冷却水温とが変化しないため、図10に示す
ように、壁面付着量MFn−2,MFn−1,MF
変化しない。
【0031】次に、加速状態になると(図9、時間t
1)、回転数NE及び吸気圧PMが変化するので、要求
基本噴射量TTAUが変化する。したがって、ステッ
プ53では定常状態ではないと判定されるので、図6に
示したマップに基づいて壁面付着率X及び蒸発時定数τ
を決定し、制御は、ステップS51→52→53→54
→55→56と進み、有効噴射時間TAUを演算す
る。この場合、ウェット補正量TPWETは正の値とな
り、図9の時間t2のように減速状態になると、負の値
となる。暖機中及び完全暖機後に移行するまでの間にあ
っても、上記の加速状態と同様に過渡時と判断されて有
効噴射時間TAUが演算される。この場合、壁面付着率
Xと蒸発時定数τとは、図3の(a)に示したテーブル
に基づいて設定され、また移行する間においては図2に
しめした手順で計算され、上記した図6に示すマップは
適用しない。
【0032】このように、噴射燃料が壁面付着し、また
その付着した燃料が蒸発しても、加速の種類にかかわら
ず、過渡状態であることが検出された場合には、その過
渡状態の間、壁面付着率Xと、1噴射前の壁面付着量M
n−1と、蒸発時定数τとに基づいてウェット補正量
TPWETを計算し、そのウェット補正量TPWET
により要求基本噴射量TTAUを補正しているの
で、過渡時後半における燃料の輸送の遅延を効率よく解
消することができる。
【0033】なお、本発明は以上説明した実施例に限定
されるものではない。
【0034】その他、各部の構成は図示例に限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変
形が可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上に詳述したように、始動
直後の過渡時において、吸気管の内壁面の壁面付着量が
ほぼ0に等しいことに着目して、エンジン温度に応じて
設定される始動時壁面付着率と、経過時間に応じて減量
される付着率補正量とから壁面付着率を設定しているの
で、始動直後にウエット補正量が不足する事態を未然に
防止でき、しかも時間の経過とともに付着率補正量が減
ることにより、過剰にウエット補正量が設定されること
もなく、ドライバビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成説明図。
【図2】同実施例の制御手順を示すフローチャート。
【図3】同実施例の作用説明図。
【図4】同実施例の制御手順を示すフローチャート。
【図5】同実施例の制御手順を示すフローチャート。
【図6】同実施例の(X,τ)マップの構成を示す説明
図。
【図7】同実施例の水温係数マップの構成を示す説明
図。
【図8】同実施例の燃料の動向を要部を拡大して示す要
部模式図。
【図9】同実施例の作動説明図。
【図10】同実施例の作動説明図。
【図11】従来例の作動説明図。
【符号の説明】
1…吸気系 2…スロットルバルブ 4…吸気マニホルド 5…燃料噴射弁 6…電子制御装置 7…中央演算処理装置 8…記憶装置 9…入力インターフェース 11…出力インターフェース 13…吸気圧センサ 14…回転数センサ 17…水温センサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−109057(JP,A) 特開 平3−23339(JP,A) 特開 平2−227526(JP,A) 特開 平4−41946(JP,A) 特開 平1−247730(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/04 330

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気バルブ近傍の吸気管路の壁面に付着す
    る燃料量とすでに付着していた燃料が燃料噴射の際に蒸
    発する燃料量とを含むウエット補正量を、エンジン温度
    に応じて暖機中と完全暖機後とで異なる値に設定される
    壁面付着率及び蒸発率に基づいて計算し、過渡時である
    場合の燃料噴射量をそのウエット補正量により補正する
    空燃比補正制御方法であって、 エンジン温度が所定温度に達したことを検知し、 前記所定温度の検知以降は経過時間に応じて壁面付着率
    及び蒸発率を完全暖機後の値まで変更することを特徴と
    する空燃比補正制御方法。
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