JPH0665192A - 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法 - Google Patents

過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法

Info

Publication number
JPH0665192A
JPH0665192A JP4238898A JP23889892A JPH0665192A JP H0665192 A JPH0665192 A JP H0665192A JP 4238898 A JP4238898 A JP 4238898A JP 23889892 A JP23889892 A JP 23889892A JP H0665192 A JPH0665192 A JP H0665192A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkaline earth
earth metal
water
reaction
mol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4238898A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Nishishita
誠 西下
Shinji Yamaoka
伸二 山岡
Sanae Ueda
早苗 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by COSMO SOGO KENKYUSHO KK, Cosmo Oil Co Ltd filed Critical COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Priority to JP4238898A priority Critical patent/JPH0665192A/ja
Priority to US08/022,101 priority patent/US5292968A/en
Priority to DE69302503T priority patent/DE69302503T2/de
Priority to CN93103450A priority patent/CN1040317C/zh
Priority to SG1996004430A priority patent/SG50540A1/en
Priority to EP93103037A priority patent/EP0558021B1/en
Publication of JPH0665192A publication Critical patent/JPH0665192A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 300mgKOH/g以上といった高い塩基価を
有し、しかも取扱いおよび潤滑油あるいは燃料油への配
合操作が容易な低粘度の過塩基性硫化アルカリ土類金属
フェネートの製造法を与える。 【構成】 フェノール類、二価アルコール類、アルカ
リ土類金属試薬および硫黄を加えたもの、またはこれら
に水を加えたものを反応させ、次いで過剰量の二価アル
コールおよび少なくとも過剰量の水を留去して得られた
蒸留塔底物を二酸化炭素処理する過塩基性硫化アルカリ
土類金属フェネートの製法において、硫黄配合量をアル
カリ土類金属試薬1モル当たり0.1〜0.5モルおよ
び該二酸化炭素処理前にアルカリ土類金属試薬1モル当
たり0.1〜0.5モルの水を存在させることを特徴と
する過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑油または燃料油の
清浄剤あるいはアルカリ清浄剤として有用な高塩基価で
かつ取扱いに適した低粘度を有するアルカリ土類金属フ
ェネートを工業的に有利に製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、フェネートに硫黄を導入する方法
としては、先ずアルキルフェノールを塩化硫黄などで硫
化物として、次にこれを金属塩とする方法と、金属付加
反応時あるいは金属塩になってから元素硫黄を用いて硫
化する方法の2つが一般的であるが、本発明は後者の硫
化法に属するものである。後者の硫化法を採用して過塩
基性フェネート(over based phenate)を製造する方法
は古くから数多くみられ、理論量の2倍以上のアルカリ
土類金属を含む過塩基性フェネートを一回の金属付加反
応で得ることができるような報告もある。
