JPH0739691U - トイレットペーパー用ホルダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペーパーの切り口が分かりやすく、且つ、そ
の切り口を掴みやすくしたトイレットペーパー用ホルダ
ー１を提供する。 【構成】 トイレットペーパー用ホルダー１は、壁面に
固定するブラケット２と、該ブラケット２に取り付けら
れロールタイプのペーパーを回転自在な状態で保持する
バスケット部材３と、ペーパー繰出用に上向き開口する
取出口１５と、該取出口１５に近接配置した板状のカッ
ト台１０と、カット台１０の上面から離れた取出位置と
カット台１０の上面に重合するカット位置との間で移動
自在なペーパーカッター４とからなる。このホルダー１
は、ペーパーの端が常にカット台１０の上にあるため切
り口が一見して判り、しかもペーパーの端が胴部に密着
していないため掴みやすい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、トイレットペーパー用ホルダーの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の一般的なトイレットペーパー用ホルダー（以下単にホルダーという。） は、壁面に固定する平面視凹状のブラケットと、該ブラケットの先端に着脱自在 に取り付けられ且つロールタイプのトイレットペーパー（以下単にペーパーとい う。）の芯に通すロール軸と、ブラケットの上面に揺動自在に設けられペーパー 上面を押さえてカットするための切り蓋と、からなる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のホルダーは、ペーパーを繰り出してカットする場合に、該ペーパー を切り蓋で押さえ、その切り蓋の縁に沿って破り取る構造であるため、多くの場 合切り口部分がペーパーの胴部に密着し、その上、切り口の端が、切り蓋の縁と 一緒か又は切り蓋の内側に入って隠れてしまうため非常に判り難い。そのため、 指先が思うように動なかったり、或いは、視力が衰えて物の輪郭が見え難い者に とって極めて使い勝手が悪かった。係る不具合は、健康な人には理解し難いもの であるため、指先の動きや目の働きに衰えを感じている人達への配慮が十分でな く、その結果、病院、老人ホーム、その他の公共施設、或いは、高齢者が住む家 庭などでも従来のホルダーがそのまま使われており、前記弱者に不便を強いてい た。 本考案は上記に鑑みなされたもので、その目的は、ペーパーの切り口が分かり やすく、且つ、その切り口を掴みやすくしたホルダーを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため本考案は、 壁面に固定するブラケットと、 該ブラケットに取り付けられ、ロールタイプのペーパーを回転自在な状態で保 持するバスケット部材と、 ペーパー繰出用に上向き開口する取出口と、 該取出口に近接配置した板状のカット台と、 カット台の上面から離れた取出位置と、カット台の上面に重合するカット位置 との間で移動自在なペーパーカッターと、 からなるホルダーを提供する。

【０００５】

【作用】

通常、ペーパーカッターはカット台の上面から離れた取出位置にあり、ペーパ ーの端がカット台の上に載っている。この状態でペーパーの端を掴んで適当量繰 り出した後、ペーパーカッターをカット位置に動かしてカット台の上面に重合さ せる。そして、ペーパーをペーパーカッターとカット台の間に挟んだ状態でペー パーカッターの縁を使ってカットし、ペーパーカッターを取出位置に戻すとペー パーの端がカット台の上に残る。従って、次に使用する場合もペーパーの端がカ ット台の上にあるため、切り口が一見して判り、しかも端がカット台の上にあっ てペーパーの胴部に密着していないため非常に掴みやすい。

【０００６】

【実施例１】 以下に本考案の実施例１を図１〜図７を参照しつつ説明する。なお、図１はホ ルダーの分解斜視図、図２は同断面正面図、図３は図２のＸ−Ｘ線断面図、図４ は図２のＹ−Ｙ線断面図、図５はペーパーの補充状態を示す断面図、図６はペー パーのカット状態を示す断面図、図７はロック機構を示す拡大断面図である。 ホルダー１は、壁面に固定するブラケット２と、該ブラケット２に取り付けら れるバスケット部材３と、ペーパーＰをカットするペーパーカッター４の三部材 で概略構成される。

