JP2011510225A - 内燃機関の制御方法、装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
内燃機関のそれぞれの燃焼室内に燃料を噴射するための複数の噴射弁を備えた内燃機関の制御方法において、第1の噴射方式で第1の目標総燃料量を供給するように前記噴射弁を操作するステップと、前記第1の噴射方式で操作したときに噴射された第1の実際総燃料量を決定するステップと、第2の噴射方式で第2の目標総燃料量を供給するように前記噴射弁を操作するステップであって、この場合、前記第2の噴射方式においては、噴射弁の少なくとも1つが第1の噴射方式とは異なって操作される、前記第2の噴射方式で第2の目標総燃料量を供給するように前記噴射弁を操作するステップと、前記第2の噴射方式で操作したときに噴射された第2の実際総燃料量を決定するステップと、および前記第1の実際総燃料量および前記第2の実際総燃料量の関数として、前記噴射弁の少なくとも1つの作動特性を決定するステップと、を含む内燃機関の制御方法が提供される。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関のそれぞれの燃焼室内に燃料を噴射するための複数の噴射弁を備えた内燃機関の制御方法において、目標総燃料量を供給するように噴射弁を操作するステップと、操作したときに噴射された実際総燃料量を決定するステップと、および実際総燃料量の関数として、噴射弁の少なくとも1つの作動特性を決定するステップと、を含む内燃機関の制御方法に関するものである。さらに、本発明は、このような方法を実行するための装置および対応するコンピュータ・プログラムに関するものである。
噴射弁を介して燃料が供給される複数の燃焼室を備えた内燃機関において、排ガス規制を順守するために且つ内燃機関の回転不規則性を回避するために、個々の噴射弁からそれぞれ噴射された燃料量を、個々にモニタリングすること、即ち燃焼室ごとにモニタリングすることが必要である。このために、従来技術から種々の方法が既知であり、例えば、内燃機関の回転不規則性を決定し、且つ弁ごとにないしは燃焼室ごとに燃料の正確な量が噴射されるように操作を変化させることが既知である。他の可能性は、例えば、複数のλセンサにより、または内燃機関の個々の燃焼室の混合され且つ集められた排気ガスのλ値を決定するλセンサの信号を十分に高い頻度で走査することにより、燃焼室ごとに空気比ないしはλ値を測定することである。
上記の方法および装置は種々の欠点を有し、即ちそれらは一部不正確である。全排気ガスを分析する単一のλセンサを使用することは、個々の燃焼室の排気ガスが一部混合されるので、結果として不正確である。他の方法または装置は費用がかかり、例えば、各燃焼室に対してそれぞれ1つのλセンサを設けることは高価である。
したがって、本発明の課題は、従来技術から既知の上記の装置および方法を、内燃機関の運転中に噴射弁の特性を弁ごとにモニタリングする、特に簡単且つコスト的に有利な可能性が提供されるように改善することである。
この課題は、内燃機関のそれぞれの燃焼室内に燃料を噴射するための複数の噴射弁を備えた内燃機関の制御方法において、第1の噴射方式で第1の目標総燃料量を供給するように噴射弁を操作するステップと、第1の噴射方式で操作したときに噴射された第1の実際総燃料量を決定するステップと、第2の噴射方式で第2の目標総燃料量を供給するように噴射弁を操作するステップであって、この場合、第2の噴射方式においては、噴射弁の少なくとも1つが第1の噴射方式とは異なって操作される、第2の噴射方式で第2の目標総燃料量を供給するように噴射弁を操作するステップと、第2の噴射方式で操作したときに噴射された第2の実際総燃料量を決定するステップと、および第1の実際総燃料量および第2の実際総燃料量の関数として、噴射弁の少なくとも1つの作動特性を決定するステップと、を含む内燃機関の制御方法により解決される。この場合、用語「目標総燃料量」および「実際総燃料量」はそれぞれ、特定数の作業サイクル間に噴射されるべき燃料量、ないしは実際に噴射された燃料量を表わすことが好ましい。