JPH0738528Y2 - 長尺板の連結部の捨板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、長尺板、特に横葺金属屋根板の横方向の連結
部の裏面に配する捨板に関するものである。

［従来の技術］ 横葺金属屋根は、長尺の金属屋根板を横方向に連結させ
るとともに、下段より上段へ順次金属屋根板の上下縁を
係合させて接続して葺いていくものである。

横方向の連結部には、左右の溝等の差し込み部を有する
継手を配し、左右の屋根板端を差し込み部に差し込み連
結する。そしてこの連結部は、上部より雨水が侵入し易
いため、この侵入した雨水を確実に下段の屋根板表面に
導き排出するために、この連結部の下面に捨板が配置さ
れている。しかしこの捨板は、雨水の屋根裏への侵入を
防ぐとともに、連結部よりずれが生じないように捨板に
凹所を設け、継手が密接に保持されるようにしてある。

［考案が解決しようとする問題点］ 従来の長尺板の連結構造においては、捨板が継手に密接
するように構成されているので、捨板上に侵入した雨水
が溢れ出たり、あるいは表面張力によって屋根裏に染み
出す欠点があった。

［問題点を解決するための手段］ そのために本考案は、捨板の凹所に継手載置用の係止段
を形成し、継手との間に空所を設け、かつ継手を確実に
保持し得るようにしたものである。

この空所を設けることにより、侵入した雨水を確実に下
方へ導くことが可能であり、表面張力による捨板より屋
根裏への雨水の染み出し等のおそれを無くすものであ
る。

［実施例］ 本考案の捨板１は、上端に表面への立上がり部２と下端
に裏面への折曲片３、そして両側に立上がった水返し片
4,5を有しており、長手方向の中央部に継手とほぼ同一
幅の凹所６を形成してある。そしてこの凹所の両側壁6
a、6bには係止段7a、7bを形成してある。

使用状態は、第２図に示すように、継手８の両下縁8a、
8bを係止段7a、7bに掛け渡すように載置する。9a、9bは
屋根板等の長尺板である。

［考案の効果］ 本考案は、第２図に示すように捨板の係止段7a、7bの間
に継手８が掛け渡されるように載置され、捨板１と継手
８間に空所10が形成されるので、連結部に侵入した雨水
はこの空所を流路として導かれ下段の屋根板表面に排出
される。そして従来の連結構造のように継手と捨板とが
密接することにより屋根裏への雨水のオーバーフロー、
あるいは毛細管現象による染み出し等を無くすことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、斜視図。 第２図は、使用状態を示す図。 １…捨板、4,5…水返し ６…凹所、7a、7b…係止段 ８…継手、９…長尺板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】横葺金属長尺板を連結部の裏面に配置する
   捨板において、長手方向の中央部に継手とほぼ同一幅の
   凹所を形成してあり、この凹所の両側壁に内方向の段を
   形成し、継手の係合および載置用の係止段としてあり、
   底部を雨水の流路としてなる長尺板の連結部の捨板。