JPH06257497A - エンジンの燃料噴射制御装置およびその方法 - Google Patents

エンジンの燃料噴射制御装置およびその方法

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JPH06257497A
JPH06257497A JP4778793A JP4778793A JPH06257497A JP H06257497 A JPH06257497 A JP H06257497A JP 4778793 A JP4778793 A JP 4778793A JP 4778793 A JP4778793 A JP 4778793A JP H06257497 A JPH06257497 A JP H06257497A
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JP
Japan
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fuel
injection
injection time
air
time
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JP4778793A
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English (en)
Inventor
Takao Matsunaga
太嘉生 松永
Seisuke Mitsunaga
誠介 光永
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料の無効噴射時間の誤差を補正することに
より、エンジンの空燃比制御特性を向上させるエンジン
の燃料噴射制御装置およびその方法を提供する。 【構成】 エンジン2に供給する燃料の基本噴射時間T
eを算出し(S50)、基本噴射時間Teに無効噴射時
間Tvを加えて非分割噴射時間Tiを算出し(S6
0)、非分割噴射時間Tiで燃料供給し(S70)、基
本噴射時間Teを二つに分割して分割時間Telおよび
Tetに無効噴射時間Tvを加えて分割噴射時間Til
およびTitを算出し(S90)、分割噴射時間Til
およびTitで燃料分割供給し(S100)、この時の
空燃比CFBを検出し(S110)、燃料非分割噴射時の
空燃比CFB1 と燃料分割噴射時の空燃比CFB2 とを比較
して、無効噴射時間Tvの誤差Kを算出し、誤差Kを符
号反転させた値を無効噴射時間Tvの補正量する(S1
20)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの燃料噴射制
御装置およびその方法に係り、特に燃料の無効噴射時間
の補正が行われるエンジンの燃料噴射制御装置およびそ
の方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子制御式エンジンでは次のよ
うな燃料噴射制御技術が実用化されている。
【0003】図6に示すようにエンジン2の吸気系4に
設けられた燃料噴射弁6から噴射供給される燃料量は、
燃料噴射時間に正比例するようになっており、この噴射
時間はマイクロコンピユータでなる制御ユニット8によ
って演算され、これに相応するパルス幅の燃料噴射パル
ス信号が燃料噴射弁6に出力される。
【0004】すなわち、良く知られているように制御ユ
ニット8は、エアフローメータ10で検知した吸入空気
量と回転センサ12で検知したエンジン回転数とから算
出される吸気充填量に基づいて燃料噴射時間の基本値を
演算し、暖機増量補正,始動後増量補正,加速増量補
正,高負荷増量補正,吸気温補正などのエンジン2の運
転状態に応じた各種の補正を行うための補正係数を前記
基本値に掛けるとともに、空燃比が目標空燃比になるた
めのフィードバック制御をエンジン2の運転状態に応じ
て適宜実行して、その空燃比フィードバック係数を、各
種補正係数を掛けられた前記基本値に掛けることによ
り、燃料噴射時間(燃料供給量)が決定されるのであ
る。
【0005】ここで、図4は燃料噴射量の時間に対する
特性を示しており、燃料噴射弁6は前述の通り、これに
入力される噴射パルス信号の幅(つまり燃料噴射時間の
