JP4588433B2 - 金属板接合構造 - Google Patents

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本発明は、2つの金属板が互いのフランジ部にて接着剤及び溶接により接合される金属板接合構造に関する。
自動車車両、鉄道車両等の大型製品における金属板同士の接合には、スポット溶接が用いられる。スポット溶接は、重ね合わせた2枚の金属板を一対の電極チップで挟み込み、加圧しながら板厚方向に電流を流すことにより、両金属板に溶接ナゲットと呼ばれる溶融した部分を形成し、このナゲットにより両金属板を点状に溶接するものである。
このスポット溶接を施す際に、各金属板の接合部分に予め接着剤を充填しておくウエルドボンド接合と呼ばれる接合工法がある(例えば、特許文献1参照。)。この接合工法によれば、スポット溶接による接合強度に接着剤による接合強度が加わるので、スポット溶接の打点の位置及び数が同一である場合には接着剤が凝固した分だけ接合強度を向上させることができる。
特許文献1に記載の金属板接合構造では、2枚の金属板が連続的に1つの壁部をなし、各金属板の境界部に壁部と略直角なフランジ部が形成されている。そして、各フランジ部の間に接着剤が充填された状態で、各フランジ部を重ね合わせてスポット溶接が施される。各金属板とも、壁部とフランジ部は湾曲した曲成部を介して連続的に形成されている。このように、車両のアウタパネルとインナパネルのような2枚の金属板により袋状に形成される部位では、各金属板にフランジ部を形成してスポット溶接を施すものが一般的である。
特開2004−82136号公報
ところで、各金属板のフランジ部の間のみならず、曲成部側にも接着剤を凝固させることができれば、接合強度が飛躍的に向上する。しかしながら、各金属板が袋状構造をなす場合は、各フランジ部を重ね合わせる前にフランジ部に接着剤を予め塗布しておく必要があり、各曲成部の間に接着剤を充填させることはできない。そして、スポット溶接の挟圧時に接着剤がフランジ部からはみ出しても、上側金属板と下側金属板の曲成部がそれぞれフランジ部側から互いに離隔するよう形成されていることから、接着剤が各曲成部の間で凝固する前に接着剤が壁部を伝って流れ落ちてしまう。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、金属板の曲成部にも接着剤を充填させて各金属板の接合強度を向上させることのできる金属板接合構造を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、略上下に延びる上壁部と略水平に延びる上側フランジ部が、湾曲形成された上側曲成部を介して連続して形成される上側金属板と、略上下に延びる下壁部と略水平に延びる下側フランジ部が、湾曲形成された下側曲成部を介して連続して形成される下側金属板と、を備え、前記上側金属板の前記上側フランジ部と前記下側金属板の前記下側フランジ部が、接着剤を介在させて重ね合わせた状態で挟圧して溶接することにより接合され、前記上壁部と前記下壁部が連続的に縦壁を形成する金属板接合構造において、前記上側フランジ部と前記下側フランジ部の間に介在し、前記縦壁から前記上側フランジ部及び前記下側フランジ部と反対側へ突出する板部を具備し、前記板部に上下に貫通する孔部が形成され、前記板部は、前記上側フランジ部と前記下側フランジ部の間に介在する介在区間と、前記縦壁から前記上側フランジ部及び前記下側フランジ部と反対側へ突出する突出区間とを跨ぐように形成されたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、縦壁から板部が各フランジ部と反対側へ突出し、下側金属板の下側曲成部と上側金属板の上側曲成部とにより形成されるスペースが二等分されることとなる。
