JP5365898B2 - 新聞用紙の製造方法及び新聞用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷後不透明度が高く、白色度と色相の調整が容易な新聞用紙の製造方法及び新聞用紙に関するものである。
近年の新聞用紙は、カラー印刷が多用されており、カラー印刷の見栄えは原紙の白色度が高いほど良くなることから、一般の新聞用紙の白色度のアップが要求されている。また、新聞用紙には軽量化(低坪量化)が求められている。低坪量の紙は表面の印刷が裏面から見える裏抜けが生じやすく、比較的多量のインクが付与されるカラー印刷では裏抜けが生じやすい。したがって、低坪量であっても高い印刷後不透明度が要求される。
新聞用紙の白色度を向上させる方法としては、原料のパルプの漂白を進める方法と、白色度の高い填料を添加する方法がある。パルプの漂白を進めて白色度を上げると不透明度が低下することになるので、填料を内添する方法が採用されている。填料を内添すると白色度を上げるとともに不透明度を上げることができる。
新聞用紙に通常使用される填料としては、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、二酸化チタン、炭酸カルシウムなどそれぞれの特性により使用されている。例えば、二酸化チタンは光散乱係数が非常に高いので、不透明度を向上させるには有効であるが、高価であり、新聞用紙では多用されていない。タルク、カオリンは安価であるが、吸油性は高くないので、印刷後不透明度を向上させる効果はそれほど高くない。そこで、特に吸油性の高いホワイトカーボンが比較的少量の添加量で印刷後不透明度向上の効果が高く、多く使用されている。また、炭酸カルシウムは安価であり、白色度が高いことに加え、吸油性の高いものがあり、単独あるいは他の填料と併用されて使用されるようになっている。
ところが、新聞用紙は、上質紙やコート紙より白色度が低く、不透明度の要求を満たすために填料の添加を増加させると、白色度が上がり過ぎるという新たな問題が生じている。
すなわち、上質紙やコート紙の白色度は85%以上と高いので、内添する填料と紙の白色度が近く填料の添加率が紙の白色度へ与える影響は比較的少ない。一方、新聞用紙の白色度は55%程度と填料より低いので、填料の添加率が紙の白色度に大きく影響する。
新聞用紙を製造する際、新聞用紙の白色度が目標より高くなった場合、原料のパルプの白色度を下げる方法と、紙料に着色料を内添して白色度を下げる方法があるが、それぞれ問題を有している。
前者は、新聞用紙の主原料である古紙脱墨パルプの白色度を下げることになる。古紙脱墨パルプの製造では、新聞や雑誌等の印刷が施された古紙をパルパー等の離解機でアルカリ性薬品等と共に離解して、さらにアルカリ性薬品や過酸化水素及び界面活性剤を添加して離解パルプをこれら薬品に浸漬する(アルカリソーキング)と共に、機械的攪拌力を併用してパルプ繊維を膨潤させてインキとパルプを剥離し、その後洗浄やフローテーションによりパルプからインキを分離している。ところが、古紙脱墨パルプの白色度を下げる場合、脱インキの程度を抑えるために、フローテーションのリジェクト量を減らす、界面活性剤の添加量を減らす、あるいは、漂白を抑えるために過酸化水素などの漂白剤の添加率を減らす、などの対応をとるが、弊害として古紙の品質変動に伴うパルプの白色度変動の問題が起こりやすくなる。また、複数の複雑な工程を有する古紙脱墨パルプの製造工程で、このようなアクションをとっても、効果が現れるには相当な時間を要し、生産効率上好ましくない。
したがって、後者の紙料に着色料を内添して白色度を下げる対応が行われるが、白色度の下げ巾が大きくなると、添加する着色料が多くなり、新聞用紙を目標の色相に調整するために時間がかかり、近年填料の添加率が多くなっている新聞用紙特有の課題となっている。
さらに、新聞用紙の生産において、例えば、填料の添加率の多い品種から少ない品種へ変更する場合では、変更後しばらくは抄紙系内に残る填料の影響により、白色度が目標より高くなり、紙の白色度と色相を調整するのに時間がかかるという問題が生じている。