【0003】例えば、堀および林田(米国特許第4,1
23,371号)は、過剰のフェノール類の存在下で上
記反応を行うことにより予測に反して高度に塩基性を有
するアルカリ土類金属フェネートを製造することが可能
なことを見い出している。
【0004】さらに堀および上田ら(特公平3−106
11)は、フェノール類、二価アルコール、アルカリ土
類金属試薬をまたはこれに硫黄を加えたものを反応させ
て、フェノール類の金属付加を、または金属付加と硫化
を同時に行わせる反応において、反応系中に適当な量の
水を添加することにより、過剰の二価アルコールの使用
を必要とせず、一回の反応当たりのアルカリ土類金属試
薬の製品への転化率を著しく高くすることが可能である
ことを見い出している。
【0005】これら2つの方法は過塩基化するために、
アルキルフェノールに対して大過剰のアルカリ土類金属
試薬を使用する従来からの概念に基づく方法とは逆に、
アルカリ土類金属試薬に対して大過剰のアルキルフェノ
ールを使用して過塩基性フェネートを得ることに成功
し、それにより特殊な溶媒や添加物を必要とせず、希釈
油として使用する鉱油を除けば全て反応に直接用いられ
るもののみを原料として用いている。したがって、使用
原料の種類を必要最小限にとどめている点で優れてい
る。
【0006】また上田および小嶋は、金属付加・硫化反
応終了後の中間生成物を二酸化炭素処理する際に系中に
共存すると製品の安定性が悪くなったり、炭酸化反応が
正常に進行しなくなるなど、好ましくない状態を作り出
すと考えられてきた水を上記中間生成物から過剰の二価
アルコールを留去した後適当量存在させて二酸化炭素処
理することにより過塩基性フェネート製品中のフェノー
ル成分当たりのアルカリ土類金属のグラム当量比(以下
PEQ値と略す)が著しく向上することも見い出してい
る(特願平4−75252)。このPEQ値を向上させ
ることは、一般にフェネート等の添加剤を潤滑油に添加
する場合、その添加量が塩基価を基準として計算される
ことから、高価なアルキルフェノールの使用量を削減す
ることになり、経済的効果は極めて大きい。
【0007】
【解決しようとする課題】しかし、これらの方法では、
従来品以上の高塩基価の過塩基性硫化フェネートを製造
することは非常に困難であり、また、たとえ高塩基価の
ものが製造できたとしても得られた製品は粘度が著しく
高くなるため取扱いが困難になるといった欠点を有して
いる。従来品以上に高塩基化し、かつ同時に粘度を低下
させることは、過塩基性硫化フェネートの取扱いを容易
にするばかりでなく、潤滑油に添加する量が少なくてす
み、高価なアルキルフェノールの使用量を削減すること
ができるため、経済的効果は極めて大きい。
【0008】つまり、本発明の目的は、従来にない高い
塩基価を有し、かつ比較的低い粘度の過塩基性硫化アル
カリ土類金属フェネートを製造することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らはこ
れらの課題を解決するために種々検討を重ねた結果、硫
化金属付加反応時の元素硫黄配合量を低減すること、お
よび硫化金属付加反応終了後の中間生成物から過剰の水
および過剰の二価アルコールを留去した後にも水を特定
量共存させて二酸化炭素処理することにより、過塩基性
硫化アルカリ土類金属フェネートの粘度が著しく低下す
るとともに塩基価が向上することを見い出し、従来にな
い高塩基価でかつ低粘度の過塩基性硫化アルカリ土類金
属フェネートの製造を可能にし、本発明を完成したもの
である。
【0010】すなわち、本発明の要旨は、フェノール
類、二価アルコール類、アルカリ土類金属酸化物、水酸
化物あるいはそれらの混合物(以下、アルカリ土類金属
試薬という。)および硫黄を加えたもの、またはこれら
に水を加えたものを反応させ、次いで過剰量の二価アル
コールおよび少なくとも過剰量の水を留去して得られた
蒸留塔底物を二酸化炭素処理する過塩基性硫化アルカリ
土類金属フェネートの製法において、硫黄配合量をアル
カリ土類金属試薬1モル当たり0.1〜0.5モルおよ
び該二酸化炭素処理前にアルカリ土類金属試薬1モル当
たり0.1〜0.5モルの水を存在させることを特徴と
する過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法
である。
【0011】本発明に使用されるフェノール類は炭素数
4〜36個、好ましくは炭素数8〜32個の炭化水素側
鎖、例えばアルキル基、アルケニル基、アラルキル基等
を有するフェノール類を挙げることができる。具体的に
はブチル、アミル、オクチル、ノニル、ドデシル、セチ