これにより、合わせ面に接着剤を塗布した状態で上側フランジ部、板部及び下側フランジ部を重ね合わせて溶接時に挟圧すると、上側フランジ部及び下側フランジ部からはみ出した接着剤が、上側曲成部と板部及び下側曲成部と板部により形成される角部に貯留する。そして、接着剤が上側金属板の上側曲成部と下側金属板の下側曲成部に充填された状態で凝固することとなる。ここで、従来のように縦壁から突出する板部が存在しない場合、はみだした接着剤は上側曲成部及び下側曲成部により形成されるスペースが大きいことから、各曲成部の近傍に留まることができずに下壁部を伝って流れ落ちる。
また、請求項1に記載の発明によれば、上側フランジ部、板部及び下側フランジ部を重ね合わせて挟圧した際に、上側フランジ部と板部の間に接着剤が充填されている場合は孔部を通じて下側フランジ部と板部の間に接着剤が押し出され、下側フランジ部と板部の間に接着剤が充填されている場合は孔部を通じて上側フランジ部と板部の間に接着剤が押し出される。
従って、上側フランジ部側と下側フランジ部側のいずれか一方に接着剤を塗布することにより挟圧時に他方へ接着剤が充填されるので、接着剤を一方のフランジ部側に塗布すればよく、接着剤の塗布作業を一度で済ますことができ、製造コストを抑制することができる。
さらに、板部に上下に貫通する孔部が形成され、この孔部は、上側フランジ部と下側フランジ部の間に介在する介在区間と、縦壁から上側フランジ部及び下側フランジ部と反対側へ突出する突出区間とを跨ぐように形成されたので、接着剤が突出区間と反対側へ流出し難く、下側曲成部へ接着剤を的確に案内することができる。
従って、フランジ部同士に加えて上側曲成部及び下側曲成部においても上側金属板と下側金属板とが接着されることとなり、フランジ部同士のみで上側金属板と下側金属板を接着する従来のものに比して飛躍的に接合強度を向上させることができる。また、従来は下壁部を伝って流れ落ちていた接着剤を利用することにより、接合に要する接着剤が増すことはなく、実用に際して極めて有利である。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の金属板接合構造において、前記板部は、前記上側金属板の前記上側フランジ部の端部又は前記下側金属板の前記下側フランジ部の端部を折り返して形成されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、板部を上側フランジ部の端部又は下側フランジ部の端部を折り返して形成したので、板部のために別部材を設ける必要がなく部品点数が増大することはない。
また、上側フランジ部の端部又は下側フランジ部の端部の折り返し部分においては、挟圧時に接着剤が外部へ流出することがなく、接着剤を各フランジ部間に効率良く充填させることができる。
請求項に記載の発明では、請求項1または2に記載の金属板接合構造において、前記板部の上面と下面の少なくとも一方に、前記上側フランジ部又は前記下側フランジ部の端部と平行に延びる突条部を形成したことを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、請求項1または2の作用に加え、上側フランジ部、板部及び下側フランジ部を重ね合わせた際に、突条部が上側フランジ部又は下側フランジ部と当接することにより、板部と上側フランジ部又は下側フランジ部との間に隙間が生じる。この隙間には接着剤が一時的に貯留するので、合わせ面に的確に接着剤を行き渡らせることができる。
また、突条部が当接するフランジ部の端部に沿って形成されている場合は、各フランジ部を挟圧すると、突条部により各フランジ部間から外部への接着剤の流出を防止して、接着剤を各フランジ部間に効率良く充填させることができる。
このように、本発明によれば、接着剤を上側金属板の上側曲成部と下側金属板の下側曲成部の間に接着剤を充填させて凝固させることができ、各金属板の接合強度を飛躍的に向上させることができる。
図1から図4は本発明の第1の実施形態を示すもので、図1は自動車車体のサイドメンバの模式的な斜視図、図2はサイドメンバの模式的な断面図、図3は下側フランジ部に重ねた状態の中央金属板の上面図、図4は接着剤を塗布せずに上側フランジ部、中央金属板及び下側フランジ部を重ね合わせた状態のサイドメンバの模式的な断面図である。
