JPH0734399A - 染色紙 - Google Patents

染色紙

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JPH0734399A
JPH0734399A JP20024093A JP20024093A JPH0734399A JP H0734399 A JPH0734399 A JP H0734399A JP 20024093 A JP20024093 A JP 20024093A JP 20024093 A JP20024093 A JP 20024093A JP H0734399 A JPH0734399 A JP H0734399A
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欣哉 日吉
Tsutomu Usui
勉 宇水
Yoshitoshi Shishikura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異色(異った色)に染色された繊維が、紙の
全面にまだらに分布して見え、従来に無い意匠的な効果
を有した染色紙。 【構成】 2種類以上の異色に染色された製紙用繊維を
混合し抄紙した染色紙に於いて、JIS L0846準
用の耐水染色堅ろう度が3以上となるように染色された
製紙用繊維を使用すること、及び異色に染色された製紙
用繊維のうち、少なくとも2種類は各々の割合が30重
量%以上であることを特徴とする染色紙。この際フィッ
クス剤処理を行って製紙用繊維を染色することで濃色の
場合の染料の泣きだしを防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異色(異った色)に染
色された繊維が、紙の全面にまだらに分布して見え、従
来に無い意匠的な効果を有した染色紙に関する。
【0002】
【従来の技術】製紙用に使用される染料や顔料は周知の
ように、酸性染料、塩基性染料、直接染料、無機あるい
は有機性の顔料が大部分であり、従来、これらの染料や
顔料(以下、染顔料という)で染色を施した染色紙は数
多く知られている。染色紙を大別すると、紙全体を均一
に単色で染色したものと、部分的に異色の模様が分布し
たものとに分けることができる。
【0003】前者に要求される性能で何よりも重要なこ
とは、紙を構成する製紙用繊維に染顔料が均一に定着し
ていることである。この場合、使用する染顔料は1種類
の場合は少なく、希望する色相を得るために数種類の染
顔料を混合して繊維に定着させる場合が多い。数種類の
染顔料を混合して使用するときは、製紙用繊維への親和
性が各染顔料により異なり、また、製紙用繊維は数種類
の繊維を混合使用する場合が多く、繊維の種類によって
も染顔料の親和性が異なる。これらの原因により繊維が
不均一に染色されることが起こり易く、この現象を「選
択染着」あるいは「グラニチング」(granitin
g)と呼び、均一な染色を施す場合には、この現象を避
けることが何よりも重要となる。この現象を防ぐため
に、通常は添加する染顔料の液温度を極力低くするこ
と、染顔料の濃度を低くすること、繊維へ染顔料をすみ
やかに添加すること、繊維の添加順序を工夫する等の対
策をとっている。
【0004】一方、部分的に異色の模様が分布した染色
紙も数多く製造されており、また数多くの提案もある。
代表的な例を以下に説明する。 1.毛染め法 これは、毛染め紙、或はグラナイト紙(granite
paper)、あるいはミストペーパーとも呼ばれ、
ごく少量の、予め濃く染色した製紙用繊維を1種類また
は数種類紙料に混ぜて抄造したものであり、古くから製
造されている。また、実開昭55−132200号に
は、1〜15デニール、2〜15mmの染色したナイロ
ン繊維を抄込むことが提案されているが、これも「毛染
め」技術の応用である。グラナイト紙に共通することは
染色した繊維の添加量が少ないため、繊維の1本1本が
明確に視認できることであり、独特の意匠的な効果が得
られている。
【0005】2.フロックを強制的に形成して抄紙する
方法 本出願人が提案した特公昭51−44206号には、特
殊な形状をしたボックス内でフロックを形成して抄紙
し、抄紙網上で0.2〜2%の水分率のときに染色顔料
を紙匹に噴霧、滴下し、表裏差のない染色模様紙を製造
することが記載されている。また、同じく本出願人が提
案した特公昭51−44207号には、フロックを形成
して抄紙し、初期ドライヤーの含水率20〜35%又は
次群ドライヤーの5〜20%で水性染色剤を両面に塗布
した表裏差のない染色模様紙の製造方法が記載されてい
る。これらに共通することは、フロックにより、大きな
雲状の模様が形成され、模様部分と非模様部分の密度差
