JPH06184581A - 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造方法 - Google Patents

過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造方法

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JPH06184581A
JPH06184581A JP35568292A JP35568292A JPH06184581A JP H06184581 A JPH06184581 A JP H06184581A JP 35568292 A JP35568292 A JP 35568292A JP 35568292 A JP35568292 A JP 35568292A JP H06184581 A JPH06184581 A JP H06184581A
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alkaline earth
earth metal
reaction
amount
sulfur
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Application number
JP35568292A
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English (en)
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Sanae Ueda
早苗 上田
Makoto Nishishita
誠 西下
Masato Goto
正人 後藤
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 元素硫黄の使用量を節減することによって、
低粘度でかつ高塩基価の過塩基性硫化アルカリ土類金属
フェネートを経済的に製造する方法を与える。 【構成】 アルキルフェノール類、二価アルコール類、
アルカリ土類金属酸化物、水酸化物あるいはそれらの混
合物(以下、アルカリ土類金属試薬という。)および硫
黄を加えたもの、またはこれらに水を加えたものを反応
させ、次いで過剰量の二価アルコールおよび少なくとも
過剰量の水を留去して得られた蒸留塔底物を二酸化炭素
処理過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製法に
おいて、硫黄の使用量がアルカリ土類金属試薬1モル当
たり0.1〜0.4モルであることを特徴とする過塩基
性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑油または燃料油の
清浄剤あるいはアルカリ清浄剤として有用なアルカリ土
類金属フェネートを工業的に有利に製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に過塩基性アルカリ土類金属フェネ
ートは内燃機用潤滑油に使用され、オキシ酸や硫酸など
の酸類あるいはスラッジ、ラッカー、カーボンなどを中
和あるいは分散し、腐蝕摩耗、リンググルーブ閉塞など
を防止するに著しい効果を示すものであり、最近では硫
化型のものが主流となっている。
【0003】従来、フェネートに硫黄を導入する方法と
しては、先ずアルキルフェノールを塩化硫黄などで硫化
物として、次にこれを金属塩とする方法と、金属付加反
応時あるいは金属塩になってから元素硫黄を用いて硫化
する方法の2つが一般的であるが、本発明は後者の硫化
法に属するものである。後者の硫化法を採用して過塩基
性フェネート(over based phenate)を製造する方法は
古くから数多くみられ、理論量の2倍以上のアルカリ土
類金属を含む過塩基性フェネートを一回の金属付加反応
で得ることができるような報告もある。
【0004】例えば、堀ら(米国特許第4,123,3
71号)は、過剰のフェノール類の存在下で上記反応を
行うことにより予測に反して高度な塩基性を有するアル
カリ土類金属フェネートを製造することが可能なことを
見い出している。
【0005】さらに堀ら(特公平3−10611)は、
フェノール類、二価アルコール、アルカリ土類金属試薬
をまたはこれに硫黄を加えたものを反応させて、フェノ
