JP5685019B2 - 再生パルプを含有する紙 - Google Patents

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Description

本発明は、再生パルプを含有する紙に関し、特にはがき用紙に好適な紙に関する。
一般に紙は、大きくは紙と板紙とに分類される。前者の紙の用途には様々なものがあるが、「官製はがき」(あるいは「郵政はがき」)、「私製はがき」と呼ばれる郵便はがきもその一つである。郵便はがきは、通常、原料パルプからはがき用紙を製造し所定のサイズに裁断したものであり、官製の場合、表面に郵便番号記載枠や切手と同じ効力を持つ額面が記載された料額印面が印刷される。お年玉付き年賀はがきや夏のお便りはがきなどでは、さらに下端に組番号や抽選番号が印刷される。これらの印刷は、通常オフセット印刷方式にて行われる。
このようなはがき用紙として、例えば特許文献1(特許第3755483号公報)には、化学パルプや脱墨パルプ等を混合し填料として炭酸カルシウムを使用することなどが記載されている。特許文献2(特開2004−1000049号公報)には、多層構造の支持体の一方の面にインクジェット記録に適するようインク受理層を設けることが記載されている。特許文献3(特開2003−291515号公報)、特許文献4(特開2002−127592号公報)、特許文献5(特開平10−297148号公報)、および特許文献6(特許第4031277号公報)には、2層以上の多層構造の支持体としてインク吸収性に優れることが記載されている。
近年、紙の製造においては、リサイクルや省資源など環境意識の高まりに伴って、原料パルプとして古紙の利用が推進されている。はがき用紙や封書用紙においても、古紙の活用に対する要望は非常に高い。例えば、特許文献7(特開2005−35224号公報)には、原料パルプとして古紙から得られる再生パルプを含有するはがきの輸送システムが記載されている。
一方、郵便局では、郵便物に差出人によって記載された郵便番号や住所氏名等をOCRで読み取り、これらの宛先情報をバーコードとして印字し、自動区分機による機械処理により選別・搬送区分することが行われている。なお、このバーコードは、赤外線または紫外線励起の蛍光ステルスインクを用いて、目には見えない不可視情報として印字されている。例えば、特許文献8(特開平11−076950号公報)には、郵便物の仕分け用バーコード印字システムが記載されている。また、特許文献9には、古紙パルプを用紙中に40質量%以上含有し、3層以上の多層抄き合わせにより抄造される再生葉書用紙が記載されている。
特許第3755483号公報 特開2004−100049号公報 特開2003−291515号公報 特開2002−127592号公報 特開平10−297148号公報 特許第4031277号公報 特開2005−035224号公報 特開平11−076950号公報 特開2010−047894号公報
上記のように、郵便物は、差出人が記載した宛先情報を光学的に読み取りステルスバーコード化することで、効率良く搬送されるシステムとなっている。しかし、紙の製造においてパルプ類には、塵やピッチ、古紙由来のインキ粕やトナー粕等の夾雑物が混入しやすく、これらのチリやダート(夾雑物による黒点、異物)により宛先情報の読み取り精度が低下して、正確にバーコード化されない問題がある。また、古紙に含まれる蛍光染料などの蛍光物質は、バーコードの印字部と地色部とのコントラストを低下させて、自動区分機でのバーコードの読み取りに支障を及ぼし、正確に搬送されない問題がある。そして、古紙を原料とする再生パルプを多量に配合する場合、差出人が記載した宛先情報やステルスバーコードの読み取り精度はさらに悪化してしまう。
また、印刷用紙やはがき用紙等に求められる重要な品質として、裏抜け(印刷時に反対面の文字や絵柄が透けて見える現象)の防止が挙げられる。紙の裏抜け防止には、比散乱係数の高いパルプや填料を使用して不透明度を高めることが効果的であり、パルプとしては機械パルプが望ましいが、再生パルプの高配合化によりその配合量は減少傾向にある。さらに、不透明度を高めるために坪量を高くする方法があるが、コストの上昇を招くため、例えばはがき用紙では規格された範囲の中でできるだけ坪量を低くすることが望ましい。
このように、古紙利用の推進と郵便搬送システムの効率化は反比例の関係にあり、宛先情報やバーコードの読み取り精度や裏抜けを悪化させることなく、再生パルプを増配することが望まれている。そこで、本発明は、再生パルプを高配合しながら、不透明度が高く、蛍光強度が低く、チリやダートの少ないはがき用紙に適した紙を提供することを目的とする。