これは、1つの作業サイクル当たりの燃料の容積流量または質量流量に対応する。実際に噴射された燃料量の決定は、一般に、間接的にのみ燃料量と関係するパラメータを決定する決定方法、例えば、排気ガスのλ値がわかっているときに燃焼室内を通過する空気流量の決定、もまた含まれるものと理解されるべきである。少なくとも1つの噴射弁の決定される作動特性とは、同様に、一般に、燃料の供給においてそれぞれの噴射弁が内燃機関の制御側における設定にどの程度追従するか、と理解されるべきである。この場合、噴射弁は、内燃機関の寿命の間に、例えば摩耗により、制御によって要求された燃料量に対するそれぞれ噴射された燃料量の偏差を示す可能性が考慮されるべきである。さらに、噴射弁が内燃機関の寿命の間に機能性を失い、即ち、噴射弁がもはや許容不可能または補正不可能な機能障害を有しているので、噴射弁は内燃機関の正常な運転に対しては交換されなければならないことがある。作動特性の決定が、それぞれの目標総燃料量に比較した第1の実際総燃料量または第2の実際総燃料量のそれぞれに応じてとして行われることもまた好ましい。このようにして、個々の弁または複数の弁が他の弁に対してどのように作動するかが検査可能であるのみならず、全ての弁が共に所定の総燃料量(目標総燃料量)を正確に供給するかどうかもまた検査可能である。さらに、これにより、作動特性を検査するための他のパラメータが得られる。
第1の目標総燃料量が第2の目標総燃料量と同じであることが有利である。これは、このような検査が内燃機関の同じ運転点において可能であるので、作動特性の特に簡単な検査または決定を保証し、これにより、両方の噴射方式が直接相前後して実行可能であるので、他の外乱変数の影響が低減可能である。
少なくとも1つの噴射弁の機能性が、噴射弁の決定された作動特性に依存として決定されることが好ましい。即ち、操作を変更することによっても燃料の正確な供給が達成可能ではない欠陥噴射弁を検出すること、および保守記録内にそれを記入することが可能である。さらに、内燃機関が装着されている自動車のドライバにその警告を与えることが可能である。
決定された作動特性への依存として、少なくとも1つの噴射弁に対する操作パラメータの適応が行われることが好ましい。特に、内燃機関の噴射弁に対する操作パラメータが適応される場合、それは好ましく、この場合、これは必ずしも全ての操作パラメータの変更を含む必要はなく、特定の操作パラメータの適応のみを含むだけでよく、これにより、噴射弁の作動特性は相前後して調整される。特定の境界条件のもとで特定の操作において開放された噴射弁を通していかなる量の燃料が流動するかに対する指数である操作パラメータが変化される場合、それは好ましい。さらに弁の開放時間または弁の閉鎖時間と操作との関係を表わす操作パラメータを調節することは好ましい。
第2の噴射方式において、少なくとも2つの噴射弁が、第1の噴射方式とはそれぞれ異なる弁燃料量要求で操作されることが有利である。これは、いわゆる量分配の調整を行う。これは目標総燃料量を同じままにして行われることが好ましく、これにより、例えば、4シリンダ・エンジンにおいて、3つの噴射弁がより少ない燃料量要求で操作され且つ第4の噴射弁がそれに対応して増加された燃料量要求で操作されるので、制御により要求された総燃料量は同じままである。この場合、上記とは異なる調整もまた可能である。本発明の実施例に関連してこの出願においては他の可能な調整もまた記載されているが、これらの調整は単に例として挙げられているにすぎない。量分配の調整の範囲内で、決定された噴射実際燃料量に関して方程式系が設定され、この場合、多数の噴射弁、即ち4つ以上の燃焼室に対する4つ以上の噴射弁を備えた内燃機関においてもまた、各噴射弁に対して、個々の噴射弁がそれぞれに要求された噴射量を実際に供給したかどうかに関する一義的な決定を実行することが可能である。この場合、本発明の範囲内において、それに対応して増加された数の調整パターンまたは異なる噴射方式のみが使用されるべきである。
第2の噴射方式において、噴射弁の少なくとも1つが、内燃機関の1作業サイクル当たり、第1の噴射方式とは異なる数の弁開放で操作されることが好ましい。これは、例えば、第1の噴射方式においては、要求された燃料量を供給するために、全ての弁が1作業サイクルにおいてそれぞれ1回のみ開放し且つ再び閉鎖するように制御可能であり、第2の噴射方式においては、合計4つの噴射弁のうちの1つが、1作業サイクル当たり2つの個別噴射が行われるように操作されることを意味する。この場合、1つの噴射と同じ燃料量が2つの部分噴射に分割されることが好ましい。同様に、任意の他の数の個別噴射が可能である。
実際燃料量を決定するために、内燃機関のλセンサの信号が評価されることが好ましい。実際燃料量は第1の実際燃料量および第2の実際燃料量である。内燃機関のλセンサは排気ガスの理論比を測定することが好ましく、これにより、内燃機関を通過する空気流量に関する情報およびλセンサの信号から、それ自身既知のように、内燃機関により噴射され且つ燃焼された実際燃料量が推測可能である。この利点は、本方法を実行するために内燃機関の既存のλセンサが使用可能なことである。
第1の噴射方式または第2の噴射方式による複数の操作が、それぞれ、内燃機関の異なる運転点において行われることが好ましい。これは、例えば、内燃機関の特定の運転点において、1つまたは複数の弁の作動特性の決定が第1の噴射方式および第2の噴射方式で行われ、且つ内燃機関の異なる運転点において、再び特性が第1または第2の噴射方式で行われることを意味する。例えば、本方法は、リッチな運転点に対して、即ち燃料過剰において実行され、且つリーンな運転点に対して、即ち酸素過剰で実行されてもよく、これにより、それに続いてこの両方の経過の結果を平均することが可能である。運転点の他の可能な変更態様は、内燃機関の回転速度または内燃機関の絞り弁位置である。これは、個々の噴射弁の供給精度の偏差をより正確に決定するという利点を提供する。
本発明が少なくとも2つの異なる噴射方式で実行されることは有利であり、この場合、少なくとも2つの実際総燃料量が決定される。例えば、4シリンダ・エンジンにおいて、本方法を3つの噴射方式で実行することが可能であり、この場合、3つの実際総燃料量が決定される。これから、方程式系が設定され、この方程式系を用いて、全ての噴射弁が特定の燃料量の要求において同じ燃料量を噴射するように、個々の噴射弁に対する制御パラメータが個々に適応される。さらに、同様に、λセンサによるλ値の決定を介して、実際総燃料量が目標総燃料量に対応するかどうかが決定可能であり、これにより、全ての弁を介して共に制御パラメータの適応を行うこともまた可能であるので、4つの燃焼室および噴射弁における方程式系に対して4つの方程式が利用可能である。同様に、これは、例えば、少なくとも5つの異なる噴射方式が相前後して同じ目標総燃料量で実行され、それに続いて、それぞれの実際総燃料量が決定されることにより、6つの燃焼室および噴射弁に対してもまた可能である。本発明は、過剰に決定された方程式系が提供され、この場合、次に制御パラメータに対する補正が、重みづけされてもよい平均化方法により決定されることを排除するものではない。
本発明の他の独立対象は、上記の特徴または実施形態に示された特徴に対応する方法を実行するように設計されている装置、特に制御装置または内燃機関である。
本発明の他の独立対象は、対応する方法を実行するためのプログラム・コードを有するコンピュータ・プログラムである。
本発明の他の独立対象は、対応する方法を実行するためのプログラム・コードを有するコンピュータ・プログラムである。
以下に本発明の一実施例が添付図面により詳細に説明される。
図1に、4つの噴射弁2.1、2.2、2.3および2.4を介して燃料が供給される4つの燃焼室(図示されていない)を備えた内燃機関1が略図で示されている。燃料を供給するために、噴射弁2.1、2.2、2.3および2.4の上流側に高圧貯蔵器3が配置され、高圧貯蔵器3にはタンクから低圧ポンプ(図示されていない)を介して燃料が供給される。噴射弁2.1、2.2、2.3および2.4は制御ユニット4により操作される。制御ユニット4は、他の信号入力端および信号出力端のほかに、それを介してλセンサ6の信号が制御ユニット4内に記憶される信号入力端5を含む。λセンサ6は内燃機関1の排気ガスのλ値を測定する。このために、λセンサ6は、内燃機関1の排気ガスを導く排気管7に配置されている。
