JP5746590B2 - 塗工紙 - Google Patents

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本発明は、塗工紙に関する。
従来から、ポスター、チラシ、包装紙、包装用箱等の美粧性を高めて目立つようにするため、濃く色付けされた色紙、色板紙等の塗工紙が用いられている。このように濃く色付けされた塗工紙は、染料の添加量を増やすことで得られるが、扱う際にそれらが擦れ合って磨耗することで色落ちしたり、染料が被服等に付着するという不都合がある。
このような色付け塗工紙において、耐摩耗性を向上させ、色落ちを防止する手段としては、一般的にOPニスを印刷する方法が知られている。しかし、この方法では、塗工紙の表面に被膜を作るため、紙の風合いを損ねてしまうという不都合があり、加えて折り曲げた際に表面割れが発生する場合もある。
また、塗工紙等の表面に、スルホン酸エステル化合物からなる特殊高分子化合物、ポリエチレンワックスの水系乳化体及び水溶性樹脂の混合物を塗工することで、摩擦による色落ち等を低減できる技術が開発されている(特開2007−126789号公報参照)。しかし、この技術でも、繰り返す擦れによる色落ちについては依然改善が求められており、摩擦等による色落ちがより低減された塗工紙の開発が求められている。
特開2007−126789号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、摩擦による色落ちがより低減され、接触により他の物品を汚すことがない色紙、色板紙等の塗工紙を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
染料によって色付けされた基紙を用い、この基紙の少なくとも一方の面への塗工液の塗工により形成される塗工紙であって、
上記染料が、アニオン性であり、かつ
上記塗工液が、カチオン性アルキルケテンダイマー(以下、「AKD」ともいう)の水系乳化体及び水溶性樹脂を含むことを特徴とする。
当該塗工紙においては、基紙中のアニオン性の染料に、塗工液に含まれるカチオン性AKDが吸着する。このカチオン性AKDは水系乳化体であるため、基紙を形成するパルプ繊維に定着し易く、結果として上記染料等を塗工紙中に強固に定着させることができる。これにより、当該塗工紙は、摩擦等による色落ちをより低減することができる。
上記水溶性樹脂は、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」ともいう)であることが好ましい。上記塗工液に含まれる水溶性樹脂がPVAであると、AKDの水系乳化体の経時劣化、熱劣化を抑制することができるため、当該塗工紙における優れた色落ち防止効果を長期間維持することができる。また、通常AKDをサイズ剤等として用いると塗工面が滑り易くなるという不都合があるが、当該塗工紙においては、上記塗工液としてAKDの水系乳化体と共にPVAを用いることで滑り性を改善することができる。
上記ポリビニルアルコールのけん化度は95モル%以上であり、かつ粘度平均重合度は500以上3,000以下であることが好ましい。上記塗工液に含まれるPVAが上記物性であると、当該塗工紙における優れた色落ち防止効果等を、より向上させることができる。
上記塗工液の塗工量は固形分換算で0.02g/m以上0.4g/m以下であることが好ましい。上記塗工液の塗工量を上記特定の範囲とすることで、当該塗工紙の摩擦等による色落ちをさらに低減でき、かつ塗工面の滑り性をより改善することができる。
当該塗工紙のJIS−L0849に規定する染色堅牢度試験による上記塗工面の染色堅牢度は、JIS−L0805に規定する汚染用グレースケールを使用して3級以上であることが好ましい。当該塗工紙の染色堅牢度を上記特定範囲とすることで、摩擦等による色落ちを十分に低減することができる。
当該塗工紙における塗工面の滑り角度試験による滑り角度は、14度以上であることが好ましい。当該塗工紙における塗工面の滑り角度を14度以上とすることで、当該塗工紙を段ボール箱等に用いた場合の荷崩れ等を防止することができる。