本発明者らは、再生パルプの中でも白色度の低いパルプを用いることで、上記課題を解決し、本発明に到達した。
詳しくは、パルプを主原料とした3層以上の多層構造で、表層と裏層との間に形成された少なくとも1つの内層に再生パルプを含有する紙であって、全パルプ固形分に対し再生パルプを20質量%以上含有し、かつ、前記再生パルプの全固形分に対し白色度が60%未満である再生パルプを50質量%以上含有することにより、課題を達成できることを見出した。
本発明によれば、再生パルプを高配合することができ、環境に配慮した紙とすることができる。また、再生パルプを高配合しても、不透明度が高く坪量を削減することができ、また、蛍光強度が低く、チリやダートが少なく郵便搬送システムに適したはがき用紙を提供することが出来る。
本発明における紙は、板紙を含まない。以下、はがき用紙の場合を例として本発明を詳細に説明する。
(はがき用紙の構造)
本発明のはがき用紙は、パルプを主原料とした3層以上の多層構造からなり、抄き合わせあるいは多層抄きで製造される。例えば、3層の場合は「表層」「中層」「裏層」、4層の場合は「表層」「表下層」「裏下層」「裏層」、5層の場合は「表層」「表下層」「中層」「裏下層」「裏層」からそれぞれ構成される。積層数はこれらに限定されるものではない。表層はステルスバーコードの印刷面を含む。なお、本発明でいう表層と裏層との間に形成された内層とは、「表下層」、「中層」、「裏下層」等を意味する。
本発明のはがき用紙は、少なくとも1層の内層、すなわち、例えば3層の場合は「中層」に、4層の場合は「表下層」および/又は「裏下層」に、5層の場合は「表下層」「中層」「裏下層」のいずれか1層以上に、パルプとして古紙を原料とする再生パルプを含有する。本発明ではこのように内層に再生パルプを含有することにより、再生パルプに含まれるチリやダート、蛍光物質の影響を低く抑えることが可能となる。本発明において、再生パルプの含有割合は環境面から多いほど望ましく、全パルプ固形分に対し20質量%以上であり、40質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。
(パルプ原料)
本発明においては、再生パルプとして白色度が60%未満のものを使用し、全再生パルプの固形分に対して50質量%以上含有することで、坪量を抑えても優れた不透明度を得ることができる。再生パルプの白色度は58%以下であることがより好ましく、55%以下であることがさらに好ましい。再生パルプの白色度の下限は特に制限されないが、はがき用紙の外観性(白色性)の面から、48%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。
このような白色度を有する再生パルプとして、本発明では脱墨古紙パルプ(DIP)を用いることが好ましい。DIPは一般に、古紙の離解処理、クリーナーやスクリーンによる除塵処理、フローテーターによる脱墨(インキ分離)処理、漂白処理、ニーダーやディスパーザーによる分散処理、DNTウォッシャー等による洗浄・脱水処理の各工程を経て製造される。洗浄は必要に応じて各工程の中でも行われる。DIPの白色度は、漂白処理や洗浄処理により調整することができる。なお、本発明におけるパルプの白色度は、JIS P8148に準じて測定したものである。
また、4層以上で複数の内層に再生パルプを配合する場合は、各内層に配合する再生パルプは同一でも異なっていても良い。各層に用いられる再生パルプの白色度が異なっている場合は、例えば5層以上のとき、外観性(白色性)の面から、表下層や裏下層に用いられる再生パルプの白色度が、中層に用いられる再生パルプの白色度よりも高いことが好ましい。ひいては、はがき用紙を各層に分割したとき、表下層や裏下層の紙の白色度が、中層の紙の白色度よりも高いことが好ましい。
さらに必要に応じて、内層には、機械パルプ(MP)、広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)など、抄紙原料として一般的に使用されているものの1種類または2種類以上と再生パルプとを混合して使用することができる。機械パルプとしては、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)などが挙げられる。環境の観点からは、再生パルプの使用量が多いことが望ましい。再生パルプと他のパルプを混合して使用する場合、各層における両者の比率は任意に設定することができ特に限定されないが、再生パルプ:他のパルプ=50:50〜100:0が好適である。
再生パルプの原料となる古紙としては、上質紙、中質紙、下級紙、新聞紙、チラシ、雑誌などの選別古紙やこれらが混合している無選別古紙や、コピー紙や感熱紙、ノーカーボン紙などを含むオフィス古紙などを好適に使用することができる。
