JP3102184B2 - リーンバーンエンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

リーンバーンエンジンの空燃比制御装置

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JP3102184B2
JP3102184B2 JP05021389A JP2138993A JP3102184B2 JP 3102184 B2 JP3102184 B2 JP 3102184B2 JP 05021389 A JP05021389 A JP 05021389A JP 2138993 A JP2138993 A JP 2138993A JP 3102184 B2 JP3102184 B2 JP 3102184B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はリーンバーンエンジン
の空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンに供給する燃料を制御するもの
として、次の条件 〈ア〉冷却水温が80℃以上 〈イ〉絞り弁開度が所定値以下 〈ウ〉車速変化が所定値以下 のすべての条件が成立したとき、理論空燃比へのフィー
ドバック補正を停止し、空燃比をリーン側の目標空燃比
へと切換えるものがある(特開昭63−50641号公
報参照)。リーン空燃比では理論空燃比と同一のトルク
を発生するのに空気流量が大きくなってポンピングロス
が減ること、および燃焼ガスの比熱比が大きくなること
のため、リーン空燃比で運転したほうが燃費が向上する
わけである。
【0003】このものでは、空燃比の切換の前後でトル
クが変わらないように空燃比の切換時に補助空気流量を
増減するため、図33のように吸気絞り弁5をバイパス
する補助空気通路21にデューティ制御可能な流量制御
弁22を設けており、コントロールユニット2では、制
御弁に与えるオンデューティBα0、 Bα0=AACTW+AACABV+AACFB… ただし、AACTW;冷却水温に応じた基本特性値 AACABV;減速時空気増量分 AACFB;フィードバック補正分 からテーブル参照により制御弁22の流路面積ABα0
を求め、また目標空燃比KMRから図34を内容とする
テーブルを参照して空気補正率KBAを求め、これらか
ら制御弁22の要求補正面積ABα1を ABα1=ABα0+(Aα+ABα0)×KBA… ただし、Aα;絞り弁流路面積 により求めている。
【0004】いま絞り弁開度が等しい状態で理論空燃比
(ほぼ15)からリーン側の目標空燃比(たとえば2
0)へと切換えられたときは(簡単のため切換前後で水
温もほぼ等しいとする)、切換時に切換前後の空気補正
率の差に総流路面積(Aα+ABα0)をかけた値の分
だけ、制御弁22が余計に開かれ、これによって空燃比
をリーンとしたときのトルク低下を防止しようとするわ
けである。
【0005】一方、絞り弁5のすぐ上流に位置するイン
ジェクタ23には、 Qcyl=Qa/N… Tp=Qcyl/KMR… ただし、Qa;エアフローメータで計測される吸入空気
流量 N;エンジン回転数 Qcyl;単位回転当たりの吸入空気流量 KMR;目標空燃比 によりシリンダ吸気相当の基本噴射パルス幅Tpが計算
され、これから Ti=Tp×α×KACC+Ts… ただし、α;空燃比フィードバック補正係数 KACC;過渡補正係数 Ts;無効パルス幅 で計算される燃料噴射パルス幅Tiが与えられる。
【0006】ここで、式の目標空燃比KMRは、 KMR=KTW×(NKMR×n+KMR×(1−n))… ただし、KTW;水温増量補正係数 n;時定数相当値(1未満の値) NKMR;NとTpから求めた目標空燃比のマップ値 により計算され、理論空燃比からリーン空燃比への切換
時に図35のように1次の遅れで目標空燃比KMRが変
化する。1次遅れで目標空燃比を与えるのは、切換時の
空燃比の変化を滑らかにして切換時のトルクショックを
低減するためである。
【0007】しかしながら、実際の空燃比は、リーン空
燃比への切換時に図35の一点鎖線のように実線の目標
空燃比KMRよりさらに遅れるため、目標空燃比KMR
から式により要求補正面積ABα1を求めたのでは、
空気増量が速すぎることになり、その差により切換の前
後で一時的にトルク増加が生じる。これは、目標空燃比
に合わせて応答よく補助空気流量が増量されても、壁流
燃料量のほうはすみやかに平衡値へと少なくならないた
め、この燃料の応答遅れにより、壁流燃料量が平衡値に
落ち着くまでのあいだ目標より濃い混合気が吸入されて
しまうからである。
【0008】そこで、壁流燃料量と補助空気流量の供給
の位相が合うように補助空気流量の増量にも応答遅れを
もたせるため、|NKBA−KBAOLD|と判定基準L
Hを比較し、|NKBA−KBAOLD|>LHのときは KBA=NKBA×n1+KBAOLD×(1−n1)… ただし、NKBA;KMRから求めた空気補正率のマッ
プ値 KBAOLD;前回のKBA n1;時定数相当値(1未満の値) により、また|NKBA−KBAOLD|≦LHになる
と、 KBA=NKBA×n2+KBAOLD×(1−n2)… ただし、n2;時定数相当値(n2<n1) により空気補正率KBAを求めている。
【0009】目標空燃比KMRが急変した場合、実空燃
比の変化が時定数一定の遅れ波形とならず、初期に変化
が速く、後期に遅くなることから、空気補正率の変化量
(つまり|NKBA−KBAOLD|の値)に応じて遅れ
の程度を変化させることで、図35の一点鎖線のように
切換前後のトルク段差を小さなものに抑えることができ
るのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図33に示
したいわゆるSPI(シングルポイントインジェクショ
ン)方式では吸気管容積が小さいため、燃料の供給遅れ
と比較すれば制御弁22からシリンダまでの空気の遅れ
が無視できるほど小さいので、噴射弁部の空気流量をシ
リンダ空気流量(シリンダに流入する空気流量のこと)
とみなしている(式参照)。つまり上記の装置は燃料
と空気の供給に位相差がないものを対象としている。
【0011】しかしながら、吸気ポートごとにインジェ
クタを設けたいわゆるMPI(マルチポイントインジェ
クション)方式のエンジンでは、吸気干渉を避けるため
に吸気管に一定の容積を有するコレクタ部があって吸気
管容積が大きいことから、ポート部からの壁流による燃
料の遅れよりも制御弁からシリンダまでの空気の遅れの
ほうが相対的に大きいため、上記の装置では、リーン空
燃比への切換時に一瞬トルクが落ち(理論空燃比への切
換時はこの逆にトルクが一瞬上がる)、トルクショック
を防止できない。リーン空燃比への切換時に燃料に対し
て空気増量が遅れると、図36のように供給空気量がシ
リンダ空気量よりも速く変化することになり、その差に
よりリーン空燃比への切換の前後で一時的にトルクの低
下が生じるのである。
【0012】なお、空燃比切換時のトルクショックを防
止するためだけなら空燃比の切換速度を遅くすればよい
のであるが、そうすると、切換中にNOxが多く排出さ
