JPH05238976A - 過塩基性アルカリ土類金属フェネートまたは過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法 - Google Patents

過塩基性アルカリ土類金属フェネートまたは過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法

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JPH05238976A
JPH05238976A JP7525292A JP7525292A JPH05238976A JP H05238976 A JPH05238976 A JP H05238976A JP 7525292 A JP7525292 A JP 7525292A JP 7525292 A JP7525292 A JP 7525292A JP H05238976 A JPH05238976 A JP H05238976A
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earth metal
water
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mol
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JP7525292A
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Sanae Ueda
早苗 上田
Yoshihiro Kojima
義博 小嶋
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過塩基性アルカリ土類金属フェネートまたは
その硫化物の製法において、フェノール1分子に対して
アルカリ土類金属の付加する割合を高める容易かつ簡便
な方法を与える。 【構成】 過塩基性アルカリ土類金属フェネートまたは
その硫化物の製法において、フェノール類の金属付加
を、または金属付加と硫化とを同時に行なわせ、得られ
た生成物から過剰量の二価アルコールおよび少なくとも
過剰量の水を留去し、アルカリ土類金属酸化物または水
酸化物1モル当り0.01〜1.0モルの水を反応系中
に存在させ二酸化炭素で処理することを特徴とする過塩
基性アルカリ土類金属フェネートまたは過塩基性硫化ア
ルカリ土類金属フェネートの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑油または燃料油の
清浄剤あるいはアルカリ清浄剤として有用な過塩基性の
アルカリ土類金属フェネートまたは硫化アルカリ土類金
属フェネートを工業的に有利に製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、フェネートに硫黄を導入する主な
方法としては、先ずアルキルフェノールを塩化硫黄など
で硫化物として、次にこれを金属とする方法と、金属付
加反応時あるいは金属塩となってから元素硫黄を用いて
硫化する方法の2つが一般的であるが、本発明は後者の
硫化法に属するものである。硫化法を採用して過塩基性
フェネート(over based phenate)を製造する方法は古
くから数多くみられ、理論量の2倍以上のアルカリ土類
金属を含む過塩基性フェネートを一回の金属付加反応で
得ることができるような報告もある。
【0003】例えば、堀および林田(米国特許第4,1
23,371号)は、過剰のフェノール類の存在下で上
記反応を行なうことにより予測に反して高度に塩基性を
有するアルカリ土類金属フェネートを製造することが可
能なことを見い出している。
【0004】さらに堀および上田(特公平3−1061
1)は、フェノール類、二価アルコール、アルカリ土類
金属試薬をまたはこれに硫黄を加えたものを反応させ
て、フェノール類の金属付加を、又は金属付加と硫化を
同時に行なわせる反応において、反応系中に適当な量の
水を添加することにより、過剰の二価アルコールの使用
を必要とせず、一回の反応当りのアルカリ土類金属試薬
の製品への転化率を著しく高くすることが可能であるこ
とを見い出している。
【0005】これら2つの方法は、過塩基化するため
に、アルキルフェノールに対して大過剰のアルカリ土類
金属試薬を使用する従来からの概念に基づく方法とは逆
に、アルカリ土類金属試薬に対して大過剰のアルキルフ
ェノールを使用して過塩基性フェネートを得ることに成
功し、それにより特殊な溶媒や添加物を必要とせず、希