図1に示すように、この金属板接合構造は、自動車車体における略前後へ延びるサイドメンバに用いられ、断面が略ハット状に形成された上側金属板10と、断面が略逆ハット状に形成された下側金属板20が接合されたものである。それぞれ鉄からなる上側金属板10と下側金属板20は、合わせ面に接着剤30を塗布した状態でスポット溶接により接合され、上側金属板10の上壁部11と下側金属板20の下壁部21が連続的に縦壁31を形成する。上側金属板10は略水平に延びる上側フランジ部12を有し、下側金属板20は略水平に延びる下側フランジ部22を有し、上側フランジ部12の下面と下側フランジ部22の上面が合わせ面をなしている。
図1に示すように、上側金属板10は、略上下に延びる上壁部11と略水平に延びる上側フランジ部12が、湾曲形成された上側曲成部13を介して連続して形成される。また、下側金属板20は、略上下に延びる下壁部21と略水平に延びる下側フランジ部22が、湾曲形成された下側曲成部23を介して連続して形成される。図2に示すように、上側曲成部13と下側曲成部23は、ほぼ同じ曲率で形成され、それぞれ各金属板10,20により形成される閉断面内部へ凸に形成されている。これにより、縦壁31と各フランジ部12,22が滑らかに接続されている。
図2に示すように、上側金属板10と下側金属板20の間には、これらとは別個に中央金属板40が配される。板部としての中央金属板40は、上側金属板10及び下側金属板20より薄く、略水平に形成される。また、中央金属板40は、上側フランジ部12と下側フランジ部22の間に介在する介在区間41と、縦壁31から上側フランジ部12及び下側フランジ部22と反対側へ突出する突出区間42と、を有する。すなわち、縦壁31から中央金属板40の突出区間42が各フランジ部12,22と反対側へ突出し、下側金属板20の下側曲成部23と上側金属板10の上側曲成部13とにより形成されるスペースが二等分されることとなる。この金属板接合構造では、上側金属板10の上側フランジ部12と下側金属板20の下側フランジ部22が、中央金属板40の介在区間41を挟み込んで、接着剤30を介在させて重ね合わせた状態で挟圧して溶接することにより接合される。
図3に示すように、中央金属板40には上下に貫通する複数の孔部43が形成される。本実施形態においては、各孔部43は、前後に所定の間隔で並んで形成され、それぞれ水平方向に延びる長孔である。各孔部43は、介在区間41と突出区間42を跨ぐように形成される。すなわち、図3に示すように、各孔部43は、上面視で下側曲成部23と重なるようになっている。
図4に示すように、中央金属板40の上面には、上側フランジ部12の端部と平行に延びる流出防止ビード44が形成される。突条部としての流出防止ビード44は、中央金属板40の介在区間41側の端部に配される。本実施形態においては、中央金属板40の介在区間41側の端部が各フランジ部12,22の端部とほぼ一致していることから、流出防止ビード44は上側フランジ部12の端部に沿って形成されている。
さらに、図4に示すように、中央金属板41の下面には、下側フランジ部22の端部に沿って延びる左右一対の浮揚ビード45が形成される。突条部としての各浮揚ビード45は、中央金属板40の介在区間41において略左右対称となるよう形成される。各浮揚ビード45は、介在区間41の各端部より左右内側に形成されており、スポット溶接時における一対の電極チップの挟圧で潰れるようになっている。
この金属板接合構造では、各金属板10,20の接合時に半流動体状態の接着剤30が上側フランジ部12の下面に塗布される。そして、各フランジ部12,22及び中央金属板40の介在区間41を重ね合わせて挟圧することにより、上側フランジ部12と中央金属板40の間に充填されている接着剤30が、各孔部43を通じて下側フランジ部22と中央金属板40の間に押し出されて、各フランジ部12,22に接着剤30が行き渡るようになっている(図2参照)。本実施形態においては、この挟圧は、スポット溶接時に一対の電極チップで各フランジ部12,22を挟む込むことにより行われる。スポット溶接は、前後方向に間隔をおいて中央金属板40の各孔部43を避けるように施され、各フランジ部12,22に前後に並ぶ複数のナゲット32が形成される(図1参照)。