ル、エチルヘキシル、トリアコンチル等の炭化水素基、
あるいは流動パラフィン、ワックス、オレフィン重合体
(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等)の石
油炭化水素から誘導される基を有するフェノール類が単
独、あるいはこれらの混合物にて使用される。通常約1
30℃、好ましくは約120℃で液状になり得るものが
望ましい。
【0012】アルカリ土類金属試薬としては、通常アル
カリ土類金属の酸化物、あるいは水酸化物が用いられ
る。例えばカルシウム、バリウム、ストロンチウム、マ
グネシウム等の酸化物あるいは水酸化物が用いられる。
フェノール類に対するアルカリ土類金属試薬の使用量は
使用フェノール類1当量当たり0.99当量以下であ
る。フェノール類に対するアルカリ土類金属試薬の量が
多すぎると中間体がゲル化してそれ以上反応が進まない
ため、目的とする良好な生成物が得られない。また、少
なすぎると原料に対する製品の収率が低下するばかり
か、フェノール類の回収に費やすユーティリティーや時
間が大となり、経済的に不利である。
【0013】次に、二価アルコールとしては比較的低沸
点かつ低粘度で反応性に富むものが使用される。二価ア
ルコールは炭素数2〜6を有することが好ましく、特に
エチレングリコール、プロピレングリコール等が好まし
い。二価アルコールはフェノール類とアルカリ土類金属
試薬との反応による油溶性物質への転化を助け、安定化
し、一部は製品フェネート中に取り込まれて多当量化フ
ェネートを構成するものである。本発明法においては、
金属付加反応は、反応促進効果のある水を添加して行っ
ても、添加しないで行っても良く、添加して行う場合、
二価アルコールの使用量はアルカリ土類金属試薬1モル
当たり約0.15〜3.0モル、特に約0.3〜1.5
モルが好ましい。また水を添加しないで行う場合、二価
アルコールの使用量はアルカリ土類金属試薬1モル当た
り、約1.0〜3.0モル、特に約1.2〜2.0モル
が好ましい。二価アルコールの使用量が少なすぎると反
応原料、特にアルカリ土類金属試薬の製品転化率が低下
し、多すぎるとフェノール類への金属付加反応は円滑に
進行するが、反応生成物から過剰の二価アルコールを蒸
留留去する時間およびユーティリティーが過大にかかっ
てしまう。
【0014】硫黄の使用量は、アルカリ土類金属試薬1
モル当たり約0.1〜0.5モル、好ましくは0.1〜
0.4モル、さらに好ましくは0.3〜0.4モルを用
いる。硫黄の使用量を低減するにつれ製品の粘度は低下
するが、使用量が少なすぎると製品中の硫化物が減少
し、油溶性が低下してしまう。また多すぎると製品の過
塩基性が低下するため塩基価の高い製品が得にくくなる
ばかりでなく、製品の粘度が著しく高くなってしまうた
め目的である低粘度かつ高塩基価の製品を得られなくな
ってしまう。
【0015】フェノール類へのアルカリ土類金属試薬の
金属付加反応工程において反応を促進するために反応系
中に水を添加する場合は、蒸留水はもちろん缶水や工業
用水、金属付加反応で生成する水などが使用でき、その
品質に特に制限はなく、冷水、温水、水蒸気等どのよう
な状態の水でも使用できる。金属付加反応促進のために
用いる水の反応器への添加は水単独で行ってもよいし、
一部あるいは全部をフェノール類や二価アルコール、高
級アルコールなどほかの原料との混合物として添加して
もよい。反応器への水の添加時期は特に制限はなく、水
以外の全反応原料が混合される前でも後でも良いが、全
反応原料を混合後約1時間以内に添加するのが好まし
い。反応系中への金属付加反応促進のために用いる水の
添加量は使用するアルカリ土類金属試薬1モル当たり約
0.01〜10モル、望ましくは0.1〜2.0モルで
ある。外部から水を反応系中に添加して金属付加反応を
行うと、水を添加しない以外は同一の条件で反応を行う
場合に比べて反応が円滑に進行し、反応原料特にアルカ
リ土類金属試薬の製品転化率が高くなる。したがって反
応系中へ添加する水が少なすぎるとアルカリ土類金属試
薬の製品転化率が低下してしまう。また逆に多すぎれば
反応後の蒸留工程が簡略化されるという利点が失われ
る。
【0016】二酸化炭素処理の際に共存させる水は、フ
ェノール類、二価アルコール、アルカリ土類金属試薬、
および硫黄を加えたもの、またはこれに水を加えたもの
よりなる原料混合物を反応させ、硫化金属付加反応を完
了した後、蒸留を行って水および過剰の二価アルコール
を留去した後に行われるのが一般である。二酸化炭素処
理の際に共存させる水は、上記の金属付加促進のために
用いた水と同様に、その品質、状態に制限はない。反応