釈油として使用する鉱油を除けば全て反応に直接用いら
れる物のみを原料として用いている。したがって、使用
原料の種類を必要最小限にとどめている点で優れてい
る。
【0006】
【解決しようとする課題】しかし、これらの方法で製造
される過塩基性フェネート製品中のフェノール成分当り
のアルカリ土類金属のグラム当量比(以下PEQ値と略
す)は2.5〜3.36と比較的低い。一方、このPE
Q値を向上させることは、一般にフェネート等の添加剤
を潤滑油などに添加する場合、その添加量が塩基価を基
準にして計算されることから、高価なアルキルフェノー
ルの使用量を削減することになり、経済的効果は極めて
大きい。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この問題
を解決し、よりPEQ値の高いフェネートを製造する方
法について種々検討した結果、驚くべきことに、これま
で、金属付加・硫化反応終了後の中間生成物を二酸化炭
素処理する際に系中に共存すると製品の安定性が悪くな
ったり、炭酸化反応が正常に進行しなくなる(特公平3
−10611)など、好ましくない状態をつくり出すと
考えられてきた水を上記中間生成物から過剰の二価アル
コールを留去したのち適当量存在させて二酸化炭素処理
することにより、金属付加当量値(PEQ値)が著しく
向上された過塩基性のアルカリ土類金属フェネートまた
は硫化アルカリ土類金属フェネートが得られることを見
い出し、本発明を完成したものである。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、フェノール
類、二価アルコール類、およびアルカリ土類金属酸化物
あるいは水酸化物(以下、アルカリ土類金属試薬とい
う)をまたは、これらに硫黄を加えたもの、あるいはこ
れに水を加えたものを反応させて、フェノール類の金属
付加を、または金属付加と硫化とを同時に行なわせ、次
いで過剰量の二価アルコールおよび過剰量の水を留去し
て得られた蒸留塔底物に、アルカリ土類金属試薬1モル
当り0.01〜1.0モルの水を反応系中に存在させ二
酸化炭素で処理することを特徴とする過塩基性アルカリ
土類金属フェネートまたは過塩基性硫化アルカリ土類金
属フェネートの製造法である。
【0009】本発明に使用されるフェノール類は炭素数
4〜36個、好ましくは炭素数8〜32個の炭化水素側
鎖、例えばアルキル基、アルケニル基、アラルキル基等
を有するフェノール類を挙げることができる。具体的に
はブチル、アミル、オクチル、ノニル、ドデシル、セチ
ル、エチルヘキシル、トリアコンチル等の炭化水素基、
あるいは流動パラフィン、ワックス、オレフィン重合体
(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等)の石
油炭化水素から誘導される基を有するフェノール類が単
体、あるいはこれらの混合物にて使用される。通常約1
30℃、好ましくは約120℃で液状となり得るものが
望ましい。
【0010】アルカリ土類金属試薬としては通常アルカ
リ土類金属の酸化物、あるいは水酸化物が用いられる。
例えばカルシウム、バリウム、ストロンチウム、マグネ
シウム等の酸化物あるいは水酸化物が用いられる。フェ
ノール類に対するアルカリ土類金属試薬の使用量は使用
フェノール類1当量当り約0.99当量以下である。フ
ェノール類に対するアルカリ土類金属試薬の量が多すぎ
ると中間体がゲル化してそれ以上反応が進まないため、
目的とする良好な生成物が得られない。また、少なすぎ
ると原料に対する製品の収率が低下するばかりか、フェ
ノール類の回収に費やすユーティリティーや時間が大と
なり、経済的に不利である。
【0011】次に二価アルコールとしては比較的低沸点
かつ低粘度で反応性に富むものが使用される。二価アル
コールは炭素数2〜6を有することが好ましく、特にエ
チレングリコール、プロピレングリコール等が好まし
い。二価アルコールはフェノール類とアルカリ土類金属
試薬との反応による油溶性物質への転化を助け、安定化
し、一部は製品フェネート中に取り込まれて多当量化フ
ェネートを構成するものである。本発明方法において
は、金属付加反応は、反応促進効果のある水を添加して
行なっても、添加しないで行なっても良く、添加して行
う場合、二価アルコールの使用量はアルカリ土類金属試
薬1モル当り約0.15〜3.0モル、特に約0.3〜
1.5モルが好ましい。また水を添加しないで行なう場
合、二価アルコールの使用量はアルカリ土類金属試薬1
モル当り、約1.0〜3.0モル、特に約1.2〜2.