長短)と噴射燃料量との関係がリニアに正比例すること
が望ましいのであるが、実際には、針弁がノズルの弁座
から最大リフト値まで開かれる間の噴孔面積の変化、お
よび針弁のリフト開始直後の燃圧の若干の低下に起因し
て、この針弁のリフト開始直後においては所望の燃料流
量特性が得られない。そのため、制御ユニット8から、
燃料噴射弁6に噴射開始の信号が出てから実際に定常流
量で噴射されるまでには、図4に示すように、燃料噴射
量曲線f(t)に表されるような応答遅れが生じ、その
応答遅れ分、燃料噴射量が不足してしまう。そこで、こ
の応答遅れによって不足する燃料量(図4斜線部分)に
相当する噴射時間Tvを無効噴射時間として燃料噴射時
間Teに加算し、該応答遅れによる燃料噴射量の不足を
防止している。
【0006】この無効噴射時間Tvは定数として制御ユ
ニット8のメモリに記憶されて、燃料噴射時間の演算時
には制御ユニット8の中央処理装置に読み出されるよう
になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、燃料噴射弁
6は製造ばらつきおよび経年変化によって、その噴射特
性に変化が生じる。すなわち、燃料噴射弁6のノズルや
針弁の形状等の製造誤差や経時変化に起因して、前述し
た燃料噴射量特性の応答遅れにバラツキが生じ、図4に
示すように、燃料噴射量曲線は前述したf(t)とは一
致せず、例えばg(t)のような燃料噴射量曲線となっ
てしまう。このため、定数として制御ユニット8のメモ
リに記憶されている無効噴射時間Tvは、実際の不足燃
料量に一致しなくなり、実際の燃料噴射量に誤差(図4
燃料噴射量曲線f(t)とg(t)で囲まれた領域)が
生じてしまう。したがって、メモリに記憶された無効噴
射時間を燃料噴射時間Teに加算にするだけでは、燃料
噴射弁6の応答遅れによる燃料噴射量不足を適切に補う
ことが最早できなくなってしまい、空燃比にずれが生
じ、この空燃比のフィードバック補正の制御性が悪化し
てしまうこととなる。
【0008】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、燃料の無効噴射時間の誤
差を補正することにより、エンジンの空燃比制御特性を
向上を図ったエンジンの燃料噴射制御装置およびその方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の燃料噴射制御装置は、エンジンの吸気充
填量に基づいて燃料噴射弁から該エンジンに噴射供給す
る燃料の基本噴射時間を演算する基本噴射時間演算手段
と、前記基本噴射時間に無効噴射時間を加えて非分割噴
射時間を算出し、該非分割噴射時間で燃料噴射弁から燃
料を噴射供給する非分割噴射手段と、前記基本噴射時間
を複数に分割してこれらの分割時間にそれぞれ前記無効
噴射時間を加えて分割噴射時間を算出し、該分割噴射時
間で燃料噴射弁から燃料を複数回に分割して噴射供給す
る分割噴射手段と、燃料が噴射供給された混合気の空燃
比を検出する空燃比検出手段と、該空燃比検出手段から
の出力を受けて、燃料が非分割噴射されたときの空燃比
と分割噴射されたときの空燃比とを比較することにより
無効噴射時間の誤差を算出し、該誤差を前記無効噴射時
間に反映する無効噴射時間補正手段とを備えることを特
徴とする。
【0010】また、上記の目的を達成するために、本発
明の燃料噴射制御方法は、エンジンの吸気充填量に基づ
いて燃料噴射弁から該エンジンに噴射供給する燃料の基
本噴射時間を演算し、該基本噴射時間に無効噴射時間を
加えて算出した非分割噴射時間で燃料噴射弁から燃料を
噴射供給したときの混合気の空燃比を検出するととも
に、該基本噴射時間を複数に分割してこれらの分割時間
にそれぞれ前記無効噴射時間を加えて算出した分割噴射
時間で燃料噴射弁から燃料を複数回に分割して噴射供給
したときの混合気の空燃比を検出し、非分割噴射したと
きの空燃比と分割噴射したときの空燃比とを比較して無
効噴射時間の誤差を算出し、該誤差を前記無効噴射時間
に反映することを特徴とする。
【0011】
【作用】上記構成の本発明によれば、無効噴射時間は燃
料を噴射する毎にその噴射時間に加算されるので、燃料
が分割噴射された場合には該無効噴射時間の誤差は、そ