系中の水の量は、アルカリ土類金属試薬1モル当たり
0.1〜0.5モル、好ましくは0.3〜0.4モルに
調節する。
【0017】系中に過剰の二価アルコールが存在する場
合はその留去に当って添加した水や、反応により生成し
た水等の系内の水はすべて前留分として留出してしまう
ので、二価アルコールの過剰分を留去したのち、所定量
の水を添加する必要がある。一方、系中に過剰の二価ア
ルコールが存在しない場合は、硫化金属付加反応前に反
応促進のために添加した水や反応中生成した水など、反
応終了後系中に存在する水から所定量の水のみを残して
過剰分のみを留去しても良いが、残存量が不明確である
場合は、水全量を一度留出した後に改めて所定量の水を
添加するのがよい。
【0018】二酸化炭素処理の際に共存させる水の量
は、多くするにしたがって製品の粘度が低下するが、多
すぎると製品が加水分解され、塩基価、油溶性の低下の
原因となり、少なすぎると製品の塩基価を向上させる効
果が十分に得られなくなる。また、水の量は、上記範囲
内であれば十分効果が得られるが、加えた硫黄の量によ
って多少最適値が変動する。詳しくは、硫黄の量を低減
するにしたがって加える水の量も低減するほうがより効
果が得られる。
【0019】本発明において、反応物、反応中間体、あ
るいは製品等の取扱いを容易にするために適当な粘度を
有する希釈剤もしくは溶剤(以下希釈剤という。)を加
えることができる。たとえば金属付加反応工程または二
酸化炭素処理を終えたのちの反応生成物中から過剰の未
反応フェノール類を蒸留で回収する際、高沸点で、かつ
適当な粘度を有した希釈剤の存在下で行うことによって
反応塔底物は液状の望ましい形状で得ることができる。
なお、通常は未反応フェノール類の留出に伴って希釈剤
の一部も留出する。したがって、回収フェノール類を繰
り返し反応に供する場合には希釈剤としては反応に直接
悪影響を与えないものが望ましい。また希釈剤の存在下
に反応を行ってもよい。好ましい希釈剤の例としては、
パラフィン系、ナフテン系、芳香族系、あるいは混合系
の基油などの適当な粘度の石油留分、例えば沸点約22
0〜550℃で粘度が100℃で約2〜40cStの潤
滑油留分を挙げることができる。その他の有機溶媒でも
疎水性、かつ、親油性を示し、反応時や製品の用途面に
おいて無害であれば希釈剤として用いることができる。
例えば炭素数8〜24の高級アルコールも使用すること
ができる。
【0020】本発明における過塩基性硫化フェネートの
主なる製造工程および運転条件は下記のとおりである。
【0021】硫化金属付加反応工程はフェノール類、二
価アルコール類、アルカリ土類金属試薬、硫黄、または
これに水を加えたものを用いて行う。反応温度約60〜
200℃、好ましくは約90〜190℃の範囲で反応さ
せる。必要に応じて0〜10気圧に加圧しても良い。こ
の反応は通常1〜9時間の範囲内でほぼ終了する。
【0022】二酸化炭素処理工程は金属付加反応終了
後、系内の過剰の水および二価アルコール類を留去し、
所定量の水を系内に存在せしめた後、反応温度約50〜
230℃、好ましくは80〜200℃の温度条件下で二
酸化炭素と反応させる。ここで得られた生成物を必要に
応じて更に二酸化炭素雰囲気下、常圧〜20気圧G、好
ましくは常圧〜11気圧Gの圧力で約100〜230℃
において数分〜十数時間保持する。二酸化炭素処理によ
り生成物は潤滑油添加剤、燃料油添加剤としての性能、
なかでもエンジン油に添加したときのエンジン油の清浄
性、安定性がさらに向上する。
【0023】二酸化炭素処理後の反応生成物にアルカリ
土類金属試薬と二価アルコールを添加し、再び上記のよ
うな金属付加反応を行い、次いで二酸化炭素処理の操作
を1回以上繰り返すことによってさらに金属付加をする
ことも可能である。二酸化炭素処理後の反応生成物中の
未反応フェノール類は経済上などの面から、これらの一
部、もしくは大部分を回収することが好ましく、またこ
の回収フェノール類を原料として再び使用することもで
きる。なおここで未反応フェノール類の蒸留を高沸点の
鉱油など、通常の希釈剤の存在下で行うと、蒸留残留物
は液状の好ましい状態で得ることができる。該蒸留残留
物中の不溶解性物質はフェノール類の回収前、あるいは
回収後にロ過または遠心分離等の操作により除去するこ
とができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、こららは単に例示であって本発明を制限す
るものではない。
【0025】実施例1 撹拌器、ガス導入管および温度計を装着した1 lオート
クレーブに、ドデシルフェノール583.57g(2.
