JPH073883U - 樹脂部材の取付構造 - Google Patents

樹脂部材の取付構造

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JPH073883U
JPH073883U JP1055092U JP1055092U JPH073883U JP H073883 U JPH073883 U JP H073883U JP 1055092 U JP1055092 U JP 1055092U JP 1055092 U JP1055092 U JP 1055092U JP H073883 U JPH073883 U JP H073883U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 FRP等の樹脂部材に溶接用金属部材を予め
強固に接合・一体化させ複合部材としておくことによ
り、樹脂部材を金属部材と同等に溶接により結合可能に
取り扱えるようにする。 【構成】 樹脂部材にリテーナ等の溶接が可能な金属部
材を前記樹脂部材と同一系の接着剤により包み込むよう
に、または上から覆い被すように広く塗布してオーバレ
イし、また前記リテーナに明けられた穴を貫通させるよ
うにして一体化または強固に接着・接合させ、前記金属
部材同士または前記金属部材と金属固定部材とを溶接に
より結合する。上記構成により、従来溶接により結合で
きなかった樹脂部材を、金属部材と同等に溶接により結
合可能に取り扱えるようになり、現状の組立ラインにて
小型のものから大型のものまで、形状が複雑な部材にま
で組立作業性を大巾に向上できる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は合成樹脂部材同士または、合成樹脂部材と金属部材との結合をスポッ ト溶接等の溶接により行えるようにした樹脂部材の取付構造に関するものである 。
【0002】
【従来の技術】
FRP等で代表される合成樹脂部材等(以下単に樹脂部材と言う)の結合・固 定には溶接等が適用できないため、接着剤による接合やビス・ボルトまたはリベ ット等によって結合・固定が行われている。 上記接着剤による接合法の従来例としては、実開昭61ー102520号公報 、同61ー145076号公報等が、またボルト締めによる方法としては実開昭 62ー70920号公報及び同63ー34690号公報等が報告されている。
【0003】 前者の接合法としての、実開昭61ー102520号公報に示された技術は、 基盤樹脂シートの端部に接合用の嵌合部であるユ状の異型部を形成し、他方の端 部を前記異型部に嵌合させ接着剤で接合したものである。 また同61ー145076号公報の例を図10に示すが、樹脂部材であるアウ タパネルAと金属部材のインナバネルBとの結合のため、前記樹脂部材Aの裏面 に突部A1、A2を形成し接着剤溜り用凹部Dを設けてこの凹部D内に接着剤C を塗布し、前記インナバネルBの端縁部B1を前記接着剤Cに埋設するように接 着したものであり、その後、前記インナバネルBをボルト・ナットによりヒンジ (図示せず)に結合するものが提案されている。
【0004】 後者のボルト結合法としての、実開昭62ー70920号公報に示された技術 は、単に重ね合わせたもの、また、同63ー34690号公報の方法は、図11 に図示したように、双方の樹脂パネルG、Hに内側方向にフランジ部G1、H1 を突出させて一体に成型するとともに、ボルト孔G2、H2を貫通するボルトJ にてリテーナIを介してナットKで締め付け結合したものである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
前者の接着法としての、実開昭61ー102520号公報に示された技術では 、基盤樹脂シートの端部に異型部が突出しているため段差が生じ、平滑平面での 接合ができない。 また同61ー145076号公報の例では、樹脂部材と金属部材の結合を接着 剤により接合するため、結合力がやや弱いとともにさらにボルトによる締結の工 数が掛かるという問題がある。 後者のボルト結合法としての、実開昭62ー70920号公報に示された技術 は、単に重ね合わせたもので前記実開昭61ー102520号公報の技術と同様 に平滑平面にならず、また、同63ー34690号公報の方法は、双方の樹脂パ ネルにフランジ部を突出させて形成する必要があり成型コスト・工数の点で問題 があるとともに、ボルト締結法は作業性に劣るという問題を残している。 本考案は、上記に鑑み樹脂部材同士または樹脂部材と金属部材との結合を金属 部材同士の結合と同様、溶接を用いて行うことができる取付構造を提供しようと するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本考案の構成は、樹脂部材に予め溶接用金属部材を 接着・結合させて複合部材とし、前記複合部材の金属部材同士、または前記金属 部材と金属製固定部材とを溶接にて固着させたことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】
