JP3462612B2 - 隠蔽効率及び印刷仕上がりの優れた化粧板用原紙 - Google Patents

隠蔽効率及び印刷仕上がりの優れた化粧板用原紙

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JP3462612B2 JP07844195A JP7844195A JP3462612B2 JP 3462612 B2 JP3462612 B2 JP 3462612B2 JP 07844195 A JP07844195 A JP 07844195A JP 7844195 A JP7844195 A JP 7844195A JP 3462612 B2 JP3462612 B2 JP 3462612B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、メラミン化粧板、ダッ
プ化粧板、ポリエステル化粧板等に用いられる化粧板用
原紙に関する。 【0002】 【従来の技術】メラミン化粧板、ダップ化粧板、ポリエ
ステル化粧板等に用いられる化粧板用原紙は、下地を隠
すための隠蔽性を出すために、要求される隠蔽性に応じ
て、二酸化チタンを抄き込んでいる。この化粧板用原紙
はチタン紙、パターン紙とも呼ばれている(化粧板用原
紙については化粧板ハンドブック(昭和48年10月3
0日発行;新建材研究所編)に記載されている)。二酸
化チタンを多量に抄き込めば、それに応じて隠蔽性は高
まるが、コストの点では少ない二酸化チタン量で要求さ
れる隠蔽性を出すという隠蔽効率が問題となる。最近で
は最終製品である化粧板のコストの点で米坪の低い原紙
の要求が増している。即ち、例えば、従来は100gの
紙を80gの紙に置き換えようという要求である。そう
した場合でも、隠蔽性は同じにせざるを得ないため、必
然的に灰分が高くなり、コストの点で隠蔽効率が重要と
なってくる。 【0003】また、化粧板用原紙には印刷を施さないい
わゆる単色用と印刷を施す印刷用とがあるが、厳密にこ
れらを区分できるものではない。しいて言えば、印刷を
施すものは、印刷仕上がりの点で平滑性が要求されるた
め、通常は平滑度が単色用に比べれば高いと言える。し
かしながら、平滑度の高いものも単色用としても使用で
きる。最近では、生産上のコストメリット、即ち品種を
増やしたくないことより、単色用、印刷用の両用に使用
できるというものもある。化粧板用原紙にはパルプとし
ては白色度の点で晒しパルプが使用されてきている。印
刷仕上がりの評価項目であるいわゆるミスドット(霜降
り、白抜けとも呼ばれる)には、一つには紙の平滑性が
影響する。平滑性について言えば、パルプとしてはL材
の方が良いため、ミスドットを重要視する場合にはL材
単独或いはL材を主体に用いられている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】隠蔽効率を上げるに
は、基本的には二酸化チタンを紙匹中に細かく散らせば
良い。この観点からすれば、ウエット紙力剤、填料歩留
向上剤等の過剰添加による二酸化チタンの凝結を抑える
ことが重要であり、薬品系が問題となる。二酸化チタン
の凝結を抑えるということは、長繊維の凝集を抑えると
いうことであり、強度が問題となるが、晒しパルプの中
でも強度が出るNBKPを用いれば良い。しかしなが
ら、薬品系の調整だけでは、低米坪・高灰分化する場合
には難しいのが実状であり、他の観点での改善も求めら
れている。 【0005】また、印刷柄としては、近年ではパール調
等の抽象柄が増えてきており、ミスドットだけでなく印
刷柄が鮮明に映るというインキののり(印刷柄が鮮明に
映える)が要求されて来ている。 【0006】本発明は、このような状況より、パルプの
観点から隠蔽効率に優れると共に印刷仕上がりにおける
インキののりの優れた化粧板用原紙を提供することを課
題とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者等は検討した結
果、特定のNBKPを用いることにより、遮蔽効率と印
刷仕上がりにおけるインキののりとが改善されることを
見いだしたものである。即ち、本発明は、パルプとして
トウヒ属ホワイトスプルースNBKPからなることを特
徴とする、坪量59.1g/m以下の、化粧板用原紙
を要旨とするものである。 【0008】以下に、先ず、本発明の原材料を順を追っ
て説明していく。本発明においては、パルプとしてトウ
ヒ属のNBKPを用いる。トウヒ属の中でも木材種とし
てはホワイトスプルースが本発明の効果に特に優れてい
る。トウヒ属については、Tappi T263 om
−82「針葉樹材およびその繊維の識別」に記載されて
おり、トウヒ属の識別にも該方法を適用すればよい。パ
ルプの叩解度についても特に限定するものではなく、従
来の考え方を適用していけば良く、透気度、二酸化チタ
ンとの電荷の兼ね合い等より、適宜設定すれば良い。 【0009】次いで、化粧板用原紙はメラミン樹脂等に
より含浸処理されるため、ウエット紙力剤を配合してい
る。ウエット紙力剤としては、通常はカチオン系の紙力
剤、中性紙ではPAE等が用いられるが、特に限定され
るものではなく、従来より化粧板用原紙に適用されてい
るものを用いれば良く、ウエット強度と二酸化チタンの
凝結・定着状態を考慮して添加量を設定していけば良
い。二酸化チタンについても特に限定されるものではな
く、従来より周知の化粧板用グレードを適用すれば良
い。むろん、常套手段として使われているように、ブレ
ンド使用してもさしつかえない。更に、着色顔料、CM
C、硫酸バンド、澱粉等の乾紙の表面強度改良剤、填料