の分割数に比例して累積する。この分割噴射時の空燃比
は、その累積した無効噴射時間の誤差量に応じて、非分
割噴射された場合に比し、大きく変動する。したがっ
て、非分割噴射時の空燃比と分割噴射時の大きく変動し
た空燃比とが比較されるので、この比較結果に基づいて
無効噴射時間の誤差を逆算出できる。そして、逆算出さ
れた該誤差を前記無効噴射時間に反映するので、無効噴
射時間の誤差がなくなり、燃料噴射弁の応答遅れによる
燃料噴射量の不足が確実に防止され、空燃比のより適切
な制御が可能になる。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の好適な一実施例を添付図面
に基づき詳述する。
【0013】本発明のエンジンの燃料噴射制御装置の基
本構成は前出の図6の従来の燃料噴射制御装置と共通し
ている。同図において、2はエンジン、4はその吸気
系、24はその排気系である。吸気系4には、スロット
ルバルブ28および燃料噴射弁6が配設されており、ス
ロットルバルブ28にはその開度を検出するスロットル
開度センサ18が取り付けられている。また、排気系6
にはO2センサ等の空燃比センサ26が配設されてい
る。
【0014】そして、上記スロットル開度センサ18と
空燃比センサ26はマイクロコンピュータでなる制御ユ
ニット8の入力側に接続されている。また、この制御ユ
ニット8の入力側にはさらに、エンジン2の回転数とク
ランク角度を検知する回転センサ12,エンジン温度を
冷却水温度で検出する水温センサ14,スロットルバル
ブ28上流側で吸気温度を検出する吸気温センサ20お
よび吸入空気量を検知するエアフローメータ10がそれ
ぞれ接続されていて、制御ユニット8には上記の各セン
サ類10,12,14,18,20および26から各種
のエンジンの運転状態を示す情報が入力されるようにな
っている。
【0015】また、燃料噴射弁6は制御ユニット8の出
力側に接続されていて、この制御ユニット8に内蔵され
た燃料噴射制御プログラムに従って、エンジン2の運転
状態に応じてその作動が制御されるようになっている。
【0016】図1は、本発明に係るエンジンの燃料噴射
制御装置の制御概念を示す図であり、同図において、基
本噴射時間演算手段では、エンジン2の吸気充填量に基
づき燃料噴射弁6からエンジン2に燃料供給する燃料の
基本噴射時間Teを演算する。つぎに、非分割噴射手段
で、基本噴射時間Teに無効噴射時間Tvを加えて非分
割噴射時間を算出し、この非分割噴射時間で燃料噴射弁
6から燃料をエンジン2へ噴射供給する。そして、空燃
比検出手段で、燃料が噴射供給された混合気の空燃比を
検出する。つぎに、分割噴射手段で、基本噴射時間Te
を複数に分割してこれらの分割時間にそれぞれ無効噴射
時間Tvを加えることにより、分割噴射時間を算出し、
算出されたこれらの分割噴射時間で燃料噴射弁6から燃
料を複数回に分割してエンジン2へ噴射供給する。そし
て、空燃比検出手段で、燃料が噴射供給された混合気の
空燃比を検出する。つぎに、無効噴射時間補正手段で、
空燃比検出手段からの出力を受けて、燃料が非分割噴射
されたときの空燃比と分割噴射されたときの空燃比とを
比較することにより、無効噴射時間Tvの誤差を算出
し、この誤差に基づいて無効噴射時間Tvの補正を行
う。なお、本実施例では、分割噴射時と非分割噴射時と
の空燃比に基づいて無効噴射時間Tvの補正を行うの
で、エンジン2が暖機状態であるとともにエンジン回転
数Neおよび充填効率Ce等エンジンの運転状態を示す
パラメータが定常状態であり、さらにパージなどの外乱
およびエアコンなどの外部負荷などによって、空燃比が
乱れることのない状態で、前記無効噴射時間Tvの補正
を行う。
【0017】図2は、本発明に係るエンジンの燃料噴射
制御装置の具体的な制御プロセスを示し、制御ユニット
8によって実行される燃料噴射制御プログラムのフロー
チャートである。同図に示す燃料噴射制御では、起動さ
れるとまず水温センサ14からエンジン水温THW,吸
気温センサ20から吸気温THWAA,エアフローメー
ター10から吸入空気量Qおよび回転センサ12からエ
ンジン2の回転数Ne等の各種運転状態を表すパラメー
タを読込む(S10)。つぎに、以下の不等式で示され
る条件を満たすか否かを判定することにより、エンジン