以下に、本発明の種々の実施形態が、流れ図および図1に示された装置により説明される。
図2に、本発明の好ましい一実施形態が略流れ図で示されている。図2の本発明による方法はステップ21からスタートされる。本発明による方法のスタートは、内燃機関により駆動される車両の測定されたkm走行距離に応じて定期的に行われてもよい。代替態様または追加態様として、本発明による方法は、一定時間間隔で開始されても、または内燃機関の他のパラメータに基づき、噴射弁2のいずれかによる燃料の供給においてエラー機能が存在する疑いが検出された場合に開始されてもよい。
図2に、本発明の好ましい一実施形態が略流れ図で示されている。図2の本発明による方法はステップ21からスタートされる。本発明による方法のスタートは、内燃機関により駆動される車両の測定されたkm走行距離に応じて定期的に行われてもよい。代替態様または追加態様として、本発明による方法は、一定時間間隔で開始されても、または内燃機関の他のパラメータに基づき、噴射弁2のいずれかによる燃料の供給においてエラー機能が存在する疑いが検出された場合に開始されてもよい。
それに続くステップ22において、噴射弁カウンタが1にセットされる。その後に、本方法はループ内に入る。ループ内の第1のステップはステップ23であり、ステップ23において、はじめに、全ての弁が同じ噴射量要求で操作される。即ち、ステップ23において、噴射弁は、できるだけ同じ燃料量を与えるように操作される。これは第1の噴射方式に対応する。さらに、内燃機関の絞り弁を介して排気ガス内に1のλ値が設定される。
それに続くステップ24において、既に実行されたステップ23の間と同じ目標総燃料量が噴射弁により要求される。しかしながら、ステップ24においては、噴射弁は全て噴射弁ごとに同じ燃料量要求で操作されない。ステップ24においては、噴射弁はむしろ調整された量要求で操作される。これは可能な第2の噴射方式の1つである。噴射弁の操作における調整された燃料量要求に対して多数の異なる噴射方式が存在し、この出願においては、そのうちの幾つかだけが例として挙げられているにすぎない。図2の方法においては、例として、燃料量要求の調整に対する1つの噴射方式が提供される。
ステップ24において、図1の第1の噴射弁2.1はxだけ増加された燃料量要求で操作され、且つ図1の他の噴射弁2.2、2.3および2.4はx/3だけ低減された燃料量要求で操作されるように噴射弁が操作される。これはベクトル表現により次のように記載される。
(+x,−x/3,−x/3,−x/3)
この場合、ベクトルの値は図1の噴射弁2.1、2.2、2.3および2.4の順序におけるそれぞれの噴射弁の調整を表わす。
(+x,−x/3,−x/3,−x/3)
この場合、ベクトルの値は図1の噴射弁2.1、2.2、2.3および2.4の順序におけるそれぞれの噴射弁の調整を表わす。
それに続いて、ステップ25において、排気ガスのλ値が再び測定される。噴射弁に対して正確に設定された操作パラメータにおいて、ステップ23においてと同じ目標総燃料量が設定されたので、調整後のこのλ値は同様に1に等しくなければならない。しかしながら、例えば、噴射弁2.1が「要求燃料量」の「供給燃料量」に対する関係のより大きな勾配を示した場合、噴射弁2.1においてxだけ増加された燃料量要求により比例以上に増加された燃料量が実際に供給されるので、λ値は1に等しくない。これは、上記の関係のきわめて高い勾配により推測され、且つ一般に「勾配エラー」と呼ばれる。この場合、λ偏差は次のように表わされ、
ΔL=1/λB−1/λA