により色相の濃淡が視認されることであり、独特の意匠
的な効果が得られている。
【0006】3.紙匹に染色する方法 抄紙網上の紙匹に、ノズルを用いて染顔料液を散布し、
雲状模様の染色紙を得る方法で、大柄の模様が発現し、
独特の意匠的な効果が得られる。ノズルごとに色の異な
った染顔料液を散布する場合は、異色の雲状の模様が発
現し、独特の意匠効果が得られている。
【0007】4.紙の吸着量の差を利用する方法 特公昭48−32964号、特開昭61−41398号
等に提案されているように、湿紙または乾紙に部分的に
染顔料の吸着性に差をもたせた後に染色する方法で、独
特の意匠効果が得られている。
【0008】5.異種染色物を抄込む方法 この方法は染色した異種物質を紙料に混合し抄紙する方
法であり、例えば、実開昭63−78099号には、染
色した米ヌカを、特開昭63−219698号には、染
色した水溶性高分子(PVA,澱粉,アルギンなど)
を、特開昭63−295798号には、蛋白質を酸で凝
集した染色フロックを、特開平3−180591号に
は、CMCに染顔料,填料,木材繊維,化学繊維を混
合、金属塩で凝集したものを混合抄紙することが記載さ
れている。これらに共通する特徴は、異種物質の添加量
が少ないことであり、各異種物質の特有の形状により、
独特の意匠効果が得られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記し
たような染色紙、特に部分的に異色の模様が分布した染
色紙に於て、従来に無い意匠的な効果を持った染色紙を
製造することを目的として検討を開始した。具体的に
は、異色の、まだら模様のごく微細なフロックが紙の全
面に分布して見え、細かな色の濃淡や階調によって立体
感のある発色効果を有する染色紙であり、このような染
色紙は従来知られていなかった。なお本発明で「異色」
とは、色相、明度、彩度のいずれかが1つ以上異なって
おり、目で観察するとその相違が判断できる程度の差が
少なくともあることを意味する。
【0010】本発明者らは、数種類の染料を混合して製
紙用繊維を染色して、種々の試験を行った際に、前記し
た「選択染着」現象が極端に起こり、それで手抄きした
染色紙が、部分的に異色の細かなまだら模様を持ち、従
来に無い意匠的な効果を持っていることに気付いた。こ
れを工業的に再現性よく製造できれば、本発明の目的の
染色紙が製造できるとの発想で種々の検討を開始した。
【0011】その結果、工業的に「選択染着」をコント
ロールし、これを利用した染色紙を再現性よく製造する
ことは極めて困難なことが判った。その理由は、使用す
る製紙用繊維、染顔料などの材料、用水の温度、機械的
な条件等が常にある巾で変動し、これが原因で「選択染
着」の程度が大きな巾をもって変動してしまうからであ
る。
【0012】次に本発明者らは予め別々に繊維を異色に
染色しておき、それを混合抄紙することを検討した。し
かしながらこの方法においても本発明の目的は達成でき
ないことが判った。その理由は、染色紙の製造に用いら
れている従来の染色方法では染料の「泣き出し」現象が
起きるためである。「泣き出し」現象とは抄紙工程で染
色した繊維から染料が拡散し繊維周辺に広がる現象であ
り、この現象が起きると本発明の目的である異色の、ま
だら模様の微細なフロックとして観察できる染色紙は得
られない。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らはさらに、染
色する手段、染色された繊維の混合割合、耐水染色堅ろ
う度の程度、さらに効果を助長させる紙加工方法等を種
々検討した結果、ついに本発明を完成させた。本発明の
要旨とするところは、2種類以上の異色に染色された製
紙用繊維を混合抄紙した染色紙に於いて、JIS L0
846準用の耐水染色堅ろう度が3以上となるように染
色された製紙用繊維を使用すること、及び異色に染色さ
れた製紙用繊維のうち、少なくとも2種類は各々の割合
が30重量%以上であることを特徴とする染色紙であ
る。
【0014】次に本発明者らが行った実験例に基づき、
本発明を詳細に説明する。なお、実験例と後に述べる実
施例中の重量部はいずれも乾燥重量部を意味する。 (1)淡色の染色繊維の調製 処方1 針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)100重量部
をビーターで離解して約4重量%の繊維濃度のスラリー
を得た。黄色染料(商品名「レバセルイエローR」、バ
イエル社製造)0.09重量部と赤色染料(商品名「レ
バセルスカーレット4BS」、バイエル社製造)0.0
2重量部をスラリーに添加した後に、硫酸アルミニウム
(バンド)を3重量部添加し染料をパルプに定着させ
た。