1モル)、純度93.2%の酸化カルシウム42.14
g(0.7モル)および硫黄6.74g(0.21モ
ル)(酸化カルシウム1モル当たり0.3モル)を封入
し、撹拌した。得られた懸濁液に、エチレングリコール
65.21g(1.05モル)を125℃で添加し、こ
れを130℃でゲージ圧約3.0Kg/cm2の加圧・密閉
の条件下、約3.0時間撹拌後、該反応系内を徐々に減
圧しながら、生成した水、一部の未反応エチレングリコ
ールおよび少量のドデシルフェノールを留去することに
より、液状蒸留残留物659.0gが得られた。この際
の最終留出物温度は140℃(10mmHg)であった。次
に、該蒸留残留物659.0gに減圧状態から5.04
g(0.28モル)(酸化カルシウム1モル当たり0.
4モル)の水を添加したのち、温度150℃で30分間
二酸化炭素を吸収させた。この時のオートクレーブへの
二酸化炭素の供給速度は0.315 l/minとした。次
いで175℃に昇温し、ゲージ圧5.0Kg/cm2になる
まで再び二酸化炭素で加圧し、2.0時間保持して反応
生成物688.0gを得た。この反応生成物688.0
gに希釈剤として150ニュートラル油117.8gを
加えた。この反応生成物を1 l二口梨型フラスコに73
2.18g移し、減圧蒸留して少量のエチレングリコー
ルおよび未反応のドデシルフェノールの大部分を留去し
て、蒸留残留物207.8gを得た。その際の最終留出
温度は230℃(2.5mmHg)であった。その後、この
蒸留残留物を多量のヘキサンで希釈し、遠心分離により
不溶解物5.21gを除去後、多量に加えたヘキサンを
蒸留除去することにより最終生成物194.3gを得
た。
【0026】最終製品の性状を表1に示す。
【0027】実施例2 撹拌器、ガス導入管および温度計を装着した1 lオート
クレーブに、ドデシルフェノール583.57g(2.
1モル)、純度93.2%の酸化カルシウム42.14
g(0.7モル)および硫黄8.99g(0.28モ
ル)(酸化カルシウム1モル当たり0.4モル)を封入
し、撹拌した。得られた懸濁液に、エチレングリコール
65.21g(1.05モル)を125℃で添加し、こ
れを130℃でゲージ圧約3.0Kg/cm2の加圧・密閉
の条件下、約3.0時間撹拌後、該反応系内を徐々に減
圧しながら、生成した水、一部の未反応エチレングリコ
ールおよび少量のドデシルフェノールを留去することに
より、液状蒸留残留物646.3gが得られた。この際
の最終留出物温度は140℃(10mmHg)であった。次
に、該蒸留残留物646.3gに減圧状態から5.04
g(0.28モル)(酸化カルシウム1モル当たり0.
