JPH0737216U

JPH0737216U - トレーラ式小型多目的消防自動車

Info

Publication number: JPH0737216U
Application number: JP2341693U
Authority: JP
Inventors: 佳計平野
Original assignee: トーハツ株式会社; 東京いすゞ自動車株式会社; いすず自動車株式会社
Priority date: 1993-04-09
Filing date: 1993-04-09
Publication date: 1995-07-11
Anticipated expiration: 2008-04-09
Also published as: JP2605656Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】小さな町村や地区単位の消防団でも所有しや
すい、設備費用が安いのに多目的、多機能の小型消防自
動車を考案した。【構成】小型トラックをベースとするけん引車とそれ
にけん引されるトレーラとをけん引装置により着脱可能
に連結し、けん引車とトレーラのそれぞれに消防活動に
必要な装置、付属品、器具類を架装または積載させた。
さらに、けん引車は、赤色回転灯とサイレンを有し、ト
レーラを外した状態でも消防活動に従事可能とした。ト
レーラは、消防作業内容別に装置、付属品、器具類を架
装または積載させて専門化させ、１台のけん引車と選択
的に連結可能とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、広く各種の消防活動に従事する消防自動車に関するものである。本考案はその中でも特に、小型のけん引車とトレーラとで連結構成し、けん引車単独で、またはけん引車と消防作業内容別に専門化させたトレーラとの選択連結により、多目的に消防活動を行えるようにした、トレーラ式小型多目的消防自動車を提供するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、我国では、消防活動を行なう消防自動車は単独の車であり、それぞれ作業内容別に専門化して、ポンプ消防車、化学車、放水塔車、はしご車、救助工作車、照明電源車、防災指導車、可搬消防ポンプ積載車等に分かれていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】

火災の大規模なもの、あるいは通常の規模の火災においても、能力の大きい大型車、例えば大型消防ポンプ車等の方が役に立ちやすい。しかし、現場の状況によっては、大型車では火災現場に近づけず、小型車の方が作業をするために現場に近づきやすい場合も多い。さらに、小型車でも災害現場に近づけない時は、車から消防ポンプや救助器具を下ろして、人力で運ぶこともある。大都市の区や一般の市町単位での消防署なら大型車を所有し、揃えることもできるが、小さな町村や地区単位の消防団ならば、小型可搬消防ポンプや小型消防ポンプ車、可搬消防ポンプ積載車が費用的に手頃なものとなる。しかし、小型車では大型車より能力的に災害活動能力が低い。作業内容別に専門化させた小型車を数多く持つこともできない。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】

本考案では、小型トラックをベースとするけん引車とそれにけん引されるトレーラとをけん引装置により着脱可能に連結し、けん引車とトレーラのそれぞれに消防活動に必要な装置、付属品、器具類を架装または積載させた。さらに、けん引車は、赤色回転灯とサイレンを有し、トレーラを外した状態でも消防活動に従事可能とした。トレーラは、消防作業内容別に装置、付属品、器具類を架装または積載させて専門化させ、１台のけん引車と選択的に連結可能とした。そのトレーラには、例えば消防ポンプ、化学消火装置、吸水タンク、救助工作機具等（付属品を含む。）を別別に架装させている。

