JP5191429B2 - 色落ちの少ない着色層を有する多層抄き紙 - Google Patents
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前記着色層に、硫化染料と、直接染料及び/又は色顔料とを含有し、
5cm×5cm角の前記多層抄き紙を20℃の水に30秒浸漬させた後、JISP8222(1998)に準じたシートプレスにて30秒間、前記多層抄き紙をろ紙(ADVANTEC社製 Φ18)で挟み、乾燥後、前記多層抄き紙の着色層面側に接したろ紙について、JISZ8730(2002)色の表示方法−物体色の色差に準じた色差の計算方法で算出したΔEaが1.3〜24.2以下であることを特徴とする多層抄き紙である。
前記直接染料がアニオン性直接染料であり、
前記アニオン性硫化染料と前記アニオン性直接染料の比率(質量比)が50:50〜30:70であり、かつ
前記着色層に含まれるパルプの乾燥質量に対する染料の総添加量が1〜12質量%であり、
JISB7751(2007)に準じた耐光性試験機にて、紫外線カーボンアークを前記多層抄き紙の試験片に45℃で4時間照射し、照射後の試験片と照射前の試験片の色調を測定し、算出したΔEbが1.73以下であることが好ましい。
前記着色層を形成するための原料パルプスラリーに対して、アニオン性硫化染料及び/又は色顔料、硫酸アルミニウム、アニオン性直接染料、硫酸アルミニウムの順序で各成分を添加し、最初の硫酸アルミニウム添加後のパルプスラリーのpHが4.2〜6.8であり、最後の硫酸アルミニウム添加後のパルプスラリーのpHが4.0〜5.0であることを特徴とする多層抄き紙の製造方法でもある。
本多層抄き紙を構成する各層の形成に使用される原料パルプは、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の木材繊維を主原料として化学的に処理されたパルプやチップ、あるいは木材以外の繊維原料であるケナフ、麻等非木材繊維を主原料として化学的に処理されたパルプやチップを機械的にパルプ化したグランドパルプ、木材又はチップに化学薬品を添加しながら機械的にパルプ化したケミグランドパルプ、及びチップを柔らかくなるまで蒸解した後、レファイナー等でパルプ化したセミケミカルパルプ等のバージンパルプ及びクラフトパルプ、セミケミカルパルプ、酵素漂白パルプを含むオフィス上物古紙を脱墨、漂白したパルプ、牛乳パック古紙、上質断裁落ち古紙、コート断裁落ち古紙、上白、特白、中白等未印刷、地券、新段古紙、新聞、クラフト封筒、模造、雑誌の古紙から得られる回収パルプ等をあげることができる。なお、古紙パルプを多く利用すると環境負荷が低減されるという利点がある。
ΔEa={(L1−L2)2(a1−a2)2(b1−b2)2}1/2
L1,a1,b1は、本多層抄き紙と接触前のろ紙の色調
L2,a2,b2は、本多層抄き紙と接触後のろ紙の色調
さらに、上述した通り、本発明の構成をとることにより、本多層抄き紙は光の暴露によっても退色しないものとすることができる。具体的にはJISB7751(2007)に準じた耐光性試験機にて、紫外線カーボンアークを本多層抄き紙の試験片に45℃で4時間照射し、照射後の試験片と照射前の試験片の色調を測定し、算出したΔEbが1.73以下にすることができ、より好ましくは、ΔEbを0.96〜1.45以下とすることができる。ΔEbは、示す数式にて、耐光性試験前の多層抄き紙の色調と、耐光性試験前の多層抄き紙の色調との差から算出した値である。この値が小さいほど、露光による退色がしにくいことを示す。
ΔEb={(L1−L2)2(a1−a2)2(b1−b2)2}1/2
L1,a1,b1は、紫外線照射前の本多層抄き紙の着色層の色調
L2,a2,b2は、紫外線照射後の本多層抄き紙の着色層の色調
本多層抄き紙の表着色層は、原料パルプスラリーに対して硫化染料と、直接染料及び/又は色顔料とを添加することで原料パルプを染色することにより行う。この際、得られる本多層抄き紙の水濡れや湿気、擦れによる表面汚れ(色落ち)の少ない多層抄き紙を得るにあたっては、硫化染料と、直接染料及び/又は色顔料さらには硫酸アルミニウムの添加方法が重要である。各成分をパルプスラリーに対して一度に添加するのではなく、以下の順序で個別に添加することによって、常温(およそ20℃)〜50℃未満の温度条件下において、効果的に染料及び/又は顔料が原料パルプ繊維に強固に定着し、その結果、水濡れや湿気、擦れによる表面汚れ(色落ち)の少ない本多層抄き紙とすることができる。色顔料を添加しない場合には、アニオン性硫化染料、硫酸アルミニウム(i)(硫酸アルミニウムの一回目の添加分)、アニオン性直接染料、硫酸アルミニウム(ii)(硫酸アルミニウムの二回目の添加分)の添加順序で着色を行うことが好ましい。色顔料を添加する場合には、アニオン性硫化染料、硫酸アルミニウム(i)、色顔料、アニオン性直接染料、硫酸アルミニウム(ii)の添加順序で着色を行うことが好ましい。なお、アニオン性硫化染料を添加した後、pHを4.5〜6.8に調整して3分以上放置することが好ましい。
