JPH0734446Y2 - 表面にラミネート層を形成できるラベル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はラベルに関するものであ
り、特に使用時に表面にラミネート層を形成できるラベ
ルに関するものである。

【０００２】

【従来技術】ラベル紙（例えばインデックスラベル紙な
ど）の表面に文字等を記載したのちラベル紙の上面を被
覆するようラミネートフィルムを貼り付け、このラミネ
ートフィルム層によってラベル紙の表面が汚損されるの
を防止するよう構成したラベルは既に市販されて公知と
なっている。

【０００３】また、印刷紙の上面に、予め裏面に剥離紙
を貼着した透明フィルムを層状に形成しておき、使用時
に透明フィルムの裏面から剥離紙を除去して印刷紙の表
面を被覆させるよう構成したラベルは実公昭６１−１１
７３９号公報の記載によって公知となっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら従来より
知られる上記のラベルは、製品（ラベル）として販売さ
れる時に、既にラベル紙の表面にラミネート用のフイル
ム層が剥離可能に形成されており、ラベルを使用する時
は、一旦ラベル紙の上面からラミネート用のフィルム層
を持ち上げた後にラベル紙上に所要の文字等を記入し、
次いで前記ラミネート用フィルムをラベル紙上に再被覆
させたのち所定位置に貼付して使用する構造となってい
たため、製品として提供されたラベル（ラベル紙）にそ
のまま文字等を印字することは不可能であり、使用の際
に、逐一ラミネートフィルム（被覆用の透明フィルム）
を持ち上げなければラベル紙にプリンター等による印字
を行うことができないという欠点があった。

【０００５】特に上記公知のラベルは、一旦剥離したラ
ミネート層を所定の場所に転移させた上、ラベル面に表
示を行うよう構成されていなかったため、ラベル紙上に
ラミネートフィルムを再度貼付する場合の位置決めが正
確に行われ難く、特にラミネートフィルムの面積が大き
いものの場合、位置決めが不正確となるほか、貼付しよ
うとするラミネートフィルムの面に皺がよるという欠点
が指摘されている。

【０００６】

【考案の目的】本考案は上記の事情に鑑みこれらの問題
に対応しようとするものであり、使用前は、ラベル面を
最も上面に位置させた構造とすることにより、ラベル面
にそのままの状態でプリンター等による印字を行うこと
が可能であり、しかも使用時にはラベル紙の上面全体を
ラミネートフィルムによって完全に被覆できるよう構成
した表面にラミネートフィルムの被覆層を形成できるラ
ベルを提供せんとするものである。

【０００７】また本考案の他の目的は、ラベルのサイ
ズ、及びラベルの上面を被覆するラミネートフィルムの
サイズが大きい場合でも、ラベル紙に対するラミネート
フィルムの被覆手段が容易であり、しかも、貼付けられ
たラミネートフィルム面に皺を寄せることなく極めて正
確かつ美麗に貼付け操作を行えるよう構成した表面にラ
ベル層を形成できるラベルを提供しようとするものであ
る。

【０００８】

【考案の要点】本考案は、透明又は半透明な素材を用い
たベースとなる離形紙の上面に、接着力の弱い粘着剤の
塗布層を形成し、粘着剤の塗布層の上面に透明な合成樹
脂製フィルム等からなるラミネートフィルムを貼着し、
ラミネートフィルムの上面に、接着剤の塗布層を介して
離形紙を貼着し、更にこの離形紙上に接着剤の塗布層を
介してラベル紙を貼着した７層構造として構成してな
り、前記ベースとなる離形紙の裏面にはラベルを貼付す
る際の位置決めの目安となるガイド線を印刷表示してな
る表面にラミネート層を形成できるラベルの構造を考案
の要点としている。

【０００９】

【実施例】以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

【００１０】総括的にＡで示すラベルは、ベースとなる
離形紙１の上面に接着力の弱い粘着剤（微粘着性接着
剤）の塗布層２を形成し、粘着剤の塗布層２の上面に透
明な合成樹脂フィルム等からなるラミネートフィルム３
を貼着し、ラミネートフィルム３の上面に、接着剤の塗
布層４を介して離形紙５を貼着し、更にその上面に接着
剤の塗布層６を介してラベル紙７を貼着した７層構造と
して構成している。

