JP5161837B2 - インクジェット記録用葉書 - Google Patents

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本発明は、古紙パルプを含有する基紙の片面にインク受理層を設け、もう一方の面に筆記適性をもったインクジェット記録用葉書に関する。
インクジェットプリンターの技術が急速に進歩し、紙やフィルムなどのインクジェット記録用の媒体にカラーで、かつ高画質に画像を形成できるようになった。
このようにインクジェットプリンターによって、印刷業者だけでなく、一般家庭でも手軽にカラー画像を印刷することが可能になり、近年、年賀葉書や暑中見舞の葉書として、インクジェット記録用葉書を用いることが多くなっている。このような葉書は、所謂通信面にインク受理層を有し、宛名面に筆記適性を有する。葉書の購入者は、インク受理層を有する通信面に好みの画像をインクジェットプリンターで印刷し、また場合によっては筆記適性のある宛名面にもインクジェットプリンターで印刷する使い方で利用する。
一方、紙資源の循環型社会を形成するために、古紙パルプを有効に利用した紙の製造が既に行われている。古紙パルプを含有した基紙に、インク受理層を設けたインクジェット記録用の媒体がある(例えば、特許文献1参照)。また近年では、紙資源の有効利用のために、より高配合率で古紙パルプを含有する傾向がある。
また一方、葉書などの郵便物は、受取人に届けられるまでに何段階かの区分が行われる。この区分作業を自動化するために、郵便番号自動読取区分機や宛名自動読取区分機を郵便局に配備している。これらの区分機は光学式文字読取装置で郵便番号や宛名を読み取り、区分を行っている。
しかし、郵便物に書かれた郵便番号や宛名の市町名、丁目および番地などの数字を読み取ることが難しく、また郵便番号や宛名は様々な字体が使われ、光学式文字読取装置のみを用いる現在の区分機では読み取れずに手作業になる場合が多い。
平成10年2月より開始された新郵便番号制では、郵便局で区分機の光学式文字読取装置によって7桁郵便番号を読み取り、郵便番号に合致する宛名を読み取りやすいバーコードとして郵便物に印字し、このバーコードを次工程から区分機で読み取って区分を自動化している。
郵便物に印字するバーコードは宛名に記載する住所を表し、葉書のような定形の郵便物では、区分機によって郵便物の表面に通常では見えない、紫外線の下では蛍光を発するステルスインキでバーコードを印字する。区分機は、この郵便物に印字されたバーコードを読み取って、郵便物を所定の住所などに区分する。
しかしながら、古紙パルプを葉書の基紙に含有する場合、古紙パルプには蛍光増白剤が含まれているため、区分機で読み取るバーコードが蛍光増白剤に起因する蛍光によって埋没し、バーコードを正確に読み取ることができなく、区分機による区分作業ができないことがある。このため、バーコードが印字される葉書の基紙は、読み取り可能レベルまで紫外線の下で発する蛍光を減少させる必要がある。
古紙パルプに含まれる蛍光増白剤による蛍光を減少させる方法として、古紙パルプに二酸化塩素を添加する方法(例えば、特許文献2参照)、ジクロルイソシアヌール酸塩を添加する方法(例えば、特許文献3参照)がある。しかしこれらの方法では、有機塩素化合物を含む排水の問題があり、排水処理コストおよび処理設備に課題となる。
また、漂白工程で残留した塩素系漂白剤を利用し、その塩素イオンで蛍光物質の共役二重結合や発色基を分解して蛍光を減少する方法(例えば、特許文献4参照)、古紙パルプのスラリーにオゾンを導入して分解する方法(例えば、特許文献5参照)がある。
特開2001−187486号公報 特開平5−33279号公報 特開平6−33387号公報 特開平11−269788号公報 特開平3−199477号公報
古紙パルプに含まれる蛍光増白剤を分解することは、例えば、特開2005−246860号公報に記載されているように、蛍光増白剤の分解物が紙の黄変色の原因となることがあり、好ましくない。また、インク受理層に蛍光増白剤が含まれる場合、インク受理層から基紙にマイグレイションした蛍光増白剤の発する蛍光は、古紙パルプに含まれる蛍光増白剤を分解するだけでは、減少することができない。