ここで、λAはステップ23において測定されたλであり、これは、ここに例として示した方法においては1に等しい。λBはステップ25において測定された排気ガスのλである。ここで、ステップ26において、λ偏差ΔLから、実際に観察された噴射弁2.1に対する適応補正係数が、λ偏差ΔLが0になるように選択される。
ΔL=1/λB−1/λA
ここで、λAはステップ23において測定されたλであり、これは、ここに例として示した方法においては1に等しい。λBはステップ25において測定された排気ガスのλである。ここで、ステップ26において、λ偏差ΔLから、実際に観察された噴射弁2.1に対する適応補正係数が、λ偏差ΔLが0になるように選択される。
図2に示されている本発明による方法を実行する他の可能性は、ステップ23においてフレッシュ・エア質量流量を測定し且つそれを記憶することである。これはfrAとして表わされる。ステップ25においては、それに対応して、変化されたλ値が測定されるのではなく、内燃機関のλ制御が再び1のλ値を達成するまで待機される。ここで1のλ値が達成されたとき、再び、調整された燃料量噴射に対するフレッシュ・エア質量流量が決定され且つfrBとして記憶される。この場合、ΔLは次のように計算される。
ΔL=frA/frB−1
本発明による方法のこの変更態様においてもまた、ステップ26における適応補正がそれに対応して行われる。
ΔL=frA/frB−1
本発明による方法のこの変更態様においてもまた、ステップ26における適応補正がそれに対応して行われる。
ステップ26に続くステップ27において、観察された噴射弁に対するカウンタが1だけ増加される。それに続くステップ28において、噴射弁に対するカウンタが既に4より大きいかどうかが問い合わされ、この場合、これは、全ての噴射弁2.1、2.2、2.3および2.4が既に観察されたことを意味するであろう。ステップ28において噴射弁に対するカウンタが4より小さいかまたは等しいことが特定された場合、本方法はステップ23に戻り、ステップ23において、内燃機関の排気ガスのλ値が再び特定の目標総燃料量に対して1に設定される。この場合、内燃機関は目標総燃料量要求で運転される。同様に、それに続いてステップ24において、同じ目標総燃料量要求で内燃機関は運転されるが、この場合、個々の噴射弁に対して噴射量要求が調整される。ここで考察される図2の方法の2回目の実行においては、ステップ24における量の要求は、噴射弁2.2に対して、即ち第2の噴射弁に対して、xだけ増加された弁ごとの燃料量要求が設定されるように調整される。同様に、残りの弁はx/3だけ低減された燃料量要求で操作されるので、次の調整パターンが得られる。
(−x/3,+x,−x/3,−x/3)
ステップ26において、このとき同様に適応補正が行われ、この場合、2回目の実行においては、第2の噴射弁2.2に対する適応補正係数が決定される。図2の方法は、全てのシリンダに対して適応補正係数が決定されるまで反復される。それに続いて、本方法はステップ29において終了する。
(−x/3,+x,−x/3,−x/3)
ステップ26において、このとき同様に適応補正が行われ、この場合、2回目の実行においては、第2の噴射弁2.2に対する適応補正係数が決定される。図2の方法は、全てのシリンダに対して適応補正係数が決定されるまで反復される。それに続いて、本方法はステップ29において終了する。
図3に同様に本発明による方法が略図で示され、この場合、図3の方法は図2の方法に類似しているので、図2の方法に対する補足説明のみを行う。さらに、図3の方法も同様に、図1に示されている装置に基づいて説明される。しかしながら、図2の方法とは異なり、図3の方法においては、1つの増加または低減された燃料量要求に対する噴射弁の応答が検査されるのではない。むしろ、1つの噴射を複数の個別噴射に分割したとき、この噴射弁が、要求された総燃料量の供給において、ないしはそれぞれの噴射弁により要求された弁ごとの燃料量の供給において、エラーを示したかどうかが検査される。このようなエラーは、図2の方法において検査された「勾配エラー」に対して、「オフセット・エラー」とも呼ばれる。「オフセット・エラー」は、開放要求に対していかに急速に応答するかに対する尺度でもあり、即ち、例えば噴射弁の電磁コイルの操作と噴射弁の実際の開放との間の時間遅れである。