一方、表層や裏層には、再生パルプを配合してもよいが、製品の白色度や蛍光強度、チリやダート等の観点から、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプなどの化学パルプを用いることが好ましい。特に、表層は、紙の外観を決定づけるとともに、ステルスバーコードが印刷される面側でもあるため、化学パルプ100質量%が好ましい。
(坪量)
はがき用紙の坪量としては180〜200g/mであることが好ましく、更に好ましくは180〜195g/mである。抄き合わせにおける各層の坪量範囲は、本発明の効果を損なわない範囲で調整が可能であるが、表層および裏層の坪量は、各々20〜60g/mであることが好ましく、25〜50g/mであることが更に好ましい。表層、裏層の坪量が低すぎると、再生パルプ由来の蛍光強度が高くなる懸念があり、一方、表層および裏層の坪量が高すぎる場合、蛍光強度やダートの点では良好だが、表層、裏層に用いられる化学パルプの量が多くなり、コストの面及び環境の面で望ましくない。
内層の坪量は、60〜160g/m程度が好ましい。また4層以上(内層が2層以上)の抄き合わせで用紙を製造する場合は、各層の坪量は30〜80g/mであることが更に好ましい。内層の坪量が低すぎると、再生パルプの配合率を高く出来ず、一方内層の坪量が高すぎると、表層、裏層の坪量が低くなるため、再生パルプ由来の蛍光強度が高くなり、宛先情報バーコードの読取適性等に問題が生じるおそれがある。
(不透明度)
本発明の紙は、不透明度が94.0%以上であることが好ましい。不透明度が94.0%未満であると、はがき用紙等の用途に用いた場合、印刷又は筆記による文字や図等が反対面側に透ける可能性がある。本発明においてこのような不透明度とするためには、全パルプに対する再生パルプの含有比率、再生パルプに対する白色度が60%未満の再生パルプの含有比率を50質量%以上の範囲とする。
(蛍光失活処理)
本発明においては、蛍光強度低下の観点から、再生パルプに蛍光失活処理を施すことが望ましい。蛍光失活処理としては、再生パルプスラリーへの蛍光失活剤の添加、多価金属処理、酵素処理、過酸化物処理、オゾン処理、マスキング処理、脱墨後のパルプの二酸化塩素等による処理等が挙げられる。
特に、本発明では、蛍光失活剤が添加された再生パルプを使用することが望ましい。蛍光失活剤としては、ジクロルイソシアヌール酸塩やN−ビニルホルムアミド系重合体、あるいは芳香族カルボン酸・アミン縮合物等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
蛍光失活剤の添加量は、再生パルプの固形分あたり固形分質量で0.01〜2%が好ましく、0.03〜1.5%であることが更に好ましい。蛍光失活剤の添加量が多くても蛍光除去効果は頭打ちであり、また、多すぎるとパルプの白色度が低下する傾向がある一方で、蛍光失活剤が少なすぎると、効果が不十分である。特に、例えば5層の場合など、表下層及び/又は裏下層に含有される再生パルプに添加することが好ましい。表層あるいは裏層に近い内層に存在する蛍光染料を失活させることで、再生パルプ由来の蛍光染料の悪影響をより効率良く抑えることができると考えられる。
蛍光失活剤を再生パルプに添加するには、再生パルプの製造後が好ましい。本発明では蛍光失活剤のマスキング作用が発揮されることで、蛍光強度が低下すると推測される。再生パルプの製造前あるいは製造中に添加すると、その処理工程で水と一緒に流出したり、攪拌などによりパルプ繊維に十分に密着しないと考えられる。
(抄紙方法)
本発明のはがき用紙の製造方法は特に限定されるものでなく、各層の紙料をそれぞれ調製し、例えば長網型湿式抄紙機により各層を抄き合わせて多層構造とすることによって得ることができる。また、多層ヘッドボックスから各層の紙料をそれぞれ噴射して多層抄きしてもよい。抄紙機としては上記の他、ツインワイヤー型抄紙機、円網抄紙機、短網抄紙機等が挙げられる。
本発明では、多層構造の内部結合強度を高めるために、澱粉その他の接着剤を各層間に塗布することや、紙力増強剤の配合を行ってもよい。但し、リサイクル時の離解性の観点から、内部結合強度は高すぎないことが望ましい。本発明においては、JAPAN TAPPI No.18−1に沿った測定値として、500KPa未満が好ましく、450KPa以下がより好ましく、さらに好ましくは400KPa以下である。あるいは、JAPAN TAPPI No.18−2に沿った測定値として、1650KPa未満が好ましく、より好ましくは1600KPa以下である。このような範囲の内部結合強度を有する多層構造の紙を得る方法としては、例えば、澱粉や接着剤を塗布する層間としない層間とを設ける、紙力増強剤を配合する層としない層を設けることなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、はがき用紙サイズに裁断する際の紙粉発生や、印刷時または自動区分機処理時の紙剥けを防止するために、紙が有する内部結合強度として、JAPAN TAPPI No.18−1に沿った測定値において300KPa以上、JAPAN TAPPI No.18−2に沿った測定値において1300KPa以上であってもよい。