また、図3に示すように、上側フランジ部12、中央金属板40及び下側フランジ部22を重ね合わせた際に、各浮揚ビード45が下側フランジ部22と当接することにより、中央金属板40と下側フランジ部22との間に隙間が生じる。この隙間には、各孔部43から流出した接着剤30が一時的に貯留するので、合わせ面に的確に接着剤を行き渡らせることができる。この後、挟圧力により各浮揚ビード45が潰れる。
さらに、上側フランジ部12と中央金属板40の間では、挟圧時における流出防止ビード44により各フランジ部12,22間から外部への接着剤30の流出を防止して、接着剤30を各フランジ部12,22間に効率良く充填させることができる。
ここで、中央金属板40によって各曲成部13,23により形成されるスペースが二等分されているので、合わせ面に接着剤30を塗布した状態で上側フランジ部12、中央金属板40及び下側フランジ部22を重ね合わせて溶接時に挟圧すると、上側フランジ部12及び下側フランジ部22からはみ出した接着剤30が、上側曲成部13と中央金属板40及び下側曲成部23と中央金属板40により形成される角部に貯留する。そして、接着剤30が上側金属板10の上側曲成部13と下側金属板20の下側曲成部23に充填された状態で凝固することとなる。ここで、図6に示す従来のもののように縦壁131から突出する中央金属板が存在しない場合、はみだした接着剤30は上側曲成部113及び下側曲成部123により形成されるスペースが大きいことから、各曲成部113,123の近傍に留まることができずに下壁部121を伝って流れ落ちる。
このように、フランジ部12,22同士に加えて上側曲成部13及び下側曲成部23においても上側金属板10と下側金属板20とが接着されることとなり、フランジ部12,22同士のみで上側金属板10と下側金属板20を接着する従来のものに比して飛躍的に接合強度を向上させることができる。また、従来は下壁部21を伝って流れ落ちていた接着剤30を利用することにより、接合に要する接着剤30が増すことはなく、実用に際して極めて有利である。
また、本実施形態の金属板接合構造によれば、中央金属板40に孔部43を形成し、上側フランジ部12側と下側フランジ部22側のいずれか一方に接着剤30を塗布することにより挟圧時に他方へ接着剤30が充填されるようにしたので、接着剤30を一方のフランジ部12,22側に塗布すればよく、接着剤30の塗布作業を一度で済ますことができ、製造コストを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、各孔部43を介在区間41と突出区間42を跨ぐように形成したので、接着剤30が突出区間42と反対側へ流出し難く、各フランジ部12,22における縦壁31と反対側の端部から外部への接着剤30の流出防止に効果的である。さらに、各孔部43を下側曲成部23と重なるよう形成したので、下側曲成部23へ接着剤30を的確に案内することができる。
ここで、図5に、図6及び図7に示すように上側金属板110の上壁部111と下側金属板120の間に中央金属板が配されていないものを用いて、接着剤30の塗布状態により接合強度がどのように変化するか計測した実験データを示す。実験は、各フランジ部112,122をスポット溶接のみで接合したもの(以下、サンプル1という)と、図6に示すようにスポット溶接に加えて各フランジ部112,122の間で接着剤30を凝固させたもの(以下、サンプル2という)と、図7に示すようにスポット溶接に加えて各フランジ部112,122及び各曲成部113,123の間で接着剤30を凝固させたもの(以下、サンプル3という)とに分けて行った。サンプル1〜3は、それぞれ実際の自動車車体に用いられているサイドメンバと同形状のものとした。
図5に示すように、各フランジ部112,122の接合強度は、サンプル3、サンプル2、サンプル1の順に高い値が得られた。尚、図5においては、各フランジ部112,122の開口変位を横軸とし、この開口変位に必要な荷重を縦軸としている。サンプル2とサンプル3を比較すると、同じ開口変位では、サンプル3の方が約1.5倍以上の荷重を加えなければならないことが実験的に証明されている。このように、実験的にも、各フランジ部112,122のみならず上側曲成部113または下側曲成部123にも接着剤30が充填されて凝固すると、接合強度が飛躍的に向上することが確認されている。
