JPH0739586B2 - 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネート型清浄剤の製法 - Google Patents

過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネート型清浄剤の製法

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JPH0739586B2
JPH0739586B2 JP1162377A JP16237789A JPH0739586B2 JP H0739586 B2 JPH0739586 B2 JP H0739586B2 JP 1162377 A JP1162377 A JP 1162377A JP 16237789 A JP16237789 A JP 16237789A JP H0739586 B2 JPH0739586 B2 JP H0739586B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
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    • C07G99/00Subject matter not provided for in other groups of this subclass
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    • C07G99/0024Overbased compounds

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、潤滑油または燃料油の清浄剤あるいはアルカ
リ清浄剤として有用な過塩基性の硫化アルカリ土類金属
フェネート型清浄剤を工業的に有利に製造する方法に関
する。
〔従来の技術〕
一般に塩基性フェネートは内燃機用潤滑油に使用され、
オキシ酸や硫酸などの酸類あるいはスラッジ、ラッカ
ー、カーボンなどを中和あるいは分散し、腐食磨耗、リ
ンググループ閉塞およびピストンリング膠着などを防止
するに著効を示すものである。
従来、フェネートに硫黄を導入する主な方法としては、
先ずアルキルフェノールを塩化硫黄などで硫化物として
次にこれを金属塩とする方法と、元素硫黄を用い金属付
加時あるいは金属塩(フェネート)となってから硫化す
る方法の2つが一般的であるが、本発明は後者の硫化法
に属するものである。後者の硫化法を採用して過塩基性
フェネート(Over Based Phenate)を製造する方法は古
くから数多く試みられ、例えば米国特許第2680096号に
はフェノール類、カルシウム塩基、硫黄および二価アル
コールよりなる反応原料を加熱して硫化−金属付加反応
を行ない塩基性硫化カルシウムフェネートを製造する方
法が記載されている。最近では、フェノール類の水酸基
当り理論量の2倍以上のアルカリ土類金属を含む過塩基
性フェネートを一段反応で得ることができるようになっ
た。例えば、堀および林田(日本特許第1303226号)は
過剰のフェノール類の存在下で硫化と金属付加反応を同
時に行ない、さらに生成物を二酸化炭素で処理すること
により、予測に反して高度な塩基性を有するアルカリ土
類金属フェネートを製造することが可能なことを見出し
ている。また、堀、上田ら(特開昭59-31724号)は上記
反応を行なうに当り反応系中に水を添加して反応を行う
ことにより、二価アルコールの使用量を削減しても金属
付加反応が円滑に進行し、アルカリ土類金属試薬の製品
への転化率を高い水準に維持でき、金属付加反応後の反
応生成物の蒸留時間およびユーティリティが大幅に節減
できることを見出だしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、これらの製造法では得られる製品のアルカリ土
類金属含有率は理論量のせいぜい300%程度のものであ
った。しかし、製品のアルカリ土類金属含有率が高くな
ると潤滑油添加剤あるいは燃料油添加剤としての性能、
なかでもエンジン油に添加したときの油溶性、安定性が
低下するという難点があった。
本発明の目的は、従来法にない新規な製造法を見出すこ
とにより、酸中和能力が高く、油溶性、安定性等に優れ
た過塩基性フェネート型清浄剤を、できる限り省力化し
たプロセスにより製造することにある。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者らはこれらの課題を解決すべく種々検
討を重ねた結果、フェノール類にアルカリ土類金属試
薬、硫黄を加えたものを反応させて、フェノール類の金
属付加と硫化とを同時に行なわせる反応において、金属
付加と硫化とを加圧・密閉の条件下で行なうことによ
り、金属付加と硫化とを常圧または加圧・開放の条件
下、すなわちガスの流通を許容する条件下で行なう場合
に比較して著しく過塩基性を有するアルカリ土類金属フ
ェネートを製造することができることを見出して本発明
を確立したものである。またさらに、フェノール類にア
ルカリ土類金属試薬を加えたものを反応させてフェノー
ル類の金属付加を行なわせ、次いで硫黄を加え同時に二
酸化炭素処理を行なわせる反応において、金属付加を加
圧・密閉の条件下で行ない、かつ硫化と二酸化炭素処理
とを加圧下脱気を行なわずに実施することにより、著し
く塩基性の高いアルカリ土類金属フェネートを製造する
ことができることを見出して本発明を確立したものであ
る。
フェノール類、二価アルコール、元素硫黄およびアルカ
リ土類金属試薬による金属付加および硫化反応におい
て、反応の進行とともに水および硫化水素が生成する。
前記のごとく堀、上田ら(特開昭59-31724号)により上
記反応を行なうに当り反応系中に水を添加して反応を行
うことにより、二価アルコールの使用量を削減しても金
属付加反応が円滑に進行し、アルカリ土類金属試薬の製
品への転化率を高い水準に維持でき、金属付加反応後の
反応生成物の蒸留時間およびユーティリティが大幅に節
減でき、しかも反応中に生成する水のみではその効果が
期待できないということが見出されているが、一方、従
来から反応中発生する硫化水素は、反応系外へ除去する
ことが望ましいと考えられ、そのためフェノール類にア
ルカリ土類金属試薬を、またはこれらに硫黄に加えたも
のを反応させて、フェノール類の金属付加を、または金
属付加と硫化とを同時に行なわせる反応は、常圧または
加圧・開放の条件下で行なわれてきた、したがって、硫
化および金属付加反応がどのような機構で進行し、得ら
れる生成物がどのような化学構造を持つものであるか詳
細は不明であるが、反応中発生する硫化水素または生成
する水を反応系中に閉じ込めることにより、上記反応を
常圧または加圧・開放の条件下で行なう場合に比較して
著しく高度な塩基性を有するアルカリ土類金属フェネー
トを製造することができることは今までまったく予期し
得なかった新規な知見である。また、得られる生成物は
潤滑油添加剤あるいは燃料油添加剤として、優れた性能
なかでもエンジン油に添加したときの油溶性、安定性を
有している。
すなわち本発明の要旨は、フェノール類、二価アルコー
ルおよびアルカリ土類金属酸化物あるいは水酸化物(以
下、アルカリ土類金属試薬という。)に硫黄を加えたも
のを反応させてフェノール類の金属付加と硫化とを同時
に行なわせ、次いで二酸化炭素処理を行なうことからな
る過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネート型清浄剤の
製法において、金属付加と硫化とを加圧・密閉の条件下
で行なうことを特徴とする過塩基性硫化アルカリ土類金
属フェネート型清浄剤の製法、およびフェノール類、二
価アルコールおよびアルカリ土類金属試薬を反応させて
フェノール類の金属付加を行なわせ、次いで硫黄を加え
同時に二酸化炭素処理を行なうことからなる過塩基性硫
化アルカリ土類金属フェネート型清浄剤の製法におい
て、金属付加を加圧・密閉の条件下で行ない、かつ硫化