れてしまうため、空燃比の切換速度を遅くすることは適
切でない。
【0013】そこでこの発明は、MPI方式で吸気管容
積が大きなエンジンであっても、目標空燃比の切換時に
空気変化流量と燃料の両者の供給の位相を一致させるこ
とにより、空燃比の切換の前後でトルク特性をフラット
にすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、燃料を供
給する装置と吸入空気流量を調整する装置とが離間配置
されるリーンバーンエンジンにおいて、図1に示すよう
に、運転条件信号がリーン条件であるかどうかを判定す
る手段31と、この判定結果よりリーン条件ではこの条
件に応じた目標空燃比を、またリーン条件以外の条件に
なるとこのリーン条件以外の条件に応じた目標空燃比を
運転条件信号に応じて算出する手段32と、この目標空
燃比の切換時(つまりリーン条件に応じた目標燃空比と
リーン条件以外の条件に応じた目標燃空比との切換時)
に燃料に対する空気の遅れ分に相当して前記目標空燃比
の遅れ補償を行うための遅延処理値を算出する手段33
と、この目標燃空比の遅延処理値に基づく遅延処理後の
目標空燃比から噴射量を算出する手段34と、この噴射
量の燃料を供給する装置35と、前記目標空燃比の切換
時に切換前後でトルクが同一となるように空気変化流量
を目標空燃比と運転条件信号を用いて算出する手段36
と、この空気変化流量に応じて吸入空気流量を調整する
装置37とを設けた。
【0015】第2の発明は、燃料を供給する装置と吸入
空気流量を調整する装置とが離間配置されるリーンバー
ンエンジンにおいて、図37に示すように、運転条件信
号がリーン条件であるかどうかを判定する手段31と、
この判定結果よりリーン条件ではこの条件に応じた目標
空燃比を、またリーン条件以外の条件になるとこのリー
ン条件以外の条件に応じた目標空燃比を運転条件信号に
応じて算出する手段32と、この目標空燃比と運転条件
信号から噴射量を算出する手段34と、この噴射量の燃
料を供給する装置35と、前記目標空燃比の切換時に切
換前後でトルクが同一となるように空気変化流量を目標
空燃比と運転条件信号を用いて算出する手段36と、前
記目標空燃比の切換時に燃料に対する空気の遅れ分に相
当して前記空気変化流量の進み補償を行うための進み処
理値を算出する手段41と、この空気変化流量の進み処
理値に応じて吸入空気流量を調整する装置37とを設け
た。
【0016】第3の発明は、燃料を供給する装置と吸入
空気流量を調整する装置とが離間配置されるリーンバー
ンエンジンにおいて、図38に示すように、運転条件信
号がリーン条件であるかどうかを判定する手段31と、
この判定結果よりリーン条件ではこの条件に応じた目標
空燃比を、またリーン条件以外の条件になるとこのリー
ン条件以外の条件に応じた目標空燃比を運転条件信号に
応じて算出する手段32と、この目標空燃比と運転条件
信号から噴射量を算出する手段34と、この噴射量の燃
料を供給する装置35と、前記目標空燃比の切換時に切
換前後でトルクが同一となるように空気変化流量を目標
空燃比と運転条件信号を用いて算出する手段36と、前
記目標空燃比の切換時に燃料に対する空気の遅れ分に相
当して前記空気変化流量の進み補償を行うための進み処
理値を高回転域で、また空気に対する燃料の遅れ分に相
当して前記空気変化流量の遅れ補償を行うための遅れ処
理値を低回転域で算出する手段51と、この空気変化流
量の進み処理値または遅れ処理値に応じて吸入空気流量
を調整する装置38とを設けた。
【0017】
【作用】燃料供給がシリンダ近くに行われる場合に吸入
空気流量調整装置37よりも下流の吸気管容積が大きい
と、たとえば理論空燃比からリーン空燃比への切換時に
空気流量を増量し、この逆に理論空燃比への切換時に空
気流量を減量しても、吸気管での空気流量の遅れのほう
が燃料より相対的に大きいため、実際の空燃比が目標空
燃比からはずれ、切換の前後でトルク段差が生じる。
【0018】この場合に、第1の発明で目標空燃比の
れ補償を行うための遅延処理値が算出されると、目標空
燃比の切換時に燃料がその位相を遅らせて供給される。
遅れてシリンダに流入する空気流量に合わせて燃料が供
給されることで、空気流量と燃料のシリンダへの供給の
位相が一致することになり、これによって吸気管での空
気流量に遅れがあっても、目標空燃比の切換の前後でフ
ラットなトルク特性が得られる。
【0019】ここで、遅れ補償とは、2つの操作量(空
気流量と噴射量)が同じタイミングで変化し始める場合
に、操作量の一方である噴射量(目標空燃比)に対して
所定の遅れ処理(たとえば一次遅れの処理)を施すもの
をいい、また進み補償とは、2つの操作量が同じタイミ
ングで変化し始める場合に、操作量の他方である空気流
量に対して所定の進み処理(たとえば一次進みの処理)
を施すものをいう。これら遅れ補償、進み補償を行うこ
とによって初めてシリンダへの供給噴射量とシリンダへ
の供給空気流量の位相を合わせることが可能となるので
ある。したがって、2つの操作の開始タイミングに時間
差(無駄時間)を持たせることによっては、シリンダへ
の供給噴射量とシリンダへの供給空気流量の位相を合わ
せること ができない。
【0020】第2の発明で、目標空燃比の切換時に応答
のよい燃料に合わせて空気変化流量の進み補償を行うた
めの進み処理が行われると、空気変化流量の位相に合わ
せて燃料の位相を遅らせる第1の発明よりも空燃比が速
く切換わることになり、その分だけ切換時のNOxが一
層低減する。
【0021】エンジンの高回転域でだけ燃料より吸気管
での空気流量の位相遅れが大きく、エンジンの低回転域
になると、この関係が入れ替わり燃料の位相遅れのほう
が大きくなる場合に、第3の発明で目標空燃比の切換時
に空気変化流量の進み補償を行うための進み処理値が高
回転域で、また空気変化流量の遅れ補償を行うための
れ処理値が低回転域で算出されると、回転域に関係なく
空気流量と燃料のシリンダへの供給の位相が一致する。
これによって、このような特殊なエンジンでも、空燃比
の切換前後でフラットなトルク特性が得られる。
【0022】
【実施例】図2において、エアクリーナ11から吸入さ
れた空気は、一定の容積を有するコレクタ部12aにい
ったん蓄えられ、ここから分岐管を経て各気筒のシリン
ダに流入する。各気筒の吸気ポート12bにはインジェ
クタ3が設けられ、このインジェクタ3からエンジン回
転に同期して間欠的に燃料が噴射される。
【0023】一定の条件が成立したとき空燃比目標値を
理論空燃比からリーン側の空燃比に切換えるのである
が、この切換時に補助空気流量を増量補正(理論空燃比
への切換時は減量補正)することによって、切換の前後
でトルクが同一となるようにトルク制御を行う。
【0024】このため、吸気絞り弁5をバイパスする補
助空気通路21に大流量の流量制御弁22が設けられて
いる。この制御弁22は比例ソレノイド式で、コントロ
ールユニット2からのオンデューティ(一定周期のON
時間割合)が大きくなるほど通路21を流れる補助空気
流量が増加する。
【0025】制御弁22を大流量としたのは、空燃比切
換時のトルク制御を余裕をもってかつ確実に行わせるた
めである。ただし、大流量としたときは、制御弁22の