本発明に関連する先行技術として、以下のものが挙げられる。
染料により紙の白色度や不透明度を向上させる技術として、炭酸カルシウムを含有して成る中性紙において、黒色染料を含有させる方法(特許文献1)、炭酸カルシウム、黒色顔料、カチオン性あるいは両性の水溶性高分子物質を含有させる方法(特許文献2)がある。
また、着色炭酸カルシウムを紙に内添することを検討したものとして、着色炭酸カルシウムの製造方法に関する技術が公開されている。例えば、水酸化カルシウムと染料を含有するスラリーに炭酸ガスを導入する(特許文献3)、水酸化カルシウムを含有するスラリーに染料を加え、これに炭酸ガスを導入して着色炭酸カルシウムを製造するに際し、精製した着色炭酸カルシウムスラリーに水酸化カルシウムを加えてスラリーのpHを9.5以上にする(特許文献4)、炭酸カルシウムと染料を水に添加し、水酸化カルシウムを加えてpHを10.0〜12.5に維持する(特許文献5)、炭酸カルシウム100質量部に対し、カルシウム以外の金属成分を金属量で0.001〜10質量部含有し、色相計による白色度が97.0以下の着色炭酸カルシウム(特許文献6)などがある。さらに、新聞用紙の色相調整に関するものとしては、ミキシングから抄紙機への原料供給までの工程において、配合機に添加する第一の添加工程と、種箱に添加する第二の添加工程を備えることを特徴とする新聞用紙の製造方法(特許文献7)が開示されている。
特公平5−40077号 特許第2588211号 特公平6−2581号 特許第2512612号 特許第2639258号 特開2000−203832号 特開2005−15976号
特許文献1と特許文献2に記載の発明は、炭酸カルシウムを着色していないので、炭酸カルシウムの添加量が多い場合、新聞用紙などの白色度の低いものに適用すると白色度の調整が困難になることが予想される。特許文献3〜5は、着色紙の製造のための填料の製造方法であって、新聞用紙への利用方法は具体的に検討されていない。特許文献6は、着色合成炭酸カルシウムの製造方法であって、新聞用紙の色相に与える影響についての記述はなく、特許文献7は、填料が新聞用紙の色相に与える影響についての記述はない。
本発明は、上記のような状況から、填料高添加で印刷後不透明度が高く、しかも白色度と色相の調整が容易な新聞用紙の製造方法及び新聞用紙を提供することを課題とする。
上記の目的は以下の発明によって達成される。
(1)紙料に填料が定量添加されて抄紙された原紙に、表面処理剤を塗工、乾燥してなる新聞用紙の製造方法において、前記填料が黄色系着色料により白色度60〜85%に着色されており、紙料に青色系着色料を添加することにより、白色度と色相が調整されることを特徴とする白色度が50〜65%の新聞用紙の製造方法。
(2)前記填料が炭酸カルシウムであり、塩化鉄(III)により着色されていることを特徴とする(1)に記載の新聞用紙の製造方法。
(3)表面処理剤に顔料を含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の新聞用紙の製造方法。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法によって得られる新聞用紙。
本発明によると、印刷後不透明度が高い新聞用紙で、しかも白色度と色相の調整が容易な新聞用紙の製造方法及び新聞用紙を提供することができる。
本発明者等は、新聞用紙の製造方法において、填料を着色して紙料に添加することに着目し、その最適な着色方法や新聞用紙の白色度と色相の調整方法について、鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
本発明にかかる新聞用紙の製造方法及び新聞用紙にかかわる実施形態について詳細に説明する。
まず、原料パルプとして化学パルプ(針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹晒クラフトパルプなど)、機械パルプ(グラウンドウッドパルプ、リファイナーグラウンドウッドパルプ、プレッシャーライズドグラウンドウッドパルプ、サーモメカニカルパルプなど)、古紙パルプ(新聞古紙脱墨パルプなど)の1種以上が適宜混合されて、紙料の調成が行なわれる。次いで、紙料に白色度が60〜85%に着色された填料が添加され、さらに必要に応じて、紙力増強剤、歩留り向上剤、サイズ剤、耐水化剤などの一般に公知公用の抄紙用薬品が添加される。
新聞用紙の白色度と色相は、前述した着色された填料とは別に、紙料に内添する着色料によって調整されており、抄紙された新聞用紙の白色度と色相を測定して、紙料に内添する着色料の添加量が増減されている。
本発明の新聞用紙の製造方法に使用される填料は、主成分が白色度60〜85%に着色されている。ここで、填料を着色する着色料としては、例えば、塩基性染料や、酸性染料、アニオン性直接染料、カチオン性直接染料等の染料や、無機顔料または有機顔料等の着色顔料が挙げられ、填料を着色する作用のある金属化合物なども使用できる。
填料の着色方法は、特に限定されないが、水酸化カルシウムと染料を含有するスラリーに炭酸ガスを導入する(特公平6−2581号)、炭酸カルシウムと染料を水に添加し、水酸化カルシウムを加えてpHを10.0〜12.5に維持する(特許第2639258号)、水酸化カルシウムを含有するスラリーに染料を加え、これに炭酸ガスを導入して着色炭酸カルシウムを製造するに際し、精製した着色炭酸カルシウムスラリーに水酸化カルシウムを加えてスラリーのpHを9.5以上にする(特許第2512612号)。などの着色料として水溶性染料を使用したものがある。また、着色料として金属化合物を使用したものとしては、水酸化カルシウムスラリーの炭酸化反応により炭酸カルシウム複合体を製造する方法であって、その炭酸化反応過程で金属化合物を添加する方法(特開2000−203832号)などがある。
填料の着色方法は、これらのいずれも適用できるが、着色された填料は耐光性や耐水性(水中で色落ちしないこと)が良いことが好ましい。
本発明の新聞用紙の製造方法に使用される填料は、白色度60〜85%に着色されている。填料の白色度が60%より低いと新聞用紙の白色度が低くなり白色度の調整が難しくなる。填料の白色度が85%より高いと、新聞用紙の白色度を50〜65%の範囲に調整するために、紙料に内添する着色料の添加量が多くなり、新聞用紙の白色度の調整が難しくなる。また、填料添加率の少ない品種から多い品種へ生産品種を変更する際などに白色度と色相の変化が大きく、白色度と色相の調整による生産ロスが大きくなる。
使用する填料としては、新聞用紙において必要とされる印刷後不透明度を満足させるため、光散乱係数や吸油量の高い填料を使用するのが好ましい。
使用する填料としては、特に炭酸カルシウムが好ましい。炭酸カルシウムには、重質炭酸カルシウムと軽質炭酸カルシウムがあるが、軽質炭酸カルシウムは、各種の粒子形状や吸油量などの特性を有するものが使用できるので好ましく、結晶形態はカルサイト、アラゴナイトのいずれでも良く、形状については針状、柱状、紡錘状、立方体状、ロゼッタ型のいずれでも良い。軽質炭酸カルシウムは石灰石を焼成して得られる生石灰と炭酸ガスを精製し、生石灰を水に溶かして石灰乳とし、その中に炭酸ガスを吹き込んで作る炭酸ガス化合法又は、石灰乳や塩化カルシウム溶液と炭酸ソーダを反応させて作る炭酸塩溶液化合法によって、合成された炭酸カルシウムで、合成反応の条件によってその結晶形状や粒子径を調整することが出来る。
本発明では、前述した着色された填料を主体に使用するが、その他、一般に使用されている公知公用の製紙用填料を併用することも可能である。
本発明では、新聞用紙を目標の白色度と色相とするため、着色された填料とは別に、紙料に着色料が添加される。紙料に添加する着色料としては、塩基性染料、酸性染料、アニオン性直接染料、カチオン性直接染料などの染料や、カーボンブラックなどの黒色顔料が使用できる。