0モルが好ましい。二価アルコールの使用量が少なすぎ
ると反応原料、特にアルカリ土類金属試薬の製品転化率
が低下し、多すぎるとフェノール類への金属付加反応は
円滑に進行するが、反応生成物から過剰の二価アルコー
ルを蒸留留去する時間およびユーティリティーが過大に
かかってしまう。
【0012】硫黄は本発明において極小量から大多量ま
で広範囲の量で用いることができる。通常の使用量はア
ルカリ土類金属試薬1モル当り約4.0モル以下、特に
約0.001〜3.0モルが好ましい。硫黄の使用量は
多すぎると塩基性のフェネートが得にくくなる。硫黄は
使用しないで反応を行なってもよい。
【0013】フェノール類へのアルカリ土類金属試薬の
金属付加反応工程において反応を促進するために反応系
中へ水を添加する場合は、蒸留水はもちろん缶水や工業
用水、金属付加反応で生成する水などが使用出来その品
質に特に制限はなく、冷水、温水、水蒸気等どのような
状態の水でも使用出来る。金属付加反応促進のために用
いる水の反応器への添加は水単独で行なってもよいし、
一部あるいは全部をフェノール類や二価アルコール、高
級アルコールなど他の原料との混合物として添加しても
よい。反応器への水の添加時期は特に制限はなく、水以
外の全反応原料が混合される前でも後でも良いが、全反
応原料混合後約1時間以内に添加することが好ましい。
反応系中への金属付加反応促進のために用いる水の添加
量は使用するアルカリ土類金属試薬1モル当り約0.0
1〜10モル、望ましくは0.1〜2.0モルである。
外部から水を反応系中に添加して金属付加反応を行なう
と、水を添加しない以外は同一の条件で反応を行なう場
合に比べて反応は円滑に進行し、反応原料特にアルカリ
土類金属試薬の製品転化率は高くなる。従って反応系中
へ添加する水が少なすぎるとアルカリ土類金属試薬の製
品転化率が低下してしまう。また逆に多すぎれば反応後
の蒸留工程が簡略化されるという利点が失なわれる。
【0014】次に、二酸化炭素処理の際に共存させる水
量の調節は、フェノール類、二価アルコール、アルカリ
土類金属試薬、またはこれに硫黄を加えたもの、あるい
はこれに水を加えたものより成る原料混合物を反応さ
せ、金属付加反応または硫化反応を完了した後、蒸留を
行なって水および過剰の二価アルコールを留去した後に
行なわれるのが一般である。二酸化炭素処理の際に共存
させる水は、上記の金属付加促進のために用いた水と同
様に、その品質、状態に特に制限はない。反応系中の水
の量はアルカリ土類金属試薬1モル当り0.01〜1.
0モル、好ましくは0.1〜0.7モルに調節する。
【0015】系中に過剰の二価アルコールが存在する場
合はその留去に当って添加した水や、反応により生成し
た水等の系内の水はすべて前留分として留出してしまう
ので、二価アルコールの過剰分を留去したのち、所定量
の水を添加する必要がある。一方、系中に過剰の二価ア
ルコールが存在しない場合は、金属付加反応および硫化
反応前に反応促進のために添加した水や反応中生成した
水など、反応完了後系中に存在する水から所定量の水の
みを残して過剰分のみを留去しても良いが、残存量が不
明確である場合は水全量を留出した後に所定量の水を添
加するのがよい。
【0016】二酸化炭素処理の際に共存させる水の量は
多すぎると製品が加水分解され、油溶性が低下する。ま
た少なすぎると製品の塩基価を向上させる効果が十分に
得られなくなる。
【0017】本発明において、反応物、反応中間体、あ
るいは製品等の取扱いを容易にするために適当な粘度を
有する希釈剤もしくは溶剤(以下希釈剤という。)を加
えることができる。たとえば金属付加反応工程または二
酸化炭素処理を終えたのちの反応生成物中から過剰の未
反応フェノール類を蒸留で回収する際、高沸点で、かつ