4モル)の水を添加したのち、温度150℃で30分間
二酸化炭素を吸収させた。この時のオートクレーブへの
二酸化炭素の供給速度は0.315 l/minとした。次
いで175℃に昇温し、ゲージ圧5.0Kg/cm2になる
まで再び二酸化炭素で加圧し、2.0時間保持して反応
生成物680.7gを得た。この反応生成物680.7
gに希釈剤として150ニュートラル油117.8gを
加えた。この反応生成物を1 l二口梨型フラスコに65
7.8g移し、減圧蒸留して少量のエチレングリコール
および未反応のドデシルフェノールの大部分を留去し
て、蒸留残留物192.4gを得た。その際の最終留出
温度は225℃(2mmHg)であった。その後、この蒸留
残留物を多量のヘキサンで希釈し、遠心分離により不溶
解物7.49gを除去後、多量に加えたヘキサンを蒸留
除去することにより最終生成物180.5gを得た。
【0028】最終製品の性状を表1に示す。
【0029】比較例1 硫黄配合量を15.73g(0.49モル)(酸化カル
シウム1モル当たり0.7モル)、水添加量を6.30
g(0.35モル)(酸化カルシウム1モル当たり0.
5モル)とした以外は実施例1と同様に処理を行い、最
終製品192.5gを得た。
【0030】最終製品の性状を表1に示す。
【0031】比較例2 硫黄配合量を8.99g(0.28モル)(酸化カルシ
ウム1モル当たり0.4モル)、水は添加せず、とした
以外は実施例1と同様に処理を行い、最終製品262.
1gを得た。
【0032】最終製品の性状を表1に示す。
【0033】 表1 ──────────────────────────────────── 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 ──────────────────────────────────── 最終製品の性状 粘度 cSt@100℃ 653 622 4432 539 塩基価 mgKOH/g 342 315 326 265 Ca含有量 wt% 11.8 11.0 11.4 9.39 S 含有量 wt% 2.60 3.04 4.27 2.69 反応CO2含有量wt% 9.51 8.63 8.57 6.31 ────────────────────────────────────
【0034】硫黄配合量が酸化カルシウム1モル当たり
0.3モルの実施例1と0.4モルの実施例2は、硫黄
配合量が酸化カルシウム1モル当たり0.7モルの比較
例1に比べ、著しく粘度が低下していることがわかる。
しかも、実施例1、実施例2双方とも塩基価300mgKO
H/g以上の製品であり、水を添加しない比較例2の製品
と比べると、ほぼ同等の粘度であるにもかかわらず、塩
基価は約20%以上向上していることがわかる。
【0035】
【発明の効果】
(1)高塩基価、300mgKOH/g以上の製品が製造可能
である。従来品でハンドリング可能な粘度の製品は、せ
いぜい260mgKOH/g程度であったが、本発明により塩
基価15%以上の向上が可能となった。
【0036】(2)製品粘度を大幅に低下することが可
能である。従来、塩基価300mgKOH/g以上の製品は、
製造が困難であり、もし製造するとしたら希釈油の添加
量を微量にすることにより得られるが、希釈油が少ない
ため製品粘度が著しく高くなってしまう。ところが、本
方法を用いることにより塩基価300mgKOH/g程度の製
品であれば、従来品(塩基価260mgKOH/g程度)とほ
ぼ同等の粘度のものが製造可能である。また、製品の粘
度を低下することにより、潤滑油等に添加する際に取扱
いが容易になることは言うまでもない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:04 70:00 (72)発明者 上田 早苗 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類、二価アルコール類、アル
    カリ土類金属酸化物、水酸化物あるいはそれらの混合物
    (以下、アルカリ土類金属試薬という。)および硫黄を
    加えたもの、またはこれらに水を加えたものを反応さ
    せ、次いで過剰量の二価アルコールおよび少なくとも過
    剰量の水を留去して得られた蒸留塔底物を二酸化炭素処
    理する過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製法
    において、硫黄配合量をアルカリ土類金属試薬1モル当
    たり0.1〜0.5モルおよび該二酸化炭素処理前にア
    ルカリ土類金属試薬1モル当たり0.1〜0.5モルの
    水を存在させることを特徴とする過塩基性硫化アルカリ
    土類金属フェネートの製造法。
JP4238898A 1992-02-26 1992-08-15 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法 Pending JPH0665192A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4238898A JPH0665192A (ja) 1992-08-15 1992-08-15 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法
US08/022,101 US5292968A (en) 1992-02-26 1993-02-25 Process for producing over-based alkaline earth metal phenate
DE69302503T DE69302503T2 (de) 1992-02-26 1993-02-26 Verfahren zur Herstellung eines überbasischen Erdalkaliphenats
CN93103450A CN1040317C (zh) 1992-02-26 1993-02-26 制备过碱性碱土金属酚盐的方法
SG1996004430A SG50540A1 (en) 1992-02-26 1993-02-26 Process for producing over-based alkaline earth metal phenate