本発明の目的は、古紙パルプに含まれる蛍光増白剤を分解することなく、最終的に古紙パルプを含有する基紙における蛍光増白剤による蛍光を減少させることであって、基紙の片面にインクジェット記録用のインク受理層を設け、もう一方の面に筆記適性を有し、筆記適性を有する面の区分機の適性に優れたインクジェット記録用葉書を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、蛍消剤を含有する基紙によって、蛍光増白剤を分解させることなく、古紙パルプに含まれる蛍光増白剤の蛍光を減少させ、さらにはインク受理層の形成時に、インク受理層に含まれる蛍光増白剤がマイグレイションすることによって基紙に達して起こる蛍光も、抑えることができることを見出した。
本発明の課題は、少なくとも古紙パルプを含有する基紙であって、該基紙の片面にインク受理層を設け、もう一方の面に筆記適性を有するインクジェット記録用葉書において、該基紙が蛍消剤を含有することを特徴とするインクジェット記録用葉書によって達成された。
好ましくは、蛍消剤が、ポリアルキレンポリアミン・ジカルボン酸縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジカルボン酸尿素縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジカルボン酸尿素縮合物のポリアルキル4級アンモニウム塩、ポリアルキレンポリアミン・ジカルボン酸縮合物のポリアルキル4級アンモニウム塩、ベンゼンカルボン酸アミド誘導体またはこれらの2種以上の混合物である。
好ましくは、蛍消剤が古紙パルプと混合・攪拌してから古紙パルプのスラリーを調製し、該古紙パルプのスラリーを含むスラリーから作製される基紙である。
好ましくは、基紙の紙面pHが3.5〜5である。
本発明により、古紙パルプを含有する基紙を用いたインクジェット記録用葉書であって、区分機における励起波長365nmの紫外光を照射した時の540nm以上の蛍光強度が4.0未満となり、紫外光下で蛍光を発するステルスインキで印字されたバーコードを、区分機によって良好に読み取ることができるインクジェット記録用葉書の提供が可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる基紙は、パルプとして、経済産業省「紙パルプ統計年鑑」古紙の品種区分表に記載の品種(上白およびカード、特白・中白・白マニラ、模造・色上、茶模造紙屑など)から得られる古紙パルプを少なくとも含有する。また、古紙パルプ以外に広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)などの化学パルプ、メカニカルパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミカルサーモメカニカルパルプ(CTMP)などの機械パルプ、竹、アバカ、ケナフ、エスパルト、バガスなどの非木材パルプを含有することができる。
本発明に用いられる基紙の坪量は特に限定されないが、好ましくは50g/m〜350g/mであり、プリンター装置内での搬送性および通紙性などを考慮して、より好ましくは70g/m〜250g/mである。
本発明にかかる古紙パルプに含まれる蛍光増白剤は、塗工紙の白色度向上のために通常に用いられるものであり、特に限定されない。塗工紙に通常用いられる蛍光増白剤としては、例えば、ピレン誘導体、クマリン誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、ピラゾリン誘導体およびベンジジン誘導体などを挙げることができる。
本発明に用いられる蛍消剤は、蛍光増白剤を分解するものではなく、蛍光増白剤とコンプレックスを形成することによってエネルギー準位を変える働きをし、熱エネルギーに変換することにより蛍光増白剤の分子構造が励起状態に達することを阻害し、結果として発する蛍光を減少させるものである。蛍消剤としては、例えば、ポリアルキレンポリアミン・ジカルボン酸縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジカルボン酸尿素縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジカルボン酸尿素縮合物のポリアルキル4級アンモニウム塩、ポリアルキレンポリアミン・ジカルボン酸縮合物のポリアルキル4級アンモニウム塩、ベンゼンカルボン酸アミド誘導体またはこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。これら蛍消剤は、「OP−603」(一方社油脂工業社製)、「OP−600」(一方社油脂工業社製)、「Cartarex 2L Liquid」(クラリアントジャパン社製)として入手することができる。
