JP4045775B2 - 自動車の側部車体構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、フロントピラー、ヒンジピラー、サイドシル、ルーフサイド、センタピラーのキャブサイド各部のレインフォースメントを構成する平板同士を溶接した後、プレス加工して一体的に形成するような自動車の側部車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ルーフサイド、フロントピラー、ヒンジピラー、センタピラー、サイドシルの各々をそれぞれ別々にプレス加工により成形し、これらの各部材を治具にセットして溶接することで、キャブサイドを構成したものがあるが、この場合には複数の治具を必要とするばかりでなく、溶接時に位置ずれが生ずる問題点があった。
【0003】
このような問題点を解決するために、図13,図14に示すような自動車の側部車体構造がある。
すなわち、プレス加工前(図14参照)の板材の状態下において各板材を溶接し、この溶接されたものを1つの型にセットして、キャブサイドを一度に形成するものである。
【0004】
つまり、図14にプレス加工前の状態を模式的に示し、図13に数工程プレス加工後の状態を模式的に示すように、ルーフサイドおよびセンタピラーを構成するT字状の板材81と、フロントピラーを構成する板材82と、ヒンジピラーを構成する板材83と、サイドシルにおけるセンタピラーとの連結部を構成する板材84と、サイドシル前部を構成する板材85と、サイドシル後部を構成する板材86とを、プレス加工前(図14参照)の平板の状態下において溶接箇所91〜96にて突き合わせ溶接し、このキャブサイド素材97(いわゆるキャブサイド・ブランク)を1つの型にセットして、数工程のプレス加工により一体のキャブサイド(図13参照)を形成するものである。
【0005】
このように構成することにより、単一のプレス型にてキャブサイドを形成することができると共に、予め上述の溶接箇所91〜96にて溶接されているので、位置ずれの懸念もない。
【0006】
しかし、図13,図14の構成の場合には板材81〜86の必要数量が多く、部品点数が大となる問題点があった。すなわち、板材81の強度要求は側突に対する剛性確保の関係上、「大」となり、板材84の強度要求は「中大」となり、板材85,86の強度要求は「小」となる。
【0007】
このように、車体側部の各部における強度要求に加えて、ヒンジピラーやサイドシルは耐水性を確保するために、腐食防止用のメッキ加工が施された板材が必要となる等の要求により、板材81〜86の必要数量が必然的に多くなるものである。
【0008】
上記図13,図14の構成は、インナパネルにも、またはレインフォースメントにも適用することができ、仮に、レインフォースメントに適用し、上述の強度要求を満足させるために、板材81の板厚を厚く設定すると、この板材81をアウタパネル(この場合はセンタピラーアウタ)に溶接手段にて接合する際に、レインフォースメント(板材81参照)よりも板厚が薄いアウタパネルとの板厚の差に起因して、アウタパネルが溶接時に溶け、良好な溶接が阻害されるので、センタピラー部分の一体化が困難となる。
【0009】
このような問題点を解決するために、センタピラー部の板材81の板厚を他部の板厚と同等に設定し、強度不足分を別のレインフォースメンで補う構成を採用すると、部品点数がさらに増加する問題点があった。
【0010】
なお、特開平8−243770号公報にはフロントピラー、ヒンジピラー、サイドシル、ルーフサイドのキャブサイド各部の板部材同士をプレス加工後に溶接し、溶接後にプレス加工を施してキャブサイドを一体的に形成した構造が開示されているが、同公報に記載されたものにおいても上述と同様の問題点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、サイドシルより上方のセンタピラー部に突出させた位置にサイドシルレインとセンタピラーレインとの接続部を設け、センタピラーレインはサイドシルレインより高強度の部材に設定すると共に、センタピラーレインには第2のレインが設けられ、この第2のレインの下部をサイドシルの一部に突出させることで、車体側部の要求を確保して、部品点数を抑えつつ、センタピラー部の剛性向上を図ることができ、また、上記サイドシルレインは、サイドシルアウタとサイドシルインナとの接合部に対して車外側に突出する断面形状を有し、上記第2のレインは、第2のサイドシルレインと第2のセンタピラーレインとを備え、上記第2のサイドシルレインがセンタピラーとの連結部に節を形成することにより、車体前後の曲げモードが作用した時、上述の節によりセンタピラー下部が前後に引かれるのを防止することができ、さらに、上記センタピラーレインは、センタピラーアウタとセンタピラーインナとの接合部に対して車外側に突出し、かつ上記センタピラーレインの上部はその車外側への突出部の中間が接合部側に凹む断面形状の凹部を有し、上記第2のセンタピラーレインは上記突出部に沿う形状に形成されると共に、センタピラ ーレインと第2のセンタピラーレインとが少なくとも上記凹部で溶接されることにより、センタピラーレインの上部と下部とで車両前後方向の板長 ( いわゆる板の幅 ) を同等にすることができて、プレス成形の容易化を図り、かつ、上述の凹部を溶接時の位置合わせに有効利用することができて、溶接を容易に行なうことができるうえ、凹部の形成により剛性の向上をも達成することができる自動車の側部車体構造の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明による自動車の側部車体構造は、フロントピラー、ヒンジピラー、サイドシル、ルーフサイド、センタピラーのキャブサイド各部のレインフォースメントを構成する平板同士を溶接した後、プレス加工して一体的に形成する自動車の側部車体構造であって、サイドシルより上方のセンタピラー部に突出させた位置にサイドシルレインとセンタピラーレインとの接続部を設け、センタピラーレインはサイドシルレインより高強度の部材であると共に、センタピラーレインには第2のレインが設けられ、該第2のレインの下部がサイドシルの一部に突出され、上記サイドシルレインは、サイドシルアウタとサイドシルインナとの接合部に対して車外側に突出する断面形状を有し、上記第2のレインは、第2のサイドシルレインと第2のセンタピラーレインとを備え、上記第2のサイドシルレインはセンタピラーとの連結部に節を形成し、上記センタピラーレインは、センタピラーアウタとセンタピラーインナとの接合部に対して車外側に突出し、かつ上記センタピラーレインの上部はその車外側への突出部の中間が接合部側に凹む断面形状の凹部を有し、上記第2のセンタピラーレインは上記突出部に沿う形状に形成されると共に、センタピラーレインと第2のセンタピラーレインは少なくとも上記凹部で溶接されたものである。
【0013】
上記構成の高強度の部材は、剛性要求に対応して、超高張力鋼板(いわゆる超ハイテン鋼板)に設定してもよく、サイドシルレインは高張力鋼版(いわゆるハイテン鋼板)に設定してもよい。
【0014】
上記構成によれば、センタピラーレインをサイドシルレインに対して高強度に設定すると共に、このセンタピラーレインには強度不足分を補う第2のレインを設け、この第2のレインの下部をサイドシルの一部に突出させたので、車体側部の要求を確保して、部品点数を抑えながら、センタピラー部の剛性向上を図ることができる。
【0015】
すなわち、センタピラー部においては高強度のセンタピラーレインと第2のレインとの組合わせにより、充分な剛性向上を図ることができ、サイドシル部においてはサイドシルレインと第2のレインの下部突出部分とにより、必要な剛性確保を図ることができ、それでいて、部品点数の増加を抑止することができる。
【0016】
また、上記サイドシルレインは、サイドシルアウタとサイドシルインナとの接合部に対して車外側に突出する断面形状を有し、上記第2のレインは、第2のサイドシルレインと第2のセンタピラーレインとを備え、上記第2のサイドシルレインがセンタピラーとの連結部に節を形成するので、車体前後の曲げモードが作用した時、上述の節によりセンタピラー下部が前後に引かれるのを防止することができる。
【0017】
さらに、上記センタピラーレインは、センタピラーアウタとセンタピラーインナとの接合部に対して車外側に突出し、かつ上記センタピラーレインの上部はその車外側への突出部の中間が接合部側に凹む断面形状の凹部を有し、上記第2のセンタピラーレインは上記突出部に沿う形状に形成されると共に、センタピラーレインと第2のセンタピラーレインは少なくとも上記凹部で溶接されたものである。
【0018】
このように、センタピラーレインの上部には上述の凹部を形成したので、センタピラーレインの上部と下部とで車両前後方向の板長 ( いわゆる板の幅 ) を同等にすることができて 、プレス成形の容易化を図ることができる。
また、上述の凹部を溶接時の位置合わせに有効利用することができて、溶接を容易に行なうことができるうえ、凹部の形成により剛性の向上をも達成することができる。
【0019】
この発明の一実施態様においては、上記接続部は上下方向に延びるセンタピラーレインの下部に形成されたものである。
上記構成によれば、車両側突時にセンタピラーレインが車体内方へ曲がるポイントを、可及的下部の接続部のポイントに設定することができて、乗員保護を図ることができる。