2の暖機判定を行う(S20)。すなわち、エンジン水
温THWおよび吸気温THWAAが所定範囲の値である
か否かの判定を行う。エンジン2が暖機状態であれば次
のステップへ移り、否であればこの制御プログラムは終
了する。なお、A〜Cはこの燃料噴射制御装置を備えた
エンジン2に固有な定数である。
【0018】THW ≧A B≧THAA≧C また、以下の不等式で示される条件を満たすか否かを判
定することにより、エンジン2の運転状態の定常判定を
行う(S30)。すなわち、エンジン回転数Neおよび
充填効率Ceが所定期間の間、定常であるか否かを判定
する。そして、エンジン2が定常状態であれば次のステ
ップへ移り、否であればこのプログラムは終了する。な
お、エンジン回転数Neおよび充填効率Ceは所定サン
プリング回数NN回サンプリングされ、同条件の判定は
NN−1(回)行われて全回とも満たされた場合に同判
定は最終的に満たされたものとする。カッコ内のiは第
i番目のサンプリングを意味し、2〜NNの整数値をと
る。また、F,Gはこの燃料噴射制御装置を備えたエン
ジン2に固有な定数である。
【0019】 | Ne(i) − Ne(i−1)| ≦ F | Ce(i) − Ce(i−1)| ≦ G つぎに、パージカットを行いエンジン2への蒸発燃料の
供給を停止し(S40)、外乱要素の影響によって空燃
比が変動しないようにする。そして、基本噴射時間Te
´の算出を行う(S50)。この基本噴射時間Te´
は、 Te´=K*(Q/Ne) ………(1) という演算式に基づいて求められる。なお、上記演算式
(1)においてKはこの燃料噴射制御装置を備えたエン
ジン2に固有な定数である。
【0020】その後基本噴射時間Te´のなまし処理
を、 Te(i) =(A *Te(i-1) + (100-A)*Te´)/100 ………(2) という演算式に基づいて行ない、最終的な基本噴射時間
Teを算出する。なお、上記演算式(2)においてA
(0≦A≦100)は定数である。
【0021】つぎに、燃料を非分割に噴射する時間、す
なわち非分割噴射時間Tiの算出を行う(S60)。図
4に示すように、非分割噴射時間Tiは、 Ti=Te*(1+CFB1 )+Tv ………(3) という演算式によって求められる。そして、算出された
非分割噴射時間Tiの間、燃料噴射弁6から燃料が非分
割に噴射され(S70)、このときの空燃比が空燃比セ
ンサ26によって検出される(S80)。
【0022】ここで、S80で行われる、噴射された燃
料の空燃比の検出方法を図3に基づいて述べる。同図は
空燃比検出プログラムのフローチャートであり、空燃比
を所定のサンプリング回数分n回検出した上でそれらの
相加平均値を空燃比値とする。なお、本実施例では、空
燃比を表すパラメーターとして空燃比フィードバック補
正値CFB1 を用いる。同図において、まず、空燃比フィ
ードバック補正値CFB1 のサンプリング回数を表すSC
の値を0に初期化する(S801)。つぎに、空燃比サ
ンプリング回数SCの値を+1カウントする(S80
2)。ついで、O2 センサからの出力値を読み込み(S
803)、その出力値に基づいて空燃比フィードバック
補正値CFB1 (SC)を演算し(S804)、その演算
されたCFB1 (SC)をメモリに記憶させる(S80
5)。そして、空燃比サンプリング回数SCが所定のサ
ンプリング回数nか否かを判定し、YESであれば次の
ステップ(S807)へ進み、NOであればS802へ
戻る(S806)といったルーチンを所定サンプリング
回数n回繰り返す。S807では所定サンプリング回数
n回分のCFB1 (SC)の相加平均を算出し、この相加
平均値を最終的な空燃比フィードバック補正値CFB1 と
し、S80は終了する。
【0023】つぎに、図2に示すように、S80が終了
すると、燃料を分割して噴射する時間、すなわち分割噴
射時間Til およびTit が演算される(S90)。本
実施例では2分割に分割する。ここで、図5は分割噴射
時の燃料噴射量の特性を示しており、時間をパラメータ
ーとしている。下記(4)〜(6)式に示すように、S
50で得られた基本噴射時間Teを2分割したTel お
よびTet それぞれに、フィードバック補正係数CFB2