ール類の金属付加を、または金属付加と硫化を同時に行
わせる反応において、反応系中に適当な量の水を添加す
ることにより、過剰の二価アルコールの使用を必要とせ
ず、一回の反応当たりのアルカリ土類金属試薬の製品へ
の転化率を著しく高くすることが可能であることを見い
出している。
【0006】これら2つの方法は過塩基化するために、
アルキルフェノールに対して大過剰のアルカリ土類金属
試薬を使用する従来からの概念に基づく方法とは逆に、
アルカリ土類金属試薬に対して大過剰のアルキルフェノ
ールを使用して過塩基性フェネートを得ることに成功
し、それにより特殊な溶媒や添加物を必要とせず、希釈
油として使用する鉱油を除けば全て反応に直接用いられ
るもののみを原料として用いている。したがって、使用
原料の種類を必要最小限にとどめている点で優れてい
る。
【0007】また堀ら(特開平3−26793)は、フ
ェノール類にアルカリ土類金属試薬、硫黄を加えたもの
を反応させて、フェノール類の金属付加と硫化とを同時
に行わせる反応において、金属付加と硫化とを加圧密閉
の条件下で行うことにより、金属付加と硫化とを常圧ま
たは加圧開放の条件下で行う場合に比較して著しく過塩
基性を有するアルカリ土類金属フェネートが製造できる
ことを見出している。またさらに、フェノール類にアル
カリ土類金属試薬を加えたものを反応させてフェノール
類の金属付加を行わせ、ついて硫黄を加え同時に二酸化
炭素処理を行わせる反応において、金属付加を加圧密閉
の条件下で行い、かつ硫化と二酸化炭素処理とを加圧下
脱気を行わずに実施することにより、著しく塩基性の高
いアルカリ土類金属フェネートが製造できることを見い
出している。
【0008】
【解決しようとする課題ならびに課題を解決するための
手段】本発明者らは、過塩基性硫化アルカリ土類金属フ
ェネートの製造において、使用する硫黄の量を削減する
ことは、製造コストを低減するといった点で利点がある
と考え、鋭意検討を重ねた結果、硫化金属付加反応時の
元素硫黄配合量を低減することにより製造コストを低減
するのみならず、製品の粘度が低下する、もしくは塩基
価が向上することを見い出し、高塩基価で低粘度の過塩
基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造を可能に
し、本発明を完成したものである。
【0009】過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネート
の塩基価を向上させることは、製品を潤滑油等に添加す
る場合、その添加量が塩基価を基準にして計算されるこ
とから、製品の添加量が少なくてすみ、高価なアルキル
フェノールの使用量を削減できるといった利点がある。
【0010】上記の従来技術に記載されているように、
従来は、過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートを過
塩基化させるために硫化金属付加反応を加圧密閉の条件
下で行うといった方法や金属付加反応促進剤として水を
添加するといった方法を採用しており、硫黄配合量を削
減することにより、製造コストを低減するばかりでな
く、過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートを過塩基
化させるという点でも、従来品同等もしくはそれ以上の
効果が望めるという新しい知見を見い出すことにより完
成された本発明とは区別される。
【0011】すなわち、本発明の要旨は、アルキルフェ
ノール類、二価アルコール類、アルカリ土類金属酸化
物、水酸化物あるいはそれらの混合物(以下、アルカリ
土類金属試薬という。)および硫黄を加えたもの、また
はこれらに水を加えたものを反応させ、次いで過剰量の
二価アルコールおよび少なくとも過剰量の水を留去して
得られた蒸留塔底物を二酸化炭素処理過塩基性硫化アル
カリ土類金属フェネートの製法において、硫黄の使用量
がアルカリ土類金属試薬1モル当たり0.1〜0.4モ
ルであることを特徴とする過塩基性硫化アルカリ土類金
属フェネートの製造方法に存する。本発明方法で得られ
る過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートは低粘度で
あり、かつ高塩基価を有する。
【0012】本発明において、前記のごとく堀ら(特公
平3−10611)の知見、つまり硫化金属付加反応時