【0015】処方2 処方1の定着方法のみを変更した。染料を加えた後パル
プスラリーを約50℃に加熱し30分保持した後にフィ
ックス剤(商品名「カヤフィックスM」、日本化薬
(株)製造)を0.5重量部添加し、50℃で20分間
保持した。
【0016】(2)濃色の染色繊維の調製 処方3 針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)100重量部をビ
ーターで離解して約4重量%の繊維濃度のスラリーを得
た。黄色染料(商品名「レバセルイエローR」、バイエ
ル社製造)0.5重量部、赤色染料(商品名「レバセル
スカーレット4BS」、バイエル社製造)0.6重量
部、黒色染料(商品名「レバセルブラックG」、バイエ
ル社製造)0.6重量部、赤黄色染料(商品名「カヤフ
ェクトオレンジG」、日本化薬(株)製造)1.2重量
部をスラリーに添加した後に、硫酸アルミニウム(バン
ド)を5重量部添加し染料をパルプに定着した。
【0017】処方4 処方3の定着方法のみを変更した。染料を加えた後、染
色助剤として硫酸ナトリウム(Å硝)を1.5重量部加
え、スラリー全体を50℃に加温して30分間保持し
た。ついでフィックス剤(商品名「カヤフィックス
M」)を1.5重量部加えて、さらに50℃で20分間
保持した。
【0018】こうして調成した染色繊維の耐水染色堅ろ
う度を表1に示した。本発明では染色堅ろう度は、JI
S L0846の「試料がばら繊維の場合」の試験でB
法を準用し評価した値を意味する。先ず染色した繊維を
用い、JIS P8209に規定する手すき装置により
坪量100g/m2(絶乾時)の試料を作製し、水分率
が55重量%程度になるように脱水プレスする。この湿
紙を50mm×60mmの大きさに切り、同じ大きさの
「東洋ろ紙5B」(商品名)の間に挟んで全体をポリエ
チレンフィルムで密封する。密封試料全面に100g/
cm2の荷重をかけ、25±2℃の雰囲気で16時間保
持する。16時間後に湿紙とろ紙を分離し、ろ紙を乾燥
させる。乾燥後のろ紙の汚染の程度を汚染用グレースケ
ールで測定する。
【0019】
【表1】
【0020】表1から明らかのようにフィックス剤処理
した染色繊維は、バンドで定着した染色繊維より耐水染
色堅ろう度は優れている。この傾向はフィックス剤の種
類を変更してもほぼ同じ結果が得られることを確認し
た。フィックス剤とは固着剤若しくは色止め剤とも呼ば
れ、染料と結合してキレート化合物を生成するカチオン
性化合物が主に用いられる。例えば第4級アンモニウム
塩,ビリジウム塩,ジシアンジアミド・ホルムアルデヒ
ド縮合物,ポリアミン系重合物及びこれらに銅またはア
ルミニウム等の金属塩を配合したもの等を用いる。本発
明ではこれらのフィックス剤のいずれも使用できる。
【0021】ついで本発明者らは耐水染色堅ろう度と発
色効果を検討した。表1に示した処方の染色繊維を混合
して発色効果の比較を行った。混合比率は処方1若しく
は処方2の染色繊維を60重量%、処方3若しくは処方
4の染色繊維を40重量%とし、100g/m2の手抄
シートを作成して本発明の課題である立体的な発色効果
を目視で評価した。評価は良い順に◎○△×の4段階と
した。△は目的とする効果は認められるが商業的価値は
不充分であり、○以上が本発明の目的を達成できたもの
である。結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】処方3の染色繊維は濃色であり、かつバン
ド定着のため色の泣き出しが比較的多く、処方1の染色
繊維と混合した場合は互いの泣きだしが大きく、それぞ
れの色の独立性が減少して目的とする発色効果が発現し
にくいことがわかる。。これに対し濃色でもフィックス
剤処理した処方4の染色繊維は泣き出しが少なく、目的
とする染色効果が得られていることがわかる。
【0024】ついで本発明者らは、染色繊維の混合割合
と発色効果を検討した。耐水染色堅ろう度の比較的高い
処方4の染色繊維と処方1の染色繊維、及び処方2の染
色繊維との組み合わせで両者の混合比率と、本発明の目
的とする立体的な発色効果を比較(テスト方法は表2と
同じ)した。その結果を表3と表4に示す。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】表3及び表4から明らかのように、異色に
染色された製紙用繊維のうち少なくとも2種類は各々の
割合が30重量%以上あることが本発明の目的の発色効
果が得られることがわかる。
【0028】本発明で使用する製紙用繊維としては、針
葉樹晒クラフトパルプ(NBKP),広葉樹晒クラフト
パルプ(LBKP),針葉樹晒サルファイトパルプ(N
BSP)等の化学パルプ、砕木パルプ(GP),サーモ
メカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ等や、コッ
トンパルプや麻,楮,雁皮,三椏等の靭皮繊維パルプ等
の非木材繊維パルプ等の単独または混合したものが使用
される。
【0029】異色に染色された製紙用繊維の各々の平均
繊維長が異なっていたほうが、本発明の目的である意匠
的な効果が大きくなるのでそのような繊維の組み合わ
せ、例えばNBKPとLBKPとの組み合わせ等はより
好ましい効果を与える。
【0030】製紙工業の染色は酸性紙系の場合は硫酸ア
ルミニウム(硫酸バンド)による定着が一般的であり、
中性紙系ではカチオン澱粉等のカチオン系高分子での定
着が一般に行われている。使用される染料も直接染料が
圧倒的に多く、一部に塩基性染料や無機及び有機の顔料
が使用される。
【0031】本発明に於いても、これらの染料が使用で
きる。通常の製紙方法で行われるバンドやカチオン澱粉
を使用した定着方法でも染色濃度が比較的低い淡色領域
では耐水堅ろう度が3以上が可能であるが、染色濃度が
高くなるにつれて耐水堅ろう度が低下する。ここで言う
淡色領域とは染料の種類や色によって異なるが、視覚的
に汚染が目立つ赤色系では繊維に対する染料の添加率で
0.2重量%以下程度、その他の色相でも0.5重量%
以下程度である。従って繊維に対する染料の添加率0.
5重量%を越える中間色から濃色の領域では染色後フィ
ックス剤処理を行って耐水堅ろう度の改善を行う必要が
ある。フィックス剤は染料の水溶性基と結合して難溶性
となり耐水堅ろう度を改善する。
【0032】染料分子がセルロース繊維の水酸基と反応
して結合するタイプの反応性染料を用いれば直接染料を
使用する場合よりもフィックス剤の効果がより高度に発
揮される。本発明では混合される染色繊維のすべてがフ
ィックス剤処理されていることが最も好ましいが、混合
される異色の染色繊維で、淡色のものについては耐水染
色堅ろう度が大きいので1種類だけをバンド定着のまま
でも使用することができる。
【0033】本発明では混合される異色に染色された繊
維のうち、混合後の紙の色調を決定する主要な繊維の各
々の割合が30重量%以上、好ましくは40重量%以上
であることが必要である。各色の割合が30重量%未満
になると均一で微細なフロックが紙の全面に分布して見
え、細かな色の濃淡や階調によって表面に立体感のある
発色効果が次第に減少し、従来技術で述べた「毛染め
紙」と同様な効果しか得られなくなり本発明の目的を達
成することが出来ないからである。
【0034】また本発明では、異色に染色された繊維の
色差はJIS Z8730に規定する色差△E*abで
通常は10以上あることが好ましい。この値は染色され
た繊維の単独を抄紙し、乾燥した染色紙の表面色を分光
光度計で測色し、所定の計算式を用いて求めた値であ
る。
【0035】本発明の染色紙を合成樹脂エマルジョン若
しくはゴムラテックスで含浸加工すると、染色効果と相
まって、革の風合いに優れた染色紙が得られる。
【0036】さらに含浸加工後に細い凹凸模様をエンボ
ス加工すると一層革の風合いが向上し、靴の中底材はも
ちろんのこと、書籍の表紙やカバー、ケース等多用な用
途に適する染色紙となる。
【0037】染色紙をエマルジョンやラテックスに含浸
処理するとエマルジョンやラテックス中に含有される乳
化剤の作用もあって色の「泣き出し」は避けられない現
象である。特に本発明のように異色に染色された原料を
混合抄紙して、それぞれの色の繊維の微細な分布状態の
バラエティーによる発色効果を狙う場合、染色繊維相互
の色が他の原料の色によって汚染されることはその効果
を著しく減衰させる原因となるので極力防止しなくては
ならない。この点からも本発明の染色紙はエマルジョン
或いはラテックス含浸加工用の基紙として最適である。
【0038】
【実施例】
実施例1 (1)淡色の染色繊維の調製 針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)30重量部と広葉
樹晒クラフトパルプ(LBKP)70重量部をビーター
で450mlC.S.F.に叩解した。叩解後、黄色染
料(商品名「レバセルイエローR」)0.09重量部と
赤色染料(商品名「レバセルスカーレット4BS」)
0.02重量部をスラリーに添加し、サイズ剤(商品名
「サイズパインE」、荒川化学工業(株)製造)を5重
量部加え均一に混合した後に、硫酸アルミニウム(バン
ド)を3重量部添加し染料及びサイズ剤をパルプに定着
させた。
【0039】(2)濃色の染色繊維の調製 針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)100重量部をビ
ーターで650mlC.S.F.に叩解した。叩解後、