に1を加えた数を掛けて無効噴射時間Tvを加えること
により、燃料分割噴射時の噴射時間Til およびTit
が演算される。
【0024】 Te=Tel +Tet ………(4) Til =Tel *(1+CFB2 )+Tv ………(5) Tit =Tet *(1+CFB2 )+Tv ………(6) そして、それぞれ算出された非分割噴射時間Til およ
びTit の間、燃料噴射弁6から燃料が分割されて順次
噴射され(S100)、このときの空燃比が空燃比セン
サ26によって検出される(S110)。なお、この空
燃比の検出方法はS80と同様にして行われ、空燃比を
表すパラメーターとして空燃比フィードバック補正値C
FB2 が用いられる。
【0025】つぎに、無効噴射時間Tvの補正を行う
(S120)。この補正量は、S80で検出された燃料
非分割噴射時のフィードバック補正係数CFB1 とS11
0で検出された燃料分割噴射時のフィードバック補正係
数CFB2 とに基づいて算出される。
【0026】以下、この無効噴射時間Tvの補正方法を
述べる。この補正方法の概念としては、以下の(7)〜
(9)式に示すように、定数として制御ユニット8のメ
モリに記憶されている無効噴射時間Tvと、燃料噴射弁
6の実際の応答遅れ時間TV′との差を演算し、この差
を無効噴射時間Tvの誤差Kとする。そして、この誤差
Kの正負符号を反転させた−Kを無効噴射時間Tvの補
正量K′とし、無効噴射時間Tvにこの補正量K′を加
えることにより、無効噴射時間Tvを燃料噴射弁6の実
際の応答遅れ時間TV′と等しくなるように補正する。
【0027】 K=TV−TV′ ………(7) K′=−K ………(8) TV′=TV+K′ ………(9) ここで、無効噴射時間Tvの補正量K′(=−K)の具
体的な算出方法を述べる。燃料噴射量は分割噴射時およ
び非分割噴射時ともに理論空燃比(通常14.7)にな
るようにフィードバック補正されるので、以下の(1
0)式に示すように、非分割噴射時に噴射された燃料量
と、分割噴射時に噴射されたトータル燃料量とは等しく
なる。図4および図5に示すように、aは、燃料噴射を
開始してから燃料噴射量が実際に定常状態になるまでの
所要時間,bは単位時間当たりの定常燃料噴射量および
g(t)は前述した実際の燃料量噴射曲線であり、∫g
(t)dtは、燃料噴射を開始してから燃料噴射量が定
常状態になるまでの実際の燃料噴射量を示す。また、無
効噴射時間Tvと無効噴射時間Tvの補正量K′との和
に単位時間当たりの定常燃料噴射量bを掛けた数値は、
実際の応答おくれによる燃料噴射量の不足量である。面
積a*bは次元として燃料量を表わし、(11)式に示
すように∫g(t)dtは、この面積a*bからこの燃
料噴射量の不足量を引いた数値に等しい。これらのa,
b,g(t)および∫g(t)dtは燃料噴射弁6に固
有な関数および値であり、非分割噴射時および分割噴射
時ともに共通である。
【0028】 ∫g(t)dt+(Te−a+Tv+Te*CFB1 )*b = ∫g(t)dt+(Tel−a+Tv+Tel*CFB2 )*b +(Tet−a+Tv+Tet*CFB2 )*b ………(10) ∫g(t)dt=a*b−(Tv+K′)*b ………(11) 以下に示す式のように、前記(10)式を前記(3)〜
(9)および(11)式に基づいて変形していくと、
K′は以下の(12)式のように算出される。
【0029】 K′=Te*(CFB2 −CFB1 ) ………(12) すなわち、非分割噴射時の空燃比と分割噴射時の空燃比
とが等しければ、無効噴射時間Tvの補正量K′すなわ
ち無効噴射時間Tvの誤差Kは0となる。
【0030】なお、本実施例では、燃料噴射の分割数を
2分割の場合としたが、本願発明にあっては、それに限
らず他の分割数にも適用でき、N分割した場合には、前
記(12)式は下記(13)式のようになる。
【0031】 K′=Te*(CFBN −CFB1 )/(N−1) ………(13) 以上のようにして、無効噴射時間Tvの補正量K′を算
出して、この制御プログラムは終了する。そして、無効
噴射時間Tvは、補正量K′を加えられて新たな無効噴
射時間Tvとして制御ユニット8のメモリに記憶され
る。したがって、燃料噴射時間の演算時には、燃料噴射
弁6の実際の応答遅れと等しい無効噴射時間Tvが制御