当該塗工紙における塗工面の縦方向の表面粗さは1.5μm以上1.8μm以下であり、横方向の表面粗さは1.3μm以上1.6μm以下であることが好ましい。当該塗工紙における塗工面の表面粗さを上記特定の範囲とすることで、上記塗工面をさらに滑り難くすることができる。
以上説明したように、本発明の塗工紙は、濃色でありながら、摩擦による色落ちをより低減することができる。段ボール箱や紙器において濃色が多用された高精細なデザインが求められる中、色落ちがより低減された当該塗工紙は、これらの用途に広く用いることができる。
以下、本発明の塗工紙の実施の形態を詳説する。
<塗工紙>
本発明の塗工紙は、染料によって色付けされた基紙の少なくとも一方の面への塗工液の塗工により形成される塗工紙であって、上記染料が、アニオン性であり、かつ上記塗工液が、カチオン性アルキルケテンダイマーの水系乳化体及び水溶性樹脂を含むことを特徴とする。当該塗工紙においては、基紙中のアニオン性の染料に、塗工液に含まれるカチオン性AKDの水系乳化体が吸着するため、上記染料等を塗工紙中に強固に定着させることができる。これにより、当該塗工紙の摩擦等による色落ちをより低減することができる。以下に、当該塗工紙を構成する基紙、上記基紙に塗工される塗工液等について詳述する。
<基紙>
本発明の塗工紙を構成する基紙は、単層又は複数層の紙層を抄き合わせて構成されている。上記基紙の原料としては、例えば広葉樹、針葉樹等から形成される晒クラフトパルプ、未晒クラフトパルプ等のバージンパルプと、上質古紙等の種々の古紙パルプとを適宜配合したもの等が挙げられる。
上記基紙は、例えば長網抄紙機、円網抄紙機等の公知の抄紙機により抄造される。
上記基紙の着色用の染料としては、アニオン性直接染料等のアニオン性の染料が用いられる。また、上記染料と共に、色が美しく色濃度が大きい塩基性染料を用いることができる。
上記染料による着色方法としては、例えばパルプ等からなる基紙用の原料スラリーに、初期の段階でアニオン性直接染料を添加し、硫酸バンド等を添加してpH調整を行った後、塩基性染料とそれに必要な定着剤を添加する方法等が挙げられる。さらに、顔料を添加することにより一層濃色で耐候性の高い着色を実現することができる。また、必要に応じて原料スラリーにサイズ剤をさらに添加することができる。
上記アニオン性直接染料としては、例えばTOAレッド2BPH(東亜化成社製)、カルタバイオレット3BF(クラリアントジャパン社製)等の市販品等を用いることができる。
上記塩基性染料としては、助色団としてアミノ基又は水素原子の一部が置換されたアミノ基を持ち、色素が陽イオンとなっている水溶性染料であって、色が美しく、色濃度が大きいものであれば特に限定されないが、例えば、青色系液体染料としてはベーシックバイオレット(保土ヶ谷化学工業社製)、カルタジンバイオレットRNリキッド(クラリアントジャパン社製)、赤色系液体染料としてはアストラフロキシン(保土ヶ谷化学工業社製)、カルタジンレッドBリキッド(クラリアントジャパン社製)、橙色液体染料としてはスーパーイエローFGL(日本化学工業所社製)等が挙げられる。上記塩基性染料に適した定着剤としては、TOAフィックス3A(大和化学工業社製)等が挙げられる。
上記顔料としては、一般に製紙用途で用いる内添顔料を使用することができる。例えばグランドブラックYT―100GT、SPレッド13648、SPブルー5131(以上、御国色素株式会社製)等が挙げられる。これらの顔料は1種類又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記サイズ剤としては、例えば酸性ロジンサイズ剤、中性ロジンサイズ剤等が挙げられる。
当該塗工紙の抄造においては、JIS−P8140に準じて測定された吸水度が接触時間120秒で15g/m〜150g/mとなるように調整が行われる。より好ましくは30g/m〜100g/mである。吸水度が15g/m未満では、抄造後に後述する塗工液を塗工する工程において、上記塗工液を均一に塗布することができず、色落ち防止効果にむらが生じるおそれがある。逆に150g/mを超えると、塗工液が紙の内部にまで浸透してしまい塗工による効果が低下することがある。吸水度の調整は、上記公知のサイズ剤により行うことができる。