誤動作によりドライバーの要求以上のトルクが発生する
ことがあるので、後述するようにフェイルセーフ機能を
設けている。制御弁22は従来通りアイドル回転数制御
にも共用される。
【0026】なお、リーン空燃比域での燃焼不安定によ
り増加するCO,HCを抑えるため、燃焼室内に流れ込
む吸気にスワールが与えられるよう、吸気ポート12b
の近くに、一部に切欠き(図示せず)を有するスワール
コントロールバルブ13を設けている。リーン空燃比域
でスワールコントロールバルブ13を全閉位置にして吸
気を絞ることにより吸気の流速を高め、燃焼室内にスワ
ールを生じさせるのである。理論燃空比域では排気管1
8に設けた三元触媒19によってNOxを浄化する。
【0027】インジェクタ3からの供給燃料量と流量制
御弁22を流れる補助空気流量とを制御するため、コン
トロールユニット2には、制御上必要となるエンジンの
運転条件を検出する各種のセンサからの信号が入力され
ている。4はエアクリーナ11から吸入される空気流量
を検出する熱線式のエアフローメータ、6は吸気絞り弁
5の開度を検出するスロットルセンサ、7は単位クラン
ク角度ごとの信号とref信号(クランク角度の基準位
置ごとの信号)とを出力するクランク角度センサ、8は
水温センサ、9は理論空燃比からリーン側の空燃比まで
の実際の空燃比を幅広く検出することのできる広域空燃
比センサである。
【0028】ところで、図2のように吸気管に一定容積
のコレクタ部12aがあると、制御弁22からシリンダ
までの空気の供給遅れのほうが燃料の供給遅れより大き
くなる。この吸気管での空気の供給遅れを考慮しないと
すれば、空燃比切換時に制御弁22を用いて補助空気流
量を増減補正することでトルク制御を行おうとしても、
実空燃比が目標空燃比よりはずれ、その差によりトルク
段差が生じる。
【0029】これに対処するため、この例では目標空燃
比の切換時に補助空気流量と燃料の両者の供給の位相が
一致するように補助空気流量または燃料量を制御するの
であるが、これを説明する前に全体の制御を、図3から
図29までに示すフローチャートとこの制御に使われる
テーブルやマップの内容を表す特性図を用いて、〈1〉
制御弁22の流量制御、〈2〉目標空燃比の設定、
〈3〉噴射量制御の順に概説する。
【0030】なお、燃料制御は目標空燃比をめざして行
い、空気流量の検出値から最終的に供給燃料量を求めて
いることを考えると、(空気流量)×(燃空比)=(供
給燃料量)の関係が成立することから、燃空比のほうが
空燃比より扱いやすいため、以下では一部の数値に燃空
比を用いている。
【0031】〈1〉制御弁22の流量制御 〈1−1〉アイドル回転数制御との関係 図15で示したように、アイドル回転数制御用のオンデ
ューティISCONPとは別個にトルク制御デューティ
Tcvdtyを計算しておき(図15のステップ7
2)、アイドル回転数制御のクローズド条件でなくなる
と、ISCONPに代えてトルク制御デューティTcv
dtyを出力する(図15のステップ73,74)。
【0032】ここで、アイドル回転数制御用のオンデュ
ーティISCONPは、たとえば ISCONP=Areg+ISCi+ISCp+ISCtr +ISCat+ISCa+ISCrfn …(1) ただし、Areg;ウォームアップデューティ(エアレ
ギュレータ相当) ISCi;アイドルフィードバック補正の積分分 ISCp;アイドルフィードバック補正の微分分 ISCtr;減速時空気増量分(ダッシュポット相当) ISCat;A/T車のN←→Dレンジ補正分(Dレン
ジで大) ISCa;エアコンON時の補正分 ISCrfn;ラジエータファンON時の補正分 により計算する(図15のステップ71)。
【0033】(1)式のウォームアップデューティAr
egは、エンジン始動後の1回目はそのときの冷却水温
に応じてテーブル参照に求めた値(テーブル値)をその
まま変数としてのAregに入れて使用し、その後は一
定の周期(たとえば1secごと)で冷却水温に応じた
テーブル値と前回の値を比較してAregの値を増減し
ながら(たとえばテーブル値>前回のAregでAre
g=Areg+1、テーブル値<前回のAregでAr
eg=Areg−1)暖機完了まで働く値である。この
ため吸気管にエアレギュレータは設けられていない。A
reg以外の値は従来と同様である。
【0034】〈1−2〉トルク制御デューティTcvd
ty これは、図16,図17に示したようにサブルーチンで
計算する。
【0035】まず絞り弁開度TVOから図18を内容と
するテーブルを参照して絞り弁流路面積Atvoを、ま
た制御弁22に与える基本デューティIscdtから図
19を内容とするテーブルを参照して制御弁流路面積A
isc0を求め、これらの和を基本流路面積として変数
Aa0に入れる(図16のステップ81,82)。な
お、テーブル参照(マップ参照についても)はいずれも
補間計算付きであるため、以下では単にテーブル参照
(マップ参照)という。
【0036】ここで、基本デューティIscdtは Iscdt=(Iscdty−Tcvofs)×Tcvgin …(2) ただし、Iscdty;減量基本デューティ Tcvofs;制御弁立上がりデューティ Tcvgin;デューティ補正率 である。
【0037】(2)式の減量基本デューティIscdt
yは、前回のフィードバック補正条件の終了時に保持さ
れるフィードバック補正量ISCcl(=ISCi+I
SCp)を減量補正したもので、 Iscdty=ISCcl×Gistv …(21) ただし、Gistv;減量補正率(0以上1以下の値) である。この減量補正は、空燃比切換時のトルク制御の
ために制御弁22を動かし得る範囲を拡大することによ
って制御弁22の最大流量を小さくし、目標値をめざし
て微小な流量制御を行うフィードバック補正条件での弁
精度を落とさないようにするためである。
【0038】(2)式の制御弁立上がりデューティTc
vofsとデューティ補正率Tcvginについてはバ
ッテリ電圧低下時の補正で、後述する。
【0039】基本流路面積Aa0からは平衡要求面積T
atcvhを Tatcvh=Aa0×Kqh0 ×(1/(Dml×LTCGIN#)−1) …(3) ただし、Kqh0;差圧補正率 LTCGIN#;トルク制御ゲイン Dml;目標燃空比のランプ応答値 により求める(図16のステップ84)。
【0040】(3)式をわかりやすくするため、 Tatcvh=Aa0×(1/Tdml−1) …(3−1) ただし、Tdml;目標燃空比のマップ値 とすれば、この式は従来例の式の第2項と同様の式で
ある。
【0041】(3−1)式において、(1/Tdml−
1)は理論空燃比からの空燃比差相当であるため、これ
に総流路面積としてのAa0をかけた値は増減面積分
(リーン空燃比への切換時は増量面積分、理論空燃比へ
の切換時は減量面積分)を表しているのである。
【0042】たとえば、理論空燃比(14.5)で目標
燃空比マップ値Tdmlは1、空燃比がリーン側の20
でTdmlはほぼ0.66といった値である。なお、T
dmlが1や0.66という値であるのは、後述するよ
うに燃空比(目標燃空比)に空燃比の逆数そのものでな