【０００７】 前記ブラケット２は、壁面Ｗに当接する取付基盤２ａと、該取付基盤２ａの両 端から前方に向けて突出する軸受板５，５と、軸受板５，５間に回転自在に差し 渡した補助ローラ６と、を有し、左右の軸受板５，５に丸孔７を穿設してなる。 前記バスケット部材３は、左右の円盤８，８と、該円盤８，８の下半外周沿い に設けた底板９と、円盤８，８の上部外周沿いに設けた板状のカット台１０と、 カット台１０に近接配置した回転自在な繰出ローラ１１と、円盤８，８の中心か ら外向きに突設した回転軸１２と、回転軸１２を中心とした円弧形状であり前記 ブラケット２の補助ローラ６が通る弧状溝１３と、からなる。そして、前記底板 ９と繰出ローラ１１の間の全体がペーパーＰの直径より大きく開いていてそこが ペーパー補充口１４となり、さらに繰出ローラ１１の近傍がペーパーＰの取出口 １５となる。なお、前記カット台１０の下縁部分には断面三角形状の突起１６が 突設され、また、繰出ローラ１１の両端に歯車１７ａが固着されている。

【０００８】 而して、バスケット部材３は、前記ブラケット２の丸孔７に円盤８，８の回転 軸１２を通して回転自在に取り付けられる。回転軸１２にはブラケット２の外側 からキャップ１８Ｌ，１８Ｒが嵌合固着されており、一方のキャップ１８Ｌにロ ック機構が設けられている。このロック機構は、図７に拡大して示すように、キ ャップ１８Ｌの上部に揺動自在に軸着されたボタン部材１９と、該ボタン部材１ ９を外向きに付勢するバネ２０と、ブラケット２の軸受板５側に設けたロック溝 ２１と、ボタン部材１９の側面に突設され且つ先端がロック溝２１に係合するロ ックピン２２と、から構成される。ロック溝２１は、丸孔７と同心円状である遊 び溝２１ａと、該遊び溝２１ａの始端部に上向きに切り欠いたロックポイント２ １ｂで構成され、通常ロックポイント２１ｂにロックピン２２が嵌っている。こ のロック機構の作用については後述する。

【０００９】 ペーパーカッター４は、ブラケット２の軸受板５とバスケット部材３の円盤８ の間に回転自在に介装される回転板２３，２３と、該回転板２３の上部に上向き 揺動自在に軸着された切り蓋２４と、を有し、さらに前記繰出ローラ１１の歯車 １７ａに噛合する内歯車１７ｂを一部に設けたガイド溝２５を回転板２３に形成 してなる。前記切り蓋２４は、バネ（図示せず）で常時下向きに付勢されている 。また、切り蓋２４は、下面の一部が受壁２６で受けられているが、手で押さえ ることにより弾性変形して若干下動する。そしてさらにペーパーカッター４は、 回転板２３の回転中心より下側に重錘２７が埋設されていて、図３のように、切 り蓋２４がカット台１０の上面から離れた取出位置に停止するよう設定されてい る。

【００１０】 実施例１のホルダー１は以上のように構成されており、次にその使用方法につ いて説明する。 先ず、ペーパーＰを補充する場合は、図７鎖線のようにキャップ１８Ｌのボタ ン部材１９を押し込み、ロックピン２２をロック溝２１のロックポイント２１ｂ から外す。この状態でロックピン２２が遊び溝２１ａの軌道に入るため、キャッ プ１８Ｌを図７において時計回りに回転させる。そうすると、バスケット部材３ が一緒に回転して図５のようにペーパー補充口１４が正面に向かうから、そのペ ーパー補充口１４からペーパーＰをバスケット部材３に入れる。このときペーパ ーＰの端を少し垂らしておく。次に、キャップ１８Ｌを逆向きに回すと、ロック ピン２２がバネ２０の作用でロックポイント２１ｂに自動的に係合し、バスケッ ト部材３が図３の初期位置にロックされる。この状態で繰出ローラ１１と補助ロ ーラ６が接触し、ペーパーＰが両ローラ１１，６で挟まれ、先に垂らしておいた ペーパーＰの端がカット台１０の上面に載る。 以上でペーパーＰの補充が完了する。

