JPH0736360Y2 - 写真焼付現像機における写真感光材料搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は写真焼付現像機における写真感光材料搬送装
置、より詳しくは写真感光材料を焼付部から現像部へと
送り渡す搬送装置での、写真感光材料の圧着、解除機構
に関する。

（従来の技術） 従来この種の搬送装置として本出願人が提案した装置
（実開昭63-347号，実開昭63-14249号）では、焼付部内
に備えた円筒周面を有する搬送ドラムと前記円筒周面上
に接離自在に設けた先端圧着杆により、焼付処理されて
焼付部より送り込まれる写真感光材料の先端を前記搬送
ドラムの円筒周面上に圧着挾持して、この搬送ドラムの
回転により現像部に向けて搬送している。

この間、一対の圧着ローラ、駆動ローラより成る中間駆
動部に写真感光材料の先端を受け渡した後、先端圧着杆
による圧着を解除して搬送ドラムを停止させ、圧着ロー
ラとの間に写真感光材料を圧着挾持した駆動ローラの回
転によって写真感光材料の両側縁部を支持するガイドに
沿って搬送しており、現像部側の一対の送り込みローラ
に送り渡した後、中間駆動部の圧着、駆動ローラとこの
送り込みローラによって写真感光材料を焼付部より現像
部内へ送り込んでいる。

しかし、前記圧着、駆動ローラと送り込みローラの搬送
速度を完全に同期させるのは技術的に困難であるため、
中間駆動部の駆動ローラを若干速い速度で回転させるよ
うにし、この駆動ローラを間欠駆動させることによって
中間駆動部と送り込みローラの間に常時ループを形成し
て両者の搬送速度の差を緩衝していた。

（考案が解決しようとする課題） このような従来の搬送装置では、中間駆動部の圧着、駆
動ローラと現像部側の送り込みローラとの搬送速度の差
を緩衝するために、中間駆動部の駆動ローラを間欠駆動
させているが、常時圧着状態であるために、駆動ローラ
の停止時には搬送途中の写真感光材料の一部分が圧着さ
れたままとなる。

このため、圧着されたままの部分の乳剤が異常を来たし
て現像時に増感や減感等の現像不良が発生し、現像仕上
りに悪影響を及ぼしていた。

そこで本考案は上記課題を解決するために、中間駆動部
の圧着ローラを接離自在として圧着による現像仕上りへ
の悪影響を解消することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案の搬送装置は、円筒周
面を有する搬送ドラムの周面中央に設けた切欠部にカム
部材を設けると共に、一端部に小径ローラを、他端部に
圧着ローラを回転自在に支持する圧着作動腕を左右のド
ラム面の間で軸支し、この支軸に巻き付けたバネによっ
てこの圧着作動腕を常時圧着作動方向に付勢して搬送ド
ラムと共に回転する前記カム部材によって圧着ローラを
駆動ローラに圧着、離間させるようにした。

（作用） 上記構成により、焼付部より送り込まれる写真感光材料
の先端を先端圧着杆によって搬送ドラムの円筒周面に圧
着挾持し、搬送ドラムの回転により写真感光材料を現像
部方向に搬送する。この際、バネによって常時圧着方向
に付勢されている圧着作動腕は搬送ドラムの切欠部に設
けられたカム部材によって圧着解除方向に偏向されてお
り、この圧着作動腕に支持された圧着ローラは駆動ロー
ラより離間しているが、搬送ドラムの回転と共にカムも
回転するため前記偏向力が解除されて、圧着腕はバネの
付勢力によって圧着方向に回動し、圧着ローラは駆動ロ
ーラに圧着して搬送ドラム表面に圧着挾持されて来る写
真感光材料の先端を受け取る。

写真感光材料を受け渡して先端圧着杆の圧着を解除し、
搬送ドラムは更にある程度回転した位置で停止する。こ
れにより写真感光材料は中間駆動部の圧着、駆動ローラ
により、両側縁部を支持するガイドに沿って送られ、現
像部側の一対の送り込みローラ間に挾持される際、送り
込みローラ直前に備えられた検出センサーにより、写真
感光材料の現像部側への送り渡しを検出すると搬送ドラ
ムを逆回転させて圧着ローラの圧着を解除して、その後
は現像部側の送り込みローラのみで写真感光材料を焼付
部より現像部内に送り込むようにする。