く、理論燃空比を1とする相対値を採用しているためで
ある。
【0043】ここで、(3−1)式のTdmlに1を入
れるとTatcvh=0、またTdmlに0.66を入
れるとTatcvh=1/0.66−1≒0.52とな
り、(0.52−0)×Aa0が理論空燃比からリーン
空燃比への切換時の増量面積分となるわけである。
【0044】(3)式に戻り、差圧補正率Kqh0は、
同じ流路面積でも高負荷になるほど制御弁22の前後差
圧が小さくなり流量が小さくなるため、前後差圧が相違
しても流量を同じにするための補正である。このため、
負荷としてのQh0(公知のリニアライズ流量のこと
で、絞り弁開度TVOとエンジン回転数Nおよびシリン
ダ容積Vから定まっている)から図20を内容とするテ
ーブルを参照することにより差圧補正率Kqh0を求め
る(図16のステップ83)。(3)式のトルク制御ゲ
インLTCGIN#はマッチングに必要となる値であ
る。
【0045】平衡要求面積Tatcvhは、その上限を
制御弁22の最大流量時の流路面積TCVMAX#から
上記の制御弁流路面積Aisc0を差し引いた値(TC
VMAX#−Aisc0)に制限する(図16のステッ
プ85)。Aisc0の分はアイドル回転数制御ですで
に使用されている値であるため、これを差し引いた残り
が、空燃比切換時のトルク制御のために制御弁22を動
かしうる範囲となるからである。
【0046】Tatcvh>TCVMAX#−Aisc
0になったとき(つまり上限にかかったとき)は、FA
ACOF=1とする(図16のステップ86,88)。
このフラグFAACOFは空燃比の切換速度を可変にす
るためのフラグで、FAACOF=1になると切換速度
を遅くする。これは、上限にかかるまでは速い切換速度
で制御弁22を動かすことができても、上限にかかった
後は切換速度を速くせず、急激なトルク変化を防止する
ためである。
【0047】平衡要求面積Tatcvhに対し、 Tatcv0=Tatcvo+(Tatcvh−Tatcvo) ×Tcvtc …(4) ただし、Tatcvo;Tatcvhの前回値 Tcvtc;進み補償時定数相当値(1以上の値) により1次進みの式で進み補償面積を求める(図16の
ステップ91)。MPI方式で制御弁22の下流の吸気
管容積が大きいときは、燃料の遅れよりも吸気管での空
気の遅れのほうが相対的に大きいため、応答のよい燃料
に合わせて空気の位相を進ませることで、シリンダへの
空気流量と燃料の両者の供給の位相を一致させるのであ
る。
【0048】また、SPI方式で制御弁下流の吸気管容
積が小さいときは、空気よりも燃料のほうが遅れてシリ
ンダに流入するので、燃料に合わせて空気のシリンダへ
の流入の位相を遅らせるため、 Tatcv0=Tatcv0n-1+(Tatcvh−Tatcv0n-1) ×Tcvtc …(5) ただし、Tatcv0n-1;Tatcv0の前回値 Tcvtc;遅れ補償時定数相当値(1未満の値) により1次遅れの式で遅れ補償面積を求めることで(図
16のステップ92)、シリンダへの空気と燃料の供給
の位相を一致させる。
【0049】図16と図17のフローチャートは、MP
I方式で吸気管容積の大きいエンジンとSPI方式で吸
気管容積の小さいエンジンの2種類のタイプのいずれに
も共用できるようにするため、Tcvtc≧1.0であ
るかどうかみて、Tcvtc≧1.0のとき吸気管容積
の大きなエンジンであると判断して上記の(4)式を、
Tcvtc<1.0であれば(5)式を採用するように
している(図16のステップ90,91、ステップ9
0,92)。
【0050】(4),(5)式の進み補償または遅れ補
償時定数相当値Tcvtcは、エンジン回転数Nから図
21を内容とするテーブルを参照して求める(図16の
ステップ89)。図21には吸気管容積の大きい用と小
さい用の両方の特性を示しているが、図2に示したエン
ジンでは吸気管容積が小さい用の特性は不要である。こ
のようにして求めた進み補償または遅れ補償面積Tat
cv0から要求補正面積Tatcvを Tatcv=Tatcv0n-DLYIS+Aisc0+Aokuri …(6) ただし、Aokuri;先送り分 により求める(図17のステップ93)。
【0051】ここで、要求補正面積Tatcvは下限を
0、上限を制御弁最大流量時の流路面積TCVMAX#
と進み補償のための余裕分MXOS#を加えた値(TC
VMAX#+MXOS#)に制限するのであるが、この
制限によりこれらの制限値を(6)式の要求補正面積T
atcvがはみ出ることがある。このはみ出た分を次回
(10ms後)に反映させるため、Tatcv<0であ
れば、アンダーフローしたTatcvの値を先送り分と
して変数Aokuriに入れ(図17のステップ94,
95)、Tatcv>TCVMAX#+MXOS#のと
きも、Tatcv−(TCVMAX#+MXOS#)の
オーバーフロー値を先送り分として変数Aokuriに
入れる(図17のステップ96,97)。このAoku
riの値が、次回に(6)式を用いて要求補正面積Ta
tcvを計算するときに使われるわけである。
【0052】(6)式のTatcv0n-DLYISは進み補
償または遅れ補償面積Tatcv0の所定回(たとえば
DLYIS#)前の値である。これはインジェクタ3に
開弁信号が送られてからインジェクタ3が実際に開き始
めるまでのデッドタイムを考慮するものである。
【0053】要求補正面積Tatcvは図22を内容と
するテーブルを参照してオンデューティDtytcに変
換し(図17のステップ99)、トルク制御デューティ
Tcvdtyを Tcvdty=Dtytc/Tcvgin+Tcvofs …(7) ただし、Tcvgin;デューティ補正率 Tcvofs;制御弁立上がりデューティ により計算する(図17のステップ100,101)。
この式は、(2)式をIscdtyについて求めた式と
同等である。
【0054】(7)式の制御弁立上がりデューティTc
vofsは、オンデューティがある値になるまでは、図
25のように実質的に制御弁22が働かない分で、バッ
テリ電圧Vbから図24を内容とするテーブルを参照す
ることにより求める。図25のように、比例ソレノイド
式の制御弁22ではバッテリ電圧Vbが低下するほど制
御弁立上がりデューティTcvofsが大きくなること
を考慮しているわけである。
【0055】デューティ補正率Tcvginは、図23
を内容とするテーブルを参照して求める。これは、図2
5の制御弁22の流量特性において、斜めに立ち上がる
直線の傾きがバッテリ電圧Vbの低下とともに小さくな
るため、バッテリ電圧Vbが低下しても、制御弁流量を
同一とするための補正である。
【0056】〈2〉目標燃空比の設定 目標燃空比はマップ値Tdml→ランプ応答値Dml→
ダンパ値Kmrの順に求める。
【0057】〈2−1〉目標燃空比のマップ値Tdml 図6に示したように、リーン条件であれば図7を内容と
するリーンマップを参照して目標燃空比MDMLLを、
またリーン条件でなければ図8の非リーンマップを参照
して目標燃空比MDMLSをそれぞれ求め(図6のステ
ップ31,32、ステップ31,33)、これを目標燃
空比のマップ値として変数Tdmlに入れる(図6のス
テップ34)。
