JPH0734953A - 信号処理装置 - Google Patents

信号処理装置

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JPH0734953A
JPH0734953A JP5182769A JP18276993A JPH0734953A JP H0734953 A JPH0734953 A JP H0734953A JP 5182769 A JP5182769 A JP 5182769A JP 18276993 A JP18276993 A JP 18276993A JP H0734953 A JPH0734953 A JP H0734953A
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Hiroyuki Itoyama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 要求値の算出結果が切り捨てられる量を先送
り量として保持し、次回以降の算出結果にこの保持量を
加算することにより、制御精度を向上させる。 【構成】 算出手段41が入力を受けて要求値を算出す
ると、この算出手段41の出力と先送り量を加算手段4
2が加算する。この加算結果が算出上の最小値を下回っ
たとき加算結果をこの最小値に、また加算結果が算出上
の最大値を上回ったとき加算結果をこの最大値に制限手
段43が制限し、この制限された加算結果を、また制限
されなかったときはその制限されなかった加算結果を出
力手段44が出力とする。保持手段45は、前記制限手
段43により切り捨てられる量を求め、その値を前記先
送り量として保持し、また切り捨てられる量がないとき
保持値をゼロとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は信号処理装置、特にエ
ンジン制御に使われるものに関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンに供給する燃料を制御するもの
として、吸気絞り弁の上流に設けたエアフローメータ出
力から供給燃料量を計算するものがある(特開平3−2
22849号公報参照)。
【0003】これは、エンジン制御をマイコンからなる
コントロールユニットにより行うもので、エアフローメ
ータからの出力(電圧値)がデジタル値に変換されてコ
ントロールユニットに入力される。
【0004】この入力値は、そのままでは吸入空気流量
に比例するものでなく、また過渡時には応答遅れを伴っ
た信号となっているため、入力値に一定の信号処理を加
えることによって、エアフローメータ部流量に精度良く
対応した値を算出するのである。
【0005】また、こうして算出したエアフローメータ
部流量Qsには、急加速時に吸気管内容積の圧力変化に
伴うオーバーシュートが生じるので、これをならすた
め、 Tp=(Qs/N)×K Avtp=Tp×Fload+Avtpn-1×(1−Fload)… ただし、N;エンジン回転数 K;ベース空燃比を与える定数 Fload;吸気管空気遅れ係数 Avtpn-1;前回のAvtp によりシリンダ吸気相当の基本噴射パルス幅Avtpを
求め、これを吸気ポートに設けた燃料噴射弁に出力して
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、絞り弁全開
で吸気脈動が非常に大きい場合(6気筒未満のエンジン
の場合)に、吸気脈動に伴う空気の逆流により吸入空気
流量の算出結果が負の値になり、また急加速時に算出結
果が算出上の最大値をオーバーフローすると、上記の装
置では、算出結果が負で0が、オーバーフローしたとき
は算出上の最大値が燃料制御にそれぞれ用いられる。負
の値を考慮するほど高精度の空燃比制御が要求されてお
らず、また算出上の最大値を上げるためには、吸入空気
流量のデータに与えるバイト数を大きくすることが必要
で、そうなると演算時間やコストが上昇してしまうた
め、算出範囲外の値を切り捨てていたわけである。
【0007】しかしながら、この切り捨て処理の後に、
上記の式のように特に積分処理を行う制御システムに
あっては、切り捨てられた量が積分後の遅れとなって制
御精度を落としてしまう。たとえば、図37に急加速時
の波形を示すと、吸入空気流量の算出結果(細線で示
す)が負となった部分が切り捨てられると、積分後の出
力であるシリンダ空気量相当信号(図ではAvtpr)
の出力が破線のように上昇してしまい、空燃比がリッチ
側にずれるエラーが生じるのである。また、急加速の初
期には吸気管内の空気充填のために算出結果がオーバー
フローするが、この算出上の最大値を上回ったオーバー
フロー分が切り捨てられるとシリンダ空気量相当信号に
遅れが生じ、リーン側にずれるエラーが発生する。
【0008】上記の切り捨て処理は、空気流量信号に限
るものでなく、他の信号(たとえば吸気絞り弁や制御弁
の開度信号、燃料信号など)を処理するときにも行われ
ており、排気性能への要求が厳しく問われる現在では、
このような切り捨て分が空燃比制御に与える影響を無視
できない。
【0009】そこでこの発明は、算出結果が負の値とな
りオーバーフローして切り捨てられる量を先送り量とし
て保持し、次回以降の算出結果にこの保持量を加算する
ことにより、制御精度を向上させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図1に示
すように、入力を受けて要求値を算出する手段41と、
この算出手段41の出力と先送り量を加算する手段42
と、この加算結果が算出上の最小値を下回ったとき加算
結果をこの最小値に、また加算結果が算出上の最大値を
上回ったとき加算結果をこの最大値に制限する手段43
と、この制限された加算結果を、また制限されなかった
ときはその制限されなかった加算結果を出力とする手段
44と、前記制限手段43により切り捨てられる量を求
め、その値を前記先送り量として保持し、また切り捨て
られる量がないとき保持値をゼロとする手段45とを設
けた。
【0011】第2の発明は、図39に示したように、セ
ラミックの周囲に発熱体を設けたセンサ部および発熱体
が一定の温度となるように発熱体への供給電流を制御す
る回路とからなる熱線式エアフローメータ71と、この
エアフローメータ71の指示流量Qshwの所定時間当
たりの変化量ΔQshw(=Qshw−Qsh
n−1)を算出する手段72と、この変化量ΔQsh
wで前記エアフローメータ指示流量Qshwを補正した
値を高周波分補正流量Qssとして算出する手段73
と、この高周波補正流量Qssの所定時間当たりの変化
量ΔQss(=Qss−Qssn−1)を算出する手段
74と、この変化量ΔQssを所定区間ごと(所定の時
間または所定のクランク角ごと)に積分しつつその積分
値を所定の速度で減衰させる手段75と、この積分減衰
手段75の出力Afleで前記高周波分補正流量Qss
を補正した値(たとえばQss+Afle)をエアフロ
ーメータ部流量として算出する手段76と、このエアフ
ローメータ部流量Qsに先送り量Okuriを加算する
手段77と、この加算結果が算出上の最小値を下回った
とき加算結果をこの最小値に、また加算結果が算出上の
最大値を上回ったとき加算結果をこの最大値に制限する
手段78と、この制限された加算結果を、また制限され
なかったときはその制限されなかった加算結果を出力と
する手段79と、前記制限手段78により切り捨てられ
る量を求め、その値を前記先送り量として保持し、また
切り捨てられる量がないとき保持値をゼロとする手段8
0とを設けた。
【0012】第3の発明は、図40に示したように、運
転条件信号がリーン条件であるかどうかを判定する手段
51と、この判定結果よりリーン条件ではこの条件に応
じた目標空燃比を、またリーン条件以外の条件になると
このリーン条件以外の条件に応じた目標空燃比を運転条
件信号に応じて算出する手段52と、この目標空燃比と
運転条件信号から基本噴射量を算出する手段53と、こ
の基本噴射量にもとづいて算出された燃料を吸気管に供