【００１１】 次に、ペーパーＰを使用する場合について説明する。 先ず、カット台１０の上にあるペーパーＰの端を持って引っ張る。そうすると 、バスケット部材３の底板９上でペーパーＰが回転しながら繰り出される。この ペーパーＰの繰り出しに伴ってペーパーＰに接触している繰出ローラ１１が回転 し、該繰出ローラ１１の歯車１７ａと内歯車１７ｂが噛合しているためペーパー カッター４が時計回りに回転する。そうすると、図６のように切り蓋２４がカッ ト台１０の上面に重合するカット位置に至る。なお、ペーパーＰの繰り出し方向 によって切り蓋２４に上向きの力が作用する可能性があるが、その場合には切り 蓋２４がバネの付勢に抗して上向き揺動するため作動上何等問題は生じない。そ して、ペーパーカッター４が図６のカット位置に至ると、繰出ローラ１１の歯車 １７ａが内歯車１７ｂのないガイド溝２５の先端に入るため、それ以後はペーパ ーＰをいくら繰り出しても繰出ローラ１１が空転する。

【００１２】 次に、所望量ペーパーＰを繰り出した後、カット位置にある切り蓋２４を押し 下げ、該切り蓋２４とカット台１０の突起１６の間にペーパーＰを挟む。そして 、切り蓋２４の縁でペーパーＰをカットした後、該切り蓋２４から手を離す。そ うすると、切り蓋２４が自己の弾性でカット台１０の上面から少し浮き上がり、 さらに、ペーパーカッター４が重錘２７の付勢で取出位置に戻る。なお、このと き繰出ローラ１１は歯車１７ａと内歯車１７ｂの噛合により前記と逆向きに回転 するが、ペーパーＰに張力が作用していないため殆ど空転する。従って、カット 台１０の上面にペーパーＰの端が残る。

【００１３】

【実施例２】 図８〜図１１は実施例２を示すもので、図８はホルダーの正面図、図９は要部 を示す斜視図、図１０はホルダーの側面図、図１１は同中央縦断側面図である。 この実施例２は、前記実施例１のペーパーカッター４がカット台１０の上面に 沿って移動する方式であったのに対して、切り蓋２４を揺動式にした点に特徴が ある。なお、実施例１と同一符号の部分は同機能の部品を示す。

【００１４】 而して、実施例２のホルダー１は、ブラケット２とバスケット部材３が一体で あり、従って、ブラケット２の軸受板５に歯車１７ａ付きの繰出ローラ１１が回 転自在に支持されている。 ペーパーカッター４は、ブラケット２の基端部に揺動自在に軸着された一対の 揺動アーム２８，２８と、該揺動アーム２８間に軸着した第二歯車２９付きの補 助ローラ６と、揺動アーム２８の先端に揺動自在に軸着した切り蓋２４とからな る。切り蓋２４は揺動アーム２８が図１０実線の水平状態にあるとき前記繰出ロ ーラ１１の上面を覆うような弧状のカバー部材３０を有し、該カバー部材３０の 端部内面に繰出ローラ１１の歯車１７ａに係合する内爪３１を突設してなる。ま た、切り蓋２４は側面にバネ受けピン３２を有し、該バネ受けピン３２に、揺動 アーム２８の側面から延びるリーフスプリング３３の自由端を作用させ、以て常 時反時計回りの力を受ける。なお、揺動アーム２８とブラケット２の軸受板５の 対向面には互いに嵌まり合う凹凸部３４が形成されており、該凹凸部３４の係合 で揺動アーム２８が水平姿勢に保たれる。