【0058】ここで、目標燃空比のマップ値となるMD
MLL,MDMLSの値は、図7,図8のように燃空比
そのものの値でなく、理論燃空比を1.0とする相対値
である。
【0059】〈2−2〉目標燃空比のランプ応答値Dm
l ランプ応答値Dmlの波形はその名のとおり、図10に
示したように、ステップ変化するマップ値Tdmlに対
してランプ応答にしたもので、具体的には図9のよう
に、リーン方向への燃空比の変化速度をDmll、リッ
チ方向への燃空比変化速度をDmlrとすれば、Dml
old(前回のDml)とTdmlの比較によりいずれ
の方向への変化であるかがわかるため、Dmlold<
Tdmlであればリッチ方向への切換であるとして、T
dmlと(Dmlold+Dmlr)の小さいほうをD
mlに入れ、この逆にDmlold≧Tdmlのときは
リーン方向への切換であるとしてTdmlと(Dmlo
ld−Dmll)の大きいほうをDmlに入れることで
(図9のステップ44,45、ステップ44,46)、
ランプ応答値が得られる。NOxで考えた場合、理論空
燃比からリーン空燃比への切換時のほうが触媒の活性度
合いがよいので、DmllのほうがDmlrより小さく
できる。
【0060】一方、次の条件 〈ア〉スタートスイッチがONであること 〈イ〉Tdml≧上限値TDMLR#のとき のいずれかが成立したときはDml=Tdmlとする
(図9のステップ41,42,43)。
【0061】なお、ランプ応答値Dmlはエンジン回転
に同期(ref信号に同期)させて求めている。エンジ
ン回転に同期させて求めるのは、排気性能がエンジン回
転に同期して変化するためである。
【0062】図11は、上記2つの変化速度Dmll,
Dmlrを求めるためのサブルーチンで、平衡要求面積
Tatcvhが上限値や下限値にかかる前(つまりFA
ACOF=0のとき)は空燃比の切換速度を速くするた
め、大きな値の所定値DDMLLH#、DDMLRH#
をそれぞれ変数Dmll,Dmlrにいれる(図11の
ステップ51,52)。
【0063】これに対して、平衡要求面積Tatcvh
が上限値や下限値にかかった後(つまりFAACOF=
1のとき)は、絞り弁開度変化量の絶対値|ΔTVO|
に応じた大きさの値を選択して変数Dmll,Dmlr
に入れている(図11のステップ51,53)。たとえ
ば、一方の変数Dmllで代表させると、|ΔTVO|
<DTVO1#で所定値DDMLL0#を、DTVO1
#≦|ΔTVO|<DTVO2#で所定値DDMLL1
#を、DTVO2#≦|ΔTVO|<DTVO3#で所
定値DDMLL2#を、DTVO3#≦|ΔTVO|で
所定値DDMLL3#をそれぞれ選択する。ただし、D
DMLL0#<DDMLL1#<DDMLL2#<DD
MLL3#<DDMLLH#である。
【0064】〈2−3〉目標燃空比のダンパ値Kmr 図12のように、ランプ応答値Dmlに対して、 Dmlo=Dml×Fbyatc +Dmlon-1×(1−Fbyatc) …(9) ただし、Fbyatc;遅れ時定数相当値(1未満の
値) により1次の遅れを加える(図12のステップ65)。
【0065】これは、MPI方式で吸気管容積が大きい
ときに、制御弁からシリンダに達するまでに遅れをもつ
補助空気流量の位相に合わせて(9)式により燃料供給
の位相を遅らせることで((9)式で目標空燃比の位相
を遅らせると、最終的に燃料の供給の位相が遅れること
になる)、空燃比切換時にシリンダへの燃料と空気の供
給の位相を一致させるのである。したがって、(9)式
はなまし処理である点で従来例の式と同等であるもの
の、なまし処理を導入した目的は異なっている。
【0066】(9)式のダンパ値Dmloは、3回前ま
での値をストアしておき、所定回前(たとえばDLYF
BA#回前)の値を変数Kmrに入れる(図12のステ
ップ66)。DLYFBA#回前の値とするのは、図1
4に示したように、制御弁22の遅れ(デッドタイム)
を考慮したものである。
【0067】ただし、次の条件 〈ア〉スタートスイッチがONであること。
【0068】〈イ〉Dml>1.0であること。
【0069】〈ウ〉|ΔTVO|≧所定値DTVOTR
#であること のいずれかが成立したときは、遅れ処理を行わない(図
12のステップ61,62,63,67)。
【0070】(9)式の遅れ時定数相当値Fbyatc
は、図13を内容とするテーブルのうち吸気管容積大用
を参照して求める(図12のステップ64)。空燃比切
換時の空気流量の位相の遅れは、エンジン回転数Nが低
下するほど大きくなるため、この傾向に合わせて図13
のようにFbyatcの値を設定している(吸気管容積
が小さいエンジンに対しては低回転域でだけ)。
【0071】図13にはまた、吸気管容積小用の特性を
重ねて示しており、SPI方式で吸気管容積が小さいエ
ンジンでは、燃料よりも空気のほうが応答がよいので、
燃料の位相を遅らせる必要がないため、Fbyatc=
1.0としている。つまり、図13を内容とするテーブ
ルを実際に装着するエンジンの吸気管容積の大小に合わ
せて、不要となる図13の一方の特性を削除すること
で、図12のフローチャートをSPI方式にも共用でき
るのである。
【0072】なお、MPI方式で吸気管容積が大きい場
合に、空燃比切換時に補助空気流量と燃料量の両者の供
給の位相を一致させるには、(a)補助空気流量の位相
に合わせて燃料量の位相を遅らせるか、(b)燃料量に
合わせて補助空気流量の位相を進めてやるかの2つの実
施例があり、図12と図16のフローチャートは2つの
実施例(SPI方式に対する分まで含めると合計で4つ
の実施例)をともに織り込んだものとなっている。した
がって、実施例レベルではいずれかを選択するため、 (a)に対する実施例のとき図16のステップ90,9
1,92を削除、 (b)に対する別の実施例のとき図12のステップ6
4,65を削除 しなければならない。
【0073】〈2−4〉目標燃空比Tfbya これは図6のように、 Tfbya=Kmr+Kas+Ktw …(8) ただし、Kmr;目標燃空比のダンパ値 Kas;始動後増量補正係数 Ktw;水温増量補正係数 により計算する(図6のステップ38)。
【0074】ここで、始動後増量補正係数Kasは、ク
ランキング中はその値が冷却水温に応じて定まり、エン
ジン始動直後より時間とともに徐々に減少する値、水温
増量補正係数Ktwは冷却水温からテーブルを参照して
求める値(図6のステップ37,36)で、いずれも公
知である。
【0075】〈3〉噴射量制御 〈3−1〉制御弁22のフェイルセーフ 図5に示したように、エアフローメータ4の出力電圧Q
aはA/D変換した後でテーブル参照により空気流量単
位に変換するが(図5のステップ21,22)、この変
換により得た空気流量Qを上限値Fqmaxに制限する
(図5のステップ23,24)。これは、大流量の制御
弁22に誤作動が生じると、大流量の補助空気がシリン
ダに流入してドライバーの要求以上のトルクが発生する
ので、これを防止するためである。
【0076】図26は上限値Fqmaxを求めるための
フローチャートである。図26において、絞り弁流路面
積Fatvoを図27を内容とするテーブルを参照し
て、また制御弁22が正常に働くとしたときの制御弁流