給する装置54と、吸気絞り弁55をバイパスする補助
空気流量を調整する制御弁56と、絞り弁開度信号から
絞り弁流路面積を算出する手段57と、前記制御弁56
の開度信号から制御弁流路面積を算出する手段58と、
この制御弁流路面積と前記絞り弁流路面積の合計を基本
流路面積として算出する手段59と、この基本流路面積
と前記目標空燃比から目標空燃比の切換時に切換の前後
でトルクを同一にするための目標流路面積を算出する手
段60と、この目標流路面積に先送り量Aokuriを
加算する手段61と、この加算結果が算出上の最小値を
下回ったとき加算結果をこの最小値に、また加算結果が
算出上の最大値を上回ったとき加算結果をこの最大値に
制限する手段62と、この制限された加算結果に応じ
て、また制限されなかったときはその制限されなかった
加算結果に応じて前記制御弁56を駆動する手段63
と、前記制限手段62により切り捨てられる量を求め、
その値を前記先送り量として保持し、また切り捨てられ
る量がないとき保持値をゼロとする手段64とを設け
た。
【0013】
【作用】第1の発明では、加算結果が算出上の最大値を
越えてオーバーフローしたときは、そのオーバーフロー
分が保持され、また算出上の最小値を下回ったときはこ
の下回った分が保持され、これらが先送り量として次回
の加算時に加算される。オーバーフローの途中や加算結
果が最小値を下回っている途中では要求値に応じられな
かった分を先送りすることで、時間的に遅れても要求に
応じるわけで、これにより出力手段44の出力を積分処
理する制御システムにあっても、積分後の信号の精度を
落とすことがない。
【0014】なお、加算結果が算出上の最大値を越えて
オーバーフローすることはあるが、算出上の最小値を下
回ることはない信号や加算結果が算出上の最小値を下回
ることはあるが、算出上の最大値を越えることのない信
号についても同様である。
【0015】第2の発明でも、加算結果が算出上の最大
値を越えてオーバーフローしたときは、そのオーバーフ
ロー分が保持され、また算出上の最小値を下回ったとき
はこの下回った分が保持され、これらが先送り量として
次回の加算時に加算されると、出力手段79の出力を積
分処理することによってシリンダ空気量相当の信号を求
めるときにも、このシリンダ空気量相当の信号の精度を
落とすことがなく、目標空燃比への制御精度が高まる。
【0016】第3の発明はリーンバーンエンジンに適用
したもので、リーンバーンエンジンではリーン空燃比へ
の切換時に制御弁56に対する目標流路面積を増量する
ことによって、切換前後でトルクが同一となるようにす
る。
【0017】この場合に、目標流路面積と先送り量の加
算結果が算出上の最大値を越えてオーバーフローする
と、そのオーバーフロー分が保持され、これが先送り量
として次回の加算時に加算される。オーバーフローの途
中では最大値に制限されるため要求値に沿うことができ
なくても、オーバーフローの終了後に先送り量の分だけ
余計に制御弁56が開かれると、オーバーフロー時の足
りない空気量が時間的に遅れて補われ、これによって空
燃比切換時のトルクの低下が防止される。
【0018】理論空燃比への切換時に目標流路面積を減
量するとき、加算結果が最小値(たとえばゼロ)を下回
っても制御弁56を逆向きに流すことができず、加算結
果がゼロに制限されると、空気量の供給が多すぎるので
あるが、この場合に、後で先送り量の分だけ余計に制御
弁56が閉じられることで、加算結果をゼロに制限して
いた間の供給過多の空気量が、時間的に遅れて相殺さ
れ、これによって空燃比切換時のトルクの増加が防止さ
れる。
【0019】
【実施例】図2において、エアクリーナ11から吸入さ
れた空気は、一定の容積を有するコレクタ部12aにい
ったん蓄えられ、ここから分岐管を経て各気筒のシリン
ダに流入する。各気筒の吸気ポート12bにはインジェ
クタ3が設けられ、このインジェクタ3からエンジン回
転に同期して間欠的に燃料が噴射される。
【0020】一定の条件が成立したとき空燃比目標値を
理論空燃比からリーン側の空燃比に切換えるのである
が、この切換時に補助空気流量を増量補正(理論空燃比
への切換時は減量補正)することによって、切換の前後
でトルクが同一となるようにトルク制御を行う。
【0021】このため、吸気絞り弁5をバイパスする補
助空気通路21に大流量の流量制御弁22が設けられて
いる。この制御弁22は比例ソレノイド式で、コントロ
ールユニット2からのオンデューティ(一定周期のON
時間割合)が大きくなるほど通路21を流れる補助空気
流量が増加する。
【0022】制御弁22を大流量としたのは、空燃比切
換時のトルク制御を余裕をもってかつ確実に行わせるた
めである。ただし、大流量としたときは、制御弁22の
誤動作によりドライバーの要求以上のトルクが発生する
ことがあるので、後述するようにフェイルセーフ機能を
設けている。
【0023】なお、リーン空燃比域での燃焼不安定によ
り増加するCO,HCを抑えるため、燃焼室内に流れ込
む吸気にスワールが与えられるよう、吸気ポート12b
の近くに、一部に切欠き(図示せず)を有するスワール
コントロールバルブ13を設けている。リーン空燃比域
でスワールコントロールバルブ13を全閉位置にして吸
気を絞ることにより吸気の流速を高め、燃焼室内にスワ
ールを生じさせるのである。理論空燃比域では排気管1
8に設けた三元触媒19によってNOxを浄化する。
【0024】インジェクタ3からの供給燃料量と流量制
御弁22を流れる補助空気流量とを制御するため、コン
トロールユニット2には、制御上必要となるエンジンの
運転条件を検出する各種のセンサからの信号が入力され
ている。4はエアクリーナ11から吸入される空気流量
を検出する熱線式のエアフローメータ、6は吸気絞り弁
5の開度を検出するスロットルセンサ、7は単位クラン
ク角度ごとの信号とref信号(クランク角度の基準位
置ごとの信号)とを出力するクランク角度センサ、8は
水温センサ、9は理論空燃比からリーン側の空燃比まで
の実際の空燃比を幅広く検出することのできる広域空燃
比センサである。
【0025】ところで、空燃比切換時のトルク制御のた
め、制御弁22の目標流路面積Tatcv(後述する)
を算出するのであるが、この算出結果が負の値になった
ときは算出結果を0とし、また算出上の最大値を上回っ
てオーバーフローしたときは算出結果をその最大値とす
ることにより、負の値やオーバーフロー分を切り捨てた
ままにすると、その切り捨て分だけ制御精度が落ちるこ
とになる。
【0026】これに対処するため、この例では算出結果
が負の値になったりオーバーフローしたときに切り捨て
られる量を保持しておき、次回以降の目標流路面積の算
出時にこの保持した量を加算する。これを説明する前に
全体の制御を、図3から図29までに示すフローチャー
トとこの制御に使われるテーブルやマップの内容を表す
特性図を用いて、〈1〉制御弁22の流量制御、〈2〉
目標空燃比の設定、〈3〉噴射量制御の順に概説する。
【0027】なお、燃料制御は目標空燃比をめざして行
い、空気流量の検出値から最終的に供給燃料量を求めて
いることを考えると、(空気流量)×(燃空比)=(供
給燃料量)の関係が成立することから、燃空比のほうが
空燃比よりも扱いやすいため、以下では一部の数値に燃
空比を用いている。
【0028】〈1〉制御弁22の流量制御 〈1−1〉アイドル回転数制御との関係 図15で示したように、アイドル回転数制御用のオンデ
ューティISCONPとは別個にトルク制御デューティ
Tcvdtyを計算しておき(図15のステップ7
2)、アイドル回転数のフィードバック補正条件(図で
はクローズド条件で示す)ではISCONPを出力し
(図15のステップ73,75)、フィードバック補正
条件でなくなると、ISCONPに代えてトルク制御デ
ューティTcvdtyを出力する(図15のステップ7
3,74)。
【0029】ここで、アイドル回転数制御用のオンデュ
ーティISCONPは、たとえば ISCONP=Areg+ISCcl+ISCtr +ISCat+ISCa+ISCrfn …(1) ただし、Areg;ウォームアップデューティ(エアレ