と二酸化炭素処理とを加圧下脱気を行なわずに実施する
ことを特徴とする過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネ
ート型清浄剤の製法に存する。
本発明方法の好ましい一態様は、過塩基性硫化アルカリ
土類金属フェネートを製造するに際して、上記のフェノ
ール類の金属付加をまたは金属付加と硫化とを同時に行
なう反応を、過剰のフェノール類または希釈剤の存在下
加圧・密閉で行ない、反応生成物を蒸留して生成水の少
なくとも一部、または生成水および未反応二価アルコー
ルの少なくとも一部を留去し、蒸留残留物を硫黄・二酸
化炭素または二酸化炭素で加圧下脱気を行なわずに処理
し、生成混合物を蒸留して未反応フェノール類および残
存二価アルコールを、またはフェノール類、残存二価ア
ルコールおよび一部の希釈剤を留去して蒸留残留物を目
的物として得ることからなる。
本発明に使用されるフェノール類としては炭素数4〜36
個、好ましくは炭素数8〜32個の炭化水素側鎖、例えば
アルキル基、アルケニル基、アラルキル基等を有するフ
ェノール類を挙げることができる。具体的にはブチル、
アミル、オクチル、ノニル、ドデシル、セチル、エチル
ヘキシル、トリアコンチル等の炭化水素基、あるいは流
動パラフィン、ワックス、ポリオレフィン重合体(ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等)の石油炭化
水素から誘導される基を有するフェノール類が単体、あ
るいはこれらの混合物にて使用される。通常約130℃、
好ましくは約120℃で液状となる得るものが望ましい。
アルカリ土類金属試薬としてはアルカリ土類金属の酸化
物、あるいは水酸化物が用いられる。例えばカルシウ
ム、バリウム、ストロンチウム、マグネシウム等の酸化
物、あるいは水酸化物が用いられる。フェノール類に対
するアルカリ土類金属試薬の使用量は広い範囲をとるこ
とができ、例えばアルカリ土類金属試薬は使用フェノー
ル類1当量当り約0.01〜0.99当量、より好適には約0.10
〜0.90当量の量で使用することが好ましい。約0.01以下
の当量比で使用するときは、製品の収率などの他に未反
応フェノール類を回収するのに費用がかかる等経済面か
ら不利であり、他方、上記のアルカリ土類金属試薬とフ
ェノール類の当量比が約0.99を上回る時は、アルカリ土
類金属試薬の反応率が低下し大量の不溶解分が生じるた
め不溶解分の除去が面倒になるばかりでなく、製品の収
率も低下する。フェノールは一塩基酸であるので1グラ
ム当量と1モルとは同義であり、アルカリ土類金属試薬
1モルは2グラム当量である。
次に二価アルコールとしては、比較的低沸点かつ低粘度
で反応性に富むものが使用される。特にエチレングリコ
ール、プロピレングリゴールが好ましい。この二価アル
コールの使用量は、アルカリ土類金属試薬1モル当たり
約0.15〜6モル、望ましくは約1〜4モルが好ましい。
二価アルコールはフェノール類とアルカリ土類金属試薬
との反応による油溶性物質への転化を助け、安定化し、
一部は製品フェネート中に取りこまれて多量化フェネー
トを構成するものであり、二価アルコールの使用量が少
なすぎると、アルカリ土類金属試薬の反応率が低下し、
二価アルコールの使用量が多すぎるとフェノール類への
金属付加反応は円滑に進行するが反応生成物から過剰の
二価アルコールを留去する時間、ユーティリティーが過
大にかかってしまう。
水は、必要ならばフェノール類とアルカリ土類金属試薬
を反応させる工程において、反応系中へ添加してよく、
蒸留水はもちろん缶水や工業用水、金属付加反応で生成
する水などが使用できる。添加する水の量はアルカリ土
類金属試薬1モル当たり約0.01〜2.0モル特に、約0.05
〜1.5モルが好ましい。水を添加すると金属付加反応が
円滑に進む。
硫黄は本発明において極小量から大多量まで広範囲の量
で用いることができる。通常の使用量はアルカリ土類金
属試薬1モル当り約4.0モル以下、特に約0.001〜3.0モ
ルが好ましい。硫黄の使用量は多すぎると塩基性のフェ
ネートが得にくくなる。
本発明に於いて、反応物、反応中間体あるいは製品等の
取扱いを容易にするために適当な粘度を有する希釈剤を
加えることができる。例えば金属付加反応工程または二
酸化炭素処理を終えた後の反応生成物中から過剰の未反
応フェノール類を蒸留で回収する際、高沸点で、かつ適
当な粘度を有する希釈剤の存在下で行なうことによって
反応塔底物は液状の望ましい状態で得ることができる。
なお、通常は未反応フェノール類の留出に伴って希釈剤
の一部も留出する。したがって、回収フェノール類を繰
り返し、反応に供する場合には希釈剤としては反応に直
接悪影響を与えないものが好ましい。また、希釈剤の存
在下に反応を行なってもよい。好ましい希釈剤の例とし
てはパラフィン系、ナフテン系、芳香族系あるいは混合
系の基油などの適当な粘度の石油留分を挙げることがで
きる。その他の有機溶媒でも疎水性、かつ親油性を示
し、反応時や製品の用途面において無害であれば希釈剤
としてもちいることができる。
本発明における過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネー
トの主なる製造工程および運転条件は下記の通りであ
る。なお、本明細書で使用している圧力の表示は、すべ
て絶対圧である。
金属付加反応工程はフェノール類、二価アルコール類お
よび該フェノール類の1グラム当量当り約0.01〜0.99ガ
ラム当量、好ましく約0.10〜0.90グラム当量のアルカリ
土類金属試薬を、あるいはさらに硫黄を加えて、反応圧
力約2〜11kg/cm2、好ましくは約2〜6kg/cm2、の範囲
で密閉して反応を行なう。硫黄の添加は、本工程あるい
は本工程に引き続いて行なう二酸化炭素処理工程で添加
してもよい。反応温度は、約60〜200℃、好ましくは約9
0〜190℃の範囲で反応させる。本反応は通常約1〜9時
間の範囲内で終了する。反応中に生成した水は反応後そ
の約30%以上、望ましくは約60%以上を蒸留留去するこ
とが好ましい。最終製品中に多量の水が残存すると製品
の安定性が悪くなり、また本反応後生成物を二酸化炭素
処理する場合、系中に多量の水が残存するとアルカリ土
類金属試薬の反応率が低下して所望の過塩基性硫化アル
カリ土類金属フェネートが得られ難くなるからである。
上記の金属付加反応工程で過塩基性アルカリ土類金属フ
ェネートが生成し、最終製品とすることも可能である
が、安定性および油溶性をさらに増すために上記反応生
成物を二酸化炭素処理工程に付すことが必要である。
二酸化炭素処理工程は、米国特許第3036971号で明らか
にされているように、二酸化炭素処理により生成物は潤
滑油添加剤、燃料油添加剤としての性能、なかでもエン
ジン油に添加したときのエンジン油への溶解性、安定性
がさらに向上する。すなわち前記の金属付加反応工程を
あるいは硫化−金属付加反応工程を完結した液状蒸留残
留物をオートクレープに入れ、反応温度約50〜230℃、
好ましくは約80〜200℃の温度で加圧下脱気をすること
なく二酸化炭素と反応させる。前記工程で金属付加のみ
を行なった場合は、本工程で硫黄を添加し加圧下脱気を
することなく硫黄と二酸化炭素とを反応させる。反応圧
力は、2〜11kg/cm2、好ましくは2〜6kg/cm2であり、
反応時間は、一般に数分〜十数時間である。
また、必要ならば、二酸化炭素処理後の反応生成物にフ
ェノール類の総使用量に対するアルカリ土類金属試薬の
総使用量のグラム当量比が約0.99以下の範囲内でアルカ
リ土類金属試薬と二価アルコールを添加し、再び上記の
ような金属付加反応を行ない、次いで、二酸化炭素処理
の操作を1回以上繰り返すことによってさらに金属付加
をすることも可能である。二酸化炭素処理後の反応生成
物中の未反応フェノール類は経済上などの面から、これ
らの一部、もしくは大部分を回収することが好ましく、
またこの回収フェノール類を原料として使用することも
できる。また、金属付加反応工程あるいは硫化−金属付