ユニット8のメモリから中央処理装置に読み出されるの
で、燃料噴射弁6の応答遅れによる燃料噴射量の不足が
確実に防止され、空燃比のより適切なフィードバック制
御が可能になる。
【0032】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
本発明によれば次の如き優れた効果を発揮する。燃料が
非分割噴射されたときの空燃比と分割噴射されたときの
空燃比とを比較することにより、無効噴射時間の誤差を
算出し、この誤差を無効噴射時間に反映するので、無効
噴射時間の誤差をなくすことができ、燃料噴射弁の応答
遅れによる燃料噴射量不足の防止を確実に図り得、空燃
比のフィードバック制御性を向上させることができる。
したがって、触媒コンバーターによる排出ガスの浄化性
能およびエンジンの燃費性能等の向上が図れるようにな
る。また燃料噴射弁の製造時に生ずる流量特性のバラツ
キや経年変化を吸収して空燃比のフィードバック制御性
が阻害されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンの燃料噴射制御装置の制
御概念図である。
【図2】本発明に係るエンジンの燃料噴射制御装置の一
実施例の制御内容を簡単に示すフローチャートである。
【図3】本発明に係るエンジンの燃料噴射制御装置の一
実施例の制御の一部を示すフローチャートである。
【図4】従来および本発明に係るエンジンの燃料噴射制
御装置の時間に対する非分割燃料噴射量特性を示す図で
ある。
【図5】従来および本発明に係るエンジンの燃料噴射制
御装置の時間に対する分割燃料噴射量特性を示す図であ
る。
【図6】本発明に係るエンジンの燃料噴射制御装置の一
実施例の概略構成図である。
【符号の説明】
2 エンジン 4 吸気系 6 燃料噴射弁 8 制御ユニット 12 回転センサ 14 エンジン水温センサ 20 吸気温センサ 26 空燃比センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの吸気充填量に基づいて燃料噴
    射弁から該エンジンに噴射供給する燃料の基本噴射時間
    を演算する基本噴射時間演算手段と、 該基本噴射時間に無効噴射時間を加えて非分割噴射時間
    を算出し、該非分割噴射時間で燃料噴射弁から燃料を噴
    射供給する非分割噴射手段と、 該基本噴射時間を複数に分割してこれらの分割時間にそ
    れぞれ前記無効噴射時間を加えて分割噴射時間を算出
    し、該分割噴射時間で燃料噴射弁から燃料を複数回に分
    割して噴射供給する分割噴射手段と、 燃料が噴射供給された混合気の空燃比を検出する空燃比
    検出手段と、 該空燃比検出手段からの出力を受けて、燃料が非分割噴
    射されたときの空燃比と分割噴射されたときの空燃比と
    を比較することにより無効噴射時間の誤差を算出し、該
    誤差を前記無効噴射時間に反映する無効噴射時間補正手
    段と、 を備えたことを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装
    置。
  2. 【請求項2】 エンジンの吸気充填量に基づいて燃料噴
    射弁から該エンジンに噴射供給する燃料の基本噴射時間
    を演算し、 該基本噴射時間に無効噴射時間を加えて算出した非分割
    噴射時間で燃料噴射弁から燃料を噴射供給したときの混
    合気の空燃比を検出するとともに、 該基本噴射時間を複数に分割してこれらの分割時間にそ
    れぞれ前記無効噴射時間を加えて算出した分割噴射時間
    で燃料噴射弁から燃料を複数回に分割して噴射供給した
    ときの混合気の空燃比を検出し、 非分割噴射したときの空燃比と分割噴射したときの空燃
    比とを比較して無効噴射時間の誤差を算出し、該誤差を
    前記無効噴射時間に反映する、 ことを特徴とするエンジンの燃料噴射制御方法。
JP4778793A 1993-03-09 1993-03-09 エンジンの燃料噴射制御装置およびその方法 Pending JPH06257497A (ja)

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