上記本考案によれば、樹脂部材であるパネルに溶接用金属部材であるリテーナ を接着剤で包み込むように、または金属部材の上からその金属部材全体を覆うよ うに広く塗布してオーバレイにより接着・結合し、一体化させることができる。 このように接合された複合部材の溶接用金属部材同士または金属部材と金属製 固定部材とは、スポット溶接等により固着が可能で、特別な別工程を挾み込むこ となく、樹脂部材を金属部材と同様に取扱うことができ、従来からの組立ライン に流すことができ作業性が向上する。
【0008】
【実施例1】 本考案をクラッシックタイプのボンネット型バスに適用した実施例により具体 的に説明する。図1はバス1の全体図であり、3はボンネット部2のキャブフロ ントパネル、4はルーフパネル、5はサイドパネル、6はバックパネル、7は車 体フレームである。
【0009】 図2はボンネット部2の組立斜視図であり、キャブフロントパネル(以下パネ ルと言う)3はポリエステル系繊維強化樹脂(以下FRPと言う)製のエンジン フード31とフェンダ32とを一体成型したものである。 上記ボンネット2の前側は鋼鉄製のフロントレインホース21を中心にヒンジ 22を介してフレーム7に回動可能に枢着されており、後側はボディに固定され た鋼鉄製リヤレインホース23にロック用レインホース24を介してロックされ るように構成されている。
【0010】 そして前記パネル3とレインホース21、23との接合方法は図3、4に示す ように、鋼鉄製の直状の溶接用のリテーナ10をパネル3と同一系の樹脂、即ち FRPの基材であるポリエステル系の接着剤90を用いて、パネル3にオーバレ イ(Overlay)即ちリテーナ10を層状に包み込むように接着し、さらに リテーナ10に明けられた穴10aを貫通するようにして強固に接着する。そし て前記リテーナ10の他方端10bは、アーク溶接によりレインホース21また は23に溶接・接合91されている。
【0011】
【実施例2】 上述の実施例1と同様、図1のバスのFRP製のルーフパネル4と鋼鉄製サイ ドパネル5のドリップレール51とを接合した例であり、その組立斜視図を図5 に、接合部の拡大図を図6、7に示す。 接合法としては、複数の穴11a、フランジ11bを有する断面が変形L字型 で、前記ルーフパネル4の端部内周と同等の長さを有する鋼鉄製リテーナ11を 前記穴11a側を前記ルーフパネル4の内側面4aに当接させ、エポキシ系接着 剤92を上部から覆い被すように塗布(オーバレイ)するとともに、前記穴11 aを通しても前記接着剤92を前記パネル内側面4aと融合・接着させた。 このようにして、樹脂部材と金属部材が一体的に結合された複合部材の前記 リテーナ11のフランジ部11bをサイドパネル5の前記ドリップレール51に スポット溶接93し、結合したものである。 尚、上記オーバレイの時期としては、前記ルーフパネル4の成形時の樹脂がま だ完全に硬化していない硬化過程中に行うことにより単なる接着よりも一層接合 強度の高い融着による結合が得られる。
【0012】
【実施例3】 上述の実施例2の如きドリップレール51が許されない例として、樹脂部材と 樹脂部材同士であるルーフパネル4とバックパネル6とを直接接合した例を図8 、図9に図示する。 この場合、一方に複数の穴12a、13aがあり、他方端にフランジ部12b 、13bが設けられた、断面が略L字型で長尺の鋼鉄製のリテーナ12、13を 、夫々ポリエステル系の接着剤94により包み込むようにオーバレイして接合し 、一体化させた後、両パネル4、6の表面が一致し平滑になるように合わせると ともに、前記フランジ12b、13b同士をスポット溶接95したものである。 そして両パネル4、6の僅かな隙間には、同色の接着剤94aを塗布して平滑 に仕上げた。