尚、第1の実施形態においては、上側フランジ部12に接着剤30を塗布し各孔部43を通じて下側フランジ部22側へ接着剤30を導くものを示したが、下側フランジ部22に接着剤30を塗布して上側フランジ部12側へ接着剤30を導くようにしてもよい。
また、第1の実施形態においては、各孔部43を左右に延びる長孔としたものを示したが、各孔部の形状は丸孔等の他の形状であってもよいし、孔部を前後に間隔をおかずに前後に連続的に形成してもよい。例えば、縦壁31側へ接着剤30をより多く充填する場合には、縦壁31側へ拡がる形状とすることも可能である。また、上側フランジ部12と下側フランジ部22の両方に接着剤30を塗布する場合は、各孔部43を形成せずとも接着剤30を各フランジ部12,22と中央金属板40の間に行き渡らせることができる。
また、第1の実施形態においては、流出防止ビード44を中央金属板40の上面に形成したものを示したが、中央金属板40の下面に形成してもよく、上面と下面の少なくとも一方に形成されていれば、接着剤30の各フランジ部12,22の外部への流出を防止することができる。
また、第1の実施形態においては、浮揚ビード45を中央金属板40の下面に形成したものを示したが、中央金属板40の上面に形成してもよく、上面と下面の少なくとも一方に形成されていれば、接着剤30の各フランジ部12,22間の貯留作用を得ることができる。
また、第1の実施形態においては、中央金属板40が上側金属板10及び下側金属板20よりも薄いものを示したが、各金属板10,20,40の板厚は適宜に変更可能である。
図8から図10は本発明の第2の実施形態を示すもので、図8は自動車車体のサイドメンバの模式的な斜視図、図9はサイドメンバの模式的な断面図、図10は下側金属板の一部上面図である。
この金属板接合構造もまた、第1の実施形態と同様に、断面が略ハット状に形成された上側金属板210と、断面が略逆ハット状に形成された下側金属板220を接合するものである。図8に示すように、上側金属板210は、略上下に延びる上壁部211と略水平に延びる上側フランジ部212が、湾曲形成された上側曲成部213を介して連続して形成される。下側金属板220は、略上下に延びる下壁部221と略水平に延びる下側フランジ部222が、湾曲形成された下側曲成部223を介して連続して形成される。更に、下側フランジ部222の縦壁231と反対側の端部が折り返されて、上側フランジ部212と下側フランジ部222の間に介在する介在部224が形成される。
図9に示すように、板部としての介在部224は、略水平に形成され、上側フランジ部212と下側フランジ部222の間に介在する介在区間241と、縦壁231から上側フランジ部212及び下側フランジ部222と反対側へ突出する突出区間242と、を有する。すなわち、縦壁231から介在部224の突出区間242が各フランジ部212,222と反対側へ突出し、下側金属板220の下側曲成部223と上側金属板210の上側曲成部213とにより形成されるスペースが二等分されることとなる。この金属板接合構造では、上側金属板210の上側フランジ部212と下側金属板220の下側フランジ部222が、介在部224の介在区間241を挟み込んで、接着剤30を介在させて重ね合わせた状態で挟圧して溶接することにより接合される。
図9に示すように、介在部224には上下に貫通する複数の孔部225が形成される。図10に示すように、左右に並設された2つの孔部225で1組をなし、複数組の各孔部225が前後に所定の間隔で並んで形成される。本実施形態においては、各孔部225は丸孔であり、左右2つの孔部225のうち縦壁231と反対側の孔部225は介在区間41に形成され、縦壁231側の孔部225は突出区間42に形成される。すなわち、図10に示すように、縦壁231側の孔部225は、上面視で下側曲成部223と重なるようになっている。