填料の着色と、紙料の着色について、使用する着色料をどのような組み合わせとするか検討する必要があるが、JISZ8729による色相b*を増加させる着色料により填料が着色されていることが好ましい。ここで、紙の色相表示に使用されているL*a*b*表色系では、b*が高くなると黄味が上がり、b*が低くなると黄味が下がる。なお、L*は明度指数をあらわし、+の値が明、−の値が暗、a*,b*はそれぞれ彩度を表し、a*は+が赤、−が緑、b*は+が黄、−が青を表わす。(JISZ8729参照)
一般的に、新聞用紙を目標の白色度と色相にするには、予め、パルプの白色度を目標とする新聞用紙の白色度よりやや高目に近づけておき、調成工程で着色料を用いて白色度と色相(L*、a*、b*)を調整している。このとき、b*の違いが比較的視覚に大きく影響するので、b*を高い精度で調整する必要がある。したがって、まずL*とa*の変化が少なく、かつb*を大きく変化させる着色料で調整するのが好ましく、この場合でもb*を増加させる黄色系着色料とb*を減少させる青色系着色料を組み合わせて使用するのが好ましい。その後、a*を調製することになる。
本発明の新聞用紙の製造方法では、黄色系着色料により着色された填料を添加する。この理由は填料が紙の強度や光学特性に影響を及ぼすために定量添加となるため、黄色系着色料に比べL*に影響を与える青色系着色料を填料の着色に用いると、予期しない古紙パルプの色相変動などによって新聞用紙のL*が低下した場合、新聞用紙のb*を目標値に合わせようとしてもL*が目標値より低くなる可能性が生じる。このような場合、着色料ではL*を上げることができず、紙料に添加する着色料の添加量の増減により新聞用紙の白色度と色相を目標値に合わせることができなくなるからである。
一般の新聞用紙の色調では、黄色系着色料により着色された填料を添加した時点で、目標の色相に比べb*が+方向に位置するため、目標の新聞用紙の白色度と色相にあわせるため、青色系着色料を紙料に添加することになる。
さらに、填料の色相b*を増加させる黄色系着色料として、塩化鉄(III)を使用するのが好ましい。この理由は、填料への定着が良好であり、容易に入手できるためである。
着色された填料の添加場所は、パルプと十分に混合される場所であればよく、配合機、配合チェスト、マシンチェスト、ファンポンプなどのうちの1箇所または2箇所以上で添加することができる。
紙料に添加する着色料も同様にパルプと十分に混合される場所のうち、1箇所または2箇所以上で添加できるが、より抄紙機に近い箇所に添加すると着色料の添加量を調整した場合の紙の色相の応答が速いという点で好ましい。このような添加場所にする場合は着色料がパルプへ定着する時間が短くなるので、塩基性染料やカチオン性直接染料などのパルプへの自己定着性の高い着色料を使用するのが好ましい。
本発明では、紙料に白色度60〜85%に着色された填料が添加されているので、紙料に添加する着色料が少量でよく、新聞用紙の白色度と色相の調整が容易となる。また、生産品種を変更する際、例えば填料の添加率が大きく異なる品種へ変更するときに、白色度や色相の変化が少ないので、白色度や色相の調整による生産ロスを少なくすることができる。
上記のようにして得られた原紙に、接着剤を主成分とする表面処理剤を塗工、乾燥する。接着剤としては澱粉類が好ましい。澱粉類は、親水性成分である繊維との接着能力が高く、塗工量が少ない場合において紙表面から脱落し易い微細繊維なども強力に接着するため好ましい。前記澱粉類としては、酵素変性澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、疎水化澱粉などが例示される。なお、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースなどの水溶性セルロース化合物、ポリビニルアルコール化合物やポリアクリルアミド類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白質類やラテックス類などの通常の塗工紙用接着剤を一種類以上併用しても良い。