基紙に蛍消剤を含有することによって、古紙パルプに由来する蛍光増白剤の蛍光を減少させるばかりではなく、インク受理層の白色度を高めるために含有する蛍光増白剤が、例えばインク受理層を塗工する際にマイグレイションすることによって基紙に到達し、基紙に達した蛍光増白剤が発する蛍光についても、抑えることができる。
本発明に用いられる蛍消剤は、予め古紙パルプと混合・攪拌してスラリーを調製し、基紙に含有することが好ましい。蛍消剤の古紙パルプに対する含有量は、古紙パルプに含まれる蛍光増白剤の量によって異なるために限定できないが、好ましくは古紙パルプに対して0.2質量%〜8.0質量%、より好ましくは0.5質量%〜5.0質量%である。これ以下では蛍光の減少効果が小さく、これ以上ではスラリーの排液処理の問題が生じる場合がある。
蛍消剤はアルカリ性では蛍消効果が低下するために、pH値の高い古紙パルプのスラリーを使用する場合は硫酸バンドなどにより、スラリー状態でのpHを4〜6の弱酸性領域に調整することが好ましい。
本発明に用いられる基紙は、通常の抄紙で用いられる添加剤、例えば、填料としては炭酸カルシウム、タルク、カオリン、焼成カオリン、二酸化チタンなど、内添サイズ剤としてはロジン、強化ロジン、変成ロジン、アルケニルコハク酸無水物(ASA)、中性ロジン、アルキルケテンダイマー(AKD)など、乾燥紙力増強剤としてはアクリルアマイド樹脂、変性ポリアクリルアマイド樹脂、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド澱粉誘導体、ポリビニルアルコール誘導体などが用いられ、その他に消泡剤、染料、着色顔料、湿潤紙力向上剤、濾水性向上剤、歩留向上剤などを適宜含有することができる。
本発明に用いられる基紙は、基紙の紙面pHが3.5〜5であることが好ましい。本発明における紙面pHとは、日本紙パルプ技術協会の定める紙および板紙の紙面pH試験方法[J.TAPPI No.49−2]に準拠して測定されるもので、pH測定用指示薬を測定対象に滴下し、脱脂綿で薄くかつ素早く塗り広げた後、指示薬を滴下した測定対象面の色相を、pH標準変色表に掲載されている色相と見比べることにより決定される紙面pHを意味する。紙面pHの測定は、上記の測定方法に準拠した、例えば、共立理化学研究所製の紙面測定用pHセットを用いて測定することができる。
基紙の紙面pHが、3.5未満であると、紙の製造設備に用いられる部材の腐食などの原因となる。また、5を超えると、古紙パルプやインク受理層に含まれる蛍光増白剤などの分解による黄変色が発生する場合がある。さらに、インク受理層に蛍光増白剤が含まれる場合、インク受理層から基紙にマイグレイションした蛍光増白剤の発する蛍光を抑制するために、基紙のpHが3.5〜5であることが好ましい。
本発明に用いられる基紙は、古紙パルプと天然パルプの混合であるパルプスラリーから抄造された紙を用いる場合には酸性紙とすることにより、本発明にかかる紙面pHを得ることができる。また、古紙パルプと天然パルプの混合であるスラリーから抄造された中性紙を用いる場合においては、中性紙上に硫酸バンド液などを浸透させ、基紙の紙面pHを3.5〜5の範囲にすることができる。
本発明に用いられる基紙は、筆記適性を高めるために、サイズプレスによって表面サイズ液を塗工しても良い。表面サイズ液に用いられる接着剤としては、インク受理層を形成する塗工液に含有する接着剤を用いることができる。好ましくは、基紙のインク吸収性を阻害しないために、比較的造膜性の弱い、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体を用いる。また表面サイズ剤としては、抄紙工程で通常用いられる表面サイズ剤を接着剤と併用して用いて良い。さらに必要に応じて消泡剤、界面活性剤、染料、着色顔料などを併用することもできる。本発明の表面サイズ液の付着量は、本発明の効果が発現されるよう適宜選択できる。
サイズプレスの方式としては、インクラインド、ゲートロール、シムサイザーなどの各種方式を挙げることができる。また、サイズプレスは片面または両面のいずれでも可能である。
本発明にかかるインク受理層を形成する塗工液は、顔料および接着剤を主成分とし、さらにカチオン性樹脂、アンモニウム化合物その他これらに添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜含有することができる。