加反応工程にて余剰となった二価アルコールは二酸化炭
素処理前または後に未反応フェノール類などと共に回収
する。なおここで未反応フェノール類の蒸留を高沸点の
鉱油など、通常の希釈剤の存在下で行なうと、蒸留残留
物は液状の好ましい状態で得ることができる。該蒸留残
留物中に残存する少量の不溶解性物質はフェノール類の
回収前、あるいは回収後に過または遠心分離等の操作
により除去することができる。
こうして得られた反応生成物は、反応したフェノール類
のグラム当量に対して理論量よりも多い量のアルカリ土
類金属試薬が反応した過塩基性硫化アルカリ土類金属フ
ェネート型清浄剤である。
なお、本発明では、過塩基性硫化アルカリ土類金属フェ
ネート型清浄剤あるいは過塩基性硫化アルカリ土類金属
フェネートなどフェネートという用語を用いているが、
その正確な分子構造は不明であり、化学的な意味におけ
るフェネートのみを意味するものではなく、当業界にお
いて一般に称されているフェネート型清浄剤あるいはフ
ェネートの意味で用いている。
〔発明の効果〕
以上、本発明によればこのように比較的簡単なプロセス
と少数の原料を採用したにも拘わらず反応したフェノー
ル類当り多量のアルカリ土類金属を付加した過塩基性硫
化アルカリ土類金属フェネート型清浄剤を、使用したア
ルカリ土類金属試薬に関し、収率よく製造することがで
きる。特に得られる清浄剤は高塩基価で低粘度であり、
油溶性、安定性にも優れたものである。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、
これらは単に例示であって本発明を制限するものではな
い。
実施例1 攪拌器、ガス導入管および温度計を装着した1用オー
トクレープに、ノニルフェノール385.5g(1.75モル)、
硫黄11.2g(0.35モル)および純度99.2%の酸化カルシ
ウム28.3g(0.5モル)を装入し、攪拌した。得られた懸
濁液に、エチレングリコール62.1g(1.0モル)を加圧下
(先ず窒素で2.0kg/cm2まで加圧する)130℃で添加し、
これを130℃で約3.0kg/cm2の加圧・密閉の条件下約3.0
時間攪拌後、該反応系内を徐々に減圧しながら、生成し
た水、一部の未反応エチレングリコールおよび少量のノ
ニルフェノールを留去することにより、暗緑色の液状蒸
留残留物444.5gが得られた。この際の最終留出物温度は
100℃(16mmHg)であった。次に、該蒸留残留物444.5g
に減圧状態から加熱温度150℃で30分間二酸化炭素を吸
収させた。この際の最終圧力は4.1kg/cm2であった。し
かる後、二酸化炭素にて6.0kg/cm2まで加圧し、その圧
力を保持したまま185℃で2.0時間、脱気を行なわない状
態(すなわち、圧力が低下すれば二酸化炭素の補充する
が排気はしない)で保持すると、暗黄緑色の反応生成物
溶液463.1gが得られた。
1用二口梨型フラスコに、上記の二酸化炭素処理後の
反応生成物溶液378.6gと150ニュートラル油(100℃の粘
度が4.81cStのパラフィン系潤滑油)99.4gを封入し、こ
れより、減圧で少量のエチレングリコール、大部分の未
反応ノニルフェノールおよび少量の潤滑油留分を留去す
ると、蒸留残留物189.9gが得られた。その際の最終留出
物温度は195℃(3mmHg)であった。この蒸留残留物を
過して極少量の不溶解分を除去し、極く暗い黄色透明な
液状の最終製品187.6gを得た。分析によれば最終製品18
7.6gの内、活性成分のノニルフェノール部分は58.7gで
あった。
目的とする過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートを
活性成分として含有する最終製品の性状、金属付加当量
比(反応して塩基性アルカリ土類金属フェネートとなっ
たアルカリ土類金属試薬とフェノール類との当量の比を
言う)を下記第1表に示す。製品の金属付加当量比は原
料の物質収支から算出したものであり、最終製品の粘
度、塩基価(JIS K 2500による)、カルシウム含有量お
よび硫黄含有量は実測値である。
比較例1 硫化−金属付加反応工程で反応系を窒素気流中3.0kg/cm
2の加圧・開放の条件下(すなわち窒素ガスを流通させ
ながら;以下においても同じ)で反応を行った以外は実
施例1とまったく同様にして塩基性硫化アルカリ土類金
属フェネートを調製した。硫化−金属付加反応後に、生
成した水および一部の未反応エチレングリコールを留去
したところ、液状蒸留残留物441.2gが得られた。この際
の最終留出物温度は98℃(19mmHg)であった。該蒸留残
留物の二酸化炭素処理後の反応生成物溶液は464.4gであ
った。該反応生成物溶液368.1gと150ニュートラル油95.
6gとからエチレングリコールと大部分の未反応ノニルフ
ェノールを留去したところ蒸留残留物203.8gが得られ
た。この際の最終留出物温度は182℃(5mmHg)であっ
た。最終製品の収量は199.4gであり、活性成分のノニル
フェノール部分は68.4gであった。最終製品の性状を下
記第1表に示す。
実施例1は硫化−金属付加反応工程で反応系を加圧・密
閉の条件下で反応を行なった例である。第1表にみられ
るように実施例1では金属付加当量比の高い過塩基性硫
化アルカリ土類金属フェネートが得られたことがわか
る。比較例1では硫化−金属付加反応工程で反応系を加
圧・密閉の条件下で反応を行なわなかったため、金属付
加当量比が低くなっており、実施例1では比較例1と比
較して、金属付加当量比が20%増加している。
以下の表にて示す溶解性、吸湿安定性も同様の方法にて
評価した。
実施例2 実施例1と同様な実験装置を用い、常圧下で、ノニルフ
ェノール660.9g(3.0モル)、硫黄5.8g(0.18モル)お
よび純度99.4%の酸化カルシウム16.9g(0.3モル)を装
入し、攪拌した。それによって得られた懸濁液に、エチ
レングリコール63.3g(1.0モル)を窒素加圧下130℃で
添加し、更に130℃で6.0kg/cm2の加圧・密閉の条件下約
3時間攪拌後、該反応系内を徐々に減圧しながら生成し
た水と一部の未反応エチレングリコールを留去したとこ
ろ、暗い黄緑色の液状蒸留残留物710.3gが得られた。こ
のときの最終留出物温度は100℃(18mmHg)であった。
次に、該蒸留残留物706.3gを別のオートクレープに移
し、減圧状態とし、この状態から加熱温度120℃で30分
間二酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力は4.7kg/
cm2であった。しかる後、二酸化炭素にて6.0kg/cm2まで
加圧し、その圧力を保持したまま155℃で2時間、脱気
を行なわない状態で保持すると、反応生成物溶液719.1g
が得られた。
上記の二酸化炭素処理後の反応生成物溶液620.3gと150
ニュートラル油55.2gを1用二口梨型フラスコに入
れ、これより、窒素気流中減圧下で少量のエチレングリ
コール、大部分の未反応ノニルフェノールおよび少量の
潤滑油留分を留去すると、蒸留残留物115.1gが得られ
た。この際の最終留出物温度は176℃(4mmHg)であっ
た。この蒸留残留物を過して極少量の不溶解分を除去
し、極く暗い黄色透明な液状の最終製品114.5gを得た。
分析によれば最終製品114.5gの内、活性成分のノニルフ
ェノール部分は34.4gであった。最終製品の性状を下記
第2表に示す。
比較例2 硫化−金属付加反応工程で反応系を常圧・開放の条件下
で約5時間反応を行い、かつ、150ニュートラル油の使
用量を増加した以外は実施例2とまったく同様にして塩
基性硫化アルカリ土類金属フェネートを調製した。用い
た原料は、ノニルフェノール660.9g(3.0モル)、硫黄
5.8g(0.18モル)、純度98.3%の酸化カルシウム17.1g
(0.3モル)、エチレングリコール63.3g(1.0モル)で
あり、金属付加・硫化反応終了後、該反応系内を徐々に
減圧しながら生成した水と一部の未反応エチレングリコ
ールを留去したところ暗い黄緑色の液状蒸留残留物683.