(填料)
また、本発明のはがき用紙には、填料を含有しても良い。特に、不透明度を高めるため、表層および/又は裏層は填料を含有することが好ましい。填料の種類は特に制限されないが、例えば、重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムなどの炭酸カルシウム、炭酸カルシウム−シリカ複合物、酸化チタン、クレー、シリカ、タルク、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化チタン、ベントナイトなどの無機填料;尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等の有機填料;を単独または適宜2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、製紙スラッジや脱墨フロス等を原料とした再生填料も使用することができる。酸性抄紙の場合は、前記填料から、酸溶解性のものを除いた填料が使用され、その単独または適宜2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明では中でも、リサイクル可能でかつ紙の不透明度や白色度を比較的低コストで向上させることができるため、炭酸カルシウムを使用して紙面pHが6.0〜9.5となるように中性抄紙することが好ましい。填料の含有量は、少なすぎると不透明度に劣り、多すぎるとオフセット印刷時や断裁時に紙粉が発生しやすいことなどから、対パルプ絶乾質量あたり1〜10質量%が好ましい。なお、ここでいう填料の含有量とは、再生パルプに由来するもの、および抄紙の際に添加されたものなどいずれも含む。
(製紙用薬品)
また、本発明では必要に応じて各種の製紙用薬品を添加することができる。具体的には、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン性澱粉、各種変性澱粉、尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂などの内添紙力増強剤;ロジン系サイズ剤、AKD系サイズ剤、ASA系サイズ剤、石油系サイズ剤、中性ロジンサイズ剤などの内添サイズ剤;などを挙げることができる。また、歩留剤、濾水性向上剤、凝結剤、硫酸バンド、ベントナイト、シリカ、染料、消泡剤、紫外線防止剤、退色防止剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤などを用いることができる。
(表面処理)
また、本発明のはがき用紙には、必要に応じて、表面および/又は裏面に表面処理剤を塗布することができる。表面処理剤の種類や組成は、特に限定はないが、表面強度の向上を目的とした水溶性高分子物質としては、生澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉などの澱粉;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコールなどの変性アルコール;スチレンブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミドなどを単独または併用する。また、本発明では筆記適性あるいはプリンターでの印字適性のため、ステキヒトサイズ度が250〜600秒であることが好ましく、用紙の吸水抵抗性を高めるために、前記の水溶性高分子物質の他に、スチレンアクリル酸、スチレンマレイン酸、オレフィン系化合物など表面サイズ剤を併用塗布してもよい。表面処理剤の塗布量は特に制限されず、通常、両面当たり0.5〜5g/m程度である。また、水溶性高分子物質と表面サイズ剤からなる表面処理剤を塗布する場合、水溶性高分子物質と表面サイズ剤との混合比率は公用の範囲で行えばよい。
前述した表面処理剤を塗布する場合、塗工装置は一般に使用されるものを用いることができ、例えば、2ロールサイズプレス、ゲートロールコーター、ロッドメタリングサイズプレス、ブレードコーター、バーブレードコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、スプレーコーターなどをオンマシンまたはオフマシンで用いることができる。