(基紙の作成)
<表層>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を100質量%用い、ダブルディスクリファイナーでフリーネス(CSF)が300mlとなるように原料パルプを調整し、原料パルプスラリーを調製した。この原料パルプスラリーに、アニオン性硫化染料(クラリアントジャパン株式会社製、Diresul Black PFT Liquid)を1.0質量%添加し、硫酸アルミニウムを3.0質量%添加後、アニオン性直接染料(クラリアントジャパン株式会社製、デルマカーボンBFN)を1.0質量%添加して、さらに硫酸アルミニウムを4.0質量%添加した。アニオン性硫化染料とアニオン性直接染料を追加した時の温度は45℃であった。サイズ剤として酸性ロジンサイズ剤(近代化学工業株式会社製、R50)を0.75質量%添加し、さらに紙力増強剤(ハリマ化成株式会社製、ハーマイドRB32)を0.4質量%添加して表層用の原料パルプスラリーを調製した。
顔料として、御国色素株式会社製のグランドブラックYT100を使用した。
コート断裁落ち古紙パルプを100質量%用い、ダブルディスクリファイナーでフリーネス(CSF)が350mlとなるように原料パルプを調整し、原料パルプスラリーを調製した。この原料パルプスラリーに、定着剤、サイズ剤、紙力増強剤を添加した。定着剤として硫酸バンドを0.4質量%添加した。また、サイズ剤として酸性ロジンサイズ剤を0.75質量%添加し、さらに紙力増強剤を0.4質量%添加して中層用の原料パルプスラリーを調製した。
地券古紙パルプ100質量%用い、ダブルディスクリファイナーでフリーネス(CSF)が400mlとなるように原料パルプを調整し、原料パルプスラリーを調製した。この原料パルプスラリーに、定着剤及びサイズ剤を添加した。なお、定着剤として硫酸バンドを0.4質量%添加した。また、サイズ剤として酸性ロジンサイズ剤を0.75質量%添加し、さらに紙力増強剤を0.4質量%添加して裏層用の原料パルプスラリーを調製した。
実施例と同じ要領で試験を実施した。
Claims (3)
- 表面に着色層を有する多層抄き紙であって、
前記着色層に、硫化染料と、直接染料及び/又は色顔料とを含有し、
5cm×5cm角の前記多層抄き紙を20℃の水に30秒浸漬させた後、JISP8222(1998)に準じたシートプレスにて30秒間、前記多層抄き紙をろ紙(ADVANTEC社製 Φ18)で挟み、乾燥後、前記多層抄き紙の着色層面側に接したろ紙について、JISZ8730(2002)色の表示方法−物体色の色差に準じた色差の計算方法で算出したΔEaが1.3〜24.2以下であることを特徴とする多層抄き紙。 - 前記硫化染料がアニオン性硫化染料であり、
前記直接染料がアニオン性直接染料であり、
前記アニオン性硫化染料と前記アニオン性直接染料の比率(質量比)が50:50〜30:70であり、かつ
前記着色層に含まれるパルプの乾燥質量に対する染料と色顔料の総添加量が1〜12質量%であり、
JISB7751(2007)に準じた耐光性試験機にて、紫外線カーボンアークを前記多層抄き紙の試験片に45℃で4時間照射し、照射後の試験片と照射前の試験片の色調を測定し、算出したΔEbが1.73以下である、請求項1に記載の多層抄き紙。 - 請求項1又は2に記載の多層抄き紙を製造する方法であって、
前記着色層を形成するための原料パルプスラリーに対して、色顔料を添加しない場合には、アニオン性硫化染料、硫酸アルミニウム、アニオン性直接染料、硫酸アルミニウムの順序で各成分を添加し、色顔料を添加する場合には、アニオン性硫化染料、硫酸アルミニウム、色顔料、アニオン性直接染料、硫酸アルミニウムの順序で各成分を添加し、最初の硫酸アルミニウム添加後のパルプスラリーのpHが4.2〜6.8であり、最後の硫酸アルミニウム添加後のパルプスラリーのpHが4.0〜5.0であることを特徴とする多層抄き紙の製造方法。
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