この金属板接合構造では、各金属板210,220の接合時に半流動体状態の接着剤30が上側フランジ部212の下面に塗布される。そして、各フランジ部212,222及び介在部224を重ね合わせて挟圧することにより、上側フランジ部212と介在部224の間に充填されている接着剤30が、各孔部225を通じて下側フランジ部222と介在部224の間に押し出されて、各フランジ部212,222に接着剤30が行き渡るようになっている(図9参照)。
ここで、介在部224によって各曲成部213,223により形成されるスペースが二等分されているので、合わせ面に接着剤30を塗布した状態で上側フランジ部212、介在部224及び下側フランジ部222を重ね合わせて溶接時に挟圧すると、上側フランジ部212及び下側フランジ部222からはみ出した接着剤30が、上側曲成部213と介在部224及び下側曲成部223と介在部224により形成される角部に貯留する。そして、接着剤30が上側金属板210の上側曲成部213と下側金属板220の下側曲成部223に充填された状態で凝固することとなる。
このように、フランジ部212,222同士に加えて上側曲成部213及び下側曲成部223においても上側金属板210と下側金属板220とが接着されることとなり、フランジ部212,222同士のみで上側金属板210と下側金属板220を接着する従来のものに比して飛躍的に接合強度を向上させることができる。また、従来は下壁部221を伝って流れ落ちていた接着剤30を利用することにより、接合に要する接着剤30が増すことはなく、実用に際して極めて有利である。
また、本実施形態の金属板接合構造によれば、介在部224を下側フランジ部222の端部を折り返して形成したので、介在部224のために別部材を設ける必要がなく部品点数が増大することはない。
また、下側フランジ部222の端部の折り返し部分においては、挟圧時に接着剤30が外部へ流出することがなく、接着剤30を各フランジ部212,222間に効率良く充填させることができる。
また、介在部224に孔部225を形成し、上側フランジ部212側に接着剤30を塗布することにより挟圧時に下側フランジ部222側へ接着剤30が充填されるようにしたので、接着剤30を上側フランジ部212側にのみ塗布すればよく、接着剤30の塗布作業を一度で済ますことができ、製造コストを抑制することができる。また、縦壁231側の各孔部225を下側曲成部23と重なるよう形成したので、下側曲成部23へ接着剤30を的確に案内することができる。
尚、第2の実施形態においては、丸孔形状の孔部225が左右に2つ並べられたものを示したが、例えば、孔部を左右に延びる長孔としてもよいし、孔部を前後に間隔をおかずに前後に連続的に形成してもよい。
また、第2の実施形態においては、介在部224を下側フランジ部222の端部を折り返して形成したものを示したが、上側フランジ部212の端部を折り返して形成しても同様の作用効果を得ることができる。この場合、下側フランジ部の上面に接着剤を塗布し、挟圧時に介在部の孔部を通じて上側フランジ部側に接着剤を押し出す構成とするとよい。
また、第2の実施形態においては、介在部224の上面及び下面に突条部を形成せずに介在部224の表面を略平坦としたものを示したが、第1の実施形態と同様に流出防止ビードや浮揚ビードを形成してもよい。
さらに、第1及び第2の実施形態においては、本発明の金属板接合構造が自動車車体に用いられるものを示したが、鉄道車体、航空機等に用いることもできる。また、自動車車体のサイドメンバに用いられるものを示したが、クロスメンバやピラーのような他の部分に用いられるものであってもよい。ここで、ピラーのように上下に延び前後または左右に金属板が分割構成されるものであっても、一方の金属板を上側とし他方の金属板を下側として接合を行い、接着剤が凝固した後に他の部分に組み付ければよい。
さらにまた、第1及び第2の実施形態においては、略ハット状の金属板と略逆ハット状の金属板とを接合するものを示したが、上側金属板が上壁部、上側湾曲部及び上側フランジ部を有し、下側金属板が下壁部、下側湾曲部及び下側フランジ部を有するものであれば、上側金属板及び下側金属板の形状は問わない。