その後現像部側の送り込みローラによって写真感光材料
を所定長さ送った後、搬送ドラムを再び正転させて圧着
ローラを駆動ローラに圧着し、駆動ローラを送り込みロ
ーラよりも高速で回転させることにより中間駆動部と送
り込みローラ間にループを形成する。このループ形成を
ループ検出センサが検出すると、カッタが作動して写真
感光材料を切断し、切断部以後は送り込みローラによっ
て現像部内に送り込まれ、切断部以前は切断位置に待機
して次の作動開始に備えるようにする。

（実施例） 次に、本考案に係る搬送装置の具体的実施例を図面を用
いて説明する。

第１〜４図において、１は搬送ドラムで、周面中央に切
欠部３を設けて左右のドラム面1a、1aを有し、支軸２で
回転可能に支持しており、左右のドラム面1a、1aにはこ
のドラム面に対して接離自在な先端圧着杆4,4が設けら
れている。切欠部３には円形状のカム５と細片状のカム
６により成るカム部材が設けられており、カム５、カム
６の近傍には支持部材7a、7bより成る圧着作動腕７が支
軸８で回動自在に支持されると共に、支軸８に巻付けら
れたバネ13により常時圧着方向に付勢されており、この
作動腕７の支持部材7a側の一端部には小径ローラ９が支
軸10で、支持部材7b側の一端部には圧着ローラ11が支軸
12でそれぞれ回転自在に支持されている。

上記構成による本願の搬送装置は第３図に示すとおり、
写真焼付現像機14内に備えられており、焼付部15から送
り込まれて来る写真感光材料Ｐを現像部16へと送り渡す
過程において、搬送ドラム１の切欠部３に形成したカム
5,6により、圧着ローラ11を接離自在に作動させるよう
にしたものである。

前記した写真感光材料Ｐを送り渡す過程を第４図におい
て順次説明すると、第4-a図は焼付部15から送り込まれ
て来た写真感光材料Ｐの先端を先端圧着杆４で搬送ドラ
ム１のドラム面1aに圧着、挾持した状態で、圧着と同時
に搬送ドラム１は矢印Ａ方向に回転し、写真感光材料Ｐ
はこれに連れて搬送されて行く。この時支軸８に巻き付
けたバネ13により駆動ローラ17方向に回動するよう付勢
されている圧着作動腕７は、支持部材7aの一端部に設け
られた小径ローラ９がカム５の大径部5aに当接している
ため、作動腕７の回動は規制されており、支持部材7bの
一端部に設けられた圧着ローラ11は、対向する位置に設
けられた駆動ローラ17からは離れている。（第２図参
照） 第4-b図は第4-a図より搬送が進んだ状態で、写真感光材
料Ｐの先端を圧着挾持した先端圧着杆４が圧着、駆動ロ
ーラ11,17より成る中間駆動部18に接近している。この
時小径ローラ９と当接しつつ回転して来たカム５は小径
部5bが小径ローラ９と当接する位置に来るため、作動腕
７は矢印Ｂ方向に回動して圧着ローラ11が駆動ローラ17
に圧着する。

第4-C図は先端圧着杆４がドラム面1aより離れて写真感
光材料Ｐを中間駆動部18に受け渡した状態で、搬送ドラ
ム１は先端圧着杆４が圧着、駆動ローラ11,17により搬
送されて行く写真感光材料Ｐの邪魔にらならない位置で
停止する。

