JP2669568B2 - ネガフイルム供給装置 - Google Patents

ネガフイルム供給装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数本のネガフイルムを
順次焼付装置へと供給するネガフイルム供給装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現像後のネガフイルムを用いて印画紙等
へ焼付作業を行う場合には、ネガフイルムをネガキヤリ
アへ一本毎にセツトし、プリント操作キーを操作して光
源からの焼付光をネガフイルムを通して印画紙等へ露光
するようになっている。従って複数本のネガフイルムを
順次焼付ける場合には作業者がそのつどネガフイルムの
セツト及びプリント操作キーの操作を必要とする。
【0003】また大量のネガフイルムを連続して焼付を
行う場合には、ネガフイルムを接着テープ等で直列に接
続してリールに巻取り、このリールを焼付装置に装填し
て自動的に全てのネガフイルムの焼付を行う場合もあ
る。しかし焼付後には連結したフイルムを各別に切断し
て焼付プリントと照合する必要があったり、ネガフイル
ムに傷を付ける原因ともなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、複数本のネガフイルムを一度にセツトすることが
でき、セツト後は自動的に複数本のネガフイルムが順次
焼付装置へと供給されるネガフイルム供給装置を得るこ
とが目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本出願の請求項1に係る
発明は、複数本のネガフイルムを順次焼付装置へと供給
するネガフイルム供給装置であって、積層状態でかつ長
手方向が湾曲状とされた多数本のネガフイルムの少なく
とも先端部付近を保持する保持部材と、これらのネガフ
イルムのうち湾曲最内側にあるネガフイルムの先端部へ
長手方向引張力を加えてネガフイルムを順次焼付装置へ
供給する送り出し手段と、を有することを特徴としてい
る。
【0006】本出願の請求項2に係る発明は、複数本の
ネガフイルムを順次焼付装置へと供給するネガフイルム
供給装置であって、積層状態でかつ長手方向が湾曲状と
された多数本のネガフイルムの少なくとも先端部付近を
保持する保持部材と、ネガフイルムへ長手方向駆動力を
付与して焼付装置へと送り出す送り出しローラと、前記
保持部材を前記送り出しローラへと接近させ前記湾曲最
内側にあるネガフイルムの先端部を前記送り出しローラ
へと押圧させる作動手段と、を有することを特徴として
いる。
【0007】本出願の請求項3に係る発明は、前記作動
手段はネガフイルムをネガフイルムの長手方向と平行な
軸回りに旋回させて前記ローラへ押圧させることを特徴
としている。
【0008】
【作用】本発明では複数本のネガフイルムが積層状態で
かつ長手方向が湾曲状とされてネガフイルム供給装置へ
とセツトされる。これらのネガフイルムは先端部が保持
部材によって保持されることによって積層状態とされ
る。好ましくはこの保持部材はネガフイルムの幅方向端
部付近または幅方向端面であるエツジ部分を保持するこ
とによってネガフイルムの画像に傷付きを生じさせるこ
となく、かつネガフイルムを長手方向へ移動可能に保持
するのがよい。これらのネガフイルムは湾曲内側にある
ネガフイルムからその先端部へ長手方向引張力が加えら
れて焼付装置へと送られる。従ってネガフイルムの湾曲
最内側にあるネガフイルムは先端部が焼付装置へと送ら
れて焼付装置による引張力を受けるとその湾曲形状がさ
らに小さく湾曲する状態となる。このためこの最内側に
あるネガフイルムはセツト状態においてこれと接触して
いた湾曲最内側の2枚目にあるネガフイルムと肉厚方向
に離れる力を生じ、積層状態でセツトされかつ長手方向
へ相対移動することによってネガフイルムが送り出され
る場合にも密着されたネガフイルムが互いに摩擦を生じ
ることによる画像面の傷付きがなくなる。
【0009】
【実施例】図1〜図2には本発明の実施例が適用された
ネガフイルム供給装置10が示されている。
【0010】現像処理が行われた後のネガフイルムFは
多数枚が積層状態でかつ湾曲状態とされてテーブル12
上へと載置される。これらのネガフイルムFはその幅方
向が垂直方向となるようにテーブル12上へと設置され
る。このネガフイルムFの湾曲状態を維持したり、かつ
立設状態を維持させるためにテーブル12上の適宜箇所
に軸心を垂直としてガイドローラ14が軸支されて自由
に回転できるようになっている。
【0011】図3〜図5にはこれらのネガフイルムFの
先端部を保持するための保持部材であるホルダ16が示
されている。このホルダ16は薄肉板材が略コ字型に屈
曲されており、屈曲された両脚部16Aがネガフイルム