に反応促進剤として水を加えて反応を行っても同様に、
もしくは相乗的な効果が望め、また、堀ら(特開平3−
26793)の知見、つまり硫化金属反応時に反応を加
圧密閉系で行っても同様もしくは相乗の効果が望め、さ
らにこれらの知見をすべて組み合わせて反応を行っても
よく、そうした方が製品はより過塩基化される。
【0013】本発明に使用される試薬およびその使用量
は下記の通りとする。アルキルフェノール類は炭素数4
〜36個、好ましくは炭素数8〜32個の炭化水素側
鎖、例えばアルキル基、アルケニル基、アラルキル基等
を有するアルキル、アルケニルまたはアラルキルフェノ
ール類(以下、単に「アルキルフェノール類」と記
す。)を挙げることができる。具体的にはブチル、アミ
ル、オクチル、ノニル、ドデシル、セチル、エチルヘキ
シル、トリアコンチル等の炭化水素基、あるいは流動パ
ラフィン、ワックス、オレフィン重合体(ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン等)の石油炭化水素か
ら誘導される基を有するアルキルフェノール類が単独、
あるいはこれらの混合物にて使用される。通常約130
℃、好ましくは約120℃で液状になり得るものが望ま
しい。
【0014】アルカリ土類金属試薬としては、通常アル
カリ土類金属の酸化物、あるいは水酸化物が用いられ
る。例えばカルシウム、バリウム、ストロンチウム、マ
グネシウム等の酸化物あるいは水酸化物が用いられる。
勿論これらの混合物であっても良い。アルキルフェノー
ル類に対するアルカリ土類金属試薬の使用量は使用アル
キルフェノール類1当量当たり0.99当量以下であ
る。アルキルフェノール類に対するアルカリ土類金属試
薬の量が多すぎると中間体がゲル化してそれ以上反応が
進まないため、目的とする良好な生成物が得られない。
また、少なすぎると原料に対する製品の収率が低下する
ばかりか、アルキルフェノール類の回収に費やすユーテ
ィリティーや時間が大となり、経済的に不利である。
【0015】次に、二価アルコールとしては比較的低沸
点かつ低粘度で反応性に富むものが使用される。二価ア
ルコールは炭素数2〜6を有することが好ましく、特に
エチレングリコール、プロピレングリコール等が好まし
い。二価アルコールはアルキルフェノール類とアルカリ
土類金属試薬との反応による油溶性物質への転化を助
け、安定化し、一部は製品フェネート中に取り込まれて
多当量化フェネートを構成するものである。本発明法に
おいては、金属付加反応は、反応促進効果のある水を添
加して行っても、添加しないで行っても良く、添加して
行う場合、二価アルコールの使用量はアルカリ土類金属
試薬1モル当たり約0.15〜3.0モル、特に約0.
3〜1.5モルが好ましい。また水を添加しないで行う
場合、二価アルコールの使用量はアルカリ土類金属試薬
1モル当たり、約1.0〜3.0モル、特に約1.2〜
2.0モルが好ましい。二価アルコールの使用量が少な
すぎると反応原料、特にアルカリ土類金属試薬の製品転
化率が低下し、多すぎるとアルキルフェノール類への金
属付加反応は円滑に進行するが、反応生成物から過剰の
二価アルコールを蒸留留去する時間およびユーティリテ
ィーが過大にかかってしまう。
【0016】硫黄の使用量は、アルカリ土類金属試薬1
モル当たり約0.1〜0.4モル、好ましくは0.2〜
0.4モルを用いる。硫黄の使用量を低減するにつれ製
品はより過塩基化され、かつ粘度が低下するが、使用量
が少なすぎると製品中の硫化物が減少し、油溶性が低下
してしまう。また多すぎると製品の過塩基性が低下する
ため塩基価の高い製品が得にくくなるばかりでなく、製
品の粘度が著しく高くなってしまう。
【0017】アルキルフェノール類へのアルカリ土類金
属試薬の金属付加反応工程において反応を促進するため
に反応系中に水を添加する場合は、蒸留水はもちろん缶
水や工業用水、金属付加反応で生成する水などが使用で
き、その品質に特に制限はなく、また冷水、温水、水蒸
気等どのような状態の水でも使用できる。金属付加反応
促進のために用いる水の反応器への添加は水単独で行っ
てもよいし、一部あるいは全部をアルキルフェノール類
や二価アルコールなどほかの原料との混合物として添加
してもよい。反応器への水の添加時期は特に制限はな
く、水以外の全反応原料が混合される前でも後でも良い
が、全反応原料混合後約1時間以内に添加するのが好ま