8gが得られた。この時、最終留出物温度は87℃(6mmH
g)であった。次に該蒸留残留物678.3gを別のオートク
レープに移し減圧状態とし、この状態から加熱温度120
℃で30分間二酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力
は4.9kg/cm2であった。しかる後、二酸化炭素にて6.0kg
/cm2まで加圧し、その圧力を保持したまま155℃で2時
間、脱気を行なわない状態で保持すると、反応生成物溶
液690.8gが得られた。次に二酸化炭素処理後の反応生成
物溶液684.8gに150ニュートラル油71.6gを加え、これよ
りエチレングリコール、大部分の未反応ノニルフェノー
ルおよび少量の潤滑油留分を留去したところ蒸留残留物
140.4gが得られた。その際の最終留出物温度は167℃(3
mmHg)であった。最終製品の収量は140.0gであり、活性
成分のノニルフェノール部分は46.2gであった。最終製
品の性状を下記第2表に示す。
第2表より、実施例2では比較例2と比較して、金属付
加当量比が約18%増加していることがわかる。実施例2
は、実施例1と比較して、アルカリ土類金属試薬に対し
ノニルフェノールをより過剰に存在させて反応させた例
である。
実施例3 実施例1と同様な実験装置を用い、常圧下で、ノニルフ
ェノール385.5g(1.75モル)、硫黄9.6g(0.3モル)お
よび純度99.4%の酸化カルシウム28.2g(0.5モル)を装
入し、攪拌した。それによって得られた懸濁液に、エチ
レングリコール125.5g(2.0モル)を窒素加圧下115℃で
添加し、更に115℃で6.0kg/cm2の加圧・密閉の条件下約
5時間攪拌後、該反応系内を徐々に減圧しながら生成し
た水と一部の未反応エチレングリコールを留去したとこ
ろ、暗い黄緑色の液状蒸留残留物437.8gが得られた。こ
のときの最終留出物温度は97℃(18mmHg)であった。
次に、該蒸留残留物437.8gに減圧状態から加熱温度125
℃で30分間二酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力
は4.2kg/cm2であった。しかる後、二酸化炭素にて6.0kg
/cm2まで加圧し、その圧力を保持したまま155℃で2時
間、脱気を行なわない状態で保持すると、反応生成物溶
液459.7gが得られた。上記の二酸化炭素処理後の反応生
成物溶液404.7gと150ニュートラル油94.5gを1用二口
梨型フラスコに入れ、これより、窒素気流中減圧下で少
量のエチレングリコール、大部分の未反応ノニルフェノ
ールおよび少量の潤滑油留分を留去すると、蒸留残留物
184.2gが得られた。この際の最終留出物温度は206℃(4
mmHg)であった。この蒸留残留物を過して極少量の不
溶解分を除去し、極く暗い黄色透明な液状の最終製品17
9.8gを得た。分析によれば最終製品179.8gの内、活性成
分のノニルフェノール部分は61.0gであった。最終製品
の性状を下記第3表に示す。
比較例3 実施例1と同様な実験装置を用い、常圧下で、ノニルフ
ェノール385.5g(1.75モル)、硫黄9.6g(0.3モル)お
よび純度98.5%の酸化カルシウム28.5g(0.5モル)を装
入し、攪拌した。それによって得られた懸濁液に、エチ
レングリコール124.2g(2.0モル)を窒素気流中常圧下1
30℃で添加し、更に135℃で約5時間攪拌後、該反応系
内を徐々に減圧しながら生成した水と一部の未反応エチ
レングリコールを留去したところ、暗い黄緑色の液状蒸
留残留物432.0gが得られた。このときの最終留出物温度
は78℃(5mmHg)であった。
次に、該蒸留残留物428.5gを別のオートクレープに移し
減圧状態とし、この状態から加熱温度125℃で30分間二
酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力は4.2kg/cm2
であった。しかる後、二酸化炭素にて11.0kg/cm2まで加
圧し、155℃で2時間密閉状態で保持すると、反応生成
物溶液447.1gが得られた。上記の二酸化炭素処理後の反
応生成物溶液443.6gと150ニュートラル油119.7gを1
用二口梨型フラスコに入れ、これより、窒素気流中減圧
下で少量のエチレングリコール、大部分の未反応ノニル
フェノールおよび少量の潤滑油留分を留去すると、蒸留
残留物238.4gが得られた。この際の最終留出物温度は18
0℃(5mmHg)であった。この蒸留残留物を過して極少
量の不溶解分を除去し、極く暗い黄色透明な液状の最終
製品235.2gを得た。分析によれば最終製品235.2gの内、
活性成分のノニルフェノール部分は77.6gであった。最
終製品の性状を下記第3表に示す。
第3表より、実施例3では比較例3と比較して、金属付
加当量比が約15%増加していることがわかる。実施例3
は、アルカリ土類金属試薬に対し比較的多量のエチレン
グリコールを用いて反応させた例である。
実施例4 実施例1と同様な実験装置を用い、常圧下で、ノニルフ
ェノール385.5g(1.75モル)、硫黄9.6g(0.3モル)お
よび純度99.4%の酸化カルシウム28.2g(0.5モル)を装
入し、攪拌した。それによって得られた懸濁液に、エチ
レングリコール62.1g(1.0モル)を窒素加圧下165℃で
添加し、更に165℃で6.0kg/cm2の加圧・密閉の条件下約
3時間攪拌後、該反応系内を徐々に減圧しながら生成し
た水と一部の未反応エチレングリコールを留去したとこ
ろ、暗い黄緑色の液状蒸留残留物439.3gが得られた。こ
のときの最終留出物温度は97℃(20mmHg)であった。
次に、該蒸留残留物439.3gに減圧状態から加熱温度150
℃で30分間二酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力
は4.5kg/cm2であった。しかる後、二酸化炭素にて6.0kg