適当なる粘度を有した希釈剤の存在下で行なうことによ
って反応塔底物は液状の望ましい形状で得ることができ
る。なお、通常は未反応フェノール類の留出に伴って希
釈剤の一部も留出する。したがって、回収フェノール類
を繰り返し反応に供する場合には希釈剤としては反応に
直接悪影響を与えないものが好ましい。また希釈剤の存
在下に反応を行なってもよい。好ましい希釈剤の例とし
てはパラフィン系、ナフテン系、芳香族系、あるいは混
合系の基油などの適当な粘度の石油留分、例えば沸点約
220〜550℃で粘度が100℃で約2〜40cSt
の潤滑油留分を挙げることができる。その他の有機溶媒
でも疎水性、かつ、親油性を示し、反応時や製品の用途
面において無害であれば希釈剤として用いることができ
る。例えば炭素数8〜24の高級アルコールも使用する
ことができる。
【0018】本発明における過塩基性フェネートの主な
る製造工程および運転条件は下記のとおりである。
【0019】金属付加工程はフェノール類、二価アルコ
ール類、アルカリ土類金属試薬、またこれに硫黄を加え
たもの、あるいはこれに水を加えたものを用いて行な
う。反応温度約60〜200℃、好ましくは約90〜1
90℃の範囲で反応させる。必要に応じて0〜10気圧
に加圧しても良い。
【0020】硫黄を使用する場合フェノール類の金属付
加反応と同時に硫化反応も生起する。反応中発生する硫
化水素は反応系外へ除去することが望ましい。この反応
は通常1〜9時間の範囲内でほぼ終了する。
【0021】二酸化炭素処理工程は、金属付加反応終了
後、系内の過剰の水および二価アルコール類を留去し、
アルカリ土類金属試薬1モル当り0.01〜1.0モ
ル、好ましくは0.1〜0.7モルの水を系内に存在せ
しめた後、オートクレーブに入れ、反応温度約50〜2
30℃、好ましくは80〜200℃の温度条件下で二酸
化炭素と反応させる。ここで得られた生成物を必要に応
じて更に二酸化炭素雰囲気下、常圧〜20気圧G、好ま
しくは常圧〜11気圧Gの圧力で約100〜230℃に
おいて数分〜十数時間保持する。二酸化炭素処理により
生成物は潤滑油添加剤、燃料油添加剤としての性能、な
かでもエンジン油に添加したときのエンジン油の清浄
性、安定性がさらに向上する。
【0022】二酸化炭素処理後の反応生成物にアルカリ
土類金属試薬と二価アルコールを添加し、再び上記のよ
うな金属付加反応を行ない、次いで、二酸化炭素処理の
操作を1回以上繰り返すことによってさらに金属付加を
することも可能である。二酸化炭素処理後の反応生成物
中の未反応フェノール類は経済上などの面から、これら
の一部、もしくは大部分を回収することが好ましく、ま
たこの回収フェノール類を原料として再び使用すること
もできる。なおここで未反応フェノール類の蒸留を高沸
点の鉱油など、通常の希釈剤の存在下で行なうと、蒸留
残留物は液状の好ましい形で得ることができる。該蒸留
残留物中の不溶解性物質はフェノール類の回収前、ある
いは回収後に濾過または遠心分離等の操作により除去す
ることができる。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を説明する。
【0024】実施例1 撹拌器、冷却管、窒素ガス導入管、および温度計を装着
した4つ口フラスコ内に、ノニルフェノール2,310
g(10.5モル)、硫黄57g(1.8モル)、およ
び純度100%の酸化カルシウム168g(3.0モ
ル)を入れ、撹拌した。得られた懸濁液にエチレングリ
コール306g(5.1モル)を窒素気流中、常圧下、
130℃で添加し、これを135℃で5時間撹拌して、
金属付加反応および硫化反応を行なった。次に反応系内
を徐々に減圧しながら生成した水、196.2g(3.