しい。反応系中への金属付加反応促進のために用いる水
の添加量は使用するアルカリ土類金属試薬1モル当たり
約0.01〜10モル、望ましくは0.1〜2.0モル
である。外部から水を反応系中に添加して金属付加反応
を行うと、水を添加しない以外は同一の条件で反応を行
う場合に比べて反応が円滑に進行し、反応原料特にアル
カリ土類金属試薬の製品転化率が高くなる。したがって
反応系中へ添加する水が少なすぎるとアルカリ土類金属
試薬の製品転化率が低下してしまう。また逆に多すぎれ
ば反応後の蒸留工程が簡略化されるという利点が失われ
る。
【0018】本発明において、反応物、反応中間体、あ
るいは製品等の取扱いを容易にするために適当な粘度を
有する希釈剤もしくは溶剤(以下希釈剤という。)を加
えることができる。たとえば金属付加反応工程または二
酸化炭素処理を終えたのちの反応生成物中から過剰の未
反応アルキルフェノール類を蒸留で回収する際、高沸点
で、かつ適当な粘度を有する希釈剤の存在下で行うこと
によって反応塔底物を液状の望ましい状態で得ることが
できる。なお、通常は未反応アルキルフェノール類の留
出に伴って希釈剤の一部も留出する。したがって、回収
アルキルフェノール類を繰り返し反応に供する場合には
希釈剤としては反応に直接悪影響を与えないものが望ま
しい。また希釈剤の存在下に反応を行ってもよい。好ま
しい希釈剤の例としては、パラフィン系、ナフテン系、
芳香族系、あるいは混合系の基油などの適当な粘度の石
油留分、例えば沸点約220〜550℃で粘度が100
℃で約2〜40cStの潤滑油留分を挙げることができ
る。その他の有機溶媒でも疎水性、かつ、親油性を示
し、反応時や製品の用途面において無害であれば希釈剤
として用いることができる。例えば炭素数8〜24の高
級アルコールも使用することができる。
【0019】本発明における過塩基性硫化アルカリ土類
金属フェネートの主な製造工程および運転条件は下記の
とおりである。
【0020】硫化金属付加反応工程はアルキルフェノー
ル類、二価アルコール類、アルカリ土類金属試薬、硫
黄、またはこれに水を加えたものを用いて行う。反応温
度約60〜200℃、好ましくは約90〜190℃の範
囲で反応させる。必要に応じて0〜10気圧、好ましく
は0〜7気圧に加圧しても良く、また開放系、密閉系の
どちらを用いても良いが、密閉系で反応を行う方が製品
はより過塩基化される。この反応は通常1〜9時間の範
囲内でほぼ終了する。
【0021】二酸化炭素処理工程は金属付加反応終了
後、系内の過剰の水および二価アルコール類を留去した
のち、反応温度約50〜230℃、好ましくは80〜2
00℃の温度条件下で二酸化炭素と反応させる。反応圧
力は絶対圧で0〜50気圧、好ましくは0.1〜20気
圧である。ここで得られた生成物を必要に応じて更に二
酸化炭素雰囲気下、常圧〜20気圧G、好ましくは常圧
〜10気圧Gの圧力で約100〜230℃において数分
〜十数時間保持する。
【0022】二酸化炭素処理工程は、米国特許第3,0
36,971号で明かにされているように、二酸化炭素
処理により生成物は潤滑油添加剤、燃料油添加剤として
の性能、なかでもエンジン油に添加したときのエンジン
油への溶解性、安定性がさらに向上する。
【0023】二酸化炭素処理後の反応生成物にアルカリ
土類金属試薬と二価アルコールを添加し、再び上記のよ
うな金属付加反応を行い、次いで二酸化炭素処理の操作
を1回以上繰り返すことによってさらに金属付加をする
ことも可能である。二酸化炭素処理後の反応生成物中の
未反応アルキルフェノール類は経済上などの面から、こ
れらの一部、もしくは大部分を回収することが好まし
く、またこの回収アルキルフェノール類を原料として再
び使用することもできる。なおここで未反応アルキルフ
ェノール類の蒸留を高沸点の鉱油など、通常の希釈剤の
存在下で行うと、蒸留残留物は液状の好ましい状態で得
ることができる。該蒸留残留物中の不溶解性物質はアル
キルフェノール類の回収前、あるいは回収後にロ過また
は遠心分離等の操作により除去することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、こららは単に例示であって本発明を制限す
るものではない。
【0025】実施例1 撹拌機、ガス導入管および温度計を装着した1lオート
クレーブに、ドデシルフェノール472.25g(1.