/cm2まで加圧し、その圧力を保持したまま178℃で2時
間、脱気を行なわない状態で保持すると、反応生成物溶
液458.9gが得られた。
上記の二酸化炭素処理後の反応生成物溶液400.6gと150
ニュートラル油92.2gを1用二口梨型フラスコに入
れ、これより、窒素気流中減圧下で少量のエチレングリ
コール、大部分の未反応ノニルフェノールおよび少量の
潤滑油留分を留去すると、蒸留残留物181.2gが得られ
た。この際の最終留出物温度は202℃(4mmHg)であっ
た。この蒸留残留物を過して極少量の不溶解分を除去
し、極く暗い黄色透明な液状の最終製品175.4gを得た。
分析によれば最終製品175.4gの内、活性成分のノニルフ
ェノール部分は54.1gであった。最終製品の性状を下記
第4表に示す。
比較例4 実施例1と同様な実験装置を用い、常圧下で、ノニルフ
ェノール540.9g(2.46モル)、硫黄13.5g(0.42モル)
および純度98.3%の酸化カルシウム40.0g(0.7モル)を
装入し、攪拌した。それによって得られた懸濁液に、エ
チレングリコール74.1g(1.2モル)を窒素気流中常圧下
165℃で添加し、更に165℃で約5時間攪拌後、該反応系
内を徐々に減圧しながら生成した水と一部の未反応エチ
レングリコールを留去したところ、暗い黄緑色の液状蒸
留残留物591.4gが得られた。このときの最終留出物温度
は94℃(7mmHg)であった。
次に、該蒸留残留物591.4gに実施例4と同じ条件下で二
酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力は4.7kg/cm2
であった。しかる後、二酸化炭素にて11.0kg/cm2まで加
圧し、178℃で2時間、密閉状態で保持すると、反応生
成物溶液619.7gが得られた。上記の二酸化炭素処理後の
反応生成物溶液611.9gと150ニュートラル油168.7gを1
用二口梨型フラスコに入れ、これより、窒素気流中減
圧下で少量のエチレングリコール、大部分の未反応ノニ
ルフェノールおよび少量の潤滑油留分を留去すると、蒸
留残留物412.3gが得られた。この蒸留残留物を過して
極少量の不溶解分を除去し、最終製品411.5gを得た。分
析によれば最終製品411.5gの内、活性成分のノニルフェ
ノール部分は136.4gであった。
実施例4は、エチレングリコールの添加及び金属付加・
硫化反応を比較的高い温度で行なった例を示すものであ
る。
実施例5 本実施例は希釈剤としての鉱油および二価アルコールを
含有する回収アルキルフェノールを出発原料に使用した
例である。エチレングリコール1.5%および潤滑油留分1
3.6%を含有する、いわゆる回収ノニルフェノール448.6
g(ノニルフェノールとして1.7モル)、硫黄9.6g(0.3
モル)および純度99.4%の酸化カルシウム33.9g(0.6モ
ル)を装入し、攪拌した。それによって得られた懸濁液
に、エチレングリコール66.0g(1.1モル)を窒素加圧下
130℃で添加し、更に130℃で6.0kg/cm2の加圧・密閉の
条件下約3時間攪拌後、該反応系内を徐々に減圧しなが
ら生成した水と一部の未反応エチレングリコールを留去
したところ、暗い黄緑色の液状蒸留残留物488.8gが得ら
れた。このときの最終留出物温度は101℃(22mmHg)で
あった。
次に、該蒸留残留物488.8gに減圧状態から加熱温度150
℃で30分間二酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力
は3.9kg/cm2であった。しかる後、二酸化炭素にて6.0kg
/cm2まで加圧し、その圧力を保持したまま178℃で2時
間、脱気を行なわない状態で保持すると、暗黄緑色の反
応生成物溶液511.9gが得られた。
上記の二酸化炭素処理後の反応生成物溶液463.1gと150
ニュートラル油62.0gを1用二口梨型フラスコに入
れ、これより、窒素気流中減圧下で少量のエチレングリ
コール、大部分の未反応ノニルフェノールおよび少量の
潤滑油留分を留去すると、蒸留残留物222.1gが得られ
た。この際の最終留出物温度は198℃(2mmHg)であっ
た。この蒸留残留物を過して極少量の不溶解分を除去
し、極く暗い黄色透明な液状の最終製品218.7gを得た。
分析によれば最終製品218.7gの内、活性成分のノニルフ
ェノール部分は68.4gであった。最終製品の性状を下記
第5表に示す。
比較例5 実施例5と同様の回収ノニルフェノールを出発原料に使
用したものである。回収ノニルフェノール547.5g(ノニ
ルフェノールとして2.1モル)、硫黄9.6g(0.3モル)お
よび純度98.3%の酸化カルシウム34.3g(0.6モル)を装
入し、攪拌した。それによって得られた懸濁液に、エチ
レングリコール66.3g(1.1モル)を窒素気流中常圧下13
0℃で添加し、更に135℃で約4時間攪拌後、該反応系内
を徐々に減圧しながら生成した水と一部の未反応エチレ
ングリコールを留去したところ暗い黄緑色の液状蒸留残
留物584.5gが得られた。このときの最終留出物温度は82
℃(5mmHg)であった。
次に、該蒸留残留物584.5gに実施例5と同じ条件下で二
酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力は4.0kg/cm2
であった。しかる後、二酸化炭素にて11.0kg/cm2まで加
圧し、178℃で2時間、密閉状態で保持すると、反応生
成物溶液607.4gが得られた。
上記の二酸化炭素処理後の反応生成物溶液530.6gと150
ニュートラル油46.8gを1用二口梨型フラスコに入
れ、これより、窒素気流中減圧下で少量のエチレングリ
コール、大部分の未反応ノニルフェノールおよび少量の
潤滑油留分を留去すると、蒸留残留物243.7gが得られ
た。この際の最終留出物温度は183℃(5mmHg)であっ
た。この蒸留残留物を過して極少量の不溶解分を除去
し、最終製品243.0gを得た。分析によれば最終製品243.