【0020】
この発明の一実施態様においては、上記第2のサイドシルレインはセンタピラーとの連結部近傍においてサイドシル内に第2の節を形成するものである。
上記構成によれば、車体前後の曲げモードが作用した時、上述の節によりセンタピラー下部が前後に引かれるのを防止することができる。
【0021】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は自動車の側部車体構造を示し、プレス加工前の状態を模式的に示す図1において、フロントピラーレインを構成する平板状の板材1Bと、ヒンジピラーレインを構成する平板状の板材2Bと、ルーフサイドレインおよびセンタピラーレインを構成する平板状の板材3Bと、サイドシルレインおよびセンタピラーレインとの連結部を構成する平板状の板材4Bとを設け、これらの各平板状の板材1B,2B,3B,4Bをプレス加工の前段階において、平板状の状態下にて溶接箇所5,6,7,8(溶接部)にて突き合わせ溶接して、キャブサイドレインの素材(ブランク)としてのキャブサイドレインブランク9Bを構成している。
【0022】
上述の溶接箇所5〜8のうち板材3Bと板材4Bとの車両前後方向に指向する溶接箇所8(接続部)は、プレス加工後(図2参照)においてサイドシル29(図10、図11参照)より上方のセンタピラー27部(図8、図9、図10参照)に突出した位置で、かつ上下方向に延びるセンタピラーレイン32(図3参照)の下部に位置するように設定されている。図1に示すキャブサイドトレイン9Bを数工程プレス加工すると、図2に模式的に示すように成る。
【0023】
また、図2において点線で示す符号10,11,12は第2のレインであって、10は第2のルーフサイドレイン、11は第2のセンタピラーレイン、12は第2のサイドシルレインであり、これらの各第2のレイン10,11,12は図1に示すキャブサイドレインブランク9Bのプレス加工後(図2参照)において後付けにより溶接されるものである。
【0024】
ここで、図2に示す上述の第2のセンタピラーレイン11はその下部11aがサイドシル29内(図10、図11参照)の一部に突出されるものである。
また、上述のセンタピラーレイン32(図3参照)を構成する板材3B(図1参照)はサイドシルレイン4(図2参照)を構成する板材4B(図1参照)よりも高強度の部材に設定されている。例えば、板材3Bとしては超高張力鋼板(いわゆる超ハイテン鋼板)が用いられ、板材4Bとしては高張力鋼板(いわゆるハイテン鋼板)が用いられる。
【0025】
図1に示すキャブサイドレインブランク9Bを数工程プレス加工すると、図2に模式的に、また図3に具体的に示すようなキャブサイドレイン9が一体的に形成される。
すなわち、フロントピラーレイン1と、ヒンジピラーレイン2と、ルーフサイドレイン31と、センタピラーレイン32と、サイドシルレイン4とが前述の溶接箇所5,6,7,8で一体化されたキャブサイドレイン9となり、サイドシル29(図10、図11参照)より上方のセンタピラー27部(図8、図9、図10参照)に突出した位置に、サイドシルレイン4とセンタピラーレイン32との接続部(接合部)としての溶接箇所8が位置する。
【0026】
図4はルーフサイドレイン31に接合される第2のルーフサイドレイン10を示し、図5はセンタピラーレイン32に接合される第2のセンタピラーレイン11を示し、図6はサイドシルレイン4に接合される第2のサイドシルレイン12を示す斜視図である。
【0027】
図7は図3のA−A線矢視に相当する断面図であって、車両の前後方向に延びるルーフサイドレールアウタ13とルーフサイドレールインナ14とのルーフサド閉断面15内に上述のルーフサイドレイン31が設けられ、このルーフサイドレイン31の車内側には上述の第2のルーフサイドレイン10が接合される。
【0028】
図7に示すように、上述のルーフサイドレイン31はルーフサイドレールアウタ13とルーフサイドレールインナ14との接合部16に挟持して溶接され、この接合部16の上部にはルーフパネル17が接合される。なお、18はルーフサイドレールアウタ13と一体または一体的に形成されたセンタピラーアウタ、19はルーフサイドレールインナ14と一体または一体的に形成されたセンタピラーインナであり、図中の黒丸部は溶接により形成されるナゲット(溶接部)を示す。
【0029】
図8は図3のB−B線矢視に相当する図、図9は図3のC−C線矢視に相当する断面図であって、車両の上下方向に延びるセンタピラーアウタ18とセンタピラーインナ19とのセンタピラー閉断面20内に上述のセンタピラーレイン32が設けられ、このセンタピラーレイン32の前後両端部はセンタピラーアウタ18とセンタピラーインナ19との接合部21,21に挟持して溶接される。