歩留向上剤等、その他の製紙助剤を用途に応じて、二酸
化チタンの凝結・定着状態を考慮して用いれば良い。 【0010】最後に、本発明の種調成方法も限定される
ものではなく、従来通りの調成方法で構わない。基本的
には化粧板用原紙の処方・抄造はチャージケミストリー
であり、この考え方は「製紙工程の界面動電現象」(山
田博著、昭和54年8月10日(株)紙業タイムス社発
行)等に記載されている通りである。 【0011】 【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。本実
施例における評価方法等は次の通りである。 1.叩解度測定法 JIS 8121(1976)「パルプのろ水度試験方法」シ
ョッパー形を適用。 2.灰分 JIS 8128(1976)「紙及び板紙の灰分試験方法」
に準ずる。 3.隠蔽性評価方法 本発明の評価法として用いた隠蔽性とは、後述の方法に
より作成した黒バック成型板を分光光度計(商品名MS
−2020;マクベス社製)で測色した、L−a−b表
色系のL*値を言う。L*値が大きい方が隠蔽性が高
い。同一灰分で勘案して、L*値が高い方が隠蔽効率が
良い。 4.成型板作成方法 被検紙及び隠蔽性の高い黒色化粧板原紙にメラミン樹脂
を含浸して、被検紙が上になるように重ねて熱圧成型し
たものを黒バック成型板という。 5.平滑度 王研式平滑度計にて測定 6.インキののり評価方法 グラビア印刷用の溶剤系青インキを用い、印刷機(商品
名GP−II;クラボウ社製)にて、階調印刷した被検紙
のインキののり(階調柄が鮮明に映える)を目視評価し
た。良い方から○、△↑、△、×で評価。 【0012】実施例1 叩解度20°SR、25°SRに叩解した、トウヒ属の
ホワイトスプルース系NBKPを用いて、以下の様な手
順で手抄きシートを作成した。離解機中に、絶乾15g
相当の該パルプと、0.2g/lの硫酸アルミニウム水
溶液1500mlを加え、15分間攪拌を行い、パルプ
懸濁液にする。別に、15gの二酸化チタン(商品名C
R−85;石原産業製)を、0.2g/lの硫酸アルミ
ニウム水溶液250ml中に加え、10分間、ミキサー
にて分散させる。この二酸化チタン分散液を、該パルプ
懸濁液に加え、離解機により、20分間攪拌する。調成
された紙料から、丸型手抄機にて、常法により、米坪6
0g/m2 の手抄きシートを作成した。尚、平滑度はプ
レスを調節して50秒となるようにした。得られた手抄
きシートの評価結果を表1、2に示す。 【0013】比較例3 叩解度20°SR、25°SRに叩解した、トウヒ属の
ブラックスプルース系NBKPを用いて、実施例1と同
様な手法で手抄きシートを作成した。得られた手抄きシ
ートの評価結果を表1、2に示す。 【0014】比較例1 叩解度20°SR、25°SRに叩解した、マツ属の木
材種サウザンパイン系のNBKPを用いて、実施例1と
同様な方法で手抄きシートを作成した。得られた手抄き
シートの評価結果を表1、2に示す。 【0015】比較例2 叩解度20°SR、25°SRに叩解した、ユーカリ系
のLBKPを用いて、実施例1と同様な方法で手抄きシ
ートを作成した。得られた手抄きシートの評価結果を表
1、2に示す。 【0016】 【0017】 【0018】表1の隠蔽性評価結果を図で表したものを
図1に示す。図1より、同一灰分して勘案した場合、ト
ウヒ属のNBKPが隠蔽効率が良いことが明らかであ
り、ホワイトスプルース系のものが優れていることが解
る。。また、表2のインキののり評価結果より、トウヒ
属のNBKPが柄が鮮明に映え、なかでもホワイトスプ
ルース系のものが優れていることが解る。即ち、トウヒ
属のNBKPを使用したものは、隠蔽効率、インキのの
りが共に優れていることが明らかである。 【0019】 【図1】 【0020】 【発明の効果】本発明は、特定のNBKPを用いること
により、遮蔽効率と印刷おけるインキののりとを改善す
ることができるものである。低米坪・高灰分化する場合
には、薬品系の改善からだけでは特に難しい遮蔽効率の
改善を、特定のパルプを使用することによりパルプ面か
らの改善が図れるものである。同時に、近年増えている
パール調等の抽象柄印刷に対応して、要求されている印
刷柄が鮮明に映るというインキののりについても、パル
プ処方の面で改善が図れるものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の隠蔽性効果を示した説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−136682(JP,A) 特開 平2−160994(JP,A) 特表 平7−505686(JP,A) 西田屹二,木材化學工業 下卷,日 本,朝倉書店,1947年11月10日,二版, 495−503 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 パルプとしてトウヒ属ホワイトスプルー
    スNBKPからなることを特徴とする坪量59.1g/
    以下の化粧板用原紙。
JP07844195A 1995-03-10 1995-03-10 隠蔽効率及び印刷仕上がりの優れた化粧板用原紙 Expired - Lifetime JP3462612B2 (ja)

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西田屹二,木材化學工業 下卷,日本,朝倉書店,1947年11月10日,二版,495−503

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