【００１１】ベースとなる離形紙１は、表面に離形剤を
塗布した透明若しくは半透明の素材を用いて構成するも
のであり、裏面にはラベルを貼付する際の位置決めの目
安となるガイド線11…11を縦横に印刷している。

【００１２】ガイド線11…11の表示手段及び表示間隔は
ラベルの用途に応じて自由に設定するものである。

【００１３】12…12はベースとなる離形紙１に所定の間
隔をおいてミシン目状に刻切した折り曲げ線であり、折
り曲げ線12の上方に一定の間隔をおいてラベルＡを貼付
している。

【００１４】離形紙１の大きさはラベルＡの大きさに応
じて設定するが、少なくとも、離形紙１の下面に設けた
折り曲げ線12を挟んだ反対側（図１における下方）に、
ラベルＡの大きさと同じスペースを設けることが肝要で
ある。

【００１５】図１例示のように、一枚の離形紙１に多数
のラベルＡ…Ａを貼付けた構造とする場合、折り曲げ線
12…12の間隔はすべて同一の間隔を持たせた構造とする
ことが必要であり、また、ラベルＡ…Ａの貼付け位置も
折り曲げ線12の上下の同じ位置に貼付することが必要と
なる。

【００１６】なお、実施例では折り曲げ線12…12を離形
紙１に対して上下方向に段状に形成したが、これに限定
されるものではなく、例えば図１例示の折り曲げ線12…
12をラベルＡの両側位置に縦方向に形成することも自由
である。

【００１７】ラミネートフィルム３はラベル紙７を保護
するのに適当な厚さをもった合成樹脂製フィルム等を用
いるものである。なお、実施例ではラミネートフィルム
３の大きさを、ラベル紙７の大きさと同じ大きさとして
例示したが、実際には、ラベル紙７の大きさより少しだ
け大きく形成し、ラミネートフィルム３を貼付けた時に
ラベル紙７の周縁部からラミネートフィルム３の周縁部
が少しだけ張り出し、ラベル紙７全体を完全に被覆でき
る大きさとすることが望ましい。

【００１８】

【考案の使用】上記の構成とした本考案のラベルは以下
のように使用する。

【００１９】図１例示のように、離形紙１の面に多数の
ラベルＡ…Ａが形成されている場合は、使用に先立ち離
形紙１の最も下段に位置するラベルＡの離形紙５からラ
ベル紙７までの層を除去し、この位置には、離形紙１の
上面に微粘着性の粘着剤の塗布層２を介して接着された
ラミネートフィルム３（表面に接着剤４の塗布層があ
る）が残るだけとしておく。

【００２０】上記の状態で、折り曲げ線12の下方に位置
する離形紙１を折り曲げ線12部分で折り曲げ、離形紙１
の上にあるラミネートフィルム３を、隣接する他のラベ
ルＡの上面に重ね合わせて圧着させる。（図４、図８参
照）

【００２１】上記操作により隣接するラベルＡの上面に
ラミネートフィルム３の層を重ね合わせると、隣接する
ラベルＡの上段に位置しているラベル紙７は、重合した
ラミネートフィルム３の上面に塗布した接着剤４の接着
力によりラミネートフィルム３の面に転移し、元の位置
には離形紙５から下の層（離形紙１、微粘着性の接着剤
２、ラミネートフィルム３、接着剤４、離形紙５）が残
留する。（図10参照)

【００２２】上記操作により折り曲げ線12部分で折り曲
げた離形紙１は、圧着後すぐに折り曲げを解除して再び
元の位置に戻すと、離形紙１の面にはラミネートフィル
ム３面に転移したラベル紙７があるので、これを離形紙
１ごとラベルを貼付けるべき被着物（書類或いは包装用
箱等）の上面に押圧すれば、表面をラミネートフィルム
３によって被覆されたラベル紙７を正確に貼付けること
ができる。（図７、図11参照)