【0030】
また、センタピラーレイン32の車内側には第2のセンタピラーレイン11が接合されるが、上述のセンタピラーレイン32はセンタピラーアウタ18とセンタピラーインナ19との接合部21,21に対して車外側に突出する突出部32aを有している。
【0031】
さらに、上述のセンタピラーレイン32の車両上下方向の上部(図5において凹部11bが形成されている範囲L参照)は、その車外側への突出部32aの中間、望ましくは中央部が所定長さの範囲にわたって接合部21,21側に凹む断面形状の凹部32bを有する。
【0032】
上述のセンタピラーレイン32の車内側に接合される第2のセンタピラーレイン11は図5、図9、図8に示すように上述の突出部32aおよび凹部32bに沿う如く、その車両上下方向の上部には所定長さの範囲Lにわたって突出部11aおよび凹部11bが形成されていて、図8、図9に示すようにセンタピラーレイン32と第2のセンタピラーレイン11とは少なくとも上記凹部32b,11bの複数離間部位が溶接手段にて互に接合される。
【0033】
図10は図3のD−D線矢視に相当する断面図、図11は図3のE−E線矢視に相当する断面図であって、車両の前後方向に延びるサイドシルアウタ22とサイドシルインナ23とのサイドシル閉断面24内に上述のサイドシルレイン4が設けられ、このサイドシルレイン4の車内側には第2のサイドシルレイン12が接合される。
【0034】
上述のサイドシルレイン4は、図11に示すように、サイドシルアウタ22とサイドシルインナ23との上下の接合部25,26に対して車外側に突出する断面形状を有する。
【0035】
図10に示すように、上述のサイドシルレイン4はセンタピラー27(図8、図9参照)との連結部28において前述の溶接箇所8まで上方に突出する突出部4aを有し、一方、図3、図10に示すように第2のセンタピラーレイン11はその下部11aがサイドシル29内の一部に突出されている。
【0036】
図6、図10、図11に示すように上述の第2のサイドシルレイン12は車両の前後方向に延びる水平部12aと、この水平部12aの車内側に一体に折曲げ形成されて車両の前後方向に延びる内方縦片部12bと、上述の水平部12aの車外側に一体に折曲げ形成されて車両の前後方向に延びる外方縦片部12cと、各部12a,12cの車両前後方向の両端部に一体形成された前後の節部12d,12dと、この節部12dから前方または後方に向くように一体に折曲げ形成された接合片12e,12fとを有するものである。
【0037】
而して、図10に示すように、上述の内方縦片部12bはセンタピラーインナ19を介してサイドシル29の上側の接合部25に接合され、外方縦片部12cは第2のセンタピラーレイン11の下部11aを介してサイドシルレイン4に接合されて、両縦片部12b,12c間の水平部12aにて、サイドシル29とセンタピラー27との連結部28に節30が形成されている。この節30はサイドシル29の上面に相当する位置に形成されている。
【0038】
また、図11に示すように、節部12dに一体折曲げ形成された各接合片12e,12fをサイドシルレイン4の車内側面に接合して、該節部12dにより、サイドシル29とセンタピラー27との連結部28の近傍において、サイドシル29内には車両の前後方向に離間した前後の2位置に第2の節33,33が形成されている。
【0039】
このように、図1〜図11で示した実施例の自動車の側部車体構造は、フロントピラー、ヒンジピラー、サイドシル、ルーフサイド、センタピラーのキャブサイド各部のレインフォースメント1,2,31,32,4を構成する平板(板材1B,2B,3B,4B参照)同士を溶接した後、プレス加工してキャブサイトレイン9を一体的に形成する自動車の側部車体構造であって、サイドシル29より上方のセンタピラー27部に突出させた位置にサイドシルレイン4とセンタピラーレイン32との接続部(溶接箇所8参照)を設け、センタピラーレイン32はサイドシルレイン4より高強度の部材であると共に、センタピラーレイン32には第2のレイン(第2のセンタピラーレイン11参照)が設けられ、該第2のレインの下部11aがサイドシル29内の一部に突出されたものである。
【0040】
この構成によれば、センタピラーレイン32をサイドシルレイン4に対して高強度に設定すると共に、このセンタピラーレイン32には強度不足分を補う第2のレイン(第2のセンタピラーレイン11参照)を設け、この第2のレインの下部11aをサイドシル29内の一部に突出させたので、車体側部の要求を確保して、部品点数を抑えながら、センタピラー27部の剛性向上を図ることができる。
【0041】
すなわち、センタピラー27部においては高強度のセンタピラーレイン32と第2のレイン(第2のセンタピラーレイン11参照)との組合わせにより、充分な剛性向上を図ることができ、サイドシル29部においてはサイドシルレイン4と第2のレイン(第2のセンタピラーレイン11参照)の下部11aの突出部分とにより、必要な剛性確保を図ることができ、それでいて、部品点数の増加を抑止することができる。
【0042】
具体的には各部材32,11によりセンタピラー27に要求される「大」の強度要求を満たすことができ、各部材4,12によりサイドシル29に要求される「中大」の強度要求を満たすことができる。
【0043】
また、上記接続部(溶接箇所8参照)は上下方向に延びるセンタピラーレイン32の下部に形成されたものである。
この構成によれば、車両側突時にセンタピラーレイン32が車体内方へ曲がるポイントを、可及的下部の接続部(溶接箇所8参照)のポイントに設定することができて、乗員保護を図ることができる。
【0044】
さらに、上記サイドシルレイン4は、サイドシルアウタ22とサイドシルインナ23との接合部25,26に対して車外側に突出する断面形状を有し、上記第2のレインは、第2のサイドシルレイン12と第2のセンタピラーレイン11とを備え、上記第2のサイドシルレイン12はセンタピラー27との連結部28に節30(図10参照)を形成するものである。
この構成によれば、車体前後の曲げモードが作用した時、上述の節30によりセンタピラー27下部が前後に引かれるのを防止することができる。
【0045】
加えて、上記第2のサイドシルレイン12はセンタピラー27との連結部28近傍においてサイドシル29内に第2の節33(図3、図11参照)を形成するものである。
この構成によれば、車体前後の曲げモードが作用した時、上述の節33によりセンタピラー27下部が前後に引かれるのを防止することができる。
【0046】
しかも、上記センタピラーレイン32は、図8に示す如くセンタピラーアウタ18とセンタピラーインナ19との接合部21に対して車外側に突出し、かつ上記センタピラーレイン32の上部はその車外側への突出部32aの中間が接合部21側に凹む断面形状の凹部32bを有し、上記第2のセンタピラーレイン11は上記突出部32aに沿う形状に形成されると共に、センタピラーレイン32と第2のセンタピラーレイン11は少なくとも上記凹部32aで溶接されたものである。
【0047】
この構成によれば、センタピラーレイン32の上部には上述の凹部32bを形成したので、センタピラーレイン32の上部と下部とで車両前後方向の板長(図1に示すプレス前の板材3Bの前後方向の幅参照)を同等にすることができて、プレス成形の容易化を図ることができる。
また、上述の凹部32bを溶接時の位置合わせに有効利用することができて、溶接を容易に行なうことができるうえ、凹部32bの形成により剛性の向上をも達成することができる。
【0048】
図12はセンタピラー27部の断面構造の他の実施例を示し、図8の実施例ではセンタピラーレイン32の突出部32aの中間部、望ましくは中央部に1つの凹部32bを形成したが、図12に示すこの実施例ではセンタピラーレイン32の突出部32aの中間部に2つの凹部32b,32bを一体形成したものである。
このように、センタピラーレイン32の突出部32aに複数の凹部32bを一体形成すると、センタピラー部の剛性をさらに向上させることができる。
【0049】
なお、図12に示すこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については図1〜図11で示した先の実施例と同様であるから、図12において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0050】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の平板は、実施例の板材1B,2B,3B,4Bに対応し、
以下同様に、
フロントピラー、ヒンジピラー、サイドシル、ルーフサイドのキャブサイド各部のレインフォースメントは、
フロントピラーレイン1、ヒンジピラーレイン2、サイドシルレイン4、ルーフサイドレイン31、センタピラーレイン32に対応し、
サイドシルレイン4とセンタピラーレイン32との接続部は、溶接箇所8に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】