EP93103037A EP0558021B1 (en) 1992-02-26 1993-02-26 Process for producing over-based alkaline earth metal phenate

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4238898A JPH0665192A (ja) 1992-08-15 1992-08-15 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0665192A true JPH0665192A (ja) 1994-03-08

Family

ID=17036917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4238898A Pending JPH0665192A (ja) 1992-02-26 1992-08-15 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0665192A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5931724A (ja) * 1982-08-16 1984-02-20 Cosmo Co Ltd 塩基性アルカリ土類金属フェネートもしくはその二酸化炭素処理物の製造法
JPH0326793A (ja) * 1989-06-23 1991-02-05 Cosmo Oil Co Ltd 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネート型清浄剤の製法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5931724A (ja) * 1982-08-16 1984-02-20 Cosmo Co Ltd 塩基性アルカリ土類金属フェネートもしくはその二酸化炭素処理物の製造法
JPH0326793A (ja) * 1989-06-23 1991-02-05 Cosmo Oil Co Ltd 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネート型清浄剤の製法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0233688B1 (en) Improved phenate produce and process
US5178781A (en) Process for producing over-based sulfurized alkaline earth metal phenate type detergent
US4123371A (en) Process for preparing over-based sulfurized alkaline earth metal phenates
JPH0310611B2 (ja)
US4902436A (en) Process for producing a mixture of sulfides of alkaline earth metal salts of alkylhydroxybenzoic acid and alkylphenol
EP0558021B1 (en) Process for producing over-based alkaline earth metal phenate
KR100308838B1 (ko) 과염기성황화알칼리토금속페네이트및이의제조방법
EP0588368B1 (en) Process for producing mixture of sulfurized alkaline earth metal salts of salicylic acid compound and phenol
JPH0665192A (ja) 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法
JP2737096B2 (ja) 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法
JP2696784B2 (ja) 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造方法
JPH07268374A (ja) 石油添加剤ならびに芳香族ヒドロキシカルボン酸アルカリ土類金属塩の製造法
JPH07267921A (ja) 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法
JP2821721B2 (ja) サリチル酸類およびフェノール類のアルカリ土類金属塩混合物の製造法
JPH06287580A (ja) サリチル酸類およびフェノール類のアルカリ土類金属塩硫化混合物の製法
JPH05238976A (ja) 過塩基性アルカリ土類金属フェネートまたは過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法
US4873007A (en) Method for producing sulfurized alkylphenols
JPH06184581A (ja) 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造方法
JP2696780B2 (ja) フェノール類の過塩基性アルカリ土類金属塩硫化混合物の製造法
JPH0460157B2 (ja)
JPH0460158B2 (ja)
JPH09157677A (ja) 保存安定性に優れた芳香族ヒドロキシカルボン酸アルカリ土類金属塩系石油添加剤
JPH09169722A (ja) 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法
JPH1121578A (ja) 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネート濃縮物およびその製造法
JPH051295A (ja) 過塩基性硫化アルカリ土類金属フエネートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees