JP2006077363A - 機密保護用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】機密性の高い文書情報の包装外からの読み取りを防止するための機密保護用紙において、製造コスト、不透明度および強度を劣化させることなく、高い文字隠蔽性を発揮させる。
【解決手段】色調が異なる原料パルプを少なくとも3種類配合した構成からなる機密保護用紙において、JIS P 8145に規定された「紙及び板紙のきょう雑物試験方法」における、面積0.1mm2以上の夾雑物面積率が、104〜3×105mm2/m2になるように原料パルプを配合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、機密性の高い文書等の情報の包装等に用いられるものであって、包装を透かして文字等の情報を読み取ることを防止できる機密保護用紙に関するものである。
自治体、水道局または金融機関等からの親展性の通知には封書が使用されるケースが多く、封書の外から中の個人情報が認識できないように隠蔽性を高めた機密保護用紙が用いられている。
例えば、特許文献1には、封書の裏面に地紋印刷を施し、記載された情報の正確な読み取りを困難にした機密保護用紙が開示されている。特許文献1の機密保護用紙は蛍光インクで印刷した秘匿情報の裏面等に、黒ベタの地紋印刷を施し文字の読み取りを困難としている。
また、特許文献2には、種子殻などの繊維質を着色してそのまま原料パルプに混抄した模様紙が開示されている。
特開2000−062357号公報 特開平6−235198号公報
前記、特許文献1の機密保護用紙は、地紋印刷の工程を別途設ける必要があり、製造コストは高くなるという問題を有している。
また、特許文献2の模様紙は、文字への干渉効果を有する程度に模様形成物(例えば綿実殻など)を添加した場合、主原料のパルプとは性状の異なる模様形成物を大量に添加する必要があり、用紙の地合いが悪くなり、抄造が困難になる他、古紙としてのリサイクルが困難になる。その結果、印刷特性が劣化し、紙力の低下を招く可能性を有している為、封書等の包装用途に使用するには問題がある。また、薄物化も困難である。
本発明は、このような問題点を解決し得る機密保護用紙を提供することを目的とする。
本発明は、色調が異なる原料パルプを少なくとも3種類配合した構成からなる機密保護用紙において、JIS P 8145に規定された「紙及び板紙のきょう雑物試験方法」における、面積0.1mm2以上の夾雑物面積率が、104〜3×105mm2/m2になるように原料パルプを配合することにより、紙力を低下させることなく、高い文字隠蔽性を有する機密保護用紙を低い製造コストで提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、色調が異なる原料パルプを少なくとも3種類配合した構成からなる機密保護用紙において、JIS P 8145に規定された「紙及び板紙のきょう雑物試験方法」における、面積0.1mm2以上の夾雑物面積率が、104〜3×105mm2/m2になるように原料パルプが配合されている。
これによって、原料パルプの中で最も白色度の低いパルプ(以下、文字隠蔽用パルプと呼ぶ。)が高い文字干渉効果を発揮させるため、機密保護用紙に高い文字隠蔽性を持たせることができる。
原料パルプ中のもっとも白色度の低い原料パルプ(文字隠蔽用パルプ)は、Tappi T32に規定された投影法における平均繊維長が2.0〜4.0mmに調整されている。
これによって、文字隠蔽用パルプの繊維の長さが秘匿すべき文字の一筆一筆の線分の長さと近くなり、両者が用紙を通して作り出す陰影が同一であると誤認される程度の類似性を有するようになり、文字隠蔽用パルプが高い文字干渉効果を発揮させることができるようになる。
前記もっとも白色度の低い原料パルプ(文字隠蔽用パルプ)が、未晒し又は着色された針葉樹クラフトパルプである。
これによって、文字隠蔽用パルプに繊維長が長く、繊維の視認性が高い針葉樹のパルプ繊維が用いられているため、文字隠蔽用パルプの繊維が用紙を透かして作り出す陰影と秘匿すべき文字の一筆一筆の線分が作り出す陰影とが非常に類似するようになり、用紙を通して文字が作る陰影に近い濃さ(暗度)の陰影を作るようになる。従って、文字隠蔽用パルプが高い文字干渉効果を発揮させることができるようになる。
前記もっとも白色度の低い原料パルプ(文字隠蔽用パルプ)の色調が、塩基性染料または、カチオン性直接染料を用いて調整されている。
これによって、セルロースに対する染色性の高いこれらの染料により、文字隠蔽用パルプの色調をより濃く(暗く)染色でき、文字隠蔽用パルプの文字干渉効果をさらに高めることが可能となる。
本発明により、原料パルプが高い文字干渉効果を発揮させるため、紙力を低下させることなく、機密保護用紙に高い文字隠蔽性を持たせることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
本発明の機密保護用紙は、封筒、葉書、ダイレクトメールまたは親展性の小包包装などに用いられるものであり、色調が異なる原料パルプを少なくとも3種類以上配合して構成されている。
前記原料パルプにはクラフトパルプ(KP)、亜硫酸パルプ(SP)などの化学パルプ;サーモメカニカルパルプ(TMP)、加圧砕木パルプ(PGW)などの機械パルプ;ケミカルサーモメカニカルパルプ(CTMP)などの半化学パルプ;脱墨古紙パルプ(DIP)などの古紙パルプ;麻パルプ、ケナフパルプなどの非木材系パルプを用いることができ、これらから少なくとも3種類を選ぶことができる。
前記原料パルプには少なくとも1種類のもっとも白色度の低いパルプ(文字隠蔽用パルプ)が含まれており、残りの原料パルプから構成される用紙原料中にこの文字隠蔽用パルプが混抄されることで紙支持体が高い文字隠蔽性を発揮するようになる。
前記用紙原料としては、晒クラフトパルプ(BKP)と脱墨古紙パルプ(DIP)が好ましくは用いられる。これらのパルプは高い白色度を有するため、混抄された文字隠蔽用パルプとの色調のコントラストが最も強くなり、文字隠蔽用パルプが用紙を透かして目立つようになり、文字の判読を困難とするので高い文字隠蔽性を得られるからである。
前記用紙原料には、晒クラフトパルプが45〜100重量部、好ましくは45〜70重量部と、脱墨古紙パルプが1〜55重量部、好ましくは30〜55重量部含まれるのが良い。晒クラフトパルプが45重量部以上または脱墨古紙パルプが55重量部未満では、紙力の低下を問題とすることなく、包装用途に使用することができる。また、晒クラフトパルプが70重量部未満または脱墨古紙パルプが30重量部以上では、紙のリサイクル性を十分に担保でき、環境に対する負荷を軽減できる。
前記晒クラフトパルプは、ラジアータ松などを原木とする針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、アカシアなどを原木とする広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)または針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプの混合物などを用いることができる。用紙原料の主成分に晒クラフトパルプを用いることで、脱墨古紙パルプのみを原料とするのに対して強度を上げることができ、包装に用いるのに必要な紙力を得ることができるようになる。
前記晒クラフトパルプに針葉樹晒クラフトパルプを用紙原料に用いることで、紙力の高い機密保護用紙が得られ、包装を用途とするのに適した紙質となる。また、広葉樹晒クラフトパルプを用いることで、表面が平滑で、印刷特性に優れる機密保護用紙が得られる。用紙原料に針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプのいずれを主に用いるかは、機密保護用紙の用途に合わせて変更しても良い。
前記脱墨古紙パルプは、新聞古紙などの古紙原料を離解機で苛性ソーダ、過酸化水素水の存在下において、ポリプロピレンオキサイドアルキルエーテル、ポリエチレンオキサイドアルキルエーテル系などの脱墨剤を添加し、離解パルプをフローテーションして粘着異物を除去するか、あるいはペントナイト、活性白土などの比表面積が大きい無機顔料に粘着異物を吸着させてフローテーションやスクリーニングで粘着異物を除去して得られる。脱墨古紙パルプを用いることで、晒クラフトパルプのみを原料とするのに比べて安価で環境問題に適合した原料を得ることができる。
本発明の文字隠蔽用パルプは、前記用紙原料中に混抄されて、文字隠蔽用パルプの繊維が作り出す陰影が、秘匿すべき文字の一筆一筆の線分が作り出す陰影と、用紙を透かして見ると同一であると誤認される程度の類似性を有する必要がある。陰影の類似性が高いほど、文字との干渉効果を発揮しやすくなり、機密保護用紙を透かして記載情報を読み取るのが困難となる。従って、文字隠蔽用パルプは陰影の類似性を上げられるように、そのサイズ、形状、繊維の種類または主成分となるパルプとのコントラストなどを定める必要がある。
前記文字隠蔽用パルプの原料は、針葉樹、広葉樹または麻などの非木材原料や古紙パルプを選択できる。しかし、文字干渉の効果をさらに上げるために、針葉樹の原料を用いるのが好ましい。針葉樹のパルプ繊維は繊維長が長いため、繊維の視認性が高く、文字干渉効果を得やすいからである。
前記文字隠蔽用パルプの種類としては、機械パルプ、化学パルプ、脱墨パルプのいずれを用いても良いが、特に繊維長が長く、繊維の視認性が高く、文字干渉効果を得やすい化学パルプが好ましくは用いられる。
前記文字隠蔽用パルプは、染色前に漂白されているか否かにかかわらず、染色剤を用いて染色して使用することができる。また、染色剤にはパルプ繊維に対する染色性の良好な、塩基性染料またはカチオン性直接染料が好適に用いられる。塩基性染料またはカチオン性直接染料を用いることで、主成分のパルプと同じ種類のパルプや文字干渉効果の低い漂白パルプを文字隠蔽用パルプとして用いることが可能となる。
前記文字隠蔽用パルプは、前記染色剤により暗味の色相、すなわち黒、紺などの黒色に近い色に染色される。これによって、白色に近い色相を有することの多い主成分のパルプと色のコントラストが大きくなり、文字隠蔽用パルプの文字干渉効果を高めることが可能となる。なお、染色剤を組み合わせ、染色剤の濃度、定着剤の種類または染色時間などは、それを用いて染色する文字隠蔽用パルプの色相に合わせて適宜変更することができる。
前記文字隠蔽用パルプの混抄量は、文字干渉効果と対応関係を有する夾雑物面積率により定めることができる。すなわち、JIS P-8145に規定される「紙及び板紙のきょう雑物試験方法」に準拠した方法で、面積0.1mm2以上の夾雑物に含まれて計測される文字隠蔽用パルプの面積率が104〜3×105mm2/m2となるのが好ましい。夾雑物面積を0.1mm2以上とすることで文字隠蔽用パルプを効果的に定量できる。また、夾雑物面積率を104mm2/m2より大きくすることで文字隠蔽用パルプが文字干渉効果を発揮できるようになり、夾雑物面積率を3×105mm2/m2より小さくすることで紙力や印刷特性が低下するのを防止できる。
前記文字隠蔽用パルプは、Tappi T32に規定された投影法における平均繊維長が2.0〜4.0mmに調整されており、通常使用される化学パルプの平均繊維長が0.5乃至2.0mm未満であるのに比して、平均繊維長の長いパルプ繊維を用いる。これによって、文字隠蔽用パルプの繊維が機密保護用紙を透かし見て作る陰影と記載された文字の陰影とが高い類似性を有するようになり、文字干渉効果を高めることができる。また、文字隠蔽用パルプは印刷時にカスレ等の原因とならず、良好な印刷特性を得ることができる。
前記文字隠蔽用パルプの繊維長を調整するには、スクリーンなどを用いた機械分級や水力学的分級を行うことができる。特に、分級精度に優れる点から、機械分級を好適に用いることができる。
また、前記文字隠蔽用パルプはリファイナーなどを用いて叩解せずに用いられるのが好ましい。叩解によるフィブリル化により繊維が細くなりすぎて視認性が低下し、文字隠蔽性を低下させる可能性があるからである。ただし、前記の叩解は、完全にフィブリル化させる叩解でない、例えば短時間の叩解または半叩解状態までの叩解を除く意味ではない。
本発明を実施例および比較例により更に詳細に説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。(以下、kg/tとはパルプ絶乾重量トンあたりの添加量を表す。)
[文字隠蔽用パルプの調製]
濃度2.5%のパルプ懸濁液に染料を20kg/t添加し、30分攪拌して文字隠蔽用パルプを調整した。
[抄造条件]
NBKP(白色度68%、フリーネス550mlCSF)とDIP(白色度60%、新聞古紙脱墨パルプ)を配合した用紙原料に、前記文字隠蔽用パルプを配合し、硫酸バンド35kg/t、サイズ剤(商品名:ペローザE3600;近代化学工業株式会社製)8kg/t、紙力増強剤(商品名:DS4326;星光PMC株式会社製)10kg/tを添加し、坪量60g/m2の機密保護用紙を長網ヤンキー抄紙機により製造した。