路面積の予測値Aiscを図28を内容とするテーブル
を参照してそれぞれ求める(図26のステップ111,
112)。
【0077】なお、図27で横軸のTvoabsは絞り
弁開度TVOから全閉時のTVOを引いた値、またAO
FST#は絞り弁開度TVOを実空気流量に対応させる
ためのオフセット量である。図28で横軸のAacdt
yはISCONP(アイドル回転数制御用のオンデュー
ティ)かTcvdty(トルク制御デューティ)のいず
れかの値である。
【0078】絞り弁流路面積Fatvoと制御弁流路面
積の予測値Aiscの合計の流路面積(Fatvo+A
isc)は、 Pqmax=(Fatvo+Aisc)×KAQGIN# …(10) ただし、KAQGIN#;定数 により空気流量単位に変換する(図26のステップ11
3)。(10)式のPqmaxは制御弁22が正常に働
くとしたときの総吸入空気流量の予測値である。この予
測値Pqmaxから上限値Fqmaxを Fqmax=Pqmax×Qmxg …(11) ただし、Qmxg;ゲイン により求める(図26のステップ115)。
【0079】ゲインQmxgはエアフローメータ4から
得た空気流量Qと予測値Pqmaxの比(Q/Pqma
x)より図29を内容とするテーブルを参照して求める
(図26のステップ114)。図29において、Q/P
qmaxが小さな領域ではゲインQmxgの値が一定で
あるが、Q/Pqmaxの大きな領域になるとゲインQ
mxgの値を大きくしている。これは、たとえば絞り弁
開度TVOが小さい領域で制御弁22が全開固着したと
き空燃比が過度にリーン側にずれてリーン失火を生じ回
転が下がりすぎるので、このリーン失火を防止するため
である。Q/Pqmaxは制御弁22の誤作動の度合い
を表すため、この度合いが大きいときはリーン失火を生
じないように予測値Pqmaxに対する上限値Fqma
xの割合を大きくするのである。
【0080】〈3−2〉シリンダ吸気相当の基本噴射パ
ルス幅Tp 図5において、Q>Fqmaxのときは上限値Fqma
x(=Q)から、またそれ以外ではQをそのまま用いて
シリンダ吸気相当の基本噴射パルス幅Tpを、公知の式 Tp0=(Q/Ne)×KCONST#×Ktrm …(12) Tp=Tp0×Fload+Tp×(1−Fload) …(13) ただし、Tp0;絞り弁部相当の基本噴射パルス幅 KCONST#;ベース空燃比を与える定数 Ktrm;トリミング係数 Fload;吸気管空気遅れ係数 により計算する(図5のステップ25)。
【0081】(13)式は過渡時(運転条件の変化に関
するもので、空燃比の切換とは関係ない)の吸気管の空
気の応答遅れを考慮するものである。
【0082】〈3−3〉燃料噴射パルス幅Ti 図3は吸気ポート12bに設けたインジェクタ3への燃
料噴射パルス幅Tiを算出するためのフローチャート
で、これを、 Ti=Tp×Tfbya×(α+αm)×Ktr+Ts …(14) ただし、α:空燃比フィードバック補正係数 αm;空燃比学習制御係数 Ktr;過渡補正係数 Ts:バッテリ電圧に応じた無効パルス幅 によって計算し(図3のステップ2)、これを図4で示
したように噴射タイミングで出力する(図4のステップ
11)。
【0083】(14)式の過渡補正係数Ktrは、燃料
の吸気管での輸送遅れを補正するもので、従来例の式
のKACCと同様の値である。たとえば、初期値は絞り弁
開度変化量の絶対値|ΔTVO|が所定値を越えた時点
(つまり加速や減速を判定した時点)の|ΔTVO|に
応じて定まり、時間とともに減少する値である。
【0084】以上で概説を終える。
【0085】さて、MPI方式で制御弁下流の吸気管容
積が大きいエンジンで、空燃比の切換時に制御弁22で
の空気変化流量(補助空気流量)と燃料量の両者のシリ
ンダへの供給の位相を一致させるには、〈a〉空気変化
流量の挙動に合わせて燃料供給の位相を遅らせるか、
〈b〉燃料供給に合わせて空気変化流量の位相を進めて
やるかの2つの実施例がある。
【0086】〈a〉に対する実施例 空燃比の切換時に空燃比の切換速度が速くなるように制
御弁22を動かして、補助空気流量を増減しても、この
補助空気流量は制御弁下流の大きな吸気管容積により遅
れをもってシリンダに達する。この燃料に対する空気の
位相の遅れ分に相当して、燃料供給の位相を遅らせるた
め、上記の(9)式で目標燃空比のランプ応答値Dml
に対して1次の遅れ処理(遅れ補償)を行う。目標空燃
比からは最終的に供給燃料量(Ti)を算出するので、
目標空燃比の位相を遅らせると、燃料の供給の位相が遅
れるわけである。
【0087】また、空燃比切換時の燃料に対する空気の
位相の遅れは、エンジン回転数が低いほど大きくなるた
め、燃料供給の位相の遅れの程度を定める遅れ時定数相
当値Fbyatcも、一定値でなく、図13に示したよ
うにエンジン回転数が低くなるほど、遅れの位相の程度
を大きくしている。エンジン回転数に対する遅れ時定数
相当値Fbyatcの値は、マッチングで定めるのであ
る。
【0088】なお、図16のステップ90,91,92
は不要であるため削除する。この例では、(4)式の進
み補償または遅れ補償面積Tatcv0は算出されな
い。このため、図17のステップ93では要求補正面積
Tatcvを Tatcv=Tatcvhn-DLYIS+Aisc0+Aokuri …(6−1) ただし、Tatcvhn-DLYIS;TatcvhのDLY
IS#回前の値 Aokuri;先送り分 により計算することになる。つまり、Tatcv0の代
わりに平衡要求面積Tatcvhを入れて(6)式を計
算するわけである。
【0089】〈b〉に対する別の実施例 この別の例では、空燃比切換時の燃料に対する空気の
相の遅れ分をみこして、空気変化流量の位相を時間的に
進ませるため、(4)式により平衡要求面積Tatcv
hを1次進みで進ませる(進み補償)。
【0090】目標燃空比のランプ応答値Dmlと基本流
路面積Aa0から上記の(3)式により求まる平衡要求
面積Tatcvhは、吸気管での空気流量の遅れがない
としたときの、かつ空燃比切換時の空気変化流量を含ん
だ制御弁面積であるため、吸気管での空気変化流量の位
の遅れをみこして平衡要求面積Tatcvhの位相
進めることで、位相の遅れを相殺するわけである。
【0091】なお、この例では図12のステップ64,
65が不要であるため、(9)式のダンパ値Dmloは
算出されない。このため、ランプ応答値Dmlの3回前
までの値をストアしておき、図12のステップ66で所
定回前(DLYFBA#回前)の値を変数Kmrに入れ
ることになる。
【0092】ここで、〈b〉に対する実施例の作用を図
30を参照しながら説明すると、理論空燃比からリーン
側の空燃比へと目標空燃比を切換えたとき、図30の左
半分に示したように、目標燃空比のランプ応答値Dml
は急激な傾きで変化し、このランプ応答値Dmlから算
出される平衡要求面積Tatcvhも、同じ急な傾きで
大きくなる。
【0093】この平衡要求面積Tatcvhに1次の進
み補償が加えられると、この進み補償面積Tatcv0
は、切換タイミングから、平衡要求面積Tatcvhと
変化のタイミングを同じにしつつ平衡要求面積Tatc