【００２３】この場合、離形紙１の裏面に表示形成した
ガイド線11…11を位置決めの目安とすることにより極め
て正確に貼付けることができる。

【００２４】

【考案の効果】上記の構成からなる本考案の効果は以下
のとおりである。

【００２５】（１） ラベルＡは最も上面にラベル紙７
の層を形成したので、従来構造のように一旦ラミネート
層を剥離した後に印刷を行う等の特別の操作をすること
なく所望の印刷表示を行える優れた利点がある。

【００２６】（２） ラベル紙７を被着物に貼付する時
は、折り曲げ線12を挟んだ反対側に移動させたラミネー
トフィルム３の面に、ラベル紙７を転移させた後、ラベ
ル紙７を含むラミネートフィルム３を被着物の面に接着
する構造としたので全体を極めて簡単に貼付できる。

【００２７】（３） ラミネートフィルム３は、折り曲
げ線12を挟んだ反対側の離形紙１上に正しい間隔で貼付
けられているので、離形紙１を折り曲げ線12部分で折り
曲げると隣接するラベルＡの上面にラミネートフィルム
３を正確に重合させることができ、従来のラミネートフ
ィルム付きラベルが抱えていた位置ずれのトラブルを完
全に回避できた。

【００２８】（４） 離形紙１上に貼付されたラミネー
トフィルム３は、７層に形成されたラベルＡの最も下の
層（離形紙１の上）に貼着されているものをそのまま利
用するため、ラベルＡの規格が著しく大きい場合でも上
記と全く同じ操作によりラミネートフィルム３を隣接す
るラベル紙７上に簡単に重合させることが可能となり、
従来構造のラミネートフィルムのようにフィルム面に皺
を形成させ不体裁となることがない。

【００２９】（５） ベースとなる離形紙１の素材とし
て、透明または半透明な素材を用い、しかもその裏面に
は貼付けの際の位置決めの目安となるガイド線11…11を
印刷表示したので被着物に貼付する際に極めて正確に貼
付けることができる。ラベル紙７のサイズが大きい場
合、貼付けたラベルＡが少しでも傾いた状態で貼付けら
れると極めて不体裁なものとなるが、本考案は上記のガ
イド線11…11を設けたことによりこのようなトラブルの
発生を未然に防止できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 一枚の離形紙上に数枚のラベルを貼付した状
態を示す平面図

【図２】 図１の裏面図

【図３】 ラベル単体の拡大断面図

【図４】 ラベル紙を隣接するラミネートフィルム面に
転移させる操作を示す斜視図

【図５】 ラベル紙がラミネートフィルム面に転移され
た状態を示す斜視図

【図６】 ラベル紙が隣接するラミネートフィルム面に
転移完了した状態を示す斜視図

【図７】 ラベル紙を被着物に貼付する状態を示す斜視
図

【図８】 図４の縦断面図

【図９】 図５の縦断面図

【図10】 図６の縦断面図

【図11】 図７の縦断面図

【符号の説明】

Ａ ラベル １ 離形紙 11 ガイド線 12 折り曲げ線 ２ 粘着剤 ３ ラミネートフィルム ４ 接着剤 ５ 離形紙 ６ 接着剤 ７ ラベル紙

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透明又は半透明な素材を用いたベースとな
   る離形紙の上面に、接着力の弱い粘着剤の塗布層を形成
   し、粘着剤の塗布層の上面に透明な合成樹脂製フィルム
   等からなるラミネートフィルムを貼着し、ラミネートフ
   ィルムの上面に、接着剤の塗布層を介して離形紙を貼着
   し、更にこの離形紙上に接着剤の塗布層を介してラベル
   紙を貼着した７層構造として構成してなり、前記ベース
   となる離形紙の裏面にはラベルを貼付する際の位置決め
   の目安となるガイド線を印刷表示してなる表面にラミネ
   ート層を形成できるラベル。
2. 【請求項２】ベースとなる剥離紙にミシン目状の折り曲
   げ線を刻切形成し、この折り曲げ線の一方側に７層に形
   成したラベルを貼付けてなる請求項１記載の表面にラミ
   ネート層を形成できるラベル。