図3のステップ31、32および33はほぼ図2のステップ21、22および23に対応するので、さらに詳細には説明しない。ステップ34において、図2の方法とは異なり、量要求の調整は行われず、そのとき観察される噴射弁、即ち本方法の実行においては噴射弁2.1が2つの個別噴射に分割される。他の噴射弁、即ち図1の噴射弁2.2、2.3および2.4は、ステップ33においてと同様に1作業サイクル当たり1つの個別噴射で操作される。
ステップ35および36は同様にステップ25および26に対応するが、この場合、適応補正係数は観察された噴射弁の操作におけるオフセット・パラメータを補正する。図2の場合と同様に、変化されたλ値を使用せず、むしろλ制御後の空気質量流量を決定することもまた可能である。変化されたλ値または変化されたフレッシュ・エア質量流量の決定以外の他の可能性は、調整された噴射パターンを使用したのちの係合においてλ制御器を観察することである。観察された制御係合の相違から、同様に、異なって噴射された燃料量が推測可能である。これは、本発明による全ての他の方法に対しても同様に適用される。
ステップ37、38および39は、同様に、図2の方法のステップ27、28および29に対応する。上記の異なる形態における図2および3の方法は、4つの燃焼室よりも多いかまたは少ない燃焼室を備えた内燃機関に対しても使用可能であることを指摘しておく。全ての噴射弁に対して補正を行うために、本方法は、それに対応する回数だけは行われなければならない。
一方のステップ23および33、および他方のステップ24、25および34、35は、相前後して直後に行われる必要はない。むしろ、内燃機関の運転の間に、これらのステップを、それらの間に大きな時間遅延を設けて実行することもまた可能である。それぞれの総燃料量、調整、λ値ないしはフレッシュ・エア質量流量または決定され且つ設定された他のパラメータおよび値が記憶されることのみが必要である。本発明による方法を、必ずしも正確に与えられた順序で実行する必要もない。
図4に、本発明による方法の他の一形態が示されている。図4の方法においては複数の測定から1つの方程式系が形成され、この方程式系がそれに続いて解かれることにより、図4の方法は、基本的に、図2および3の方法とは異なっている。図4の方法を用いて、必要な調整パターンより多い調整パターンが使用されることによって過剰に決定された方程式系を形成することもまた可能であり、これにより、「きわめて多数の」測定値が形成される。この利点は、過剰に決定された方程式系に対して既知の解法が使用されることにより、内燃機関の種々の運転点においてもまた複数の測定を介して平均化可能であることである。
この方法はステップ41においてスタートされる。ステップ42において、方程式系の全ての変数が0にセットされ、即ち、計算が初期化される。ステップ43においてこの方法の第1のループが開始され、この場合、使用される調整パターンに対するカウンタが1にセットされる。
それに続いて、図4の方法はステップ44に移行する。ここで、弁に特定の目標総燃料量要求が設定され、この場合、全ての噴射弁は弁ごとに同じ燃料量要求で操作される。それに続いて、1のλ値が設定されるように空気質量流量が制御される(ステップ44)。これは通常のλ制御に対応するが、この場合、絞り弁位置は設定されずに燃料量が設定される。
それに続くステップ45において、噴射弁を調整された燃料量要求で操作するために、第1の調整パターンが使用される。図2に関して記載された上記の符号に対応して、図4の方法において例として挙げられた調整は、1回目の実行において、ベクトルとして次のように記載可能である(+x,−x,+0,+0)。即ち、このような調整においては、第1の噴射弁2.1がxだけ増加された燃料量要求で操作され、且つ第2の噴射弁2.2がxだけ低減された燃料量要求で操作される。噴射弁2.3および2.4は、ステップ44と同様に、調整なしで操作される。