ギュレータ相当) ISCcl;フィードバック補正量 ISCtr;減速時空気増量分(ダッシュポット相当) ISCat;A/T車のN←→Dレンジ補正分(Dレン
ジで大) ISCa;エアコンON時の補正分 ISCrfn;ラジエータファンON時の補正分 により計算する(図15のステップ71)。
【0030】(1)式のウォームアップデューティAr
egは、エンジン始動後の1回目はそのときの冷却水温
に応じてテーブル参照により求めた値(テーブル値)を
そのまま変数としてのAregに入れて使用し、その後
は一定の周期(たとえば1secごと)で冷却水温に応
じたテーブル値と前回の値を比較してAregの値を増
減しながら(たとえばテーブル値>前回のAregでA
reg=Areg+1、テーブル値<前回のAregで
Areg=Areg−1)暖機完了まで働く値である。
このため吸気管にエアレギュレータは設けられていな
い。
【0031】 〈1−2〉アイドル回転数のフィードバック補正 アイドル回転数の目標値は、冷却水温、エアコンスイッ
チ、自動変速機のギア位置および始動後の経過時間によ
り定まっており、目標値から所定値(たとえば25rp
m)外れると目標値に戻るように微小な流量制御を行
う。フィードバック補正に入る条件は、たとえば 〈ア〉絞り弁の全閉スイッチがONの状態で車速が8k
m/h以下 〈イ〉絞り弁の全閉スイッチがONの状態でニュートラ
ルスイッチもONの状態であることのいずれかが成立し
たときで、フィードバック補正によりアイドル回転数が
目標値に戻った状態では、(1)式のフィードバック補
正量ISCcl(=ISCi+ISCp、ただしISC
iは積分分、ISCpは比例分)がゼロでないある値を
もつ。
【0032】このフィードバック補正量ISCclは、
運転条件が非フィードバック補正条件に移った時点でア
イドル回転数制御用に保持しておき、次にフィードバッ
ク補正条件に戻ったときこのアイドル回転数制御用の保
持値でフィードバック補正を開始する。
【0033】 〈1−3〉トルク制御デューティTcvdty これは、図16,図17に示したようにサブルーチンで
計算する。
【0034】まず絞り弁開度TVOから図18を内容と
するテーブルを参照して絞り弁流路面積Atvoを、ま
た制御弁22に与える基本デューティIscdtから図
19を内容とするテーブルを参照して制御弁流路面積A
isc0を求め、これらの和を基本流路面積として変数
Aa0に入れる(図16のステップ81,82)。な
お、テーブル参照(マップ参照についても)はいずれも
補間計算付きであるため、以下では単にテーブル参照
(マップ参照)という。
【0035】ここで、基本デューティIscdtは Iscdt=(Iscdty−Tcvofs)×Tcvgin …(2) ただし、Iscdty;減量基本デューティ Tcvofs;制御弁立上がりデューティ Tcvgin;デューティ補正率 である。
【0036】(2)式の減量基本デューティIscdt
yは、前回のフィードバック補正条件の終了時に保持さ
れるフィードバック補正量ISCclを減量補正したも
ので、 Iscdty=ISCcl×Gistv …(21) ただし、Gistv;減量補正率(0以上1以下の値) である。この減量補正は、空燃比切換時のトルク制御の
ために制御弁22を動かしうる範囲を拡大することによ
って制御弁22の最大流量を小さくし、目標値をめざし
て微小な流量制御を行うフィードバック補正条件での弁
精度を落とさないようにするためである。
【0037】(2)式の制御弁立上がりデューティTc
vofsとデューティ補正率Tcvginについてはバ
ッテリ電圧低下時の補正で、後述する。
【0038】基本流路面積Aa0からは増量平衡面積T
atcvhを Tatcvh=Aa0×Kqh0 ×(1/(Dml×LTCGIN#)−1) …(3) ただし、Kqh0;差圧補正率 LTCGIN#;トルク制御ゲイン Dml;目標燃空比ランプ応答値 により求める(図16のステップ84)。
【0039】(3)式をわかりやすくするため、 Tatcvh=Aa0×(1/Tdml−1) …(3−1) ただし、Tdml;目標燃空比のマップ値 とすれば、(3−1)式において、(1/Tdml−
1)は理論空燃比からの空燃比差相当であるため、これ
に総流路面積としてのAa0をかけた値はリーン空燃比
への切換時の増量面積分(理論空燃比への切換時は減量
面積分)を表しているのである。
【0040】たとえば、理論空燃比(14.5)で目標
燃空比マップ値Tdmlは1、空燃比がリーン側の20
でTdmlはほぼ0.66といった値である。なお、T
dmlが1や0.66という値であるのは、後述するよ
うに燃空比に空燃比の逆数そのものでなく、理論燃空比
を1とする相対値を採用しているためである。
【0041】ここで、(3−1)式のTdmlに1を入
れるとTatcvh=0、またTdmlに0.66を入
れるとTatcvh=1/0.66−1≒0.52とな
り、(0.52−0)×Aa0が理論空燃比からリーン
空燃比への切換時の増量面積分となるわけである。
【0042】(3)式に戻り、差圧補正率Kqh0は、
同じ流路面積でも高負荷になるほど絞り弁5と制御弁2
2の前後差圧が小さくなり流量が小さくなるため、前後
差圧が相違しても流量を同じにするための補正である。
このため、負荷としてのQh0(公知のリニアライズ流
量のことで、絞り弁開度TVOとエンジン回転数Nおよ
びシリンダ容積Vから定まっている)から図20を内容
とするテーブルを参照することにより差圧補正率Kqh
0を求める(図16のステップ83)。(3)式のトル
ク制御ゲインLTCGIN#はマッチングに必要となる
値である。
【0043】増量平衡面積Tatcvhは、その上限を
制御弁22の最大流量時の流路面積TCVMAX#から
上記の制御弁流路面積Aisc0を差し引いた値(TC
VMAX#−Aisc0)に制限する(図16のステッ
プ85)。Aisc0の分はアイドル回転数制御ですで
に使用されている値であるため、これを差し引いた残り
が、空燃比切換時のトルク制御のために制御弁22を動
かしうる範囲となるからである。
【0044】Tatcvh>TCVMAX#−Aisc
0になったとき(つまり上限にかかったとき)は、FA
ACOF=1とする(図16のステップ86,88)。
このフラグFAACOFはランプ応答値Dmlの変化速
度を可変にするためのフラグで、FAACOF=1にな
ると変化速度を遅くする。これは、上限にかかるまでは
速い変化速度で制御弁22を動かすことができても、上
限にかかった後は変化速度を速くせず、急激なトルク変
化を防止するためである。
【0045】増量平衡面積Tatcvhに対し、 Tatcv0=Tatcvo+(Tatcvh−Tatcvo) ×Tcvtc …(4) ただし、Tatcvo;Tatcvhの前回値 Tcvtc;進み補償時定数相当値(1以上の値) により1次進みの式で進み補償面積を求める(図16の
ステップ91)。MPI方式で制御弁22の下流の吸気
管容積が大きいときは、燃料の遅れよりも吸気管での空
気の遅れのほうが相対的に大きいため、応答のよい燃料
に合わせて空気を進ませることで、シリンダへの空気流
量と燃料の両者の供給の位相を一致させるのである。
【0046】また、SPI方式で制御弁下流の吸気管容
積が小さいときは、空気よりも燃料のほうが遅れてシリ
ンダに流入するので、燃料に合わせて空気のシリンダへ
の流入を遅らせるため、 Tatcv0=Tatcv0n-1+(Tatcvh−Tatcv0n-1) ×Tcvtc …(5) ただし、Tatcv0n-1;Tatcv0の前回値 Tcvtc;遅れ補償時定数相当値(1未満の値) により1次遅れの式で遅れ補償面積を求めることで(図
16のステップ92)、シリンダへの空気と燃料の供給
の位相を一致させる。
【0047】図16と図17のフローチャートは、MP
I方式で吸気管容積の大きいエンジンとSPI方式で吸
気管容積の小さいエンジンの2種類のタイプのいずれに
も共用できるようにするため、Tcvtc≧1.0であ
るかどうかみて、Tcvtc≧1.0のとき吸気管容積