インク受理層に含有することができる蛍光増白剤は、塗工紙に通常用いられる蛍光増白剤であり、特に限定されない。例えば、ピレン誘導体、クマリン誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、ピラゾリン誘導体およびベンジジン誘導体などを挙げることができる。
本発明のインク受理層に用いられる顔料としては、公知の白色顔料を1種類以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料などを用いることができる。これら顔料の中でも、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナなどが挙げられ、特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
また、顔料として、無機超微粒子を使用することも可能である。無機超微粒子とは、一次粒子径が100nm以下、二次粒子径500nm以下の無機微粒子を言い、例えば、擬ベーマイトゾル、シリカ/アルミナハイブリッドゾル、シリカゾル、ヘクタイト、スメクタイト粘土、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化アンチモンゾル、気相法シリカを挙げることができる。
本発明のインク受理層に用いられる接着剤としては、水溶性高分子または非水溶性樹脂であり、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール、各種変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、あるいはこれらの各種共重合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどが挙げられる。
本発明にかかるインク受理層の塗工液を塗工する方式としては、エアーナイフ方式、ブレード方式、ロッドバー方式およびカーテン方式などが挙げられるが、特に限定されない。好ましくは、塗工ムラを考慮し、カーテン方式である。
インク受理層の塗工量は、2g/m〜10g/m(乾燥質量固形分)が好ましい。また、平滑性の向上、印字品質の向上、光沢調整など外観上の向上を図るために、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどの平滑化装置で処理することもできる。
本発明にかかるインク受理層は2層以上でも良く、インク吸収性や印字品質からインク受理層の総数を適宜決定することができる。
本発明にかかる筆記適性を有する面は宛名面として用いられるため、筆記性またはインクジェットプリンター適性を付与するべく、基紙上に白色顔料、接着剤、カチオン樹脂や水溶性多価金属塩などのインク定着剤を塗工しても良い。
以下、本発明におけるインクジェット記録用葉書について、実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」および「%」は、特に明示しない限り固形分あるいは実質成分の質量部および質量%を示す。なお、実施例における特性は以下の方法で評価した。
(1)蛍光強度と区分機適性
蛍光強度の測定は日立ハイテク社製の分光蛍光強度計F7000でインク受理層を設けていないもう一方の宛名面を測定した。区分機では励起波長365nmの紫外光を照射した時の蛍光スペクトルにおいて、540nm以上の蛍光強度が4.0未満であることが必要である。540nm以上の蛍光強度の最大値を測定し、4.0未満のものを○(区分機適性あり)、蛍光強度が4.0以上のものを×(区分機適性に問題あり)と判定した。
(実施例1)
上白の古紙パルプ20部に、蛍消剤(OP−603:一方社油脂工業社製)0.6部を混合し、さらにLBKP70部とNBKP10部を加えた混合パルプをフリーネス500mlcsfになるまで叩解し、パルプスラリーを作製した。このパルプスラリーに、填料としてタルク(紙タルク:兵庫タルク製)を10部、定着剤(硫酸バンド:浅田化学製)を1.8部、歩留向上剤(パールフロックFR−C:星光化学製)0.06部を添加し混合原料とした。この混合原料を水で濃度1%に希釈し、混合原料スラリーとした。このスラリーを用い長網抄紙機にて坪量150.0g/mの原紙を抄紙した。酸化澱粉(MS−3800:日本食品化工製)を濃度6.0%、および表面サイズ剤(KN−500:ハリマ化成製)を濃度0.2%で含有するサイズプレス液を用い、インクラインドサイズプレス方式で乾燥付着量が3g/mになるよう処理、乾燥して基紙を作製した。基紙の紙面pHは4.4であった。