8モル)、純度99.4%の酸化カルシウム33.86
g(0.6モル)および硫黄6.74g(0.21モ
ル)(酸化カルシウム1モル当たり0.3モル)を加
え、撹拌した。得られた懸濁液に、エチレングリコール
74.52g(1.20モル)を125℃で添加し、こ
れを130℃でゲージ圧約5.0Kg/cm2の加圧・密閉
の条件下、約3.0時間撹拌後、該反応系内を徐々に減
圧しながら、生成した水、一部の未反応エチレングリコ
ールおよび少量のドデシルフェノールを留去することに
より、液状蒸留残留物517.5gが得られた。この際
の最終留出温度は150℃(9mmHg)であった。次に、
該蒸留残留物517.5gに減圧状態から、温度150
℃で30分間二酸化炭素を吸収させた。この時のオート
クレーブへの二酸化炭素の流出速度は0.315l/min
とした。次いで175℃に昇温し、ゲージ圧5.0Kg/
cm2になるまで再び二酸化炭素で加圧し、2.0時間保
持して反応生成物538.97gを得た。この反応生成
物538.97gに希釈剤として150ニュートラル油
127.33gを加えた。この反応生成物を1l二口梨
型フラスコに476.98g移し、減圧蒸留して少量の
エチレングリコールおよび未反応のドデシルフェノール
の大部分を留去して、蒸留残留物186.05gを得
た。その際の最終留出温度は230℃(3mmHg)であっ
た。その後、この蒸留残留物を多量のヘキサンで希釈
し、遠心分離により不溶解物1.03gを除去後、多量
に加えたヘキサンを蒸留除去することにより最終生成物
182.45gを得た。最終製品の性状を表1に示す。
【0026】実施例2 撹拌機、ガス導入管および温度計を装着した1lオート
クレーブに、ドデシルフェノール472.25g(1.
8モル)、純度99.4%の酸化カルシウム33.86
g(0.6モル)および硫黄7.70g(0.24モ
ル)(酸化カルシウム1モル当たり0.4モル)を加
え、撹拌した。得られた懸濁液に、エチレングリコール
74.52g(1.20モル)を125℃で添加し、こ
れを130℃でゲージ圧約3.0Kg/cm2の加圧・密閉
の条件下、約3.0時間撹拌後、該反応系内を徐々に減
圧しながら、生成した水、一部の未反応エチレングリコ
ールおよび少量のドデシルフェノールを留去することに
より、液状蒸留残留物528.0gが得られた。この際
の最終留出温度は140℃(10mmHg)であった。次
に、該蒸留残留物528.0gに減圧状態から、温度1
50℃で30分間二酸化炭素を吸収させた。この時のオ
ートクレーブへの二酸化炭素の流出速度は0.315 l
/minとした。次いで175℃に昇温し、ゲージ圧5.
0Kg/cm2になるまで再び二酸化炭素で加圧し、2.0
時間保持して反応生成物553.09gを得た。この反
応生成物553.09gに希釈剤として150ニュート
ラル油127.31gを加えた。この反応生成物を1l
二口梨型フラスコに593.95g移し、減圧蒸留して
少量のエチレングリコールおよび未反応のドデシルフェ
ノールの大部分を留去して、蒸留残留物224.72g
を得た。その際の最終留出温度は235℃(4mmHg)で
あった。その後、この蒸留残留物を多量のヘキサンで希
釈し、遠心分離により不溶解物1.11gを除去後、多
量に加えたヘキサンを蒸留除去することにより最終生成
物220.79gを得た。最終製品の性状を表1に示
す。
【0027】比較例1 硫黄配合量を0.3モル(酸化カルシウム1モル当たり
0.5モル)とした以外は実施例1と同様に処理を行っ
た。最終製品の性状を表1に示す。
【0028】
【表1】 表1 製品性状 ─────────────────────────────── 実施例1 実施例2 比較例1 ─────────────────────────────── 塩基価 mgKOH/g 253 250 251 粘度 cSt、@100℃ 154 219 344 Ca含有率 wt% 8.93 8.95 8.87 S 含有率 wt% 1.89 2.37 2.94 反応CO2含有率 wt% 6.49 6.35 6.00 ───────────────────────────────
【0029】上記結果より硫黄配合量が0.5(S/C
aOモル比)の比較例1より硫黄配合量が0.4(S/
CaOモル比)の実施例2、および0.3(S/CaO
モル比)の実施例1の方がほぼ同一塩基価で粘度が低い
ことがわかる。また、硫黄配合量が低下するに従って粘
度も低下していくことがわかる。つまり、同一粘度で比
較した場合、硫黄配合量が少ないほど高塩基価の製品が
得られることになる。
【0030】実施例3 撹拌機、ガス導入管および温度計を装着した1lオート
クレーブに、純度95.9%のノニルフェノール45
9.44g(2.0モル)、純度99.4%の酸化カル
シウム22.58g(0.4モル)および硫黄5.14
g(0.10モル)(酸化カルシウム1モル当たり0.