の大きなエンジンであると判断して上記の(4)式を、
Tcvtc<1.0であれば(5)式を採用するように
している(図16のステップ90,91、ステップ9
0,92)。
【0048】(4),(5)式の進み補償または遅れ補
償時定数相当値Tcvtcは、エンジン回転数Nから図
21を内容とするテーブルを参照して求める(図16の
ステップ89)。図21には吸気管容積の大きい用と小
さい用の両方の特性を示しているが、図2に示したエン
ジンでは吸気管容積が小さい用の特性は不要である。
【0049】このようにして求めた進み補償または遅れ
補償面積Tatcv0から目標流路面積Tatcvを Tatcv=Tatcv0n-DLYIS+Aisc0 …(6−1) により求める(図17のステップ93)。なお、図17
の流れ図では先送り分Aokuriが入っているが、こ
れについては後述する。
【0050】(6−1)式のTatcv0n-DLYISは進
み補償または遅れ補償面積Tatcv0の所定回(たと
えばDLYIS#)前の値である。これはインジェクタ
3に開弁信号が送られてからインジェクタ3が実際に開
き始めるまでのデッドタイムを考慮するものである。
【0051】(6−1)式で算出した結果は、最小を
0、最大を制御弁最大流量時の流路面積TCVMAX#
と進み補償のための余裕分MXOS#を加えた値(TC
VMAX#+MXOS#)に制限するため、Tatcv
<0であれば、Tatcv=0とし(図17のステップ
94,95)、Tatcv>TCVMAX#+MXOS
#になると、Tatcv=TCVMAX#+MXOS#
とする(図17のステップ96,97)。
【0052】こうして得た目標流路面積Tatcvは図
22を内容とするテーブルを参照してオンデューティD
tytcに変換し(図17のステップ99)、トルク制
御デューティTcvdtyを Tcvdty=Dtytc/Tcvgin+Tcvofs …(7) ただし、Tcvgin;デューティ補正率 Tcvofs;制御弁立上がりデューティ により計算する(図17のステップ100,101)。
この式は、(2)式をIscdtyについて求めた式と
同等である。
【0053】(7)式の制御弁立上がりデューティTc
vofsは、オンデューティがある値になるまでは、図
25のように実質的に制御弁22が働かない分で、バッ
テリ電圧Vbから図24を内容とするテーブルを参照す
ることにより求める。図25のように、比例ソレノイド
式の制御弁22ではバッテリ電圧Vbが低下するほど制
御弁立上がりデューティTcvofsが大きくなること
を考慮しているわけである。
【0054】デューティ補正率Tcvginは、図23
を内容とするテーブルを参照して求める。これは、図2
5の制御弁22の流量特性において、斜めに立ち上がる
直線の傾きがバッテリ電圧Vbの低下とともに小さくな
るため、バッテリ電圧Vbが低下しても、制御弁流量を
同一とするための補正である。
【0055】〈2〉目標燃空比の設定 目標燃空比はマップ値Tdml→ランプ応答値Dml→
ダンパ値Kmrの順に求める。
【0056】〈2−1〉目標燃空比のマップ値Tdml 図6に示したように、リーン条件であれば図7を内容と
するリーンマップを参照して目標燃空比MDMLLを、
またリーン条件でなければ図8の非リーンマップを参照
して目標燃空比MDMLSをそれぞれ求め(図6のステ
ップ31,32、ステップ31,33)、これを目標燃
空比のマップ値として変数Tdmlに入れる(図6のス
テップ34)。
【0057】ここで、目標燃空比マップ値となるMDM
LL,MDMLSの値は、図7,図8のように燃空比そ
のものの値でなく、理論燃空比を1.0とする相対値で
ある。
【0058】 〈2−2〉目標燃空比のランプ応答値Dml ランプ応答値Dmlの波形はその名のとおり、図10に
示したように、ステップ変化するマップ値Tdmlに対
してランプ応答にしたもので、具体的には図9のよう
に、リーン方向への燃空比の変化速度をDmll、リッ
チ方向への燃空比変化速度をDmlrとすれば、Dml
old(前回のDml)とTdmlの比較によりいずれ
の方向への変化であるかがわかるため、Dmlold<
Tdmlであればリッチ方向への切換であるとして、T
dmlと(Dmlold+Dmlr)の小さいほうをD
mlに入れ、この逆にDmlold≧Tdmlのときは
リーン方向への切換であるとしてTdmlと(Dmlo
ld−Dmll)の大きいほうをDmlに入れることで
(図9のステップ44,45、ステップ44,46)、
ランプ応答値が得られる。NOxで考えた場合、理論空
燃比からリーン空燃比への切換時のほうが触媒の活性度
合いがよいので、DmllのほうがDmlrより小さく
できる。
【0059】一方、次の条件 〈ア〉スタートスイッチがONであること 〈イ〉Tdml≧上限値TDMLR#のとき のいずれかが成立したときはDml=Tdmlとする
(図9のステップ41,42,43)。
【0060】なお、ランプ応答値Dmlはエンジン回転
に同期(ref信号に同期)させて求めている。エンジ
ン回転に同期させて求めるのは、排気性能がエンジン回
転に同期して変化するためである。
【0061】図11は、上記2つの変化速度Dmll,
Dmlrを求めるためのサブルーチンで、増量平衡面積
Tatcvhが上限値や下限値にかかる前(つまりFA
ACOF=0のとき)は空燃比の切換速度を速くするた
め、大きな値の所定値DDMLLH#、DDMLRH#
をそれぞれ変数Dmll,Dmlrにいれる(図11の
ステップ51,52)。
【0062】これに対して、増量平衡面積Tatcvh
が上限値や下限値にかかった後(つまりFAACOF=
1のとき)は、絞り弁開度変化量の絶対値|ΔTVO|
に応じた大きさの値を選択して変数Dmll,Dmlr
に入れている(図11のステップ51,53)。たとえ
ば、一方の変数Dmllで代表させると、|ΔTVO|
<DTVO1#で所定値DDMLL0#を、DTVO1
#≦|ΔTVO|<DTVO2#で所定値DDMLL1
#を、DTVO2#≦|ΔTVO|<DTVO3#で所
定値DDMLL2#を、DTVO3#≦|ΔTVO|で
所定値DDMLL3#をそれぞれ選択する。ただし、D
DMLL0#<DDMLL1#<DDMLL2#<DD
MLL3#<DDMLLH#である。
【0063】〈2−3〉目標燃空比のダンパ値Kmr 図12のように、ランプ応答値Dmlに対して、 Dmlo=Dml×Fbyatc +Dmlon-1×(1−Fbyatc) …(9) ただし、Fbyatc;遅れ時定数相当値(1未満の
値) により1次の遅れを加える(図12のステップ65)。
【0064】これは、MPI方式で吸気管容積が大きい
ときに、制御弁からシリンダに達するまでに遅れをもつ
補助空気流量の増量量に合わせて(9)式により燃料供
給を遅らせることで((9)式で目標空燃比を遅らせる
と、最終的に燃料の供給が遅れることになる)、空燃比
切換時にシリンダへの燃料と空気の供給の位相を一致さ
せるのである。
【0065】(9)式のダンパ値Dmloは、3回前ま
での値をストアしておき、所定回前(たとえばDLYF
BA#回前)の値を変数Kmrに入れる(図12のステ
ップ66)。DLYFBA#回前の値とするのは、図1
4に示したように、制御弁22の遅れ(デッドタイム)
を考慮したものである。
【0066】ただし、次の条件 〈ア〉スタートスイッチがONであること 〈イ〉Dml>1.0であること 〈ウ〉|ΔTVO|≧所定値DTVOTR#であること のいずれかが成立したときは、遅れ処理を行わない(図
12のステップ61,62,63,67)。
【0067】(9)式の遅れ時定数相当値Fbyatc
は、図13を内容とするテーブルのうち吸気管容積大用
を参照して求める(図12のステップ64)。空燃比切
換時の空気流量の増量量の遅れは、エンジン回転数Nが
低下するほど大きくなるため、この傾向に合わせて図1
3のようにFbyatcの値を設定している(吸気管容
積が小さいエンジンに対しては低回転域でだけ)。
【0068】図13にはまた、吸気管容積小用の特性を
重ねて示しており、SPI方式で吸気管容積が小さいエ