【０００５】

【作用】

１台のけん引車と消防作業内容別に専門化した複数台のトレーラを所有し、災害現場の状況に応じて選択的に組合せて使用することができるし、けん引車は赤色回転灯とサイレンを有しトレーラを外した状態でも消防活動に従事可能としたから、機動的に多目的に消防活動を行うことができる。小型消防自動車の特徴はそのまま生きており、単独の小型消防自動車数台を所有するよりもはるかに安上がりである。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を図で説明する。１は、けん引車になる車であって、ベースは５００kg〜２ｔ積クラスのダブルキャブ、４輪駆動の小型トラックである。この荷台に電源用の発動発電機２と、照明灯３及びそれを上下昇降させる油圧式昇降装置１１を架装している。その他消防自動車として必要な赤色回転灯４、サイレン５等を設けている。さらにトレーラをけん引するためのけん引装置６をシャシー後部に設けている。このけん引装置６は、トレーラを容易に脱着して、交換できる。７がけん引されるほうのトレーラである。１つの車軸と被けん引装置８を有し、けん引車１と連結可能である。トレーラ７の台上には、可搬消防ポンプ９と、消火器、ホース１０等のポンプ消火活動に必要な付属器具類が積載されており、現物ですぐ放水消火活動に入れるようになっている。このけん引車１とトレーラ７が１組になって、消防自動車として機能する。けん引車１は、ダブルキャブであるから数人の消防士を乗せて火災現場にかけつけることができる。車が小型であるから、大型車では近づけない火災現場にも近づける。４輪駆動であるから、悪路でも走行力が大である。現場では、けん引車１自身は照明灯を油圧式昇降装置で高く持ち上げ、発電して火災現場を照らす照明車として機能する。ポンプ消火用トレーラ７は、水源より水を吸い上げ放水して、消防ポンプ車として機能する。従って、トレーラ式小型消防自動車は、単独の消防自動車２台分の機能を発揮することができる。

【０００７】さらに、火災現場では、水源と放水場所が離れている場合が多く、そのような場所では消防ポンプは水源の近くに置いて、送水用のホースを１００メートル以上も長くつないで伸ばして行く必要があるが、本案の場合はけん引車１とポンプ消火用トレーラ７を火災現場で分離し、ポンプ消火用トレーラ７を水源の近くに置いて、けん引車１をホースカーとしてホースを伸ばす作業をさせることができて、人力の場合より能率的に作業を進めることが出来る。また、けん引車１は、独立したトラックであるから、災害のない普通の日には、消防用トレーラを外して、単独で広報活動等を行なうことができる。但し、けん引車１は、ダブルキャブ、４輪駆動に限定するものではない。

【０００８】消防用トレーラは、図で示した消防ポンプの架装、積載に限らない。図示しないが、例えば化学消火装置と付属品を架装することにより、小型化学消防車として機能する。給水タンク装置を架装すれば、吸水タンク車として機能する。救助工作機具類を積むことにより、広く救助車として機能する。例えば、クレーン付、ウインチ付等では物を持ち上げることができる。送風機、送風管等の排煙装置を備えれば排煙車として機能する。即ち、トレーラを消防作業内容別に装置、付属品、器具類を架装または積載させて、専門化した消防トレーラとするのである。

【０００９】

【考案の効果】

本考案によるトレーラ式小型消防自動車は、小型消防自動車としての特徴を失ってはおらず、大型車では入れないような火災現場にも近づける。トレーラ式小型消防自動車は、けん引車とトレーラが別々に消防装置等を架装または積載しているから小型消防自動車２台分の機能を有することになる。さらに、トレーラを消防作業内容別に専門化した消防トレーラとし、それらを複数台所有して火災現場の状況に応じてけん引車とトレーラの組合せを変えることで多目的な使い方をすることができる。この場合、作業別の小型消防自動車を複数台所有するよりも、はるかに安上がりである。地区単位の消防団でも所有することが可能になるだろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のトレーラ式小型多目的消防自動車の１
実施例の側面図。

【符号の説明】

１けん引車２発動発電機３照明灯４赤色回転灯５サイレン７トレーラ６，８けん引装置９可搬消防ポンプ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】小型トラックをベースとするけん引車と
それにけん引されるトレーラとから成り、けん引装置に
より着脱可能に連結されており、けん引車とトレーラの
それぞれに消防活動に必要な装置、付属品、器具類を架
装または積載させたことを特徴とするトレーラ式小型多
目的消防自動車。
【請求項２】けん引車は、そのキャビン屋根上に赤色
回転灯とサイレンを有し、さらに電源用の発動発電機
と、照明灯及びそれを上下昇降させる油圧式昇降装置を
架装している請求項１のトレーラ式小型多目的消防自動
車。
【請求項３】トレーラは、消防作業内容別に装置、付
属品、器具類を架装または積載させて専門化させ（一例
として、可搬消防ポンプとそれに必要な付属品、器具類
を積載し、放水消火活動を専門とするトレーラ）、けん
引車と選択的に連結可能としたことを特徴とする請求項
１、請求項２のトレーラ式小型多目的消防自動車。