0gの内、活性成分のノニルフェノール部分は97.2gであ
った。最終製品の性状を下記第5表に示す。
実施例5は、回収アルキルフェノールを出発原料にした
例を示すものであり、比較例5と比較して、金属付加当
量比が約50%増加していることがわかる。
実施例6 本実施例はドデシルフェノールを出発原料に使用した例
である。ドデシルフェノール667.9g(2.55モル)、硫黄
11.7g(0.36モル)および純度99.4%の酸化カルシウム4
1.1g(0.73モル)を装入し、攪拌した。それによって得
られた懸濁液に、エチレングリコール90.4g(1.45モ
ル)を窒素加圧下130℃で添加し、更に130℃で6.0kg/cm
2の加圧・密閉の条件下約3時間攪拌後、該反応系内を
徐々に減圧しながら生成した水と一部の未反応エチレン
グリコールを留去したところ暗い黄緑色の液状蒸留残留
物756.0gが得られた。このときの最終留出物温度は104
℃(24mmHg)であった。
次に、該蒸留残留物756.0gに減圧状態から加熱温度150
℃で30分間二酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力
は4.2kg/cm2であった。しかる後、二酸化炭素にて6.0kg
/cm2まで加圧し、その圧力を保持したまま178℃で2時
間、脱気を行なわない状態で保持すると、暗黄緑色の反
応生成物溶液783.4gが得られた。
上記の二酸化炭素処理後の反応生成物溶液465.2gと150
ニュートラル油92.6gを1用二口梨型フラスコに入
れ、これより、窒素気流中減圧下で少量のエチレングリ
コール、大部分の未反応ノニルフェノールおよび少量の
潤滑油留分を留去すると、蒸留残留物200.0gが得られ
た。この際の最終留出物温度は202℃(3mmHg)であっ
た。この蒸留残留物を過して極少量の不溶解分を除去
し、極く暗い黄色透明な液状の最終製品194.2gを得た。
分析によれば最終製品194.2gの内、活性成分のドデシル
フェノール部分は73.8gであった。最終製品の性状を下
記第6表に示す。
実施例7 本実施例はドデシルフェノールを出発原料に使用し、実
施例6に比較して硫黄の添加量を減少し、金属付加・硫
化反応を比較的高い圧力で行なった例である。ドデシル
フェノール471.6g(1.8モル)、硫黄5.8g(0.18モル)
および純度99.4%の酸化カルシウム33.9g(0.6モル)を
装入し、攪拌した。それによって得られた懸濁液に、エ
チレングリコール74.5gを窒素加圧下130℃で添加し、更
に130℃で11.0kg/cm2の加圧・密閉の条件下約3時間攪
拌後、該反応系内を徐々に減圧しながら生成した水と一
部の未反応エチレングリコールを留去したところ暗い黄
緑色の液状蒸留残留物531.0gが得られた。このときの最
終留出物温度は89℃(15mmHg)であった。
次に、該蒸留残留物531.0gに減圧状態から加熱温度150
℃で30分間二酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力
は3.8kg/cm2であった。しかる後、二酸化炭素にて6.0kg
/cm2まで加圧し、その圧力を保持したまま178℃で2時
間、脱気を行なわない状態で保持すると、暗黄緑色の反
応生成物溶液557.1gが得られた。
上記の二酸化炭素処理後の反応生成物溶液501.2gと150
ニュートラル油114.2gを1用二口梨型フラスコに入
れ、これより、窒素気流中減圧下で少量のエチレングリ
コール、大部分の未反応ノニルフェノールおよび少量の
潤滑油留分を留去すると、蒸留残留物230.5gが得られ
た。この際の最終留出物温度は194℃(5mmHg)であっ
た。この蒸留残留物を過して極少量の不溶解分を除去
し、極く暗い黄色透明な液状の最終製品226.8gを得た。
分析によれば最終製品226.8gの内、活性成分のドデシル
フェノール部分は82.9gであった。最終製品の性状を下
記第6表に示す。
比較例6 本比較例もドデシルフェノールを出発原料に使用した例
である。ドデシルフェノール644.3g(2.46モル)、硫黄
11.3g(0.35モル)および純度98.5%の酸化カルシウム4
0.0g(0.7モル)を装入し、攪拌した。それによって得
られた懸濁液に、エチレングリコール74.1gを窒素気流
中常圧下130℃で添加し、更に135℃で約4時間攪拌後、
該反応系内を徐々に減圧しながら生成した水と一部の未
反応エチレングリコールを留去したところ暗い黄緑色の
液状蒸留残留物702.6gが得られた。このときの最終留出
物温度は112℃(5mmHg)であった。
次に、該蒸留残留物697.0gを別のオートクレーブに移し
減圧状態とし、この状態から加熱温度150℃で30分間二
酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力は4.3kg/cm2
であった。しかる後、二酸化炭素にて6.0kg/cm2まで加
圧し、その圧力を保持したまま178℃で2時間、脱気を
行なわない状態で保持すると、反応生成物溶液726.7gが
得られた。
上記の二酸化炭素処理後の反応生成物溶液714.6gと150
ニュートラル油151.2gを1用二口梨型フラスコに入
れ、これより、窒素気流中減圧下で少量のエチレングリ
コール、大部分の未反応ノニルフェノールおよび少量の
潤滑油留分を留去すると、蒸留残留物351.5gが得られ
た。この蒸留残留物を過して極少量の不溶解分を除去
し、最終製品350.6gを得た。分析によれば最終製品350.
6gの内、活性成分のドデシルフェノール部分は143.5gで
あった。最終製品の性状を下記第6表に示す。
実施例8 本実施例は硫化−金属付加反応工程において、二価アル
コールに換えて二価アルコールと水との混合液を使用し
た例である。ノニルフェノール331.0g(1.5モル)、硫
黄11.3g(0.35モル)および純度99.2%の酸化カルシウ
ム28.3g(0.5モル)を装入し、攪拌した。それによって
得られた懸濁液に、エチレングリコール37.4g(0.6モ
ル)と水1.35gとの混合液を窒素加圧下130℃で添加し、
更に130℃で8.0kg/cm2の加圧・密閉の条件下約3時間攪
拌後、該反応系内を徐々に減圧しながら添加した水と反
応中に生成した水および一部の未反応エチレングリコー
ルを留去したところ暗い黄緑色の液状蒸留残留物395.3g
を得た。このときの最終留出物温度は105℃(23mmHg)
であった。
次に、該蒸留残留物395.3gに減圧状態から加熱温度150
℃で30分間二酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力
は3.8kg/cm2であった。しかる後、二酸化炭素にて6.0kg
/cm2まで加圧し、その圧力を保持したまま178℃で2時
間、脱気を行なわない状態で保持すると、暗黄緑色の反
応生成物溶液417.7gが得られた。
上記の二酸化炭素処理後の反応生成物溶液378.4gと150
ニュートラル油109.3gを1用二口梨型フラスコに入
れ、これより、窒素気流中減圧下で少量のエチレングリ
コール、大部分の未反応ノニルフェノールおよび少量の
潤滑油留分を留去すると、蒸留残留物209.5gが得られ
た。この際の最終留出物温度は200℃(3mmHg)であっ
た。この蒸留残留物を過して極少量の不溶解分を除去
し、極く暗い黄色透明な液状の最終製品203.6gを得た。
分析によれば最終製品204.6gの内、活性成分のノニルフ
ェノール部分は61.7gであった。最終製品の性状を下記
第7表に示す。
比較例7 硫化−金属付加反応工程で反応系を窒素気流中2.0kg/cm
2の加圧・開放の条件下で反応を実施した以外は実施例
8とまったく同様にして塩基性アルカリ土類金属フェネ