vhより大きくなる。進み補償面積Tatcv0と平衡
要求面積Tatcvhの差の面積分だけ多めに制御弁2
2を開くわけで、これによって従来例のように空燃比の
切換直後に燃料噴射パルス幅Tiが一時的に小さくなる
ことがなく、切換の前後でトルク特性が滑らかになって
いる(図30の実線参照)。言い換えると、リーン空燃
比への切換時に制御弁22で補助空気を増量する場合
に、吸気管での空気流量の位相の遅れ分をみこして、ど
れくらい平衡要求面積Tatcvhを大きくするかを定
める進み補償時定数相当値Tcvtcをマッチングする
ことで、制御弁下流の吸気管容積が大きくても、リーン
空燃比への切換の前後でトルクを同一とすることができ
るのである。
【0094】一方、理論空燃比への切換時にも、図30
の右半分に示したように切換前後でトルクがほぼ一定と
なっている。理論空燃比への切換時には、進み補償面積
Tatcv0が平衡要求面積Tatcvhと変化のタイ
ミングを同じにしつつ今度は平衡要求面積Tatcvh
より一定量だけ小さくなり、これによって吸気管での空
気流量の位相の遅れが相殺され、シリンダへの空気流量
と燃料の供給の位相が一致するのである。
【0095】また、応答のよい燃料に合わせて制御弁流
の位相を進めているため、〈a〉に対する実施例より
空燃比が速く切換わることなり、〈a〉に対する実施例
より空燃比切換時のNOxをさらに低減することができ
る。なお、〈b〉に対する実施例では目標燃空比のダン
パ値Kmrは算出されないが、比較のため、これを図3
0に重ねて示している。
【0096】図31,図32は他の2つの実施例であ
る。
【0097】エンジンによっては、エンジンの高回転域
でだけ、MPI方式で制御弁下流の吸気管容積が大きい
エンジンのように、空燃比の切換時に燃料より吸気管で
の空気流量の位相の遅れが相対的に大きく、エンジンの
低回転域になると、この関係が入れ替わり空気流量より
燃料の位相の遅れが大きくなるエンジンがある。
【0098】このような特殊なエンジンでは、図31に
示したように、平衡要求面積Tatcvhに高回転域で
進み補償を行い(Tcvtc>1.0とし)、低回転域
になると遅れ補償を行う(Tcvtc≦1.0とする)
ことで、回転域に関係なく空燃比の切換前後でフラット
なトルク特性が得られるのである。同様にして、図32
のように目標燃空比のランプ応答値Dmlに高回転域で
だけ遅れ補償を行うための遅れ処理を行う(Fbyat
c<1.0とし)ことでも、その高回転域でトルク特性
がフラットになる。
【0099】
【発明の効果】第1の発明では、燃料を供給する装置と
吸入空気流量を調整する装置とが離間配置されるリーン
バーンエンジンにおいて、運転条件信号がリーン条件で
あるかどうかを判定し、この判定結果よりリーン条件で
はこの条件に応じた目標空燃比を、またリーン条件以外
の条件になるとこのリーン条件以外の条件に応じた目標
空燃比を運転条件信号に応じて算出し、この目標空燃比
の切換時に燃料に対する空気の遅れ分に相当して前記目
標空燃比の遅れ補償を行うための遅延処理値を算出し、
この目標空燃比の遅延処理値に基づく遅延処理後の目標
空燃比から噴射量を算出し、この噴射量の燃料を供給す
る一方で、前記目標空燃比の切換時に切換前後でトルク
が同一となるように空気変化流量を目標空燃比と運転条
件信号を用いて算出し、この空気変化流量に応じて吸入
空気流量を調整するように構成したため、空燃比の切換
時に吸気管での空気流量の位相の遅れのほうが燃料より
大きいエンジンでも、同じタイミングで燃料と空気を変
化させつつ燃料と空気のシリンダへの供給の位相を合わ
せることができ、これにより空燃比の切換前後でトルク
が変わらず、運転性が向上する。
【0100】第2の発明は、燃料を供給する装置と吸入
空気流量を調整する装置とが離間配置されるリーンバー
ンエンジンにおいて、運転条件信号がリーン条件である
かどうかを判定し、この判定結果よりリーン条件ではこ
の条件に応じた目標空燃比を、またリーン条件以外の条
件になるとこのリーン条件以外の条件に応じた目標空燃
比を運転条件信号に応じて算出し、この目標空燃比と運
転条件信号から噴射量を算出し、この噴射量の燃料を供
給する一方で、前記目標空燃比の切換時に切換前後でト
ルクが同一となるように空気変化流量を目標空燃比と運
転条件信号を用いて算出し、前記目標空燃比の切換時に
燃料に対する空気の遅れ分に相当して前記空気変化流量
の進み補償を行うための進み処理値を算出し、この空気
変化流量の進み処理値に応じて吸入空気流量を調整する
ように構成したため、第1の発明の効果に加えて、第1
の発明より空燃比を速く切換えることができる分だけ切
換時のNOxを一層低減することができる。
【0101】第3の発明は、燃料を供給する装置と吸入
空気流量を調整する装置とが離間配置されるリーンバー
ンエンジンにおいて、運転条件信号がリーン条件である
かどうかを判定し、この判定結果よりリーン条件ではこ
の条件に応じた目標空燃比を、またリーン条件以外の条
件になるとこのリーン条件以外の条件に応じた目標空燃
比を運転条件信号に応じて算出し、この目標空燃比と運
転条件信号から噴射量を算出し、この噴射量の燃料を供
給する一方で、前記目標空燃比の切換時に切換前後でト
ルクが同一となるように空気変化流量を目標空燃比と運
転条件信号を用いて算出し、前記目標空燃比の切換時に
燃料に対する空気の遅れ分に相当して前記空気変化流量
の進み補償を行うための進み処理値を高回転域で、また
空気に対する燃料の遅れ分に相当して前記空気変化流量
の遅れ補償を行うための遅れ処理値を低回転域で算出
し、この空気変化流量の進み処理値または遅れ処理値に
応じて吸入空気流量を調整するように構成したため、エ
ンジンの高回転域でだけ第1や第2の発明と同じに、空
燃比の切換時に燃料より吸気管での空気流量の位相の遅
れが相対的に大きく、低回転域になるとこの関係が入れ
替わり空気流量より燃料の位相の遅れが大きくなるエン
ジンでも、回転域に関係なく空燃比の切換前後でフラッ
トなトルク特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明のクレーム対応図である。
【図2】一実施例のシステム図である。
【図3】燃料噴射パルス幅Tiの算出を説明するための
流れ図である。
【図4】燃料噴射パルス幅Tiの出力を説明するための
流れ図である。
【図5】シリンダ吸気相当の基本噴射パルス幅Tpの算
出を説明するための流れ図である。
【図6】目標燃空比Tfbyaの算出を説明するための
流れ図である。
【図7】リーンマップの内容を説明するための特性図で
ある。
【図8】非リーンマップの内容を説明するための特性図
である。
【図9】目標燃空比のランプ応答値Dmlの算出を説明
するための流れ図である。
【図10】目標燃空比のランプ応答値Dmlの波形図で
ある。
【図11】変化速度Ddmlr、Ddmllの計算を説
明するための流れ図である。
【図12】目標燃空比のダンパ値Kmrの算出を説明す
るための流れ図である。
【図13】2つの実施例の遅れ時定数相当値Fbyat
cのテーブル内容を重ねて示す特性図である。
【図14】制御弁22のデッドタイムを説明するための
波形図である。