表1は、各パルプの配合量、繊維長または夾雑物試験での夾雑物面積等が、読み取りテストでの評価などの性能評価に及ぼす影響をまとめたものである。
各物性値は以下の基準で定めた。
[平均繊維長]
Tappi T32に規定された投影法における平均繊維長である。
[白色度]
JIS P−8123に基づく白色度である。
[夾雑物面積率]
JIS P−8145「紙及び板紙のきょう雑物試験方法」に準拠したESKシステムクリエイト社製 夾雑物試験機を使用し、しきい値70%での面積0.1mm2以上の夾雑物面積率である。
[文字読み取りテスト]
被験者10人が用紙を通して20字の文字を判読できたか否かで示し、判読率0%を◎、判読率が10%未満を○、判読率10〜30%を△、30%以上を×として示した。
[印刷特性]
JIS P−8129紙及び板紙の表面強さ試験方法に基づく、ワックスを用いる方法で試験を行い、14以上を◎、12以上13未満を○、11以下を×で評価した。
Figure 2006077363
実施例1は文字隠蔽用パルプとして未叩解の針葉樹クラフトパルプ繊維を用いているため、実施例2,4,5または比較例1〜4と比較して平均繊維長が長く、これより平均繊維長が短い文字隠蔽用パルプを混抄した実施例3〜5に比べると印刷特性の評価は低いが、綿実殻を混抄した比較例5よりは印刷特性の評価は良好である。また、文字隠蔽用パルプの配合量が50重量部と多いため、混抄された文字隠蔽用パルプが紙面全面に亘り均一に存在する様になり、かえって読み取りテストによる評価を実施例2より下げる結果となっているが、文字隠蔽用パルプによる文字干渉効果が低い比較例2または3よりは良好である。
実施例2は、650mlに軽く叩解した文字隠蔽用パルプを混抄しており、実施例1と比べれば平均繊維長は短いが、実施例1を除くとその次に位置する程度の平均繊維長を有し、印刷特性の評価は実施例3〜5に比べ低くなっている。一方、夾雑物面積率は他の実施例や比較例の中で最も高い値を示し、夾雑物面積率との相関性が見られる読み取りテストでの評価も優れている。
実施例3は、実施例1と同様の未叩解パルプを混抄しているが、その配合量は10重量部と低く、実施例1と同様の平均繊維長が最も長い文字隠蔽用パルプを添加してもその影響を受け難いため、印刷特性の評価に優れている。また、文字隠蔽用パルプの配合量は実施例2に比べさらに低くなり、夾雑物面積率も実施例2より低くなっており、読み取りテストの評価は実施例2ほど良くはない。しかし、比較例4に比べると、文字隠蔽用パルプの配合量、夾雑物面積率および読み取りテストでの評価の全ての点で優れており、総合評価では高い評価を得ている。
実施例4は、実施例3に比べて平均繊維長が短く、黒より文字干渉効果の低い紺色に染色されているが、文字隠蔽用パルプに染色性に優れる針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)が用いられているため、文字隠蔽用パルプは3重量部と少量しか配合されていないが、読み取りテストでの評価は良好である。また、文字隠蔽用パルプが低い配合量しか含まれていないため、印刷特性の評価には優れている。
実施例5は、実施例1〜4とは異なり針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)を未染色で文字隠蔽用パルプとして用いており、その配合量を実施例4より多めの30重量部加えたことにより、夾雑物面積率が高くなり、読み取りテストでの評価が良好になっている。また、文字隠蔽用パルプの配合量が実施例1および2より少ないため、印刷特性は良好な結果を示している。
[比較例1]
比較例1は、文字隠蔽用パルプに広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)を未叩解で用い、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)を未叩解で用いている実施例1または3に比べて平均繊維長が低くなり、印刷特性の評価には優れている。しかし、文字隠蔽用パルプの配合量が3重量部と低いため、黒色に染色されているにもかかわらず、読み取りテストの評価が低い。