合成非晶質シリカ(ミズカシルP−78D:水沢化学工業製)100部、珪素変性ポリビニルアルコール(クラレポバールR−1130:クラレ製)30部、ジアリルアミン塩酸塩共重合物(スミレーズレジン1001:住友化学製)30部を水に配合し、塗工液濃度を15%に調整したインク受理層の塗工液を得た。前記基紙の片面にこのインク受理層の塗工液をカーテン方式により乾燥塗工量が10g/mになるよう塗工、乾燥して、古紙パルプ含有のインクジェット記録用葉書を得た。
(実施例2、3、4)
実施例1の蛍消剤の添加量をそれぞれ0.05部、0.1部、1.5部にした以外は、実施例1と同様にしてそれぞれ実施例2、3、4の古紙パルプ含有のインクジェット記録用葉書を作製した。
(実施例5)
実施例1の蛍消剤を(OP−603:一方社油脂工業社製)から(カルタレックス2Lリキッド:クラリアントジャパン社製)に置き換える以外は、実施例1と同様にして、実施例5の古紙パルプ入りインクジェット記録用葉書を作製した。
(実施例6)
実施例2において、インク受理層の塗工液に、蛍光増白剤スチルベンベンゾキサゾイル誘導体(HostaluxKS、クラリアントジャパン社製)を0.08部添加する以外は、実施例2と同様にし、実施例6の古紙パルプ含有のインクジェット記録用葉書を作製した。
(実施例7)
実施例1の古紙パルプを40部にし、蛍消剤(OP−603:一方社油脂工業社製)2.0部を混合し、さらにLBKP50部とNBKP10部を加える以外は、実施例1と同様にして、実施例7の古紙パルプ入りインクジェット記録用葉書を作製した。
(比較例1)
蛍消剤を含有しない以外は実施例1と同様にして比較例1の古紙パルプ含有のインクジェット記録用葉書を作製した。
(比較例2)
蛍消剤を含有しない以外は実施例6と同様にして比較例2の古紙パルプ含有のインクジェット記録用葉書を作製した。
実施例1〜7および比較例1〜2の分光蛍光強度計F7000での540nm以上の最大蛍光強度値および区分機適性の結果は、次の通りであった。
実施例1 最大蛍光強度値:2.1 区分機適性:○
実施例2 最大蛍光強度値:3.8 区分機適性:○
実施例3 最大蛍光強度値:3.3 区分機適性:○
実施例4 最大蛍光強度値:1.5 区分機適性:○
実施例5 最大蛍光強度値:2.2 区分機適性:○
実施例6 最大蛍光強度値:3.8 区分機適性:○
実施例7 最大蛍光強度値:3.0 区分機適性:○
比較例1 最大蛍光強度値:4.5 区分機適性:×
比較例2 最大蛍光強度値:4.7 区分機適性:×
実施例の結果から、蛍消剤を含有する基紙であるインクジェット記録用葉書は、基紙から発する蛍光が減少し、区分機適性に優れることが分かる。比較例1と比較例2から、インク受理層に含まれる蛍光増白剤のマイグレイションに由来する蛍光の増加が認められるが、実施例2、実施例6と比較例2から、マイグレイションに由来する蛍光の増加も抑えられることが分かる。
以上説明してきたように、本発明の基紙に古紙パルプを含有するインクジェット記録用葉書であって、区分機適性に優れたインクジェット記録用葉書を提供することができる。

Claims (4)

  1. 少なくとも古紙パルプを含有する基紙であって、該基紙の片面にインク受理層を設け、もう一方の面に筆記適性を有するインクジェット記録用葉書において、該基紙が蛍消剤を含有することを特徴とするインクジェット記録用葉書。
  2. 蛍消剤が、ポリアルキレンポリアミン・ジカルボン酸縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジカルボン酸尿素縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジカルボン酸尿素縮合物のポリアルキル4級アンモニウム塩、ポリアルキレンポリアミン・ジカルボン酸縮合物のポリアルキル4級アンモニウム塩、ベンゼンカルボン酸アミド誘導体またはこれらの混合物である請求項1に記載のインクジェット記録用葉書。
  3. 蛍消剤が古紙パルプと混合・攪拌してから古紙パルプのスラリーを調製し、該古紙パルプのスラリーを含むスラリーから作製される基紙である請求項1に記載のインクジェット記録用葉書。
  4. 基紙の紙面pHが3.5〜5である請求項1に記載のインクジェット記録用葉書。
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