また、印刷後不透明度を向上させるため、表面処理剤に接着剤とともに顔料を含ませてもよい。この場合、良好な塗工適性と印刷作業性を提供する上で、接着剤の配合を顔料100質量部に対する接着剤の比率が乾燥質量で30質量部以上とする。接着剤の配合比が規定量より低いとパイリングなどに代表される表面強度に纏わるトラブルが起こるおそれがある。使用する顔料としては、例えば、二酸化チタン、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、焼成カオリン、カオリンなどがあるが、二酸化チタン、ホワイトカーボンは高価であり、炭酸カルシウム、焼成カオリン、カオリンを単独あるいは併用して用いるのが好ましい。
表面処理剤を新聞用紙へ塗工するための装置としては、特に限定されるものではないが、例えばツーロールサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどのロールコーター、トレーリング、フレキシブル、ロールアプリケーション、ファウンテンアプリケーション、ショートドゥエルなどのベベルタイプやベントタイプのブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、グラビアコーターなどの公知公用の装置が適宜使用される。なお、表面処理剤組成物を塗工後の湿潤塗工層を乾燥する方法としては、例えば、蒸気乾燥、ガスヒーター乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥などの各種方式が採用できる。
本発明の新聞用紙の製造に関しては、塗工層を形成後に、各種キャレンダー装置にて平滑化処理が施されているが、かかるキャレンダー装置としては、スーパーキャレンダー、ソフトキャレンダー、グロスキャレンダー、コンパクトキャレンダー、マットスーパーキャレンダー、マットキャレンダーなどの一般に使用されているキャレンダー装置が適宜使用される。キャレンダー仕上げ条件としては、剛性ロールの温度、キャレンダー圧力、ニップ数、ロール速度、キャレンダー前水分などが要求される品質に応じて適宜選択される。キャレンダー装置の材質は、剛性ロールでは、金属もしくは、その表面に硬質クロムメッキなどで鏡面処理したロールである。また弾性ロールはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリレート樹脂などの樹脂ロール、コットン、ナイロン、アラミド樹脂などを成形したロールが適宜使用される。なお、キャレンダーによる仕上げ後の塗工紙の調湿、加湿のための水塗り装置、静電加湿装置、蒸気加湿装置などを適宜組み合わせて使用することも可能である。
本発明の新聞用紙は、JISP8148:2001「紙、板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」に準じて測定した白色度が50〜65%とされており、好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上とされている。白色度は高いほうが印刷発色コントラストを得られるためカラー印刷では特に高いほうがよい。またJAPAN
TAPPINo.45:2000に準じて測定した印刷後不透明度は90%以上が好ましい。これも高いほうがよい。印刷後不透明度が低いと両面に印刷を行う新聞用紙の場合には裏面の印刷品質を低下させるため好ましくない。そのほか、この原紙の物性は浸透乾燥性インクをコールドセット型高速輪転機で印刷できるに足るものである必要がある。また、引裂強さ、伸び、サイズ度等も、一般の新聞用紙並みの物性を有するものであればよい。
このようにして、本発明の新聞用紙の製造方法及び新聞用紙が得られる。
実験例
次に実験例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、特に断りのない限り、%は固形分質量%を、部は固形分質量部、ppmは質量基準で表す。
実験例1(紙の着色試験)
(実験例1−1)