27モル)のエチレングリコールおよび少量のノニルフ
ェノールを留去して液状の蒸留残留物2,549.1g
を得た。得られた液状蒸留残留物は、粘度86.21c
St(@100℃)、エチレングリコール含有率0.6
1モル/Ca1モル、カルシウム含有率4.72wt%、
硫黄含有率2.03wt%の性状を有していた。この蒸留
残留物787.3gに5.6g(0.31モル)(酸化
カルシウム1モル当り0.33モル)の水を添加した
後、オートクレーブに移し、加圧下、温度150℃で3
0分間二酸化炭素を吸収させた。この時の反応系内の圧
力は5気圧Gであった。次いで2気圧G下、175℃に
昇温し、5気圧Gになるまで再び二酸化炭素を吹き込
み、2時間保持して反応生成物溶液を得た。なお、オー
トクレーブへの二酸化炭素の供給は計量しながら行なっ
た。この反応生成物溶液804.0gに希釈剤として1
50ニュートラル油217.9gを加え、生成混合物を
濾過して不溶解分1.10gを除去し、濾液を得た。2
口梨型フラスコにこの濾液を入れ、減圧蒸留してエチレ
ングリコール12.0g(0.20モル)および濾液中
に溶存している未反応のノニルフェノールの大部分を留
去し、最終製品として蒸留残留物419.5gを得た。
その際の最終留出温度は155℃(1mmHg)であった。
【0025】最終製品の性状を表1に示す。
【0026】比較例1 実施例1で得た金属付加および硫化反応後の蒸留残留物
2,549.1gのうち1,181gを原料とした。こ
の原料に水を添加しないことと、150ニュートラル油
を337.0g添加し、不溶解分を1.6g除去した以
外は実施例1と同様に二酸化炭素処理を行なって、最終
製品682.1gを得た。
【0027】最終製品の性状を表1に示す。
【0028】 表1 ──────────────────────────────────── 実施例1 比較例1 ──────────────────────────────────── 最終製品の性状 金属付加当量比(PEQ値) 3.83 2.26 粘度 cSt@100℃ 72.09 150.3 塩基価 mgKOH/g 241 225 Ca含有率 wt% 8.61 8.07 S 含有率 wt% 3.03 3.01 ────────────────────────────────────
【0029】比較例2 実施例1で得た金属付加および硫化反応後の蒸留残留物
2,549.1gのうち500gを原料とした。この原
料に15.9g(0.883モル)の水(酸化カルシウ
ム1モル当り1.50モルの水)を添加して反応を行な
ったが、得られた製品は濾過が極めて困難であり、さら
にパラフィン系基油に不溶であった。
【0030】二酸化炭素処理の際に過剰量の水を添加し
た比較例2では製品として満足なものが得られなかっ
た。また、二酸化炭素処理の際に水が共存しない例であ
る比較例1に比べ、適当量の水が共存する実施例1で得
られた最終製品はPEQ値が向上していることがわか
る。
【0031】実施例2 オートクレーブにノニルフェノール660g(3.0モ
ル)、96.0%酸化カルシウム58.4g(1.0モ
ル)、および硫黄22.4g(0.7モル)を入れ、撹
拌しながらこの懸濁液にエチレングリコール33g
(0.55モル)と水18g(1.0モル)との混合液
を窒素気流中、常圧下、125℃で30分間保持した後
に添加し、内容物を130℃、2気圧Gの窒素加圧下で
5時間加熱撹拌して金属付加反応を行なった。次に反応
系内を徐々に減圧にしながら水とごく少量のエチレング
リコールを蒸留留去して液状蒸留残留物742.6gを
得た。この際の最終留出物温度は25℃(32mmHg)で
あった。この蒸留で留去するのは水が主体であり、短時
間で簡単に留去できた。
【0032】得られた液状蒸留残留物は、粘度168.