それに続いて、ステップ46において、同様に、調整された燃料量要求に対してλ値が測定される。代替態様として、図4の方法において、λ制御によるλ値の1への制御を待機し且つ変化されたフレッシュ・エア質量流量を測定することもまた可能である。ここで、調整された量要求で操作された噴射弁2.1および2.2の少なくとも1つがエラー例えば増加エラーを有している場合においてのみ、λ値のみならずフレッシュ・エア質量流量もまた変化して現われることを指摘しておく。決定された値は記憶される。
それに続くステップ47において、調整パターンないしは噴射方式に対するカウンタが1だけ高くセットされる。ステップ48において、全ての調整パターンが既に実行されたかどうかが検査される。このとき、図4の方法においては、カウンタは特定の噴射弁を表わすのではなく、むしろ調整パターンを表わしていることが考慮されるべきである。調整されない燃料量噴射が予め方程式系に対する1つの方程式として使用可能であるので、4つの噴射弁2.1、2.2、2.3および2.4に対して方程式系を完全に形成するためには3つだけの調整されたパターンが必要とされるにすぎない。したがって、ステップ48において、本方法が既に3つの異なる調整パターンに対して実行されたかどうかが検査される。これが否定の場合、本方法はステップ45に戻る。ステップ45において、ここで、噴射弁を操作するために次の調整パターンが使用される。この例においては、第2の調整パターンは(+0,+x,−x,+0)であり、第3の調整パターンは(+0,+0,+x,−x)である。ここで得られた値を用いて方程式系が形成可能であり、方程式系の解は4つの個々の弁に対する補正係数ベクトルを与える。
ステップ48において全ての調整パターンが既に実行されたことが特定された場合、ステップ49において、調整パターンのさらに他のセットが使用されるかどうかが検査される。即ち、例えば、方程式系の精度を改善するために、3つの他の調整パターンの1つの他のセットでさらにステップ43〜48を用いて本方法が実行されるように設計されている。調整パターンの他の可能なセットは次のようなものである。第1の調整パターンは(+x,−x,+x,−x)、第2の調整パターンは(+x,+x,−x,−x)、第3の調整パターンは(+x,−x,−x,+x)である。そのほかに、さらに他の調整パターンが可能である。さらに、内燃機関および噴射弁の他の数に対して、他の調整パターンまたは調整パターンのセットが可能である。調整パターンのセットはそれぞれ、方程式系を用いて全ての噴射弁に対して個々の補正値が決定可能なこの方程式系を提供するように設計されている。ステップ50において、調整パターンの新しいセットが初期化される。
さらに、ステップ49において、他の測定(ステップ43〜48)が内燃機関の他の運転点において行われるべきかどうかが検査されることが好ましい。即ち、噴射弁2.1、2.2、2.3および2.4の操作パラメータの適応精度を改善するために、ステップ49においてさらに他の測定が他の運転点において行われるべきことが特定可能である。ステップ50において、次に、対応する運転点が存在するまで、または内燃機関が操作されるまで待機され、これにより、内燃機関は希望の新たな運転点で運転する。
方程式系は、本方法の複数回の実行において過剰に決定される。したがって、個々の結果ないしは方程式行またはパラメータ・セットから平均値を決定するために、従来技術から既知の均衡計算方法が必要である。
調整パターンの全てのセットまたは種々の運転点における全ての測定が処理された場合、本方法は、ステップ49ののちにステップ50を介してステップ43に戻らずにステップ51に移行し、ステップ51において方程式系が形成され且つそれらの解が求められる。さらに、ステップ51において、必要な場合、解が求められた方程式系から得られた補正値を用いて噴射弁の操作の適応が行われる。本方法はステップ52において終了する。