【００１５】 次に、実施例２のホルダー１の使用方法について説明する。 最初にペーパーＰを補充する場合は、ペーパーカッター４の揺動アーム２８を 図１０鎖線の位置まで強制的に持ち上げる。なお、前記のように揺動アーム２８ とブラケット２の軸受板５は凹凸部３４で係合しているが、揺動アーム２８と軸 受板５には合成樹脂の弾性があるため、強い力を加えれば凹凸部３４の係合が外 れる。そして、ペーパーカッター４を上げた状態でバスケット部材３上部のペー パー補充口１４からペーパーＰを入れ、その端を繰出ローラ１１及びカット台１ ０の上面に垂らしておく。次に、揺動アーム２８を図１０実線の水平状態に戻す と、補助ローラ６の第二歯車２９と繰出ローラ１１の歯車１７ａが噛合し、且つ 、切り蓋２４の内爪３１が歯車１７ａに係合する。この状態でペーパーカッター ４の切り蓋２４は図１１実線のようにカット台１０から離れた取出位置にある。 また、ペーパーＰは繰出ローラ１１と補助ローラ６の間に挟まれ、且つ、その端 がカット台１０の上面に載った状態である。

【００１６】 次に、ペーパーＰを使用する場合について説明する。 先ず、カット台１０の上にあるペーパーＰの端を持って引っ張る。そうすると 、バスケット部材３上でペーパーＰが回転しながら繰り出される。このペーパー Ｐの繰り出しに伴ってペーパーＰに接触している繰出ローラ１１と補助ローラ６ が回転し、その回転で歯車１７ａと一体に切り蓋２４が図１０，１１において時 計回りに回転する。そして、図１１鎖線のように切り蓋２４がカット台１０の上 面に重なるカット位置に到達した状態で切り蓋２４を手で押さえながらペーパー Ｐをカットする。次に、切り蓋２４から手を離すとリーフスプリング３３の付勢 で切り蓋２４が取出位置に戻り、カット台１０の上面にペーパーＰの端が残る。

【００１７】 以上本考案を実施例１，２について説明したが、もちろん本考案は上記各実施 例に限定されるものではない。 例えば、実施例１，２ではペーパーＰの紙送りにペーパーカッター４を連動さ せるように構成したが、必ずしもそのようにする必要はない。例えば、実施例２ から歯車１７ａと第二歯車２９を取り除けば、ペーパーカッター４を手動で操作 することができる。 また、実施例２では切り蓋２４をリーフスプリング３３で付勢するようにした が、それ以外にも、バランスウェイトや磁力などの力で付勢するようにしてもよ い。

【００１８】

【考案の効果】

本考案のトイレットペーパー用ホルダーは、ペーパーの端が常にカット台の上 に残るため、その切り口が一見して判り、しかも端の部分がカット台の上にあっ てペーパーの胴部に密着していないため非常に掴み易くなる。従って、視力が衰 えたり或いは指先が思うように動かせない人でもトイレットペーパーの取り出し が楽に行える優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 ホルダーの分解斜視図である。

【図２】 ホルダーの断面正面図である。

【図３】 図２のＸ−Ｘ線断面図である。

【図４】 図２のＹ−Ｙ線断面図である。

【図５】 ペーパーの補充状態を示す断面図である。

【図６】 ペーパーのカット状態を示す断面図である。

【図７】 ロック機構を示す拡大断面図である。

【図８】 実施例２のホルダーの正面図である。

【図９】 実施例２の要部を示す斜視図である。

【図１０】 実施例２のホルダーの側面図である。

【図１１】 実施例２のホルダーの中央縦断側面図であ
る。

【符号の説明】

Ｗ …壁面 Ｐ …トイレットペーパー １ …トイレットペーパー用ホルダー ２ …ブラケット ３ …バスケット部材 ４ …ペーパーカッター １０…カット台 １５…取出口

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁面に固定するブラケットと、 該ブラケットに取り付けられ、ロールタイプのトイレッ
   トペーパーを回転自在な状態で保持するバスケット部材
   と、 トイレットペーパー繰出用に上向き開口する取出口と、 該取出口に近接配置した板状のカット台と、 カット台の上面から離れた取出位置と、カット台の上面
   に重合するカット位置との間で移動自在なペーパーカッ
   ターと、 からなることを特徴とするトイレットペーパー用ホルダ
   ー。