4モル)を加え、撹拌した。得られた懸濁液に、エチレ
ングリコール49.68g(0.8モル)を125℃で
添加し、これを130℃でゲージ圧約5.0Kg/cm2
加圧・密閉の条件下、約3.0時間撹拌後、該反応系内
を徐々に減圧しながら、生成した水、一部の未反応エチ
レングリコールおよび少量のノニルフェノールを留去す
ることにより、液状蒸留残留物516.0gが得られ
た。この際の最終留出温度は148℃(10mmHg)であ
った。次に、該蒸留残留物516.0gに減圧状態か
ら、温度150℃で30分間二酸化炭素を吸収させた。
この時のオートクレーブへの二酸化炭素の流出速度は
0.315 l/minとした。次いで175℃に昇温し、
ゲージ圧5.0Kg/cm2になるまで再び二酸化炭素で加
圧し、2.0時間保持して反応生成物539.7gを得
た。この反応生成物539.7gに希釈剤として150
ニュートラル油85.80gを加えた。この反応生成物
を1l二口梨型フラスコに413.71g移し、減圧蒸
留して少量のエチレングリコールおよび未反応のノニル
フェノールの大部分を留去して、蒸留残留物145.1
9gを得た。その際の最終留出温度は232℃(3.5
mmHg)であった。その後、この蒸留残留物を多量のヘキ
サンで希釈し、遠心分離により不溶解物0.59gを除
去後、多量に加えたヘキサンを蒸留除去することにより
最終生成物143.05gを得た。最終製品の性状を表
2に示す。
【0031】比較例2 硫黄配合量を0.7モル(酸化カルシウム1モル当たり
1.75モル)とした以外は実施例3と同様に処理を行
った。最終製品の性状を表2に示す。
【0032】
【表2】 表2 製品性状 ───────────────────────── 実施例3 比較例2 ───────────────────────── 塩基価 mgKOH/g 259 253 粘度 cSt、@100℃ 170 335 Ca含有率 wt% 9.27 8.94 S 含有率 wt% 2.49 3.49 反応CO2含有率 wt% 5.89 5.49 ─────────────────────────
【0033】
【発明の効果】以上、本発明によればこのように使用す
る硫黄の量を低減することにより製造コストを低減でき
るのみならず、比較的簡単なプロセスと少量の原料を用
いたにも拘らず反応したアルキルフェノール類当り多量
のアルカリ土類金属を付加した過塩基性硫化アルカル土
類金属フェネート型清浄剤を、使用したアルカリ土類金
属試薬に対し、収率よく製造することができる。また、
製造した過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートは、
従来品より塩基価が高く、また低粘度である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年4月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】 すなわち、本発明の要旨は、アルキルフ
ェノール類、二価アルコール類、アルカリ土類金属酸化
物、水酸化物あるいはそれらの混合物(以下、アルカリ
土類金属試薬という。)および硫黄を加えたもの、また
はこれらに水を加えたものを反応させ、次いで過剰量の
二価アルコールおよび少なくとも過剰量の水を留去して
得られた蒸留塔底物を二酸化炭素処理することからなる
過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製法におい
て、硫黄の使用量がアルカリ土類金属試薬1モル当たり
0.1〜0.4モルであることを特徴とする過塩基性硫
化アルカリ土類金属フェネートの製造方法に存する。本
発明方法で得られる過塩基性硫化アルカリ土類金属フェ
ネートは低粘度であり、かつ高塩基価を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:25 60:10 70:00 (72)発明者 後藤 正人 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキルフェノール類、二価アルコール
    類、アルカリ土類金属酸化物、水酸化物あるいはそれら
    の混合物(以下、アルカリ土類金属試薬という。)およ
    び硫黄を加えたもの、またはこれらに水を加えたものを
    反応させ、次いで過剰量の二価アルコールおよび少なく
    とも過剰量の水を留去して得られた蒸留塔底物を二酸化
    炭素処理過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製
    法において、硫黄の使用量がアルカリ土類金属試薬1モ
    ル当たり0.1〜0.4モルであることを特徴とする過
    塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造方法。
JP35568292A 1992-12-19 1992-12-19 過塩基性硫化アルカリ土類金属フェネートの製造方法 Pending JPH06184581A (ja)

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