Fのエツジ部へ挟持力を付与して多数のネガフイルムF
を積層状態で保持するようになっている。これらの脚部
16A間の間隔は先端部にかけて次第に狭くなるように
(角度0〜30度程度)構成してもよい。また好ましく
は脚部16Aの対向面間に多数枚のネガフイルムFを互
いに分離した状態で保持するための微小凹凸や柔軟繊維
等を形成したり植設させることができる。一例としてこ
の分離材料としては多数本の繊維の先端部が屈曲若しく
は拡径された、又は多数本の繊維の両端が植設されたル
ープ状とされた布材を貼り付けることができる。このよ
うにネガフイルムFはホルダ16へ保持され、肉厚方向
には移動しにくいが長手方向には容易に移動できるよう
になっている。
【0012】このホルダ16はその中間部から立設され
るピン18が回動アーム22を貫通し、先端部にストツ
パ24が固定されている。またこのピン18の回りには
圧縮コイルばね26が介在されてホルダ16を回動アー
ム22から離間する方向へと付勢している。回動アーム
22は図3に示される如くネガフイルムFの長手方向
(図3紙面直角方向)と平行な軸心を有する回転軸28
へその一端が固着されている。この回転軸28は無端ベ
ルト29を介してモータ31へと連結されて回転駆動力
を受け、図3に示される如く待機状態である立設状態か
ら送り出し状態である平伏状態へと矢印A方向に回転で
きるようになっている。この送り出し状態ではホルダ1
6がネガフイルムFの幅方向を水平状態とし、かつテー
ブル12上へとその一部が露出される送り出しローラ3
2へと湾曲最内側のネガフイルムFの先端部を押圧でき
るようになっている。この送り出しローラ32は図4、
図5に示される如く無端ベルト34を介してモータ36
と連結されており、モータ36の駆動力によって湾曲最
内側のネガフイルムFを焼付装置38へと矢印B方向に
送り出すようになっている。
【0013】送り出しローラ32の下流側にはネガフイ
ルムFの搬送軌跡の上側及び下側に挟持搬送ローラ4
2、43が配置され、挟持搬送ローラ43は無端ベルト
34を介してモータ36と連結されて送り出しローラ3
2と同様にネガフイルムFの駆動力も付与できるように
なっている。挟持搬送ローラ42は作業者の操作により
旋回上昇して挟持搬送ローラ43と接離する構成であ
る。またこれらの挟持搬送ローラ42、43の下流側に
はセンサ44が配置され、ネガフイルムFの先端部や後
端部を検出して焼付装置38を駆動制御できるようにな
っている。またこのセンサ44はネガフイルムFの画像
を検出して焼付装置38への送り量を制御する等の役目
も有する。
【0014】次に本実施例の作用を説明する。現像処理
が行なわれた後の複数のネガフイルムFはその先端部を
ホルダ16へと積層状態で保持させる。このホルダ16
への保持は図3の右方から左方へネガフイルムFの先端
を肉厚方向に押圧させることによって行う。多数枚のネ
ガフイルムFの中間部及び後端部も積層状態とし、図2
に示される如くガイドローラ14に案内させながら湾曲
状態とさせる。
【0015】ここで焼付開始ボタンを操作すると、モー
タ31は回動アーム22をホルダ16と共に図3の待機
状態から送り出し状態へと旋回させる。従って図6、図
7に示される如くネガフイルムFの先端部のみが長手方
向の回りに90度回転されて湾曲最内側のネガフイルム
Fが送り出しローラ32へと押圧される。これと共にモ
ータ36が送り出しローラ32を回転させるので湾曲最
内側のネガフイルムFはその先端部が挟持搬送ローラ4
2、43を通って焼付装置38へと矢印B方向に送られ
る。この送り出し状態において先端部付近から引張力を
受ける湾曲最内側のネガフイルムFはその湾曲(特に図
7の曲率半径R)がさらに縮少する方向に屈曲するので
2枚目のネガフイルムFとは離間する力が作用し、長手
方向へ移動して焼付装置38へ送られる場合にもネガフ
イルムの画像に傷付きを生ずることはない。
【0016】好ましくは湾曲最内側のネガフイルムFの
先端部が挟持搬送ローラ42、43へ挟持された後は再
びモータ31を逆回転させてホルダ16を待機状態まで
上昇させる。これによってネガフイルムFの送り出しが
さらに円滑になる。湾曲最内側のネガフイルムFの末尾
がセンサ44によって確認されると再びモータ31が回
転して2枚目のネガフイルムFが送り出しローラ32へ
押圧されることによって長手方向駆動力を受けて焼付装
置38へと送られる。このようにして湾曲内側のネガフ
イルムFから焼付装置38へと順次送られるが、常に搬
送されるネガフイルムFは湾曲をさらに小さくする方向
に力が作用するのでネガフイルムの傷付きが防止でき
る。
【0017】なお上記実施例においてホルダ16を回動
アーム22から取り外し可能に係合させることにより、
多数枚のネガフイルムFをホルダ16へその先端部を保