【図15】制御弁22へのオンデューティの算出を説明
するための流れ図である。
【図16】前記2つの実施例とは別の2つの実施例に共
用のトルク制御デューティTcvdtyの算出を説明す
るための流れ図である。
【図17】トルク制御デューティTcvdtyの算出を
説明するための流れ図である。
【図18】絞り弁流路面積Atvoのテーブル内容を示
す特性図である。
【図19】制御弁流路面積Aisc0のテーブル内容を
示す特性図である。
【図20】差圧補正率Kgh0のテーブル内容を示す特
性図である。
【図21】前記2つの実施例とは別の2つの実施例の遅
れ進み補償時定数相当値Tcvtcのテーブル内容を重
ねて示す特性図である。
【図22】基本デューティDtytcのテーブル内容を
示す特性図である。
【図23】デューティ補正率Tcvginのテーブル内
容を示す特性図である。
【図24】制御弁立上がりデューティTcvofsのテ
ーブル内容を示す特性図である。
【図25】制御弁22の流量特性図である。
【図26】上限値Fqmaxの算出を説明するための流
れ図である。
【図27】絞り弁流路面積Fatvoのテーブル内容を
示す特性図である。
【図28】制御弁流路面積の予測値Aiscのテーブル
内容を示す特性図である。
【図29】ゲインQmxgのテーブル内容を示す特性図
である。
【図30】MPI方式で吸気管容積が大きなエンジンに
おいて空燃比の切換時の作用を説明するための波形図で
ある。
【図31】他の実施例の遅れ進み補償時定数相当値Tc
vtcのテーブル内容を示す特性図である。
【図32】別の他の実施例の遅れ時定数相当値Fbya
tcのテーブル内容を示す特性図である。
【図33】従来例のシステム図である。
【図34】従来例の空気補正率KBAのテーブル内容を
示す特性図である。
【図35】従来例の作用を説明するための波形図であ
る。
【図36】従来例の作用を説明するための波形図であ
る。
【図37】第2の発明のクレーム対応図である。
【図38】第3の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
2 コントロールユニット 3 インジェクタ(燃料供給装置) 4 エアフローメータ 5 吸気絞り弁 6 スロットルセンサ 7 クランク角度センサ(回転数センサ) 12a コレクタ部 12b 吸気ポート 21 補助空気通路 22 流量制御弁(吸入空気流量調整装置) 31 リーン条件判定手段 32 目標空燃比算出手段 33 遅延処理値算出手段 34 噴射量算出手段 35 燃料供給装置 36 空気変化流量算出手段 37 吸入空気流量調整装置 41 進み処理値算出手段 51 進み遅れ処理値算出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 41/14 310 F02D 41/14 310L (56)参考文献 特開 昭63−50641(JP,A) 特開 平1−138336(JP,A) 特開 平2−40044(JP,A) 特開 平3−199646(JP,A) 特開 平4−136450(JP,A) 特開 平4−17742(JP,A) 特開 平5−214989(JP,A) 特開 平2−267340(JP,A) 特開 平2−104932(JP,A) 特開 平1−294942(JP,A) 特開 昭63−138127(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 41/40 F02D 43/00 - 45/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を供給する装置と吸入空気流量を調整
    する装置とが離間配置されるリーンバーンエンジンにお
    いて、 運転条件信号がリーン条件であるかどうかを判定する手
    段と、 この判定結果よりリーン条件ではこの条件に応じた目標
    空燃比を、またリーン条件以外の条件になるとこのリー
    ン条件以外の条件に応じた目標空燃比を運転条件信号に
    応じて算出する手段と、 この目標空燃比の切換時に燃料に対する空気の遅れ分に
    相当して前記目標空燃比の遅れ補償を行うための遅延処
    理値を算出する手段と、 この目標空燃比の遅延処理値に基づく遅延処理後の目標
    空燃比から噴射量を算出する手段と、 この噴射量の燃料を供給する装置と、 前記目標空燃比の切換時に切換前後でトルクが同一とな
    るように空気変化流量を目標空燃比と運転条件信号を用
    いて算出する手段と、 この空気変化流量に応じて吸入空気流量を調整する装置
    とを設けたことを特徴とするリーンバーンエンジンの空
    燃比制御装置。
  2. 【請求項2】燃料を供給する装置と吸入空気流量を調整
    する装置とが離間配置されるリーンバーンエンジンにお
    いて、 運転条件信号がリーン条件であるかどうかを判定する手
    段と、 この判定結果よりリーン条件ではこの条件に応じた目標
    空燃比を、またリーン条件以外の条件になるとこのリー
    ン条件以外の条件に応じた目標空燃比を運転条件信号に
    応じて算出する手段と、 この目標空燃比と運転条件信号から噴射量を算出する手
    段と、 この噴射量の燃料を供給する装置と、 前記目標空燃比の切換時に切換前後でトルクが同一とな
    るように空気変化流量を目標空燃比と運転条件信号を用
    いて算出する手段と、 前記目標空燃比の切換時に燃料に対する空気の遅れ分に
    相当して前記空気変化流量の進み補償を行うための進み
    処理値を算出する手段と、 この空気変化流量の進み処理値に応じて吸入空気流量を
    調整する装置とを設けたことを特徴とするリーンバーン
    エンジンの空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】燃料を供給する装置と吸入空気流量を調整
    する装置とが離間配置されるリーンバーンエンジンにお
    いて、 運転条件信号がリーン条件であるかどうかを判定する手
    段と、 この判定結果よりリーン条件ではこの条件に応じた目標
    空燃比を、またリーン条件以外の条件になるとこのリー
    ン条件以外の条件に応じた目標空燃比を運転条件信号に
    応じて算出する手段と、 この目標空燃比と運転条件信号から噴射量を算出する手
    段と、 この噴射量の燃料を供給する装置と、 前記目標空燃比の切換時に切換前後でトルクが同一とな
    るように空気変化流量を目標空燃比と運転条件信号を用
    いて算出する手段と、 前記目標空燃比の切換時に燃料に対する空気の遅れ分に
    相当して前記空気変化流量の進み補償を行うための進み
    処理値を高回転域で、また空気に対する燃料の遅れ分に
    相当して前記空気変化流量の遅れ補償を行うための遅れ
    処理値を低回転域で算出する手段と、 この空気変化流量の進み処理値または遅れ処理値に応じ
    て吸入空気流量を調整する装置とを設けたことを特徴と
    するリーンバーンエンジンの空燃比制御装置。
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