さらに、本発明においては紙表面にカレンダー処理を施すこともできる。カレンダー装置の種類と処理条件は特に限定はなく、金属ロールから成る通常のカレンダーやソフトニップカレンダー、高温ソフトニップカレンダーなどの公用の装置を適宜選定し、品質目標値に応じて、これらの装置の制御可能な範囲内で条件を設定すればよい。本発明におけるはがき用紙の平滑度としては、ベック平滑度で20〜110秒が好ましい。
(インクジェット印字適性、他)
本発明のはがき用紙には、必要に応じて、オフセット印刷方式、電子写真用印刷方式等による印刷適性を高めるために、表面および/又は裏面に顔料を含有する塗工層を設けることもできる。また、インクジェットプリンターでの印字適性を付与することができる。インクジェット印字適性を付与する方法は特に制限されず、インクジェット記録紙の分野で公知の各種技術を適用すればよい。例えば、塗工タイプの技術としては、はがきの裏面(宛先情報を記載する面の反対面)に、顔料と結着剤とを含有するインク受容層を設けることなどが挙げられる。また、インク受容層をキャスト塗工方式で設けると、高光沢でより高画質な画像を得ることができる。普通紙タイプの技術としては、吸油性填料や内添サイズ剤の内添、染料定着剤としてカチオン性樹脂等を塗布することなどが挙げられる。
(はがき用紙以外の用途)
本発明の紙は、はがき用紙以外にも、印刷用紙、情報用紙、新聞用紙、包装用紙等に使用することができる。坪量等の諸物性や製造方法などは、各用途に応じて適宜設定すればよい。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は実施例に制限されるものではない。実施例及び比較例において部及び%は固形分質量部及び固形分質量%を表す。なお、以下の実施例は5層の抄き合わせであり、各層を順に「表層」「表下層」「中層」「裏下層」「裏層」で記載した。
[再生パルプの製造]
(DIP−A)
高濃度パルパーに、新聞古紙:雑誌古紙:ケント古紙:チラシ古紙=65:16:11:8の割合で古紙を投入した。ここに薬品を加えてパルプ濃度が15質量%となるように調整し、離解処理を行った。使用薬品は、それぞ対古紙質量に対する割合で苛性ソーダ2.0%、高級アルコール系脱墨剤0.2%を加えた。続いて、粗選スクリーン、フローテーター、精選スクリーン、ディスパーザーを経てDIP(脱墨再生パルプ)を製造した。このDIPにさらにホルムアミジンスルフィン酸(FAS)を添加し、ディスパーザーで分散処理を行った後、水で希釈し、高速ワイヤーベルト式脱水機(DNTウォッシャー)で洗浄することで、DIP−Aを得た。DIP−Aの白色度は70%であった。
(DIP−B)
ホルムアミジンスルフィン酸(FAS)添加以降の工程を行わない以外は、DIP−Aと同様にしてDIP−Bを得た。DIP−Bの白色度は53%であった。
[実施例1]
(表層及び裏層)
カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)400mlに叩解したLBKP100部に対して、填料として炭酸カルシウムを2部、内添サイズ剤を0.4部、歩留まり剤を0.1部、硫酸バンドを2部添加してスラリーを調製した。
(表下層、裏下層)
CSF400mlのLBKP50部と、白色度70%の再生パルプ(以下DIP−Aと略)50部とを混合し、内添サイズ剤を0.75部、硫酸バンドを2.5部添加してスラリーを調製した。
(中層)
白色度53%の再生パルプ(DIP−B)を100部に対し内添サイズ剤として0.75部、硫酸バンドを2.5部添加してスラリーを調製した。
(抄き合わせ)
上記3種類の紙料スラリーを、表層=27g/m、表下層・中層・裏下層=各42g/m、裏層=27g/mとなるように長網抄紙機で抄紙し、湿紙の状態で抄き合わせて乾燥し、坪量180g/mとなるように原紙を抄造した。抄き合わせに際し、裏層と裏下層との間を除く各層間には、顆粒澱粉の2.3%水溶液を塗布量1g/mとなるようにスプレー塗布した。この原紙に2ロールサイズプレスでポリビニルアルコールを両面で1.8g/m塗布し、ベック平滑度が30秒となるようにカレンダー処理を行って、はがき用紙を得た。
[実施例2]
実施例1の表下層、裏下層のパルプスラリーにおいて、LBKP50部と再生パルプ(DIP−B)50部とに代えて、それぞれ再生パルプ(DIP−B)100部を使用した以外は、実施例1と同様にしてはがき用紙を得た。
[実施例3]