[比較例2]
比較例2は、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)をフリーネス500mlになるまで叩解し、混抄したものであり、同様に叩解を行った実施例2、4または5に比べて叩解後のフリーネスが低く、平均繊維長が短くなるまで叩解を行っている。その結果、平均繊維長は前記実施例より短く、印刷特性の評価には優れている。しかし、文字隠蔽用パルプの配合量が0.5重量部と非常に低く、染色も行われていないため、読み取りテストの評価は悪い。
[比較例3]
比較例3は、比較例2よりフリーネスが650mlになるまで軽く叩解したものであり、比較例2が文字隠蔽用パルプを未染色で混抄したのに対して黒色に染色して混抄している。印刷特性の評価には比較例2同様優れるが、配合量が0.6重量部と非常に少ないので、読み取りテストの評価は良くない。比較例2と比較例3の結果から、少なくとも比較例2または比較例3より多くの文字隠蔽用パルプを加えるのが好ましいと判断できる。
[比較例4]
比較例4は、高いフリーネスを有する程度に軽く叩解した文字隠蔽用パルプを、実施例4および比較例1と同様に3重量部混抄したものである。染料にアニオン直接染料である「カヤフェクトブラックSリキッド」を用いており、文字干渉効果の高い黒色に染色されているが染色が不十分であり、実施例4および比較例1より夾雑物面積率が低くなり、読み取りテストの評価は良くない。
これらのことから、染料にはカチオン性直接染料あるいは塩基性染料を用いるのが好ましいと判断できる。
[比較例5]
比較例5は、文字隠蔽用パルプの代わりに平均粒子サイズが0.5mm2の綿実殻を30重量部混抄したものであり、夾雑物面積率は22×104mm2/m2と高いが、これより夾雑物面積率の低い実施例3〜5と比べると、読み取りテストでの評価結果は良くない。また、粒子サイズの大きな綿実殻を含んでおり印刷特性の評価も良くない。
[総合評価]
総合評価は読み取りテストでの評価と印刷特性の評価の双方とも優れているものを◎、どちらか一方が良好で、他方が優れているものを○、どちらか一方が普通の評価となり、他方が良好かまたは優れているものを△、何れかに良くないという評価がされている場合は×の総合評価をした。従って、総合評価は◎から×までの4段階評価であり、◎あるいは○の総合評価がされたものを本発明の実施例としている。
文字隠蔽用パルプがやや過剰に配合されている実施例1および2は、印刷特性が実施例3〜5ほど高くないため、機密保護用紙として使用できるが総合評価では若干低い○の評価となっている。これに対して、実施例3〜5は、読み取りテストでの評価および印刷特性の評価の双方に優れ、◎の高い総合評価となった。比較例1〜4は、文字隠蔽用パルプの繊維長または配合量が少ないか、染料の染色性が弱く、文字隠蔽用パルプは低い文字干渉効果しか有していない。そのため、実施例1〜5に比べて低い評価である、△または×の総合評価となった。さらに、比較例5の意匠紙あるいは模様紙などと呼ばれてきた混抄紙に比べると、実施例1〜5はいずれも総合評価が良好であり、機密保護用紙として優れていることが分かる。

Claims (4)

  1. 色調が異なる原料パルプを少なくとも3種類配合した構成からなる機密保護用紙において、
    JIS P 8145に規定された「紙及び板紙のきょう雑物試験方法」における、面積0.1mm2以上の夾雑物面積率が、104〜3×105mm2/m2になるように原料パルプが配合されていることを特徴とする機密保護用紙。
  2. 請求項1記載の原料パルプにおいて、原料パルプ中のもっとも白色度の低い原料パルプは、Tappi T32に規定された投影法における平均繊維長が2.0〜4.0mmに調整されていることを特徴とする請求項1記載の機密保護用紙。
  3. 前記もっとも白色度の低い原料パルプが、未晒し又は着色された針葉樹クラフトパルプであることを特徴とする請求項1または2に記載の機密保護用紙。
  4. もっとも白色度の低い原料パルプの色調が、塩基性染料または、カチオン性直接染料を用いて調整されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の機密保護用紙。
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