JPH0736705Y2 - 遊技機のコイン研磨装置における研磨ペレット分離装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は合成樹脂を素材として米粒よりやや小さい小塊
状に形成された研磨用のペレットを用いて、遊技機械に
使用する特製のコインの汚れを除去するようにしたコイ
ン研磨装置において、研磨終了後のコインと研磨ペレッ
トを分離するための装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来のコイン研磨装置における研磨ペレット分離装置
は、円筒形に形成したシリンダーの周側板に、研磨ペレ
ットは通過するがコインは通過できない孔を多数貫設す
るとともに、該周側板の内面に多数の突片を斜め方向へ
向けて突設したものの中へ、コインと研磨ペレットが混
合されたものをシリンダーの一端から入れ、シリンダー
を回転させると、コインと研磨ペレットが突片により持
ち上げられて落下することによって他端方向へ移動し、
その途中で研磨ペレットが多数の孔から外部へ落下し、
コインだけがシリンダーの他端部から外へ出るようにな
っていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の前記研磨ペレット分離装置においては、コインと
研磨ペレットがシリンダーの内周面の突片によって持ち
上げられて落下するようになっていたので、落下する際
に研磨ペレットの一部が突片などに当って跳ね飛び、そ
れが隔壁のないシリンダー内を自由に跳ね飛び、シリン
ダーの出口よりコインと共に出る研磨ペレットが相当に
多くあって、研磨ペレットを十分に分離できないという
欠点があった。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記の欠点を解消するのを目的としたものであ
って、円筒形に形成したシリンダーの周側板に、研磨ペ
レットは通過するがコインは通過できない形状の孔を多
数貫設するとともに、該シリンダーの内径とほぼ等しい
外径を有するスクリューをシリンダーの内部に嵌挿して
該シリンダーにスクリューを一体に固定し、かつ該シリ
ンダの内周面に撹拌片を突設し、駆動装置によって該シ
リンダーとスクリューとを一体に回転可能に構成すると
ともに、その下方にペレットを受承するためのホッパー
を設けた研磨ペレット分離装置を提供するものである。

〔実施例〕

図面に基づいて本考案の実施例を説明する。第１図に示
すのは、コイン研磨装置の一部に設けた研磨ペレット分
離装置の概略図であって、基枠１の上部にはシリンダー
２を主体とする分離装置が設けてある。該シリンダー２
は、第２図に示すように金属板などの周側板３により両
端面が開放された円筒形に形成され、かつ該周側板３に
は、研磨ペレットは通過するがコインは通過できない大
きさの孔４を、ほぼ全周面に貫設してあり、かつ入口側
（第２図の右側）の端面は、その周縁の内側につば部５
が設けてある。また第５図に示すようにシリンダー２の
内周面の相対向する２か所には、撹拌片６が長手方向
に、ほぼ全長にわたり適宜固定手段によって突設されて
いる。７は回動軸８に撹拌羽根９を螺旋状に付設したス
クリューであって、該撹拌羽根９の外径はシリンダー２
の内径とほぼ等しく形成されている。そして、スクリュ
ー７をシリンダー２内に挿入すると共に、撹拌羽根９の
外周をシリンダー２の内周面に溶接により固着して該シ
リンダー２とスクリュー７とが一体化されている。な
お、スクリュー７の撹拌羽根９には第５図に示すように
撹拌片６と交差する部分に切欠き9a,9aが設けられてお
り、該切欠き9a,9aによってシリンダー２内へのスクリ
ュー７の挿入を可能としている。また、シリンダー２を
円筒型に合体する前にスクリュー７を嵌挿する場合には
図示しないが撹拌片６にスクリュー７の撹拌羽根９を上
方から臨ませるための切欠きを設ければよい。

前記シリンダー２が収納されている分離室10は、左右の
側板11と前面板12および後面板13とによって構成され、
上面には蓋板14が設けられ、下面は開放されている。ま
た前面板12と後面板13の中央部にそれぞれ軸受15,15が
設けられており、該軸受15,15にスクリュー７の回動軸
８の両端の細径軸16,16が支承されている。これによっ
て、シリンダー２とスクリュー７とが一体に回転可能な
ようになっている。また前面板12における軸受15の下部
には、コインと研磨ペレットの混合物を流入させるため
の入口17が開口されており、該入口17の下端縁は、シリ
ンダー２のつば部５の端縁の円弧状の形状および位置と
ほぼ等しくなっており、さらにまた該入口17には、上面
が開放された受け箱18が連設されている。なお該受け箱
18の下部は、湾曲した形状に形成され、かつシリンダー
側へ下がる傾斜状となっており、その下端縁の形状は、
入口17の下部の形状とほぼ等しくなっている。また該受
け箱81のほぼ前面には、シリンダー２と同様な孔４が多
数貫設されており、またその周辺にはカバー19が設けら
れている。