図4の方法は、同様に、図3に関して記載されたオフセット・エラーを決定するためにも使用可能であり、この場合、調整パターンのセットの代わりに、異なる(第1の、第2の、...)噴射方式として、幾つかの弁は多重噴射で操作され、且つ他の弁は多重噴射で操作されないかまたは他の数の多重噴射で操作される噴射方式のセットが設定される。その他に関しては、図4の方法は同様に使用可能であるので、オフセット・エラーの決定に対しては詳細に説明しない。
1 内燃機関
2.1、2.2、2.3、2.4 噴射弁
3 高圧貯蔵器
4 制御ユニット(制御装置)
5 信号入力端
6 λセンサ
7 排気管
2.1、2.2、2.3、2.4 噴射弁
3 高圧貯蔵器
4 制御ユニット(制御装置)
5 信号入力端
6 λセンサ
7 排気管
Claims (10)
- 内燃機関(1)のそれぞれの燃焼室内に燃料を噴射するための複数の噴射弁(2.1、2.2、2.3、2.4)を備えた内燃機関(1)の制御方法において、
第1の噴射方式で第1の目標総燃料量を供給するように前記噴射弁(2.1、2.2、2.3、2.4)を操作するステップと、
前記第1の噴射方式で操作したときに噴射された第1の実際総燃料量を決定するステップと、
第2の噴射方式で第2の目標総燃料量を供給するように前記噴射弁(2.1、2.2、2.3、2.4)を操作するステップであって、前記第2の噴射方式においては、噴射弁(2.1、2.2、2.3、2.4)の少なくとも1つが第1の噴射方式とは異なる操作を行う前記第2の噴射方式で第2の目標総燃料量を供給するように前記噴射弁(2.1、2.2、2.3、2.4)を操作するステップと、
前記第2の噴射方式で操作したときに噴射された第2の実際総燃料量を決定するステップと、
前記第1の実際総燃料量および前記第2の実際総燃料量に応じて、前記噴射弁(2.1、2.2、2.3、2.4)の少なくとも1つの作動特性を決定するステップと、
を含むことを特徴とする内燃機関の制御方法。 - 前記第1の目標総燃料量が前記第2の目標総燃料量と同じであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの噴射弁(2.1、2.2、2.3、2.4)の機能性が、前記噴射弁(2.1、2.2、2.3、2.4)の決定された作動特性に依存して決定されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 前記決定された作動特性への依存として、前記少なくとも1つの噴射弁(2.1、2.2、2.3、2.4)に対する操作パラメータの適応が行われることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
- 前記第2の噴射方式において、前記噴射弁(2.1、2.2、2.3、2.4)の少なくとも2つが、前記第1の噴射方式とはそれぞれ異なる弁燃料量要求で操作されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
- 前記第2の噴射方式において、前記噴射弁(2.1、2.2、2.3、2.4)の少なくとも1つが、内燃機関(1)の1作業サイクル当たり、前記第1の噴射方式とは異なる数の弁開放で操作されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
- 実際総燃料量を決定するために、内燃機関(1)のλセンサ(6)の信号を評価することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
- 第1の噴射方式および第2の噴射方式の少なくともいずれかによる複数の操作が、それぞれ、内燃機関(1)の異なる運転点において行われることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の方法を実行するように設計されている装置、特に制御装置(4)または内燃機関(1)。
- コンピュータ内においてプログラムが実行されるとき、請求項1ないし8のいずれかに記載の全てのステップを実行するためのプログラム・コードを有するコンピュータ・プログラム。
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