ンジンでは、燃料よりも空気のほうが応答がよいので、
燃料を遅らせる必要がないため、Fbyatc=1.0
としている。つまり、図13を内容とするテーブルを実
際に装着するエンジンの吸気管容積の大小に合わせて、
不要となる図13の一方の特性を削除することで、図1
2のフローチャートをSPI方式にも共用できるのであ
る。
【0069】なお、MPI方式で吸気管容積が大きい場
合に、空燃比切換時に補助空気流量の増量量と燃料量の
両者の供給の位相を一致させるには、(a)補助空気流
量の増量量に合わせて燃料量を遅らせるか、(b)燃料
量に合わせて補助空気流量の増量量を進めてやるかの2
つの実施例があり、図12と図16のフローチャートは
2つの実施例(SPI方式に対する分まで含めると合計
で4つの実施例)をともに織り込んだものとなってい
る。したがって、実施例レベルではいずれかを選択する
ため、(a)に対する実施例のとき図16のステップ9
0,91,92を削除、(b)に対する別の実施例のと
き図12のステップ64,65を削除しなければならな
い。
【0070】〈2−4〉目標燃空比Tfbya これは図6のように、 Tfbya=Kmr+Kas+Ktw …(8) ただし、Kmr;目標燃空比のダンパ値 Kas;始動後増量補正係数 Ktw;水温増量補正係数 により計算する(図6のステップ38)。
【0071】ここで、始動後増量補正係数Kasは、ク
ランキング中はその値が冷却水温に応じて定まり、エン
ジン始動直後より時間とともに徐々に減少する値、水温
増量補正係数Ktwは冷却水温からテーブルを参照して
求める値(図6のステップ37,36)で、いずれも公
知である。
【0072】〈3〉噴射量制御 〈3−1〉制御弁22のフェイルセーフ 図5に示したように、エアフローメータ4の出力電圧Q
aはA/D変換した後でテーブル参照により空気流量単
位に変換するが(図5のステップ21,22)、この変
換により得た空気流量Qを上限値Fqmaxに制限する
(図5のステップ23,24)。これは、大流量の制御
弁22に誤作動が生じると、大流量の補助空気がシリン
ダに流入してドライバーの要求以上のトルクが発生する
ので、これを防止するためである。
【0073】図26は上限値Fqmaxを求めるための
フローチャートである。図26において、絞り弁流路面
積Fatvoを図27を内容とするテーブルを参照し
て、また制御弁22が正常に働くとしたときの制御弁流
路面積の予測値Aiscを図28を内容とするテーブル
を参照してそれぞれ求める(図26のステップ111,
112)。
【0074】なお、図27で横軸のTvoabsは絞り
弁開度TVOから全閉時のTVOを引いた値、またAO
FST#は絞り弁開度TVOを実空気流量に対応させる
ためのオフセット量である。図28で横軸のAacdt
yはISCONP(アイドル回転数制御用のオンデュー
ティ)かTcvdty(トルク制御デューティ)のいず
れかの値である。
【0075】絞り弁流路面積Fatvoと制御弁流路面
積の予測値Aiscの合計の流路面積(Fatvo+A
isc)は、 Pqmax=(Fatvo+Aisc)×KAQGIN# …(10) ただし、KAQGIN#;定数 により空気流量単位に変換する(図26のステップ11
3)。(10)式のPqmaxは制御弁22が正常に働
くとしたときの総吸入空気流量の予測値である。
【0076】この予測値Pqmaxから上限値Fqma
xを Fqmax=Pqmax×Qmxg …(11) ただし、Qmxg;ゲイン により求める(図26のステップ115)。
【0077】ゲインQmxgはエアフローメータ4から
得た空気流量Qと予測値Pqmaxの比(Q/Pqma
x)より図29を内容とするテーブルを参照して求める
(図26のステップ114)。図29において、Q/P
qmaxが小さな領域ではゲインQmxgの値が一定で
あるが、Q/Pqmaxの大きな領域になるとゲインQ
mxgの値を大きくしている。これは、たとえば絞り弁
開度TVOが小さい領域で制御弁22が全開固着したと
き空燃比が過度にリーン側にずれてリーン失火を生じ回
転が下がりすぎるので、このリーン失火を防止するため
である。Q/Pqmaxは制御弁22の誤作動の度合い
を表すため、この度合いが大きいときはリーン失火を生
じないように予測値Pqmaxに対する上限値Fqma
xの割合を大きくするのである。
【0078】 〈3−2〉シリンダ吸気相当の基本噴射パルス幅Tp 図5において、Q>Fqmaxのときは上限値Fqma
x(=Q)から、またそれ以外ではQをそのまま用いて
シリンダ吸気相当の基本噴射パルス幅Tpを、公知の式 Tp0=(Q/Ne)×KCONST#×Ktrm …(12) Tp=Tp0×Fload+Tp×(1−Fload) …(13) ただし、Tp0;絞り弁部相当の基本噴射パルス幅 KCONST#;ベース空燃比を与える定数 Ktrm;トリミング係数 Fload;吸気管空気遅れ係数 により計算する(図5のステップ25)。
【0079】(13)式は過渡時(運転条件の変化に関
するもので、空燃比の切換とは関係ない)の吸気管の空
気の応答遅れを考慮するものである。
【0080】〈3−3〉燃料噴射パルス幅Ti 図3は吸気ポート12bに設けたインジェクタ3への燃
料噴射パルス幅Tiを算出するためのフローチャート
で、これを、 Ti=Tp×Tfbya×(α+αm)×Ktr+Ts …(14) ただし、α:空燃比のフィードバック補正係数 αm;空燃比学習制御係数 Ktr;過渡補正係数 Ts:バッテリ電圧に応じた無効パルス幅 によって計算し(図3のステップ2)、これを図4で示
したように噴射タイミングで出力する(図4のステップ
11)。
【0081】(14)式の過渡補正係数Ktrは、燃料
の吸気管での輸送遅れを補正するもので、従来例の過渡
補正係数KACCと同様の値である。たとえば、初期値は
絞り弁開度変化量の絶対値|ΔTVO|が所定値を越え
た時点(つまり加速や減速を判定した時点)の|ΔTV
O|に応じて定まり、時間とともに減少する値である。
【0082】以上で概説を終える。さて、上記のよう
に、目標流路面積Tatcvについて、Tatcv<0
のときはTatcv=0、Tatcv>TCVMAX#
+MXOS#のときは、Tatcv=TCVMAX#+
MXOS#として負の値やオーバーフロー分を切り捨て
るのであるが(図17のステップ94,95、ステップ
96,97)、この切り捨て分をメモリに保持するた
め、Tatcv<0のときはTatcvの値(負の値)
を変数Aokuriに入れ(図17のステップ94,9
5)、Tatcv>TCVMAX#+MXOS#のとき
も、Tatcv−(TCVMAX#+MXOS#)のオ
ーバーフロー分を変数Aokuriに入れる(図17の
ステップ96,97)。
【0083】なお、Tatcvが負の値やオーバーフロ
ーしてないとき(切り捨て分がないとき)は、Aoku
ri=0である(図17のステップ94,96,9
8)。
【0084】こうして記憶した切り捨て分を次回(10
ms後)のTatcvの算出時に反映させるため、上記
の(6−1)式の右辺にAokuriを加算した式、 Tatcv=Tatcv0n-DLYIS+Aisc0+Aokuri…(6) により、目標流路面積Tatcvを求める(図17のス
テップ93)。
【0085】(6)式の加算結果が前回に続けて今回も
またTatcv<0となれば、今回のTatcvとして
は再び負の値を切り捨て、切り捨て分をAokuriに
入れる(図17のステップ94,95)。つまり、今回
の切り捨て分は、Tatcv≧0となるまで次回以降に
先送りするわけで、変数Aokuriは先送り分であ
る。(6)式の加算結果が今回もまたTatcv=TC
VMAX#+MXOS#となったときも同様である。
【0086】ここで、この例の作用を図30を参照しな
がら説明すると、同図の左半分は理論空燃比からリーン
側の空燃比へと切換えたときの、また右半分はこの逆に
空燃比を切換えたときの各波形である。
【0087】リーン側の空燃比への切換時でみると、
(6)式により算出された目標流路面積Tatcvが速
