JPH0735268B2 - 酸化チタン被膜の製造方法 - Google Patents

酸化チタン被膜の製造方法

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JPH0735268B2
JPH0735268B2 JP7003287A JP7003287A JPH0735268B2 JP H0735268 B2 JPH0735268 B2 JP H0735268B2 JP 7003287 A JP7003287 A JP 7003287A JP 7003287 A JP7003287 A JP 7003287A JP H0735268 B2 JPH0735268 B2 JP H0735268B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は酸化チタン被膜の製造方法に関し、特に処理溶
液と基材とを接触させて基材表面に酸化チタン被膜を形
成する酸化チタン被膜の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、酸化亜鉛を飽和させたチタンフッ化水素酸水溶液
にホウ酸を添加した処理液とガラス材とを接触させてガ
ラス材表面に酸化チタン被膜を製造する方法が知られて
いる。(例えば特開昭59−141441) 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記液相析出方法によれば、任意の形状のガラス材の表
面に酸化チタン被膜を形成できる利点を有するもののZn
O溶解の工程中飽和状態の判定がむずかしく、該ZnO溶解
量の誤差に基づいて添加すべきホウ酸量が大きく変動
し、被膜形成速度(析出速度)の制御がむずかしいとい
う問題点があった。又処理液中にZnイオン又はZnを含む
錯イオン等が存在するため、形成酸化チタン被膜中にZn
原子が取りこまれる可能性があり、該被膜中にZn原子が
取りこまれると被膜の屈折率にムラが生じる可能性もあ
った。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、
チタンフッ化水素酸を水溶液に、水溶液中のH2TiF6+2H
2OTiO2+6HFの平衡を右に進める添加剤を添加して酸
化チタンの過飽和溶液とした処理液と基材とを接触させ
て基材表面に酸化チタン被膜を形成する酸化チタン被膜
の製造方法において、該処理液として亜鉛を含まない水
溶液を用いるとともに該添加剤を処理液中のチタンフッ
化水素酸のモル数に対して4〜50倍のモル数、添加して
いる。
本発明に用いるチタンフッ化水素酸(H2TiF6)水溶液は
任意の濃度で使用できるが、酸化チタン被膜の形成速度
および作業性等の問題から0.1〜3モル/リットルの濃
度であることが好ましい。
該添加剤の添加量はH2TiF6溶液の濃度および温度、添加
剤の種類、形態、濃度等により調整されるが、H2TiF6
溶液の場合H2TiF61モルに対して4〜50モルの割合で添
加されることが必要である。添加量が下限よりも少ない
と基材がエッチングされたりする場合が生じやすく、添
加量が上限より多いと溶液中に沈殿等を生じやすくな
る。
該添加剤としては、金属酸化物、ホウ酸、金属水酸化
物、金属塩化物等チタンフッ化水素酸水溶液を酸化チタ
ン過飽和状態とするものならば任意の形状(粉末状、水
溶液状)で使用することができる。
又上記添加剤の内では、アルミニウム塩、水酸化ナトリ
ウム、ホウ酸が好ましく、アルミニウム塩としては、塩
化アルミニウム、水酸化アルミニウム等が例示でき、塩
化アルミニウムが良好な二酸化チタン被膜を得るうえで
最も望ましい。塩化アルミニウムが、良好な二酸化チタ
ン被膜を得るために最も望ましい理由はさだかではない
が処理液中の塩素イオンが二酸化チタン析出反応に何ら
かの形で関与するためと考えられる。
該処理液と基材との接触のさせ方としては、チタンフ
ッ化水素酸水溶液に基材を浸漬させた後該チタンフッ化
水素酸溶液に添加剤を添加する方法。添加剤の水溶液
に基材を浸漬させた後チタンフッ化水素酸水溶液を添加
する方法。チタンフッ化水素酸水溶液に添加剤を添加
した後、基材を浸漬する方法。チタンフッ化水素酸水
溶液に添加剤を添加した後基材表面を流下させる方法等
が例示される。