黄色染料(商品名「レバセルイエローR」)0.5重量
部と赤色染料(商品名「レバセルスカーレット4B
S」)0.6重量部、黒色染料(商品名「レバセルブラ
ックG」)0.6重量部、赤黄色染料(商品名「カヤフ
ェクトオレンジG」)1.2重量部を加えた後に、染色
助剤として硫酸ナトリウム(Å硝)を1.5重量部添加
し、スラリー全体を蒸気吹き込みによって50℃に加温
して30分間保持した。次いでフィックス剤(商品名
「カヤフィックスM」)を1.5重量部加えてさらに5
0℃で20分間攪拌した。
【0040】上記した淡色染色繊維60重量部と濃色染
色繊維40重量部とを均一に混合し、長網抄紙機を使用
して常法により、坪量100g/m2の染色紙を抄造し
た。得られた染色紙は微細なフロックが紙の全面に分布
して見え、細かな色の濃淡や階調によって立体感のある
発色効果を有しており従来に無い意匠効果を有してい
た。
【0041】実施例2 (1)淡色の染色繊維の調製 針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)100重量部
ビーターで離解して約4重量%の繊維濃度のスラリーを
得た。黄色染料(商品名「レバセルイエローR」)0.
09重量部と赤色染料(商品名「レバセルスカーレット
4BS」)0.02重量部をスラリーに添加し、硫酸ア
ルミニウム(バンド)を3重量部添加し染料をパルプに
定着させた。
【0042】(2)濃色の染色繊維の調製 針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)100重量部をビ
ーターで離解して約4重量%の繊維濃度のスラリーを得
た。黄色染料(商品名「レバセルイエローR」)0.5
重量部、赤色染料(商品名「レバセルスカーレット4B
S」)0.6重量部、黒色染料(商品名「レバセルブラ
ックG」)0.6重量部、赤黄色染料(商品名「カヤフ
ェクトオレンジG」)1.2重量部を加えた後に、染色
助剤として硫酸ナトリウム(Å硝)を1.5重量部添加
し、スラリー全体を蒸気吹き込みによって50℃に加温
して30分間保持した。次いでフィックス剤(商品名
「カヤフィックスM」)を1.5重量部加えてさらに5
0℃で20分間攪拌した。
【0043】上記した淡色染色繊維60重量部と濃色染
色繊維40重量部とを均一に混合し、長網抄紙機を使用
して常法により、坪量350g/m2の染色紙を抄造し
た。次いで天然ゴムラテックスを含浸処理して坪量44
0g/m2のラテックス含浸紙を得た。さらに砂目模様
のエンボス加工を施し、表面に細かな凹凸を与えた。得
られた染色紙は微細なフロックが紙の全面に分布して見
え、細かな色の濃淡や階調によって立体感のある発色効
果を有しており、さらに皮革風の感触に優れ、従来に無
い意匠効果を有していた。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明の染色紙は製
造され、下記のような顕著な効果が得られる。 1)異色に染色された繊維が紙の全面にまだらに分布し
て見える、従来にない意匠的効果をもった染色紙が得ら
れる。 2)上記意匠的な効果を有した意匠紙は再現性よく製造
できる。 3)必要に応じて合成樹脂エマルジョン若しくはゴムラ
テックスで含浸処理すれば革の風合いに優れた染色紙を
得ることができる。 4)これらの特性を生かし、本発明の染色紙は、本の表
紙,見返し,カバー、パンフレット表紙、手帳の表紙、
ダイヤリーの表紙、各種パッケージ、靴の中底等の用途
に好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7199−3B D21H 5/02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種類以上の異色に染色された製紙用繊
    維を混合し抄紙した染色紙に於いて、JIS L084
    6準用の耐水染色堅ろう度が3以上となるように染色さ
    れた製紙用繊維を使用すること、及び異色に染色された
    製紙用繊維のうち、少なくとも2種類は各々の割合が3
    0重量%以上であることを特徴とする染色紙。
  2. 【請求項2】 フィックス剤処理を行って製紙用繊維を
    染色することを特徴とする請求項1記載の染色紙。
  3. 【請求項3】 異色に染色された製紙用繊維の各々の平
    均繊維長が異なっていることを特徴とする請求項1及び
    2記載の染色紙。
  4. 【請求項4】 合成樹脂エマルジョン若しくはゴムラテ
    ックスで含浸処理されていることを特徴とする請求項1
    〜3記載の染色紙。
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