い速度で上昇し、これが破線のように最大値(TCVM
AX#+MXOS#)を越えてオーバーフローした後、
TCVMAX#(制御弁22の最大流量時の流路面積)
にまで低下し、このTCVMAX#の値に落ち着いてい
る。
【0088】この場合に、Tatcvのオーバーフロー
分を切り捨ててしまうと、その分の面積に相当する空気
量が足りないことになって、シリンダ空気流量が要求か
ら不足し、これによって空燃比の切換直後にトルク減少
が生じる(破線参照)。
【0089】これに対して、この例でオーバーフロー分
がメモリに記憶され、これが次回以降のTatcvの算
出時に加算されると、オーバーフロー分の面積が、ハッ
チングで示した部分に移される。つまり、目標空燃比を
得るためには、オーバーフロー分の面積に相当する空気
量も供給しないといけないのであるから、この分の空気
量を時間的に後にずらしても供給することによって、要
求の全量を供給しきるのである。
【0090】これにより、シリンダ空気流量を要求に近
づけることができることになり、切換の前後でトルク変
動を招くことがない(実線参照)。
【0091】また、最大値をTCVMAX#としたとき
は、TatcvがTCVMAX#に張り付き、オーバー
フロー分がたまったままで使われず、その後にTatc
vがTCVMAX#よりも低下したときに一気に吐き出
される(つまり、オーバーフローの生じた運転条件とか
け離れた運転条件で吐き出される)ことになり、従来例
と同じにリーン空燃比への切換時にシリンダ空気流量が
不足するばかりか、吐き出された運転条件での空燃比の
精度をも落としてしまう。
【0092】これに対して、MXOS#のオフセット分
をTCVMAX#に加算した値を最大値とすることで、
Aokuriにためておいた分が、Tatcvのオーバ
ーフローの終了直後に吐き出されることになり、上記の
ような問題を起こさないのである。つまり、MXOS#
はTatcvのオーバーフロー分が、オーバーフローの
生じた運転条件とかけ離れた運転条件で投入されないよ
うにするための余裕分であるわけである。
【0093】一方、理論空燃比への切換時にTatcv
が負の値になったときも、負の値が記憶され、これが次
回移行のTatcvの算出時に加算される(実質的には
負の値により減算される)ことで、理論空燃比への切換
時に切換前後でトルクをフラットに保つことができてい
る。
【0094】図31〜図37は他の実施例で、これはエ
アフローメータからの空気量信号に適用したものであ
る。
【0095】この例でも、後述するエアフローメータ部
流量Qsの計算結果が、最小値の0を下回って負の値に
なったり最大値を上回ってオーバーフローした場合の制
御を述べる前に、〈4〉エアフローメータ出力の信号処
理と、〈5〉噴射量制御を概説する。信号処理の概説部
分は特開平3−222849号公報に公知である。
【0096】〈4−1〉前処理 エアフローメータ出力(電圧値である)Qaを、図35
を内容とするテーブルを用いてリニアライズしている
(図33のステップ122)。このリニアライズされた
流量がエアフローメータ指示流量Qshwである。
【0097】〈4−2〉エアフローメータ部流量Qs 熱線式エアフローメータのセンサ部30が、図31のよ
うにボビン形状のセラミック32に線状の発熱体31が
コイルのように巻き付けられているときは、熱線31に
空気流れに触れる側と触れない側とが生じる(熱の逃げ
がその両側面で異なる)ことから、過渡時に2種類の遅
れ(高周波分の遅れと低周波分の遅れ)が生じる。
【0098】これを図解したのが図32で、同図のよう
に加速時には真の流量Qに対するエアフローメータ指示
流量Qshwの遅れ分が、高周波分と低周波分の2つの
遅れからなるわけである。
【0099】図32で高周波分補正流量(Qshwに対
して高周波分遅れをまず加えた流量のこと)をQss、
残りの低周波分補正量をAfleとおくと、エアフロー
メータ部流量Qsは、 Qs=Qss+Afle×AFLEA# …(31) :Afleが正のとき(加速時) Qs=Qss+Afle …(32) :Afleが負のとき(減速時) ただし、AFLEA#;加速時補正率 により計算することができる(図33のステップ13
0)。
【0100】加速時補正率AFLEA#はエアフローメ
ータの出力応答が加速時と減速時とで異なる分を補正す
るための値で、たとえば1.30といった値である。
【0101】高周波分補正流量Qssは、エアフローメ
ータ指示流量Qshwに1次の進み補償を加えた式、 Qss=Qshwn-1+(Qshw−Qshwn-1) ×AFMTC# …(33) ただし、Qshwn-1;前回のQshw AFMTC#;時定数係数(高周波分) でよく(第33図のステップ123)、また低周波分補
正量Afleは、高周波分補正流量Qssの所定の時間
(4msec)当たりの変化量を積算(積分)しつつそ
の積算値(積分値)を所定の速度で減衰する値で、つま
り Afle=(Aflen-1+(Qss−Qssn-1)×B/A) ×AFLETC#…(34) ただし、Aflen-1;前回のAfle Qssn-1;前回のQss B/A;定数 AFLETC#;時定数係数(低周波分でたとえば0.
99) により求めることができる。
【0102】(34)式はこれを変形して、 Afle=Aflen-1×AFLETC# +(Qss−Qssn-1)×AFLEG# …(35) ただし、AFLEG#;低周波分遅れゲイン(たとえば
0.3) とすれば、次の2段階の式 Afle=Aflen-1×AFLETC# …(36) Afle=Afle+(Qss−Qssn-1)×AFLEG# …(37) により求めることもできる(図33のステップ128,
129)。
【0103】このようにして求めたエアフローメータ部
流量Qsによれば、ボビン状のセラミックに線状の熱線
をコイルのように巻き付けたり、ボビン状のセラミック
表面にフィルム状の発熱体を設けたようなセンサ部を有
する熱線式のエアフローメータであっても、過渡時にも
吸入空気流量が応答精度良く計測されるのである。
【0104】〈5−1〉シリンダ吸気相当の基本噴射パ
ルス幅Tpこれは、 Tp0=(Qs/Ne)×KCONST# …(38) Tptrm=Tp0×Ktrm …(39) Avtpr=Tptrm×Fload +Avtprn-1×(1−Fload)…(40) ただし、Avtprn-1;前回のAvtpr で求めたAvtprをシリンダ空気量相当の基本噴射パ
ルス幅のリアル値とし(図34のステップ140,14
1,142,143)、これからシリンダ吸気相当の基
本噴射パルス幅Tpを Tp=Avtpr+Tpsk …(41) ただし、Tpsk;先取り補正量 により求めている(図34のステップ145)。
【0105】(38),(39),(40),(41)
式の4つの式は先の実施例の(12),(13)式に相
当するもので、先の実施例と異なるのは、先取り補正量
Tpskを導入している点だけである。したがって、こ
れらの式中のNe、KCONST#、Ktrm、Flo
adの内容は、先の実施例と同じである。
【0106】(41)式の先取り補正量Tpskは、A
vtprの変化量から Tpsk=(Avtpr−Avtprn-1)×GADVTP# …(42) ただし、GADVTP#;先取り補正ゲイン により求める(図34のステップ144)。
【0107】Tpskは、デッドタイム(噴射弁の応答
遅れおよびエアフローメータと吸気絞り弁の間のソニッ
ク遅れのこと)を補正するものである。このデッドタイ
ムにより加速時には空燃比がリーン側にずれるため、図
36に示したように噴射量をTpskの分だけ多くする
ことによって、デッドタイムがあっても空燃比が加速初
期にリーン側にかたよらないようにするのである。
【0108】〈5−2〉燃料噴射パルス幅Ti 図31のセンサ部30をもつ熱線式エアフローメータ
を、先の実施例のリーンバーンエンジンに用いるとき
は、先の実施例と同じに燃料噴射パルス幅Tiを(1
4)式で与えてやればよい。
【0109】リーンバーンエンジンでなく、三元触媒方
式の通常のエンジンに用いるときも(14)式で燃料噴