ートを調製した。硫化−金属付加反応の後、添加した水
と生成した水および一部の未反応エチレングリコールを
留去したところ液状蒸留残留物396.2gが得られた。この
際の最終留出物温度は101℃(20mmHg)であった。次に
該蒸留残留物396.2gに減圧状態から加熱温度150℃で30
分間二酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力は4.0k
g/cm2であった。しかる後、二酸化炭素にて6.0kg/cm2
で加圧し、その圧力を保持したまま178℃で2時間、脱
気を行なわない状態で保持すると暗黄緑色の反応生成物
溶液416.5gが得られた。該反応生成物溶液368.1gと150
ニュートラル油106.7gとから少量のエチレングリコー
ル、大部分の未反応ノニルフェノールおよび少量の潤滑
油留部を留去すると、蒸留残留物225.6gが得られた。こ
の際の最終留出物温度は182℃(5mmHg)であった。最終
製品の収量は221.3gであった。分析によれば最終製品22
1.3gの内、活性成分のノニルフェノール部分は73.0gで
あった。最終製品の性状を下記第7表に示す。
実施例9 本実施例は、出発原料にアルカリ土類金属試薬として水
酸化カルシウムを用いた例を示すものである。ノニルフ
ェノール275.4g(1.25モル)、硫黄8.0g(0.25モル)、
および純度91.4%の水酸化カルシウム40.5g(0.50モ
ル)を装入し攪拌した。それによって得られた懸濁液
に、エチレングリコール62.1g(1.0モル)を窒素加圧下
130℃で添加し、更に130℃で6.0kg/cm2の加圧・密閉の
条件下約3時間攪拌後、該反応系内を徐々に減圧しなが
ら反応中に生成した水および一部のエチレングリコール
を留去して暗い黄緑色の液状蒸留残留物317.6gを得た。
この時の最終留出物温度は102℃(19mmHg)であった。
次に該蒸留残留物317.6gに減圧状態から加熱温度150℃
で30分間二酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力は
3.8kg/cm2であった。しかる後、二酸化炭素にて6.0kg/c
m2まで加圧し、その圧力を保持したまま178℃で2時
間、脱気を行なわない状態で保持すると暗黄緑色の反応
生成物溶液334.3gが得られた。
上記の二酸化炭素処理後の反応生成物溶液280.3gと150
ニュートラル油102.2gを1用二口梨型フラスコに入
れ、これより、窒素気流中減圧下で少量のエチレングリ
コール、大部分の未反応ノニルフェノールおよび少量の
潤滑油留分を留去すると、蒸留残留物185.5gが得られ
た。この際の最終留出物温度は198℃(4mmHg)であっ
た。この蒸留残留物を過して極少量の不溶解分を除去
し、極く暗い黄色透明な最終製品182.5gを得た。分析に
よれば最終製品182.5gの内、活性成分のノニルフェノー
ル部分は54.8gであった。最終製品の性状を下記第7表
に示す。
実施例10 実施例1と同様な実験装置を用い、常圧下で、ノニルフ
ェノール440.6g(2.0モル)、および純度99.2%の酸化
カルシウム22.6g(0.4モル)を装入し、攪拌した。それ
によって得られた懸濁液に、エチレングリコール49.7g
(0.8モル)を窒素加圧下130℃で添加し、更に130℃で
6.0kg/cm2の加圧・密閉の条件下約3時間攪拌後、該反
応系内を徐々に減圧しながら生成した水と一部の未反応
エチレングリコールを留去したところ、暗い緑色の液状
蒸留残留物478.4gが得られた。このときの最終留出物温
度は104℃(20mmHg)であった。
次に該蒸留残留物478.4gに硫黄6.4g(0.2モル)を添加
し、減圧状態から加熱温度150℃で30分間二酸化炭素を
吸収させた。この際の最終圧力は4.6kg/cm2であった。
しかる後、二酸化炭素にて6.0kg/cm2まで加圧し、その
圧力を保持したまま178℃で2時間、脱気を行なわない
状態で保持すると、反応生成物溶液499.5gが得られた。
上記の二酸化炭素処理後の反応生成物溶液437.9gと150
ニュートラル油84.6gを1用二口梨型フラスコに入
れ、これより、窒素気流中減圧下で少量のエチレングリ
コール、大部分の未反応ノニルフェノールおよび少量の
潤滑油留分を留去すると、蒸留残留物150.0gが得られ
た。この際の最終留出物温度は204℃(3mmHg)であっ
た。この蒸留残留物を過して極少量の不溶解分を除去
し、極く暗い黄色透明な液状の最終製品148.0gを得た。
分析によれば最終製品148.0gの内、活性成分のノニルフ
ェノール部分は49.8gであった。最終製品の性状を下記
第8表に示す。
実施例11 実施例1と同様な実験装置を用い、常圧下で、ノニルフ
ェノール276.3g(1.25モル)、および純度99.4%の酸化
カルシウム28.3g(0.5モル)を装入し、攪拌した。それ
によって得られた懸濁液に、エチレングリコール62.6g
(1.0モル)を窒素加圧下130℃で添加し、更に130℃で
6.0kg/cm2の加圧・密閉の条件下約3時間攪拌後、該反
応系内を徐々に減圧しながらに生成した水および一部の
エチレングリコールを留去したところ、暗い緑色の液状
蒸留残留物313.5gを得られた。このときの最終留出物温
度は105℃(14mmHg)であった。
次に、該蒸留残留物313.5gに硫黄8.0g(0.25モル)を添
加し、減圧状態から加熱温度150℃で30分間二酸化炭素
を吸収させた。この際の最終圧力は4.2kg/cm2であっ
た。しかる後、二酸化炭素にて6.0kg/cm2まで加圧し、
その圧力を保持したまま178℃で2時間、脱気を行なわ
ない状態で保持すると、反応生成物溶液337.4gが得られ
た。
上記の二酸化炭素処理後の反応生成物溶液297.8gと150
ニュートラル油94.3gを1用二口梨型フラスコに入
れ、これより、窒素気流中減圧下で少量のエチレングリ
コール、大部分の未反応ノニルフェノールおよび少量の
潤滑油留分を留去すると、蒸留残留物183.3gが得られ
た。この際の最終留出物温度は197℃(2mmHg)であっ
た。この蒸留残留物を過して極少量の不溶解分を除去
し、極く暗い黄色透明な液状の最終製品179.3gを得た。
分析によれば最終製品179.3gの内、活性成分のノニルフ
ェノール部分は51.3gであった。最終製品の性状を下記
第8表に示す。
実施例12 実施例1と同様な実験装置を用い、常圧下で、ノニルフ
ェノール254.2g(1.15モル)、および純度99.4%の酸化
カルシウム26.1g(0.46モル)を装入し、攪拌した。そ
れによって得られた懸濁液に、エチレングリコール57.6
g(0.93モル)を窒素加圧下130℃で添加し、更に130℃
で6.0kg/cm2の加圧・密閉の条件下約3時間攪拌後、該
反応系内を徐々に減圧しながら生成した水と一部の未反
応エチレングリコールを留去したところ、暗い緑色の液
状蒸留残留物288.4gを得られた。このときの最終留出物
温度は105℃(14mmHg)であった。
次に、該蒸留残留物288.4gに硫黄11.1g(0.35モル)を
添加し、減圧状態から加熱温度150℃で30分間二酸化炭
素を吸収させた。この際の最終圧力は4.0kg/cm2であっ
た。しかる後、二酸化炭素にて6.0kg/cm2まで加圧し、
その圧力を保持したまま178℃で2時間、脱気を行なわ
ない状態で保持すると、反応生成物溶液312.8gが得られ
た。
上記の二酸化炭素処理後の反応生成物溶液265.6gと150
ニュートラル油83.4gを1用二口梨型フラスコに入
れ、これより、窒素気流中減圧下で少量のエチレングリ
コール、大部分の未反応ノニルフェノールおよび少量の
潤滑油留分を留去すると、蒸留残留物164.7gが得られ
た。この際の最終留出物温度は200℃(3mmHg)であっ