<塗工液>
上述のように着色されて抄造された上記基紙の少なくとも一方の面に、抄紙機によるプレドライヤー後、カチオン性AKDの水系乳化体及び水溶性樹脂を含む塗工液を塗工する。上記塗工液は、カチオン性AKDの水系乳化体及び水溶性樹脂を必須成分として含み、さらに本発明の効果を損なわない限り、その他の任意成分を含んでいてもよい。以下、各成分について詳述する。
(カチオン性AKDの水系乳化体)
上記塗工液中のカチオン性AKDの水系乳化体は、上記基紙が有するアニオン性の染料と吸着し、当該塗工紙の色落ちを低減させることができる。また、上記カチオン性AKDを水系乳化体とすることで、基紙を構成するパルプ繊維により定着し易くなるため、アニオン性の染料を強固にパルプ繊維に定着させることが可能となる。さらに、カチオン性AKDの水系乳化体は、表面層でのサイズ効果発現力が高く、混合して使用する水溶性樹脂との併用における安定性に富み、塗工液としての溶液形態を安定して維持できる。上記カチオン性AKDの水系乳化体としては、例えばダイマーS−20(大和化学社製)、表面サイズ剤SE2370(星光PMC社製)等の市販品等を用いることができる。
(水溶性樹脂)
上記塗工液において、上記カチオン性AKDの水系乳化体を水溶性樹脂に混合することで、表面塗工したときの上記カチオン性AKDの水系乳化体の色落ち防止効果を向上させることができると共に、上記カチオン性AKDの水系乳化体の経時劣化、熱劣化等を防ぐこともできる。例えば高温条件下、コルゲーター等で色板紙等を貼り合わせる際に、水溶性樹脂により上記カチオン性AKDの水系乳化体の熱劣化を防ぐことができるため、上記塗工液の色落ち防止効果を最大限に発揮することができる。
上記カチオン性AKDの水系乳化体と混合して使用する水溶性樹脂としては、上記カチオン性AKDの経時劣化等を効率的に防ぐ観点から、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド系樹脂(PAM)、澱粉が好ましく、PVAがより好ましい。
上記PVAのけん化度は、95モル%以上であることが好ましく、100モル%であることがより好ましい。PVAのけん化度を95モル%以上とすることで、上記カチオン性AKDの水系乳化体による色落ち防止効果をより向上させることができる。
上記PVAの粘度平均重合度は、500以上3,000以下であることが好ましく、700以上2,000以下であることがより好ましい。上記PVAの粘度平均重合度を上記範囲とすることで、上記カチオン性AKDの水系乳化体による色落ち防止効果をさらに向上させることができる。
上記塗工液における、カチオン性AKDの水系乳化体とPVA等の水溶性樹脂との混合比としては、その固形分比率で1:5〜1:50が好ましく、1:8〜1:15がより好ましい。上記カチオン性AKDの水系乳化体とPVA等の水溶性樹脂との混合比を上記特定範囲とすることで、当該塗工紙は摩擦等による色落ちを十分に低減することができる。
(その他の任意成分)
上記塗工液は、その他の任意成分として、ポリエチレンワックスの水系乳化体等を含んでいてもよい。
上記塗工液の基紙に対する塗工量としては、固形分換算で0.02g/g/m以上0.4g/m以下とするのが好ましく、0.1g/m以上0.2g/m以下とするのがより好ましい。上記塗工液の基紙に対する塗工量を上記特定範囲とすることで、当該塗工紙は摩擦等による色落ちを十分に低減することができる。なお、塗工量が0.4g/mを超えると、色落ちを低減する効果はあるものの、塗工紙表面の凹凸がなくなり滑り易くなるおそれがある。また、製造工程における乾燥性が悪化する場合もあり、さらにコストアップの要因にもなりうる。
上記塗工液は、上記カチオン性AKDの水系乳化体、PVAが上記特定等の水溶性樹脂及びその他の任意成分を所定の割合で配合して混合することにより調製することができる。なお、上記塗工液を上記基紙の少なくとも一方の面に塗工し、ドライヤーで乾燥した後、カレンダーパートで紙の平滑性を付与することで、当該塗工紙が完成する。