二酸化チタンを析出させる基材としては、該添加剤の添
加されたチタンフッ化水素酸の溶液と反応しないか又は
反応しにくい基板であれば使用することができ、ガラス
基板等のチタンフッ化水素酸のみの溶液に対しては反応
(エッチング)される基板であってもかまわない。又糸
状、線状、管状、板状、壺状等任意の形状の基材に適用
することができる。
上記処理液と基材とを接触させることが基材表面に二酸
化チタン被膜を形成することができるが、該二酸化チタ
ン被覆基材を加熱処理することも可能である。該加熱処
理を行なうと二酸化チタン被膜の基材に対する付着強度
が増加するので好ましい。
又該加熱は300〜600℃の温度で行なわれることが好まし
い。
〔実 施 例〕
実施例−1,比較例−1〜5 たて、横50mm、厚さ1mmのソーダライムガラスを十分に
洗浄、乾燥し、試料基材とした。また0.5mol/のH2TiF
6水溶液と1mol/のAlCl3の水溶液と300mlのビーカー6
個とを用意し各々のビーカーに0.5mol/H2TiF6水溶液1
00mlを入れ、1mol/のAlCl3水溶液10ml,50ml,70ml,100
ml,150ml(比較例−1〜5)および200ml(実施例−
1)を各々加え混合した。該ビーカー群を30℃の水浴上
に保持し、恒温に保った。この各処理液中に上記基材を
浸漬して16時間経過後に引きあげ、洗浄、乾燥した。
観察の結果、AlCl3水溶液を200ml加えた溶液(実施例−
1)に浸漬した基材の表面には被膜が均一に析出してお
り、他の基板はすべてエッチングされていた。該被膜の
膜厚を接触針式膜厚測定機にて測定した所約10nmであっ
た。又形成された被膜の組成をESCA(X線光電子分光)
を用いて分析した所Ti,O,および微量の不純物(ガラス
基板の成分)が検出され、該被膜が酸化チタン被膜であ
ったことが確認された。
実施例2〜9 比較例6 たて横50mm、厚さ1mmのソーダライムガラスを十分に洗
浄、乾燥し、試料基材とした。また40重量パーセントの
H2TiF6水溶液(約3.4mol/),0.7mol/H2TiF6水溶
液、1mol/のAlCl3の水溶液、0.5mol/のホウ酸の水
溶液を用意した。
上記各液を用い第1表に示す割合で混合し、300mlある
いは100mlのビーカーに取り35℃水浴あるいは室温(平
均18℃)に放置し、この処理液中に上記試料基材をそれ
ぞれ1枚づつ浸漬し、16時間保持した後、取り出して洗
浄乾燥した。その後接触針式膜厚測定機にて基材上に析
出した被膜の膜厚を測定した。実験条件および膜厚測定
結果を第1表に示す。
第1表において実施例2,4,8で作成したサンプルについ
てESCA(X線光電子分光)にて被膜の成分を分析したと
ころ実施例2においてはTi,O,および微量のガラス成
分、実施例4および8においてはTi,Oが検出され、酸化
チタンが成膜されているのが確認された。また比較例6
で作成したサンプルについては、液中に沈殿が生じほと
んどなにも成膜されていなかった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、溶液を用いた析出法によりガラス基材
等の表面に酸化チタン被膜を簡単に作成することができ
る。又処理液作成時に酸化亜鉛を飽和させる必要がない
ので、添加剤の添加量等が一定化し、反応の制御等が行
ないやすい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタンフッ化水素酸を含む水溶液に、水溶
    液中のH2TiF6+2H2OTiO2+6HFの平衡を右に進める添
    加剤を添加して酸化チタンの過飽和溶液とした処理液と
    基材とを接触させて基材表面に酸化チタン被膜を形成す
    る酸化チタン被膜の製造方法において、該処理液として
    亜鉛を含まない水溶液を用いるとともに該添加剤を処理
    液中のチタンフッ化水素酸のモル数に対して4〜50倍の
    モル数添加することを特徴とする酸化チタン被膜の製造
    方法。
  2. 【請求項2】該添加剤が塩化アルミニウムおよび/また
    はホウ酸である特許請求の範囲第1項記載の酸化チタン
    被膜の製造方法。
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