持させた後にこのホルダ16を回動アーム22へ取りつ
ければよく、操作性が向上する。また上記実施例ではホ
ルダ16を旋回させながら送り出しローラ32へ接近さ
せる構成を示したが、ホルダ16を直線的に移動させ
て、すなわち図7の状態でホルダ16を垂直に上下動さ
せて送り出しローラ32へ押圧させるようにしてもよ
い。またネガフイルムFは図6、図7の如く先端部を9
0度回転させることなく、図1、図2に示される状態の
まま図8に示される如く、軸心垂直配置のローラ駆動力
をネガフイルムの湾曲最内側のネガフイルムへ付与して
もよい。この場合には焼付装置38へ送られる途中でネ
ガフイルムを90度回転させたり、焼付装置38部分に
おける焼付光軸を図5の上下方向とは90度回転した方
向(図5の紙面直角方向)とすることになる。
【0018】さらに図9に示される如く図7とは逆の方
向にネガフイルムFの先端部を旋回させてもよい。この
場合には旋回させて幅方向が水平方向とされたネガフイ
ルムFの最上端部にあるネガフイルムFから、上方にあ
る軸心水平配置のローラ32へ接触させて焼付装置38
へと送り出すことによって湾曲最内側のネガフイルムF
を送り出すことができる。
【0019】なお上記実施例において、ネガフイルムへ
長手方向に駆動力を付与するためには、ネガフイルムを
移動してローラへ当てる場合のほか、ローラを移動して
ネガフイルムへ当てるようにしてもよい。
【0020】また上記実施例では、多数枚積層したネガ
フイルムを単に湾曲状に屈曲してテーブル12上へセツ
トしたが、ネガフイルムの末尾をループ状に巻回して設
置する等の他のセツトの態様でもよい。
【0021】さらに、図10に示される如くテーブル1
2上に平面形状がL字形の凹部12Aを設けネガフイル
ムFの中間部及び後端部を収容させるようにしてもよ
い。この凹部12Aの深さはネガフイルムFの幅寸法以
上とされており、ネガフイルムFがテーブル12上での
作業の妨げとならない。
【0022】
【発明の効果】本発明は上記の構成としたので確実にネ
ガフイルムを焼付装置へと順次供給することができる優
れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたネガフイルム供給装置の実
施例を示す平面図である。
【図2】図1の斜視図である。
【図3】実施例に係るホルダ及びその関連部品を示す側
面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図3の右側面図である。
【図6】ネガフイルムの送り出し状態を示す図1に対応
する平面図である。
【図7】図6におけるネガフイルム及びホルダの関係を
示す斜視図である。
【図8】ネガフイルムの幅方向を垂直方向としたまま焼
付装置へと送り出す状態を示す変形例の斜視図である。
【図9】図7とは逆方向にネガフイルム先端部を回転さ
せて焼付装置へと送り出す状態を示す斜視図である。
【図10】テーブル上に凹部を設けてネガフイルムの収
容用とした変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
F ネガフイルム 10 ネガフイルム供給装置 16 ホルダ(係持部材) 32 送り出しローラ 38 焼付装置

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本のネガフイルムを順次焼付装置へ
    と供給するネガフイルム供給装置であって、積層状態で
    かつ長手方向が湾曲状とされた多数本のネガフイルムの
    少なくとも先端部付近を保持する保持部材と、これらの
    ネガフイルムのうち湾曲最内側にあるネガフイルムの先
    端部へ長手方向引張力を加えてネガフイルムを順次焼付
    装置へ供給する送り出し手段と、を有することを特徴と
    したネガフイルム供給装置。
  2. 【請求項2】 複数本のネガフイルムを順次焼付装置へ
    と供給するネガフイルム供給装置であって、積層状態で
    かつ長手方向が湾曲状とされた多数本のネガフイルムの
    少なくとも先端部付近を保持する保持部材と、ネガフイ
    ルムへ長手方向駆動力を付与して焼付装置へと送り出す
    送り出しローラと、前記保持部材を前記送り出しローラ
    へと接近させ前記湾曲最内側にあるネガフイルムの先端
    部を前記送り出しローラへと押圧させる作動手段と、を
    有することを特徴としたネガフイルム供給装置。
  3. 【請求項3】 前記作動手段はネガフイルムをネガフイ
    ルムの長手方向と平行な軸回りに旋回させて前記ローラ
    へ押圧させる請求項2に記載のネガフイルム供給装置。
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