JPH0736125U - 眼鏡のレンズ止め機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レンズを眼鏡枠に簡単に取りつけられるよう
にする。 【構成】 弾性材料を使ったリムに爪を対設し、当該爪
間隔より広幅の切れ込みをレンズに設けて、リムを押し
広げながらレンズの切れ込みに爪を噛み込ませてレンズ
を取りつける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、レンズを眼鏡枠に固定する機構の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

眼鏡は凄まじい小ロット商品であって、個人の好みや顔の大きさの差異に合せ て、デザイン違いやサイズ違いの眼鏡枠が多品種要求とされる上、各人の利用目 的に合せ、異なった種類のレンズを使用することも必要とされる。この要求を全 て満たす程多種類の眼鏡を用意するのは不経済であり、眼鏡を販売する時点でセ ミカスタムのレンズを眼鏡枠に取り付ける方法が採られることも多い。けれども 、ほとんどの眼鏡販売は大掛かりな眼鏡製作機械などとは無縁の小売店で行われ るものであり、レンズの眼鏡枠への取り付けはどの小売店でもできる程に簡易な ものでなければならない。

【０００３】 このため、従来においては、リムと呼ばれるネジ開閉式周状部品にレンズを抱 き込ませたり、レンズに孔をあけて直接ネジ止めしたりするような方法で、レン ズを眼鏡枠へ取り付けるようにしておいた。確しかに、このような方法を用いれ ば、ネジの締め外しだけでレンズの交換取り付けが可能となるはずである。とこ ろが、リムにレンズを抱き込ませる方法を採用した場合には、リムが安定的に抱 き込めるレンズの形状、特に平面形状と周縁部形状に著しい制限があって、実際 の取り付けの際にレンズを色々と切削加工しなければならないという欠点があり 、また、レンズに孔をあけて直接ネジ止めする方法を採用した場合には、レンズ に孔を開けるときに相当の加工精度が必要とされ、特にディスカウント眼鏡店な どでは作業が拙速になりがちで加工精度が不十分となりレンズの取り付けが不安 定になるという問題があったのである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案においては、レンズを眼鏡枠に簡単に取り付けられるようにす ることを技術的課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

以下、上記課題解決のために本考案において採用した手段を説明すると、弾性 材料を用いたリムに所定間隔で爪を対設した上で、所望のレンズに切り込みを対 設し、レンズの切り込み間隔がリムに対設された爪の間隔より大きくなるように しておいて、リムを押し広げながら爪の間にレンズの切り込み部分を嵌め込んで 、レンズを保持させるというものである。この手段によれば、リムが直接レンズ に周接するわけではないので、レンズの形状にある程度自由が利くし、レンズに 切り込みを入れるのは孔を開ける程精度が要求されないので、どの眼鏡店でも簡 単にレンズ取り付けができるようになる。なお、本考案に採用したリムは、従来 リムと呼ばれるもののように直接レンズを抱き込む訳ではないが、形状に類似性 があるため便宜的にこの名を用いた。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案を実施例に基づいて説明する。

【０００７】 弾性金属材料を横長下開きコの字形に屈曲して、左右対称的なリム２・２を得 る。このリム２・２の正面両端寄りに、鉤形に屈曲した金属材を対向的にロウ付 けして爪３・３・…とする。

【０００８】 この爪３・３・…付きリム２・２をブリッジ４で連結し、更にリム２・２両脇 へ智５・５を付設してテンプル６・６を繋ぎ、所要のパッド７・７を取り付けて 眼鏡枠を作る。

【０００９】 ２枚のレンズ１・１を用意し、このレンズ１・１にそれぞれ２つずつ切り込み 11・11・…を対設する。１枚のレンズ１の切り込み11・11同士の間隔は、１つの リム２に付設した爪３・３の間隔よりも大きくなるようにする。

【００１０】 爪の間隔が広がるようにしてリム２・２をそれぞれ押し開き、爪３・３・…が 切り込み11・11・…に入り込むようにしながら、爪３・３・…の間にレンズ１・ １を挟み込む。すると、リム２・２が、爪３・３・…を介してレンズを弾性的に 挟持する。そして、レンズ１・１は、眼鏡枠に取り付けられる。

【００１１】 この取り付けに用いるレンズの外形は、爪の間隔より大きな横幅を持ちさえす ればどのようなものでも良いが、デザイン上の理由から本実施例においてはウエ リントン形を用いた。また、上記実施例においては、レンズの上縁がリムに沿う ようにしたが、これも単にデザイン上の理由からに過ぎない。なお、本考案のレ ンズ固定の機構では、レンズの切り込みが少しぐらい大きくなり過ぎても、弾性 的リムの挟持力でレンズが安定するので、レンズの加工にそれほどの精度が必要 とされない。更に、レンズに直接孔を開けてネジ止めするときには、眼鏡に加わ った変形力で、レンズの孔に剪断力的な力が生じる傾向があって、レンズの割れ が問題にされることが多いのに対し、本考案の方式では、それ程問題にならない という特徴もある。なお、本考案に用いるリムの形状はどのようなものでも良く 、例えば円形のものでも良い。また、レンズの切り込みの数と爪の数とを対応し て増やし、レンズの固定をより強固にすることも不可能ではない。このとき、例 えば爪の数を３つにしてそれぞれが正三角形の頂点に位置するように配置した場 合でも、３つの爪が対設されているものと本考案では定義する。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように、本考案によれば、弾性のあるリムに対設した爪で切り込みを入 れたレンズを挟持するという手段を採用することによって、レンズの形状を問わ ずレンズを眼鏡枠に取り付けでき、更に、レンズの加工がかなりラフでも安定的 に取り付けできるようになった。このように、本考案のレンズ止め機構は、産業 上の利用価値がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の分解組み立て図である。

【図２】実施例の部分拡大分解組み立て図である。

【符号の説明】

１ レンズ ２ リム ３ 爪

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 切り込みが対設されたレンズと、弾性材
   料を用いたリムと、レンズの切り込み間隔より小さな距
   離だけ離れた状態でリムに対設された爪とから構成さ
   れ、リムが押し広げられるようにしながら対設された爪
   間にレンズが切り込み部分で嵌め込まれて保持させるよ
   うになっていることを特徴とする眼鏡のレンズ止め機
   構。