また、第1及び第2の実施形態においては、スポット溶接により上側フランジ部12,212と下側フランジ部22,222を溶接するものを示したが、例えばシーム溶接により溶接するものであってもよい。すなわち、溶接とともに各フランジ部12,22,212,222の挟圧が行われれば、どのような溶接方式であっても前記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、第1及び第2の実施形態においては、上側金属板10と下側金属板20が鉄からなるものを示したが、例えばアルミニウムなど他の金属からなるものであってもよい。また、接着剤30が貯留しやすいように、下側フランジ部22,222の表面粗さを上側フランジ部12,212等よりも粗くしてもよいし、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
本発明の第1の実施形態を示す自動車車体のサイドメンバの模式的な斜視図である。 サイドメンバの模式的な断面図である。 下側フランジ部に重ねた状態の中央金属板の上面図である。 接着剤を塗布せずに上側フランジ部、中央金属板及び下側フランジ部を重ね合わせた状態のサイドメンバの模式的な断面図である。 フランジ部の開口変位と荷重の関係を示すグラフである。 上壁部と下壁部を略面一に形成し各フランジ部のみに接着剤を充填させたサイドメンバの模式的な断面図である。 上壁部と下壁部を略面一に形成し各フランジ部及び各曲成部に接着剤を充填させたサイドメンバの模式的な断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す自動車車体のサイドメンバの模式的な斜視図である。 サイドメンバの模式的な断面図である。 下側金属板の一部上面図である。
符号の説明
10 上側金属板
11 上壁部
12 上側フランジ部
13 上側曲成部
20 下側金属板
21 下壁部
22 下側フランジ部
23 下側曲成部
30 接着剤
31 縦壁
40 中央金属板
41 介在区間
42 突出区間
43 孔部
44 流出防止ビード
45 浮揚ビード
210 上側金属板
211 上壁部
212 上側フランジ部
213 上側曲成部
220 下側金属板
221 下壁部
222 下側フランジ部
223 下側曲成部
224 介在部
225 孔部
231 縦壁

Claims (3)

  1. 略上下に延びる上壁部と略水平に延びる上側フランジ部が、湾曲形成された上側曲成部を介して連続して形成される上側金属板と、
    略上下に延びる下壁部と略水平に延びる下側フランジ部が、湾曲形成された下側曲成部を介して連続して形成される下側金属板と、を備え、
    前記上側金属板の前記上側フランジ部と前記下側金属板の前記下側フランジ部が、接着剤を介在させて重ね合わせた状態で挟圧して溶接することにより接合され、
    前記上壁部と前記下壁部が連続的に縦壁を形成する金属板接合構造において、
    前記上側フランジ部と前記下側フランジ部の間に介在し、前記縦壁から前記上側フランジ部及び前記下側フランジ部と反対側へ突出する板部を具備し
    前記板部に上下に貫通する孔部が形成され、
    前記孔部は、前記上側フランジ部と前記下側フランジ部の間に介在する介在区間と、前記縦壁から前記上側フランジ部及び前記下側フランジ部と反対側へ突出する突出区間とを跨ぐように形成されたことを特徴とする金属板接合構造。
  2. 前記板部は、前記上側金属板の前記上側フランジ部の端部又は前記下側金属板の前記下側フランジ部の端部を折り返して形成されることを特徴とする請求項1に記載の金属板接合構造。
  3. 前記板部の上面と下面の少なくとも一方に、前記上側フランジ部又は前記下側フランジ部の端部と平行に延びる突条部を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の金属板接合構造。
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