当該塗工紙は、JIS−L0849に規定する染色堅牢度試験による上記塗工面の染色堅牢度が、JIS−L0805に規定する汚染用グレースケールを使用して、3級以上であることが好ましく、4級以上であることがより好ましく、5級以上であることがさらに好ましい。当該塗工紙の塗工面の染色堅牢度を上記特定範囲とすることで、摩擦等による色落ちを十分に低減することができる。
当該塗工紙における塗工面の滑り角度試験による滑り角度は、14度以上であることが好ましく、15度以上がより好ましい。当該塗工紙における塗工面の滑り角度を14度以上とすることで、当該塗工紙を段ボール箱等に用いた場合の荷崩れ等を防止することができる。
当該塗工紙における塗工面の縦方向の表面粗さは、1.5μm以上1.8μm以下であり、横方向の表面粗さは、1.3μm以上1.6μm以下であることが好ましい。当該塗工紙における塗工面の表面粗さを上記特定の範囲とすることで、上記塗工面をさらに滑り難くすることができる。
当該塗工紙は、JIS−Z8722及びJIS−Z8730に基づく明度L値が60以下のような濃色の色紙、色板紙等であっても、色落ちを低減するという本発明の効果を十分発揮することができる。
<当該塗工紙の製造方法>
当該塗工紙の製造方法としては、例えば以下のような方法等が挙げられる。
広葉樹晒クラフトパルプ、上質古紙パルプ等を所定の割合で配合して表層(第1層)用の原料スラリーを調整し、この表層用原料スラリーに、所定のアニオン性染料、定着剤、サイズ剤等を添加する。アニオン性染料の添加量は、表面層の色相に合わせて適宜調整することができる。
次に、地券古紙パルプ等を所定の割合で用いて裏層(第2層〜第5層)用の原料スラリーを調整し、この裏層用の原料スラリーに所定の定着剤、サイズ剤等を添加する。
これらの原料スラリーを用い、円網5層抄紙機にて、表層(第1層)及び裏層(第2層〜5層)の紙層を抄き合わせ、5層構造の色板紙を抄紙する。この際、坪量が100g/m〜200g/m、吸水度が接触時間120秒で15g/m〜150g/mとなるように調製する。次に、この色板紙の表層側に、カチオン性AKDの水系乳化体と、水溶性樹脂であるPVA等とを1:5〜1:50の比率で混合した塗工液を、固形分換算で0.02g/m〜0.4g/m塗布し、マシンカレンダーにて線圧10kgf/cm〜100kgf/cmでカレンダー処理を行った後、アフタードライヤーで乾燥し、色板紙を作製することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、本実施例で行った品質及び性能の評価方法は以下のとおりである。
[秤量(g/m)]
JIS−P8142(1998)に記載の「紙及び板紙−秤量測定方法」に準拠して測定した。
[吸水度(g/m)]
JIS−P8140に準拠して測定した。
[染色堅牢度]
JIS−L0849に準拠して摩擦に対する染色堅牢度試験を行い、JIS−L0805に基づいた汚染用グレースケールを使用して着色の等級を測定した。
[滑り角度]
JIS―P8147(傾斜法)に準拠して紙表面の滑り角度を測定した。
[表面粗さ]
JIS−B0601に準拠し、縦倍率500、横倍率50、基準長さ5.00mm、カットオフ値0.8mm、送り速さ0.1mm/sの条件で測定した。
[実施例1]
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、フリーネス450mlCSF)を40質量%、及び上質古紙パルプ(フリーネス350mlCSF)を60質量%の割合で配合して、表層(第1層)用の原料スラリーを調整し、この表層用原料スラリーに、下記に示す染料、定着剤及びサイズ剤を添加した。染料の添加量は、JIS−Z8722に基づく表層面の色相が(L,a,b)=(60.0,34.0,0.6)となるように調整した。
(染料):以下のアニオン性直接染料を合わせて使用した(AD−1)。
TOAレッド2BPH(東亜化成社製)
カルタバイオレット3BF(クラリアントジャパン社製)