【0013】 上記実施例1、2、3のように樹脂部材であるパネル3、4、6に金属部材で あるリテーナ10、11、12、13を接着剤90、92、94で包み込むよう に、または金属部材の上からその金属部材全体を覆うように広く塗布してオーバ レイするとともに、前記リテーナに夫々複数個設けられた穴10a、11a、1 2a、13aを貫通して、前記接着剤が連結するようにすれば、より強力に接着 ・結合する。 そして接着剤としては樹脂部材と同一系の材質とするとともに、実施例2のよ うに樹脂の硬化の過程中にオーバレイすることにより、単に接着するのではなく 樹脂部材中にリテーナ、即ち金属部材が埋設されているのと同等の非常に高い接 合強度の接合となる。 このように強力に接合された溶接用リテーナ10、11とレインホース21、 23またはドリップレール51等との間で、またリテーナ12、13同士をスポ ット溶接等の電気抵抗溶接やアーク溶接を行い、その後、前記金属部材に塗装が 施される。 このようにして樹脂部材であっても実質的に金属部材として取扱できるので、 特別な別工程を挾み込むことなく、従来からの組立ラインに流すことができ作業 性が向上する。 上述の実施例は、すべてオーバレイ法により接着・接合する例を説明したが 、小型部材または大型部材でも樹脂の成形型が容易に製作可能であるならば、溶 接用金属部材を樹脂成形時に直接埋め込んでも良く、上述の実施例と同等の効果 が得られる。 また小型部品や強度の必要としない部材においては、必ずしもオ ーバレイしなくとも通常の接着剤による接着により複合部材を形成しても良い。
【0014】
【考案の効果】
本考案は上記の通り、樹脂部材に予め溶接用金属部材を接着・結合させて複合 部材とし、前記複合部材の金属部材同士、または前記金属部材と金属製固定部材 とを溶接にて固着させたので、前記金属部材が樹脂部材に強力に固着され、樹脂 部材同士または樹脂部材と金属部材との結合が金属部材同士の結合と同様、溶接 を用いて行うことができ、組付工数が少なく作業性を高めることができる。 そして接着剤としては樹脂部材と同一系の材質とするとともに、実施例2のよ うに樹脂の硬化の過程中にオーバレイすることにより、単に接着するのではなく 樹脂部材中にリテーナ即ち金属部材が埋設されているのと同等の非常に高い接合 強度を得ることができる。 また溶接用金属部材に夫々設けられた穴を貫通して前記接着剤を連結させたも のにおいては、より強力に接着・結合させることができる。 このように強力に接合された溶接用金属部材と金属製固定部材等との間で、ま た樹脂部材に接合された金属部材同士をスポット溶接等することにより、特別な 別工程を挾み込むことなく、従来からの組立ラインにそのまま流すことができ作 業性が向上する。 さらに小型のものから本考案の実施例のような大型の部材で且つ、形状の複雑 な部材にまで適合・ライン化させることができ、工業的効果は非常に大なるもの がある。 また樹脂部材を金属部材と同等に扱えるため、従来樹脂化できなかった部材ま で樹脂化が可能となり、これにより設計の自由度が大巾に拡がり、コストも安価 にできる効果がある。
【0015】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案を適用したバスの全体図、
【図2】 本考案第1実施例の組立斜視図、
【図3】 同レインホースを示す斜視図、
【図4】 同接合部の断面図、
【図5】 第2実施例の組立斜視図、
【図6】 同接合部の拡大図、
【図7】 同リテーナの拡大図、
【図8】 第3実施例の組立斜視図、
【図9】 同リテーナの拡大図、
【図10】従来例
【図10】従来例
【符号の説明】
3 キャブフロントパネル 4 リーフパネル 5 サイドパネル 6 バックパネル 7 車体フレーム 10、11、12、13 リテーナ(溶接部材) 10a、11a、12a、13a リテーナの穴 12b、13b フランジ部 21、23 レインホース 90、92、94 接着剤 91、93、95 溶接部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案を適用したバスの全体図、
【図2】 本考案第1実施例の組立斜視図、
【図3】 同レインホースを示す斜視図、
【図4】 同接合部の断面図、
【図5】 第2実施例の組立斜視図、
【図6】 同接合部の拡大図、
【図7】 同リテーナの拡大図、
【図8】 第3実施例の組立斜視図、
【図9】 同リテーナの拡大図、
【図10】従来例
【図11】従来例

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂部材に予め溶接用金属部材を接着・
    結合させて複合部材とし、前記複合部材の金属部材同
    士、または前記金属部材と金属製固定部材とを溶接にて
    固着させたことを特徴とする樹脂部材の取付構造。
  2. 【請求項2】 前記複合部材が樹脂部材に接着剤によっ
    てオーバレイして溶接用金属部材を接着・接合したこと
    を特徴とする請求項1記載の樹脂部材の取付構造。
JP1992010550U 1992-01-31 1992-01-31 繊維強化樹脂板部材の連結構造 Expired - Lifetime JP2577606Y2 (ja)

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