後面板13に設けてある軸受15の下部には、コインを排出
するための出口20が開口されており、該出口20の周辺に
はほぼ形状に形成された流出用ガイド21が設けられて
いて、ダクト22に連通している。またシリンダー２の出
口側に突出されたスクリュー７の細径軸16にはプーリ23
が固着され、上方に設けられた減速モータ24のプーリ25
との間にベルト26が掛装されている。従って、該モータ
24の駆動によりシリンダー２とスクリュー７とが一体に
なって低速（例えば１分間に30回転）で回転し、かつシ
リンダー２とスクリュー７とは該スクリュー７によりコ
インが出口20方向に移動するようにその回転方向が設定
されている。また前記受け箱18の前下部よりシリンダー
２の後部の下部に至る間には、ホッパー27が設けられて
いる。

〔作用〕

第１図に示す研磨ペレット分離装置の下方に設けられた
図示しないコイン研磨装置においては、コインをナイロ
ンなどの合成樹脂からなる小塊状の研磨ペレットと共に
研磨装置に入れて、混合撹拌して研磨することが行なわ
れるが、コインの研磨が終ると、該コインと研磨ペレッ
トとの混合物を揚送装置によって上方へ揚送し、研磨ペ
レット分離装置の受け箱18内へ上方から流化すると混合
物はシリンダー２の入口17から内部へ流入される。シリ
ンダー２内に入った場合物は、回転しているシリンダー
の周側板３の内面によって持ち上げられるが、自重によ
りその途中で落下し、さらにまた周側板３の内面に設け
られた撹拌片６によってさらに上方へ持ち上げられて落
下する。このように混合物は、持ち上げられては落下し
ながらシリンダー２と一体に回転するスクリュー７の撹
拌羽根９に沿って出口側へ移動する。

シリンダー２の周側板３には多数の孔４が設けられてい
るので、混合物が持ち上げられたり、落下したりしてい
る間に、研磨ペレットが孔４より外部へ排出され、下方
のホッパー27内に落下する。なお研磨ペレットの落下は
受け箱18においても行なわれる。シリンダー２の長さを
適当な長さに設定しておけば、混合物が出口20に達する
までに研磨ペレットは全て排出され、コインのみが出口
より出て、流出用ガイド21およびダクト22を経て図示し
ないコイン貯留室内に流出する。なお前記撹拌片６の数
は２個以外の数としてもよい。

〔考案の効果〕

上述のように本考案の分離装置は、シリンダー内におい
て該シリンダーと一体に回転するスクリューの撹拌羽根
に沿ってコインと研磨ペレットの混合物が落下と前進を
繰り返えしながら出口に向けて順序よく移動を続けるの
で一部のものが遅れたり、早く行き過ぎたりすることが
ない。またスクリューの撹拌羽根が隔壁の役目をしてい
るので、研磨ペレットが飛び跳ねても該撹拌羽根に当っ
て遠くに飛び散ることが防止され、研磨ペレットが出口
から出るようなことがない。また混合物が上方へ持ち上
げられて落下するようになっているので、混合物の撹拌
が充分に行なわれ、研磨ペレットがシリンダーの周側板
の孔から落下して排出されることが十分に行なわれる。
従ってコインと研磨ペレットの分離を確実に行なうこと
ができ、排出されるコインに研磨ペレットが混入するこ
とができないのでコインを取り扱う段階において支障を
生ずることがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第１図は分
離装置の概略図、第２図はシリンダーを主とする主要部
分の一部省略および一部切断側面図、第３図は分離室の
入口側の一部切断正面図、第４図は同じく出口側の正面
図、第５図はシリンダー内にスクリューを挿入した状態
を示す断面図である。 ２……シリンダー、３……周側板、４……孔、６……撹
拌片、７……スクリュー、９……撹拌羽根、10……分離
室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】円筒形に形成したシリンダーの周側板に、
   研磨ペレットは通過するがコインは通過できない形状の
   孔を多数貫設するとともに、該シリンダーの内径とほぼ
   等しい外径を有するスクリューをシリンダーの内部に嵌
   挿して該シリンダーにスクリューを一体に固定し、かつ
   該シリンダーの内周面に撹拌片を突設し、駆動装置によ
   ってシリンダーとスクリューとを一体に回転可能に構成
   するとともに、その下方にペレットを受承するためのホ
   ッパーを設けたことを特徴とする遊技機のコイン研磨装
   置における研磨ペレット分離装置。