射パルス幅Tiを与えればよい。ただし、目標燃空比T
fbyaは(8)式において、Kmr=1とおいた値で
ある。
【0110】以上で概説を終える。さて、上記の(3
1)または(32)式で得たエアフローメータ部流量Q
sが計算範囲上の最小値である0を下回った(アンダー
フロー)ときはQs=0、計算範囲上の最大値(たとえ
ばデータサイズを2バイトとしてFFFFH、以下では
「#FFFFH」で表現する。)を上回る(オーバーフ
ロー)と、Qs=#FFFFHとして制限するのである
が(図33のステップ131,132、ステップ13
3,134)、この例でもアンダーフロー分とオーバー
フロー分をそれぞれ記憶しておき、アンダーフローとオ
ーバーフローがなくなったタイミングでこれをQsに加
算する。
【0111】〈6−1〉Qs<0またはQs>#FFF
FHのとき 先送り分Okuriを、Qs<0で Okuri=Okurin-1+Qs …(44) ただし、Okurin-1;前回のOkuri により(図33のステップ131,132)、またQs
>#FFFFHで Okuri=Okurin-1+(Qs−#FFFFH) …(45) により(図33のステップ133,134)、それぞれ
更新する。
【0112】ここで、(44)式のQsがアンダーフロ
ー分、(45)式の(Qs−#FFFFH)がオーバー
フロー分である。
【0113】〈6−2〉Qs<0でもQs>#FFFF
Hでもないとき Qs=Qs+Okuri …(46) によりQsを更新する(図33のステップ131,13
3,図34のステップ135)。
【0114】ただし、(46)式の更新結果が、Qs<
0となったりQs>#FFFFHとなることがあるの
で、(46)式の更新結果がQs<0のときはQsを先
送り分Okuriに入れ(図34のステップ136,1
37)、またQs>#FFFFHでオーバーフロー分
(Qss−#FFFFH)をOkuriに入れる(図3
4のステップ138,139)。
【0115】〈6−3〉高周波分補正流量Qss Qssについても、(33)式の計算結果がQss<0
やQss>#FFFFHであるときはそれぞれQss=
0、Qss=#FFFFHとするため(図33のステッ
プ124,125、ステップ126,127)、アンダ
ーフロー分とオーバーフロー分を計算する。ただし、Q
ssはQsの途中で計算される値であることから、Qs
sについてのアンダーフロー分とオーバーフロー分は最
終流量のQsに反映させるため、Qss<0で Okuri=Okurin-1+Qss …(47) により(図33のステップ124,125)、Qss>
#FFFFHで Okuri=Okurin-1+(Qss−#FFFFH) …(48) によりOkuriを更新する(図33のステップ12
6,127)。
【0116】図37は、絞り弁全開時の吸気脈動が非常
に大きいエンジン(たとえば6気筒未満のエンジン)に
ついて絞り弁を全開にしての急加速を行ったときの波形
で、(31)式の計算結果(この値は図37の真の流量
にほぼ等しい)が負となったり、計算上の最大値#FF
FFHを越えてオーバーフローしている。
【0117】この例の信号処理では先の実施例と相違し
て、負の値やオーバーフロー分を切り捨てた後の信号を
(40)式で積分しているため、積分後の出力であるシ
リンダ吸気相当の基本噴射パルス幅のリアル値Avtp
rが、図37の破線のように負の値の切り捨てによりA
vtprが要求より上昇して空燃比がリッチとなり、ま
たオーバーフロー分の切り捨てによりリーン側にかたよ
るエラーが発生している。負の値を切り捨てた分だけ不
要にAvtprが大きくなり、またオーバーフロー分を
切り捨てることでAvtpに遅れが生じるわけである。
【0118】これに対して、切り捨て処理後に積分処理
のある制御システムにあっても、この例で負の値やオー
バーフロー分として切り捨てられた量が次回の計算時に
(つまり負の値でなくったタイミングやオーバーフロー
しなくなったタイミングで)用いられると、Avtpr
の計算精度を落とすことがなく、これにより空燃比をフ
ラットに保つことができる。
【0119】図38は第3の実施例で、これは図32に
おいて高周波分の遅れが非常に小さく、これを無視でき
る場合に適用したものである。
【0120】実施例では、入力を受けて算出した要求値
と先送り量の加算結果(第1の実施例では目標流路面積
Tatcv、第2の実施例ではエアフローメータ部流量
Qsのこと)が算出上の最小値を下回ることもあり、最
大値を上回ることもある場合で説明したが、加算結果が
算出上の最小値を下回るだけの信号であったり、加算結
果が算出上の最大値を上回るだけの信号であるときにも
同様に適用することができる。
【0121】また、実施例で説明した信号の場合であっ
ても、算出上の最小値を下回るだけの加算結果とした
り、算出上の最大値を上回るだけの加算結果としたりす
ることもできる。たとえば、図37において算出上の最
小値である0点だけ(つまり算出上の最大値はそのま
ま)を下方にオフセットすれば、吸入空気流量の算出結
果が負となることはなくなるのである。
【0122】
【発明の効果】第1の発明では、入力を受けて算出した
要求値と先送り量の加算結果が算出上の最小値を下回っ
たとき加算結果をこの最小値に、また加算結果が算出上
の最大値を上回ったとき加算結果をこの最大値に制限
し、この制限された加算結果を、また制限されなかった
ときはその制限されなかった加算結果を出力とする一方
で、前記制限により切り捨てられる量を求め、その値を
前記先送り量として保持し、また切り捨てられる量がな
いとき保持値をゼロとするように構成したため、上記の
出力を積分処理する制御システムにあっても、積分後の
信号の精度を落とすことがない。
【0123】第2の発明は、セラミックの周囲に発熱体
を設けたセンサ部を有する熱線式エアフローメータから
の指示流量に対して高周波分と低周波分の遅れをともに
補正して求めたエアフローメータ部流量について、この
エアフローメータ部流量と先送り量の加算結果が算出上
の最小値を下回ったとき加算結果をこの最小値に、また
加算結果が算出上の最大値を上回ったとき加算結果をこ
の最大値に制限し、この制限された加算結果を、また制
限されなかったときはその制限されなかった加算結果を
出力とする一方で、前記制限により切り捨てられる量を
求め、その値を前記先送り量として保持し、また切り捨
てられる量がないとき保持値をゼロとするように構成し
たため、上記の応答遅れの補正後に積分処理を行ってシ
リンダ空気量相当の信号を求めるものにあって、エンジ
ンの全開で吸気脈動が非常に大きい場合でも、シリンダ
空気量相当の信号の精度を高めることができる。
【0124】第3の発明では、吸気絞り弁をバイパスす
る補助空気流量を調整する制御弁を設けるとともに、目
標空燃比の切換時に切換の前後でトルクを同一にするた
めの目標流路面積を算出し、この目標流路面積と先送り
量の加算結果が算出上の最小値を下回ったとき加算結果
をこの最小値に、また加算結果が算出上の最大値を上回
ったとき加算結果をこの最大値に制限し、この制限され
た加算結果に応じて、また制限されなかったときはその
制限されなかった加算結果に応じて前記制御弁を駆動す
る一方で、前記制限により切り捨てられる量を求め、そ
の値を前記先送り量として保持し、また切り捨てられる
量がないとき保持値をゼロとするように構成したため、
加算結果を制限していた間の供給不足や供給過多の空気
量が、時間的に遅れて相殺され、これによって空燃比切
換時のトルクの段差を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明のクレーム対応図である。
【図2】一実施例のシステム図である。
【図3】燃料噴射パルス幅Tiの算出を説明するための
流れ図である。
【図4】燃料噴射パルス幅Tiの出力を説明するための
流れ図である。
【図5】シリンダ吸気相当の基本噴射パルス幅Tpの算
出を説明するための流れ図である。
【図6】目標燃空比Tfbyaの算出を説明するための
流れ図である。
【図7】リーンマップの内容を説明するための特性図で