(定着剤):硫酸バンド4.0質量%
(サイズ剤):酸性ロジンサイズ剤0.4質量%
地券古紙パルプを100質量%の割合で用いて裏層(第2層〜第5層)用の原料スラリーを調整し、この裏層用の原料スラリーに、下記の定着剤及びサイズ剤を添加した。
(定着剤):硫酸バンド4.0質量%
(サイズ剤):酸性ロジンサイズ剤0.25質量%
これらの原料スラリーを用い、円網5層抄紙機にて、表層(第1層)及び裏層(第2層〜5層)の紙層を抄き合わせ、坪量が170g/m、吸水度が接触時間120秒で100g/mの5層構造の色板紙を抄紙した。次に、この色板紙の表層側に、カチオン性AKDの水系乳化体(K−1:ダイマーS−20、大和化学工業社製)と、水溶性樹脂であるPVAとを1:9の比率で混合した塗工液を、固形分換算で0.2g/m塗布し、マシンカレンダーにて線圧30kgf/cmでカレンダー処理を行った後、アフタードライヤーで乾燥して色板紙を作製した。得られた色板紙について、上記方法に従って、各測定及び評価を行った。結果を表1に合わせて示す。
[実施例2〜18、比較例1〜4]
各成分の種類、物性(けん化度、重量平均分子量(Mw))、配合比率、上記塗工液の塗工量を、表1に記載の通りとした以外は実施例1と同様にして色板紙を作製した。なお、表中の「−」は、該当する成分を使用していないこと、又は該当する物性を測定していないことを示す。また、比較例3及び4においてそれぞれ用いた水系乳化体であるA−1:「ポリマロン」(荒川化学工業社製)及びA−2:「ハーサイズKN525」(ハリマ化成社製)は、アニオン性のサイズ剤である。また、比較例5及び6においてそれぞれ用いた染料であるKD−1:「ターキスMP」(東亜化成社製)及びKD−2:「イエローKGL」(クラリアント社製)はカチオン性の染料である。
Figure 0005746590
表1に示されるように、実施例1〜18の塗工紙は、染色堅牢度が3級以上であり、摩擦等による色落ちが十分に低減されていることがわかった。
以上説明したように、本発明の塗工紙は、濃色でありながら、摩擦による色落ちがより低減される。段ボール箱や紙器において濃色が多用された高精細なデザインが求められる中、色落ちがより低減された当該塗工紙は、これらの用途に広く用いることができる。

Claims (7)

  1. 染料によって色付けされた基紙を用い、この基紙の少なくとも一方の面への塗工液の塗工により形成される塗工紙であって、
    上記染料が、アニオン性であり、かつ
    上記塗工液が、カチオン性アルキルケテンダイマーの水系乳化体及び水溶性樹脂を含むことを特徴とする塗工紙。
  2. 上記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールである請求項1に記載の塗工紙。
  3. 上記ポリビニルアルコールのけん化度が95モル%以上であり、かつ粘度平均重合度が500以上3,000以下である請求項2に記載の塗工紙。
  4. 上記塗工液の塗工量が、固形分換算で0.02g/m以上0.4g/m以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の塗工紙。
  5. JIS−L0849に規定する染色堅牢度試験による塗工面の染色堅牢度が、JIS−L0805に規定する汚染用グレースケールを使用して3級以上である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の塗工紙。
  6. 塗工面の滑り角度試験による滑り角度が、14度以上である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の塗工紙。
  7. 塗工面の縦方向の表面粗さが1.5μm以上1.8μm以下であり、横方向の表面粗さが1.3μm以上1.6μm以下である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の塗工紙。
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