た。この蒸留残留物を過して極少量の不溶解分を除去
し、極く暗い黄色透明な液状の最終製品161.7gを得た。
分析によれば最終製品161.7gの内、活性成分のノニルフ
ェノール部分は47.8gであった。最終製品の性状を下記
第8表に示す。
実施例13 実施例1と同様な実験装置を用い、常圧下で、ノニルフ
ェノール385.8g(1.75モル)、および純度91.4%の水酸
化カルシウム56.8g(0.7モル)を装入し、攪拌した。そ
れによって得られた懸濁液に、エチレングリコール87.1
g(1.4モル)を窒素加圧下130℃で添加し、更に130℃で
6.0kg/cm2の加圧・密閉の条件下約3時間攪拌後、該反
応系内を徐々に減圧しながら生成した水と一部の未反応
エチレングリコールを留去したところ、暗い緑色の液状
蒸留残留物443.0gを得られた。このときの最終留出物温
度は105℃(15mmHg)であった。
次に、該蒸留残留物443.0gに硫黄11.2g(0.35モル)を
添加し、減圧状態から加熱温度150℃で30分間二酸化炭
素を吸収させた。この際の最終圧力は4.7kg/cm2であっ
た。しかる後、二酸化炭素にて6.0kg/cm2まで加圧し、
その圧力を保持したまま178℃で2時間、脱気を行なわ
ない状態で保持すると、反応生成物溶液475.8gが得られ
た。
上記の二酸化炭素処理後の反応生成物溶液427.9gと150
ニュートラル油112.8gを1用二口梨型フラスコに入
れ、これより、窒素気流中減圧下で少量のエチレングリ
コール、大部分の未反応ノニルフェノールおよび少量の
潤滑油留分を留去すると、蒸留残留物242.6gが得られ
た。この際の最終留出物温度は185℃(3mmHg)であっ
た。この蒸留残留物を過して極少量の不溶解分を除去
し、極く暗い黄色透明な液状の最終製品238.0gを得た。
分析によれば最終製品238.0gの内、活性成分のノニルフ
ェノール部分は79.1gであった。最終製品の性状を下記
第8表に示す。
実施例10から実施例13は、硫黄の添加を二酸化炭素処理
工程時に行ない、硫化と二酸化炭素処理とを同時に行な
った例を示すものである。
比較例8 実施例1と同様な実験装置を用い、常圧下で、ノニルフ
ェノール385.6g(1.75モル)、硫黄11.3g(0.35モル)
および純度99.4%の酸化カルシウム39.5g(0.7モル)を
装入し、攪拌した。それによって得られた懸濁液に、エ
チレングリコール156.5g(2.5モル)を窒素気流中常圧
下130℃で添加し、更に135℃で約5時間攪拌後、該反応
系内を徐々に減圧しながら生成した水および一部の未反
応エチレングリコールを留去したところ、暗い黄緑色の
液状蒸留残留物526.9gを得られた。このときの最終留出
物温度は101℃(14mmHg)であった。
次に、該蒸留残留物526.9gに減圧状態から加熱温度125
℃で30分間二酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力
は4.1kg/cm2であった。しかる後、二酸化炭素にて9.0kg
/cm2まで加圧し、その圧力を保持したまま155℃で2時
間、脱気を行なわない状態で保持すると、暗黄緑色の反
応生成物溶液563.3gが得られた。上記の二酸化炭素処理
後の反応生成物溶液480.5gと150ニュートラル油104.1g
を1用二口梨型フラスコに入れ、これより、窒素気流
中減圧下で少量のエチレングリコール、大部分の未反応
ノニルフェノールおよび少量の潤滑油留分を留去する
と、蒸留残留物255.5gが得られた。この際の最終留出物
温度は183℃(4mmHg)であった。この蒸留残留物を過
して極少量の不溶解分を除去し、極く暗い黄色透明な液
状の最終製品250.1gを得た。分析によれば最終製品250.
1gの内、活性成分のノニルフェノール部分は80.2gであ
った。最終製品の性状を下記第9表に示す。
比較例9 実施例1と同様な実験装置を用い、常圧下で、ノニルフ
ェノール539.7g(2.45モル)、硫黄4.5g(0.41モル)お
よび純度98.5%の酸化カルシウム39.9g(0.7モル)を装
入し、攪拌した。それによって得られた懸濁液に、エチ
レングリコール86.9g(1.4モル)を窒素気流中常圧下13
0℃で添加し、更に135℃で約5時間攪拌後、該反応系内
を徐々に減圧しながら生成した水および一部の未反応エ
チレングリコールを留去したところ、暗い黄緑色の液状
蒸留残留物652.9gが得られた。このときの最終留出物温
度は99℃(16mmHg)であった。
次に、該蒸留残留物652.9gに減圧状態から加熱温度125
℃で30分間二酸化炭素を吸収させた。この際の最終圧力
は4.2kg/cm2であった。しかる後、二酸化炭素にて9.0kg
/cm2まで加圧し、その圧力を保持したまま155℃で2時
間、脱気を行なわない状態で保持すると、暗黄緑色の反
応生成物溶液675.3gが得られた。上記の二酸化炭素処理
後の反応生成物溶液512.4gと150ニュートラル油172.0g
を1用二口梨型フラスコに入れ、これより、窒素気流
中減圧下で少量のエチレングリコール、大部分の未反応
ノニルフェノールおよび少量の潤滑油留分を留去する
と、蒸留残留物237.5gが得られた。この際の最終留出物
温度は192℃(5mmHg)であった。この蒸留残留物を過
して極少量の不溶解分を除去し、極く暗い黄色透明な液
状の最終製品236.6gを得た。分析によれば最終製品232.
6gの内、活性成分のノニルフェノール部分は74.3gであ
った。最終製品の性状を下記第9表に示す。
比較例8、比較例9は、硫化−金属付加反応を常圧開放
下で行なった例を示すものである。第9表において吸湿
安定性は、最終製品が中東パラフィン系50エンジン油に
不溶のため行なえなかった。
以上、各実施例が示すように、本発明によると油溶性、
安定性にも優れ、フェノール類当り、多量のアルカリ土
類金属を付加した過塩基性フェネート型清浄剤を簡便な
手段で得ることができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:08 125:10 125:06 125:00) C10N 30:04 40:25 70:00 (72)発明者 熊谷 仁志 埼玉県草加市花栗4―20―1 (56)参考文献 特開 昭64−29354(JP,A) 特開 昭62−190295(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール類、二価アルコールおよびアル
    カリ土類金属酸化物あるいは水酸化物(以下、アルカリ
    土類金属試薬という。)に硫黄を加えたものを反応させ
    てフェノール類の金属付加と硫化とを同時に行なわせ、
    次いで二酸化炭素処理を行なうことからなる過塩基性硫
    化アルカリ土類金属フェネート型清浄剤の製法におい
    て、金属付加と硫化とを加圧・密閉の条件下で行なうこ
    とを特徴とする過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネー
    ト型清浄剤の製法。
  2. 【請求項2】フェノール類、二価アルコールおよびアル
    カリ土類金属試薬を反応させてフェノール類の金属付加
    を行なわせ、次いで硫黄を加え同時に二酸化炭素処理を
    行なうことからなる過塩基性硫化アルカリ土類金属フェ
    ネート型清浄剤の製法において、金属付加を加圧・密閉
    の条件下で行ない、かつ硫化と二酸化炭素処理とを加圧
    下脱気を行なわずに実施することを特徴とする過塩基性
    硫化アルカリ土類金属フェネート型清浄剤の製法。
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