ある。
【図8】非リーンマップの内容を説明するための特性図
である。
【図9】目標燃空比のランプ応答値Dmlの算出を説明
するための流れ図である。
【図10】目標燃空比のランプ応答値Dmlの波形図で
ある。
【図11】変化速度Ddmlr、Ddmllの計算を説
明するための流れ図である。
【図12】目標燃空比のダンパ値Kmrの算出を説明す
るための流れ図である。
【図13】2つの実施例の遅れ時定数相当値Fbyat
cのテーブル内容を重ねて示す特性図である。
【図14】制御弁22のデッドタイムを説明するための
波形図である。
【図15】制御弁22へのオンデューティの算出を説明
するための流れ図である。
【図16】前記2つの実施例とは別の2つの実施例に共
用のトルク制御デューティTcvdtyの算出を説明す
るための流れ図である。
【図17】前記2つの実施例とは別の2つの実施例に共
用のトルク制御デューティTcvdtyの算出を説明す
るための流れ図である。
【図18】絞り弁流路面積Atvoのテーブル内容を示
す特性図である。
【図19】制御弁流路面積Aisc0のテーブル内容を
示す特性図である。
【図20】差圧補正率Kgh0のテーブル内容を示す特
性図である。
【図21】前記2つの実施例とは別の2つの実施例の遅
れ進み補償時定数相当値Tcvtcのテーブル内容を重
ねて示す特性図である。
【図22】基本デューティDtytcのテーブル内容を
示す特性図である。
【図23】デューティ補正率Tcvginのテーブル内
容を示す特性図である。
【図24】制御弁立上がりデューティTcvofsのテ
ーブル内容を示す特性図である。
【図25】制御弁22の流量特性図である。
【図26】上限値Fqmaxの算出を説明するための流
れ図である。
【図27】絞り弁流路面積Fatvoのテーブル内容を
示す特性図である。
【図28】制御弁流路面積の予測値Aiscのテーブル
内容を示す特性図である。
【図29】ゲインQmxgのテーブル内容を示す特性図
である。
【図30】前記実施例の作用を説明するための波形図で
ある。
【図31】第2の実施例の熱線式エアフローメータのセ
ンサ部の拡大断面図である。
【図32】2種類の1次遅れの組み合わせを示す波形図
である。
【図33】第2実施例のシリンダ吸気相当の基本噴射パ
ルス幅Tpの算出を説明するための流れ図である。
【図34】第2実施例のシリンダ吸気相当の基本噴射パ
ルス幅Tpの算出を説明するための流れ図である。
【図35】エアフローメータ指示流量Qshwのテーブ
ル内容を示す特性図である。
【図36】先送り補正量Tpskを説明するための波形
図である。
【図37】第2実施例の急加速時の作用を説明するため
の波形図である。
【図38】第3の実施例のシリンダ吸気相当の基本噴射
パルス幅Tpの算出を説明するための流れ図である。
【図39】第2の発明のクレーム対応図である。
【図40】第3の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
2 コントロールユニット 3 インジェクタ(燃料供給装置) 4 エアフローメータ 5 吸気絞り弁 6 スロットルセンサ 7 クランク角度センサ(回転数センサ) 12a コレクタ部 12b 吸気ポート 21 補助空気通路 22 流量制御弁 31 熱線(発熱体) 32 セラミック 41 要求値算出手段 42 加算手段 43 最大最小算出手段 44 出力手段 45 切り捨て量保持手段 51 リーン条件判定手段 52 目標空燃比算出手段 53 基本噴射量算出手段 54 燃料供給装置 55 吸気絞り弁 56 流量制御弁 57 絞り弁流路面積算出手段 58 制御弁流路面積算出手段 59 基本流路面積算出手段 60 目標流路面積算出手段 61 加算手段 62 最大最小制限手段 63 駆動手段 64 切り捨て量保持手段 71 熱線式エアフローメータ 72 変化量算出手段 73 高周波分補正流量算出手段 74 変化量算出手段 75 積分減衰手段 76 エアフローメータ部流量算出手段 77 加算手段 78 最大最小算出手段 79 出力手段 80 切り捨て量保持手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力を受けて要求値を算出する手段と、
    この算出手段の出力と先送り量を加算する手段と、この
    加算結果が算出上の最小値を下回ったとき加算結果をこ
    の最小値に、また加算結果が算出上の最大値を上回った
    とき加算結果をこの最大値に制限する手段と、この制限
    された加算結果を、また制限されなかったときはその制
    限されなかった加算結果を出力とする手段と、前記制限
    手段により切り捨てられる量を求め、その値を前記先送
    り量として保持し、また切り捨てられる量がないとき保
    持値をゼロとする手段とを設けたことを特徴とする信号
    処理装置。
  2. 【請求項2】 セラミックの周囲に発熱体を設けたセン
    サ部および発熱体が一定の温度となるように発熱体への
    供給電流を制御する回路とからなる熱線式エアフローメ
    ータと、このエアフローメータの指示流量の所定時間当
    たりの変化量を算出する手段と、この変化量で前記エア
    フローメータ指示流量を補正した値を高周波分補正流量
    として算出する手段と、この高周波補正流量の所定時間
    当たりの変化量を算出する手段と、この変化量を所定区
    間ごとに積分しつつその積分値を所定の速度で減衰させ
    る手段と、この積分減衰手段の出力で前記高周波分補正
    流量を補正した値をエアフローメータ部流量として算出
    する手段と、このエアフローメータ部流量に先送り量を
    加算する手段と、この加算結果が算出上の最小値を下回
    ったとき加算結果をこの最小値に、また加算結果が算出
    上の最大値を上回ったとき加算結果をこの最大値に制限
    する手段と、この制限された加算結果を、また制限され
    なかったときはその制限されなかった加算結果を出力と
    する手段と、前記制限手段により切り捨てられる量を求
    め、その値を前記先送り量として保持し、また切り捨て
    られる量がないとき保持値をゼロとする手段とを設けた
    ことを特徴とする信号処理装置。
  3. 【請求項3】 運転条件信号がリーン条件であるかどう
    かを判定する手段と、この判定結果よりリーン条件では
    この条件に応じた目標空燃比を、またリーン条件以外の
    条件になるとこのリーン条件以外の条件に応じた目標空
    燃比を運転条件信号に応じて算出する手段と、この目標
    空燃比と運転条件信号から基本噴射量を算出する手段
    と、この基本噴射量にもとづいて算出された燃料を吸気
    管に供給する装置と、吸気絞り弁をバイパスする補助空
    気流量を調整する制御弁と、絞り弁開度信号から絞り弁
    流路面積を算出する手段と、前記制御弁の開度信号から
    制御弁流路面積を算出する手段と、この制御弁流路面積
    と前記絞り弁流路面積の合計を基本流路面積として算出
    する手段と、この基本流路面積と前記目標空燃比から目
    標空燃比の切換時に切換の前後でトルクを同一にするた
    めの目標流路面積を算出する手段と、この目標流路面積
    に先送り量を加算する手段と、この加算結果が算出上の
    最小値を下回ったとき加算結果をこの最小値に、また加
    算結果が算出上の最大値を上回ったとき加算結果をこの
    最大値に制限する手段と、この制限された加算結果に応
    じて、また制限されなかったときはその制限されなかっ
    た加算結果に応じて前記制御弁を駆動する手段と、前記
    制限手段により切り捨てられる量を求め、その値を前記
    先送り量として保持し、また切り捨てられる量がないと
    き保持値をゼロとする手段とを設けたことを特徴とする
    信号処理装置。
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