この発明によれば、サイドシルより上方のセンタピラー部に突出させた位置にサイドシルレインとセンタピラーレインとの接続部を設け、センタピラーレインはサイドシルレインより高強度の部材に設定すると共に、センタピラーレインには第2のレインが設けられ、この第2のレインの下部をサイドシルの一部に突出させることで、車体側部の要求を確保して、部品点数を抑えつつ、センタピラー部の剛性向上を図ることができる効果があり、また、上記サイドシルレインは、サイドシルアウタとサイドシルインナとの接合部に対して車外側に突出する断面形状を有し、上記第2のレインは、第2のサイドシルレインと第2のセンタピラーレインとを備え、上記第2のサイドシルレインがセンタピラーとの連結部に節を形成することにより、車体前後の曲げモードが作用した時、上述の節によりセンタピラー下部が前後に引かれるのを防止することができ、さらに、上記センタピラーレインは、センタピラーアウタとセンタピラーインナとの接合部に対して車外側に突出し、かつ上記センタピラーレインの上部はその車外側への突出部の中間が接合部側に凹む断面形状の凹部を有し、上記第2のセンタピラーレインは上記突出部に沿う形状に形成されると共に、センタピラーレインと第2のセンタピラーレインとが少なくとも上記凹部で溶接されることにより、センタピラーレインの上部と下部とで車両前後方向の板長 ( いわゆる板の幅 ) を同等にすることができて、プレス成形の容易化を図り、かつ、上述の凹部を溶接時の位置合わせに有効利用することができて、溶接を容易に行なうことができるうえ、凹部の形成により剛性の向上をも達成することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の自動車の側部車体構造を示すプレス加工前の側面図。
【図2】 本発明の自動車の側部車体構造を模式的に示すプレス加工後の側面図。
【図3】 同プレス加工後の具体的な側面図。
【図4】 第2のルーフサイドレインを示す斜視図。
【図5】 第2のセンタピラーレインを示す斜視図。
【図6】 第2のサイドシルレインを示す斜視図。
【図7】 図3のA−A線矢視断面図。
【図8】 図3のB−B線矢視断面図。
【図9】 図3のC−C線矢視断面図。
【図10】 図3のD−D線矢視断面図。
【図11】 図3のE−E線矢視断面図。
【図12】 センタピラー部の断面構造の他の実施例を示す断面図。
【図13】 従来の自動車の側部車体構造を示すプレス加工後の側面図。
【図14】 従来の自動車の側部車体構造を示すプレス加工前の側面図。
【符号の説明】
1…フロントピラーレイン(レインフォースメント)
2…ヒンジピラーレイン(レインフォースメント)
4…サイドシルレイン(レインフォースメント)
1B,2B,3B,4B…板材(平板)
8…溶接箇所(接続部)
11…第2のセンタピラーレイン(第2のレイン)
12…第2のサイドシルレイン(第2のレイン)
18…センタピラーアウタ
19…センタピラーインナ
21…接合部
22…サイドシルアウタ
23…サイドシルインナ
25,26…接合部
27…センタピラー
28…連結部
29…サイドシル
30…節
31…ルーフサイドレイン(レインフォースメント)
32…センタピラーレイン(レインフォースメント)
32a…突出部
32b…凹部
33…第2の節
Claims (3)
- フロントピラー、ヒンジピラー、サイドシル、ルーフサイド、センタピラーのキャブサイド各部のレインフォースメントを構成する平板同士を溶接した後、プレス加工して一体的に形成する自動車の側部車体構造であって、
サイドシルより上方のセンタピラー部に突出させた位置にサイドシルレインとセンタピラーレインとの接続部を設け、
センタピラーレインはサイドシルレインより高強度の部材であると共に、センタピラーレインには第2のレインが設けられ、該第2のレインの下部がサイドシルの一部に突出され、
上記サイドシルレインは、サイドシルアウタとサイドシルインナとの接合部に対して車外側に突出する断面形状を有し、
上記第2のレインは、第2のサイドシルレインと第2のセンタピラーレインとを備え、
上記第2のサイドシルレインはセンタピラーとの連結部に節を形成し、
上記センタピラーレインは、センタピラーアウタとセンタピラーインナとの接合部に対して車外側に突出し、
かつ上記センタピラーレインの上部はその車外側への突出部の中間が接合部側に凹む断面形状の凹部を有し、
上記第2のセンタピラーレインは上記突出部に沿う形状に形成されると共に、センタピラーレインと第2のセンタピラーレインは少なくとも上記凹部で溶接された
自動車の側部車体構造。 - 上記接続部は上下方向に延びるセンタピラーレインの下部に形成された
請求項1記載の自動車の側部車体構造。 - 上記第2のサイドシルレインはセンタピラーとの連結部近傍においてサイドシル内に第2の節を形成する
請求項1記載の自動車の側部車体構造。
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