3cSt(@100℃)、エチレングリコール含有率
0.54モル/Ca1モル、カルシウム含有量5.4wt
%、硫黄含有量2.1wt%の性状を有していた。
【0033】得られた上記の蒸留残留物に3.6g
(0.2モル)(酸化カルシウム1モル当たり0.2モ
ル)の水を添加し、加圧下、120℃で30分間二酸化
炭素を吸収させた。この時の反応系内の圧力は5気圧G
であった。次いで2気圧G下、175℃に昇温し、5気
圧Gになるまで再び二酸化炭素を吹き込み、2時間保持
して反応生成物溶液を得た。この反応生成物溶液に希釈
剤として150ニュートラル油242.3gを加え、生
成混合物を濾過して不溶解分2.1gを除去し濾液を得
た。2口梨型フラスコにこの濾液を入れ、減圧蒸留して
エチレングリコールの一部と濾液中に溶存している未反
応のノニルフェノールの大部分を留去し、最終製品とし
て蒸留残留物472.3gを得た。その際の最終留出温
度は155℃(1mmHg)であった。
【0034】原料の製品転化率および最終製品の性状を
表2に示す。
【0035】また、最終製品の一部をシリカゲルを吸着
剤としてn−ヘキサンを置換剤とするカラムクロマトグ
ラムを行なったところ、淡黄色粉末の活性成分が単離さ
れた。
【0036】単離した活性成分を過剰の1規定硫酸水溶
液を用いて加水分解し、得られた油層を液体クロマトグ
ラフィーで分析したところ、活性成分を構成するノニル
フェノールの3.8モル%がノニルサリチル酸であるこ
とがわかった。
【0037】実施例3 二酸化炭素処理以前の工程を実施例1と同様に行ない液
状の蒸留残留物2,551.0gを得た。この蒸留残留
物859.2gに12.1g(0.67モル)(酸化カ
ルシウム1モル当り0.66モル)の水を添加した後オ
ートクレーブに移し、加圧下、120℃で30分間二酸
化炭素を吸収させた。この時の反応系内の圧力は5気圧
Gであった。次いで2気圧G下、155℃に昇温し、5
気圧Gになるまで再び二酸化炭素を吹き込み、2時間保
持して反応生成物溶液910.9gを得た。この反応生
成物溶液890.9gに希釈剤として150ニュートラ
ル油217.9gを加え、生成混合物を濾過して不溶解
分1.10gを除去し、濾液を得た。2口梨型フラスコ
にこの濾液を入れ、減圧蒸留して18.6g(0.31
モル)のエチレングリコール、および濾液中に存在する
未反応のノニルフェノールの大部分を留去し、最終製品
として蒸留残留物428.9gを得た。その際の最終留
出温度は155℃(1mmHg)であった。
【0038】原料の製品転化率および最終製品の性状を
表2に示す。
【0039】なお、実施例2と同様にして分析したとこ
ろ、活性成分を構成するノニルフェノールの3.1モル
%がノニルサリチル酸であった。
【0040】 表2 ──────────────────────────────────── 実施例2 実施例3 ──────────────────────────────────── 原料の製品転化率 CaO % 97.9 98.8 NP* % 21.1 12.5 S % 62.8 61.5 EG** % 71.1 15.9 CO2 % 16.7 78.5 ──────────────────────────────────── 最終製品の性状 金属付加当量比(PEQ値) 3.09 4.53 粘度 cSt@100℃ 89.28 79.48 塩基価 mgKOH/g 233 255 Ca含有率 wt% 8.31 9.16 S 含有率 wt% 2.99 2.73 反応CO2 含有率 wt% 5.66 7.06 ──────────────────────────────────── (注) * NP:ノニルフェノール ** EG:エチレングリコール
【0041】二酸化炭素処理の際に酸化カルシウム1モ
ル当リ0.2モルの水を共存させている実施例2および
0.66モルの水を共存させている実施例3で得られた
最終製品は比較例1に比べ、顕著にPEQ値が向上して
いることがわかる。
【0042】実施例4 実施例1と同様の4つ口フラスコに、ノニルフェノール
880g(4.0モル)、酸化カルシウム56.1g
(1.0モル)を入れ、撹拌した。得られた懸濁液にエ
チレングリコール36g(0.6モル)と水19.8g
(1.1モル)との混合液を窒素気流中、常圧下、12
5℃で30分保持した後に添加し、内容物を130℃で
5時間加熱撹拌して金属付加反応を行なった。次に反応
系内を徐々に減圧しながら水とごく少量のエチレングリ
コールを留去して液状残留物953.5gを得た。この
蒸留残留物をオートクレーブに移し、7.2g(0.4
モル)(酸化カルシウム1モル当り0.4モル)の水を
添加し、11気圧Gの加圧下、120℃で30分間二酸
化炭素を吸収させた。次いで5気圧G下、175℃で2
時間保持して反応生成物を得た。この反応生成物に15
0ニュートラル油237.4gを加え、生成混合物を濾
過して不溶解分2.8gを除去し濾液を得た。2口梨型
フラスコにこの濾液を入れ、減圧蒸留して未反応エチレ
ングリコールの一部と濾液中に溶存している未反応のノ
ニルフェノールの大部分を留去し、最終製品として蒸留
残留物411.9gを得た。その際の最終留出温度は1
57℃(1.5mmHg)であった。
【0043】原料の製品転化率および最終製品の性状を
表3に示す。