実施例1において、表下層、裏下層のそれぞれのパルプスラリー調製時に、蛍光失活剤として芳香族カルボン酸・アミン縮合物(里田加工FQ−50)を、LBKPおよび再生パルプ(DIP−A)とを合わせた対パルプ当たり0.05%添加(DIP−Aに対し0.1%添加に相当)した以外は、実施例1と同様にしてはがき用紙を得た。
[比較例1]
CSF400mlのLBKP60部と、再生パルプ(DIP−B)40部とを混合し、填料として炭酸カルシウムを5部、内添サイズ剤を1.4部、硫酸バンドを2部添加して紙料スラリーを調製した。この紙料スラリーを、長網抄紙機で坪量180g/mとなるように原紙を抄紙した。この原紙にサイズプレスでポリビニルアルコールを両面で1.8g/m塗布し、ベック平滑度が30秒となるようにカレンダー処理を行って、はがき用紙を得た。
[参考例]
実施例1の中層のパルプスラリーにおいて、再生パルプ(DIP−B)100部に代えて、再生パルプ(DIP−A)100部を使用した以外は、実施例1と同様にしてはがき用紙を得た。
[評価方法]
各実施例および比較例で得られたはがき用紙の評価を、以下に示す方法により行った。評価結果を表1にまとめて示す。
<白色度>
パルプについてJIS P 8148に準じて測定した。
<坪量>
はがき用紙についてJIS P 8124に準じて測定した。
<不透明度>
はがき用紙についてJIS P 8149に準じて測定した。
<蛍光強度>
JIS P 8148に準じて、紫外線領域を含む光を照射した時の白色度(X)と紫外線を含まない光を照射した時の白色度(Y)をそれぞれ測定し、両者の差(X−Y)により蛍光強度を求めた。値が小さいほど蛍光強度が小さいことを示す。
<チリ・ダート>
目視で評価を行い次の基準で示した。
◎ チリ・ダートが目立たない
○ チリ・ダートがほとんど目立たない
△ チリ・ダートがやや目立つが実用上問題ない
× チリ・ダートが多い
<内部結合強度>
JAPAN TAPPI No.18−1およびNo.18−2に沿って測定した。前者はZ軸方向引張り、後者はインターナルボンドを表す。
Figure 0005685019
表1中の*印 の白色度60%未満は、再生パルプに対する白色度60%未満の再生パルプの割合である。
表1より、実施例1,2のはがき用紙は、はがき用紙としては比較的低い坪量ながら不透明度が高く、蛍光強度が低く、チリやダートも問題ないレベルである。また、蛍光失活剤を添加した実施例3は、蛍光強度がさらに低下した。一方、単層抄きの比較例1では、不透明度は良好なものの蛍光強度が高く、チリやダートも増加した。
実施例1〜3のはがき用紙は、JAPAN TAPPI No.18−1、及びJAPAN TAPPI No.18−2に沿って測定された内部結合強度が適切な範囲内であり、断裁作業や印刷作業性等にも問題はなく 、さらにリサイクル時の離解性が良好である。
一方、比較例1のJAPAN TAPPI No.18−2に沿った測定値によれば、比較例1のはがき用紙は、実施例1〜3のはがき用紙と比較して、内部結合強度が若干低下する。
多層構造で白色度の高い再生パルプを用いた参考例のはがき用紙は、蛍光強度およびチリやダートは良好であるものの、低坪量である場合に不透明度が低かった。
また、参考例のJAPAN TAPPI No.18−2に沿った測定値によれば、参考例のはがき用紙は、実施例1〜3と比較して、リサイクル時の離解性が多少よくないという傾向を示す。
本発明の紙は、古紙を活用した環境に優しい郵便はがきとして使用することができる。

Claims (4)

  1. パルプを主原料とした3層以上の多層構造を有し、再生パルプを含有しない表層と再生パルプを含有しない裏層との間に形成された内層のうちの少なくとも1つの層が再生パルプを含有する層である紙であって、表層と裏層の坪量は各々20〜60g/mであり、全パルプ固形分に対し再生パルプを20質量%以上含有し、さらに、再生パルプを含有する層のうちの少なくとも1つの層は、その固形分あたり固形分質量で0.01〜2%の蛍光失活剤を含有し、かつ、前記再生パルプの全固形分のうち白色度が60%未満である再生パルプを50質量%以上含有するはがき用紙。
  2. 前記はがき用紙の坪量が180〜200g/mであり、前記内層を合計した坪量が60〜160g/mである請求項1に記載のはがき用紙。
  3. JAPAN TAPPI No.18−1で規定される内部結合強度が500KPa未満である請求項1又は2に記載のはがき用紙。
  4. JAPAN TAPPI No.18−1で規定される内部結合強度が300KPa以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のはがき用紙。
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