この時小径ローラ９は支持部材7aと支持部材7bの他端部
を連結した引張りバネ19に抗して第4-b図矢印Ｂ方向に
若干回動してカム５の小径部5bを乗り越えた後、引張り
バネ19に引き戻され、支持部材7bの他端部に当接して停
止している。（第1,2図参照） この後写真感光材料Ｐは、両側縁部をガイド20によって
支持されて中間駆動部18の圧着、駆動ローラ11,17によ
り現像部16へと送られる。（第３図参照） 第4-d図は写真感光材料Ｐの先端が現像部16側の一対の
送り込みローラ21に送り渡された事をこの送り込みロー
ラ21の直前に設けられた検出センサ22が検知した状態
で、検出センサ22からの信号により、搬送ドラム１は若
干逆転（矢印Ｃ方向）して停止する。この時小径ローラ
９はカム６の外周面6aと当接するため圧着作動腕７が矢
印Ｄ方向に回動して圧着ローラ11は駆動ローラ17から離
れる。（第３図参照） この後写真感光材料Ｐは現像部16の送り込みローラ21の
みによって現像部16へ送り込まれて行き、任意に設定し
た所定長さ送り込むと、焼付部15の制御部（図示省略）
より発せられた切断信号により切断時の写真感光材料Ｐ
の逃げを防止するため、搬送ドラム１は再び第4-C図の
状態まで回転して写真感光材料Ｐを圧着し、駆動ローラ
17は送り込みローラ21より高速で回転して、中間駆動部
18、送り込みローラ21間にループＬを形成する。このル
ープＬの形成をループセンサ23が検知するとカッタ24が
作動して写真感光材料Ｐを切断し、切断部以後は送り込
みローラ21によって現像部16内に送り込まれて行き、切
断部以前は第4-C図の状態で次の作動開始に備える。
（第３図参照） （考案の効果） 本考案は上記の通り、写真焼付現像機における写真感光
材料搬送装置、特に焼付部から送り込まれる写真感光材
料を、搬送ドラムの円筒周面に圧着して現像部に送り渡
す装置において、中間駆動部での写真感光材料の圧着、
解除を自在とし、中間駆動部での圧着を写真感光材料の
先端を中間駆動部より現像部の送り込みローラに送り渡
すまでの間と、切断直前のループ形成時より切断までの
間として、焼付部より現像部まで任意に設定した所定長
さを連続して送り渡す間は圧着を解除して現像部の送り
込みローラによる搬送のみとした。このため、従来中間
駆動部における圧着状態のままで間欠駆動を行なうこと
により発生していた増感、減感等の現像不良を解消する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した搬送装置の要部斜視図、第２
図は同上の側面図、第３図は本考案の搬送装置を備えた
写真焼付現像機の内部構成を示す概略側面図、第４図は
本考案の搬送装置による搬送過程を順次示す概略側面図
である。 １……搬送ドラム、４……先端圧着杆、５、６……カ
ム、７……圧着作動腕、11……圧着ローラ、17……駆動
ローラ、21……送り込みローラ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】周面中央に切欠部を設けた円筒周面を有す
   る搬送ドラムと、左右のドラム面に備えた、搬送する写
   真感光材料の先端を挾持する先端圧着杆より成る写真感
   光材料搬送装置において、前記切欠部にカム部材を形成
   すると共に、一端部に小径ローラを、他端部に圧着ロー
   ラを支持する圧着作動腕を回動自在に設けたことを特徴
   とする写真焼付現像機における写真感光材料搬送装置。
2. 【請求項２】前記カム部材は、前記切欠部に設けた大径
   部と小径部を有する円形状のカムとこのカムの前記小径
   部に近接して設けられた細片状のカムにより形成される
   ことを特徴とする請求項第一項記載の写真感光材料搬送
   装置。
3. 【請求項３】前記圧着作動腕は一端部に小径ローラを回
   転自在に支持する支持部材と、一端部に圧着ローラを回
   転自在に支持する支持部材より成り、両支持部材の他端
   部同士を重ねてこれを挿通する支軸によってカム部材に
   近接した位置に回動自在に支持されており、この支軸に
   巻きつけられたバネによって圧着作動腕は常時前記ドラ
   ム面に近接して設けられた駆動ローラ方向に付勢されて
   いることを特徴とする請求項第一項または第二項記載の
   写真感光材料搬送装置。