【0044】比較例3 水を添加せずに二酸化炭素処理を施す以外は実施例4と
同様に処理を行ない、最終製品463.4gを得た。
【0045】原料の製品転化率および最終製品の性状を
表3に示す。
【0046】 表3 ──────────────────────────────────── 実施例4 比較例3 ──────────────────────────────────── 原料の製品転化率 CaO % 97.5 97.6 NP* % 12.7 16.4 EG** % 16.4 61.5 CO2 % 72.3 49.7 ──────────────────────────────────── 最終製品の性状 金属付加当量比(PEQ値) 3.83 2.97 粘度 cSt@100℃ 106.3 88.34 塩基価 mgKOH/g 260 231 Ca含有率 wt% 9.30 8.22 反応CO2 含有率 wt% 6.80 4.22 ──────────────────────────────────── (注) * NP:ノニルフェノール ** EG:エチレングリコール
【0047】硫黄を用いない場合も、水の存在下で二酸
化炭素処理を行なった実施例4で得られた最終製品のP
EQ値は、水の非存在下で二酸化炭素処理した比較例3
のそれに比して、顕著に向上しており、また硫黄を用い
ずに得た製品も硫黄を用いている実施例1、2または3
で得られた最終製品と同等のPEQ値を有していること
がわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明は、金属付加反応または硫化反応
に続いて行なう二酸化炭素処理の際に適当量の水を共存
させることにより、比較的簡単なプロセスと少数の原料
を採用したにも拘らず、水の少なくとも一部が反応に直
接関与して、結果的に得られる生成物中に取込まれるフ
ェノール類の量が減少して、水を共存させない場合に比
べて塩基性すなわちPEQ値を著しく上昇させることを
可能にした。
【0049】PEQ値を向上させることは、一般にフェ
ネート等の添加剤を潤滑油などに添加する場合、その添
加量が塩基価を基準にして計算されることから、高価な
アルキルフェノールの使用量を削減することになり、経
済的効果は極めて大きい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類、二価アルコール類、およ
    びアルカリ土類金属酸化物あるいは水酸化物(以下、ア
    ルカリ土類金属試薬という)を、またはこれらに硫黄を
    加えたもの、あるいはこれに水を加えたものを反応させ
    て、フェノール類の金属付加を、または金属付加と硫化
    とを同時に行なわせ、次いで過剰量の二価アルコールお
    よび少なくとも過剰量の水を留去して得られた蒸留塔底
    物に、アルカリ土類金属試薬1モル当り0.01〜1.
    0モルの水を反応系中に存在させ二酸化炭素で処理する
    ことを特徴とする過塩基性アルカリ土類金属フェネート
    または過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造
    法。
JP7525292A 1992-02-26 1992-02-26 過塩基性アルカリ土類金属フェネートまたは過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造法 Pending JPH05238976A (ja)

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SG1996004430A SG50540A1 (en) 1992-02-26 1993-02-26 Process for producing over-based alkaline earth metal phenate
EP93103037A EP0558021B1 (en) 1992-02-26 1993-02-26 Process for producing over-based alkaline earth metal phenate
CN93103450A CN1040317C (zh) 1992-02-26 1993-02-26 制备过碱性碱土金属酚盐的方法

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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58189297A (ja) * 1982-04-19 1983-11-04 アモコ・コーポレーション 過塩基化マグネシウムフエネ−ト類の調製
JPS5931724A (ja) * 1982-08-16 1984-02-20 Cosmo Co Ltd 塩基性アルカリ土類金属フェネートもしくはその二酸化炭素処理物の製造法
JPH0326793A (ja) * 1989-06-23 1991-02-05 Cosmo Oil Co Ltd 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネート型清浄剤の製法

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