新聞古紙脱墨パルプ80質量部とサーモメカニカルパルプ20質量部をパルプ原料として使用し、パルプ原料100%に対し、填料として軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパール121−6S、奥多摩工業製)を4%、硫酸バンド2%(有姿)、歩留向上剤0.01%(商品名:ハイモロックDR−8500:ハイモ製)を添加して、手抄シートを作製した。なお、パルプへの薬品添加順序:填料→硫酸バンド→歩留向上剤としている。
(実験例1−2)
予め、軽質炭酸カルシウムに黒色着色料(商品名:ダイレクトペーパーブラックDXL、日本化学工業所製)を1000ppm(対絶乾パルプ)添加して着色し、紙料に添加した以外は実験例1−1と同様に手抄シートを作製した。
(実験例1−3)
予め、軽質炭酸カルシウムに黒色着色料(商品名:ダイレクトペーパーブラックDXL、日本化学工業所製)を2500ppm(対絶乾パルプ)添加して着色し、紙料に添加した以外は実験例1−1と同様に手抄シートを作製した。
(実験例1−4)
予め、軽質炭酸カルシウムに黄色系着色料(塩化鉄(III)六水和物、和光純薬工業製
和光一級)を2000ppm(対絶乾パルプ)添加して着色し、紙料に添加した以外は実験例2−1と同様に手抄シートを作製した。
(実験例1−5)
予め、軽質炭酸カルシウムに青色系着色料(商品名:メチルバイオレットPSL、保土谷化学工業製)を60ppm(対絶乾パルプ)添加して着色し、紙料に添加した以外は実験例1−1と同様に手抄シートを作製した。
(実験例1−6)
予め、軽質炭酸カルシウムに黄色系着色料(塩化鉄(III)六水和物、和光純薬工業製
和光一級)を2000ppm(対絶乾パルプ)、青色系着色料(商品名:メチルバイオレットPSL、保土谷化学工業製)を60ppm(対絶乾パルプ)添加して着色し、紙料に添加した以外は実験例1−1と同様に手抄シートを作製した。
実験例1−1から実験例1−6で得られた手抄きシートの白色度と色相を測定した結果を表1に示す。
Figure 0005365898
黒色着色料を使用した実験例1−3と青色系着色料を使用した実験例1−5を比べると、色相の変化L*がほぼ同等であるのに対して、実験例1−5の方がb*が大きく減少しており、青色系着色料の方がb*を減少させるのに有効であることがわかる。また、黄色系着色料を使用した実験例1−4はb*が増加しており、b*を増加させるのに有効であることがわかる。
実験例1−6は実験例1−3と白色度が同等になるようにした例であり、黒色着色料を使用しても、黄色系着色料と青色系着色料を組み合わせても近い色相が得られることを示している。実験例1−1、実験例1−2、実験例1−3からわかるように、黒色着色料を添加すると、L*とb*が大きく変化するので、L*あるいはb*を単独で調整することが出来ないが、黄色系着色料と青色系着色料を組み合わせることで、L*あるいはb*を単独で調整することが可能であり、白色度と色相の調整が容易になるといえる。
実験例1−4、実験例1−5、実験例1−6のL*を比較すると、黄色系着色料を使用した実験例1−4はL*が82.7で、実験例1−6のL*79.9と離れているが、青色系染料を使用した実験例1−5では、L*が80.1と実験例1−6のL*に接近している。このことは、系着色料で白色度と色相の調整を行うと、予期しない古紙パルプの色相変動などによって新聞用紙のL*が低下した場合、新聞用紙のb*を目標値に合わせようとするとL*が目標値より低くなり、白色度と色調を目標値に合わせることができなくなることを示している。したがって、黄色系着色料を使用するより青色系着色料を使用して白色度と色相を調整するのが有利であるといえる。
実験例2(填料の着色試験)
(実験例2−1)
軽質炭酸カルシウムのスラリー(商品名:タマパール121−6S、奥多摩工業製
を濃度15%としたもの)を濾紙で濾過して、粉体の白色度と色相を測定した。
(実験例2−2)
軽質炭酸カルシウムのスラリーに、黒色着色料(商品名:ダイレクトペーパーブラックDXL、日本化学工業所製)を、軽質炭酸カルシウムに対し2000ppm添加し、10分後、濾紙で濾過して粉体の白色度と色相を測定した。
(実験例2−3)
軽質炭酸カルシウムのスラリーに、黄色系着色料(商品名:バサゾールイエロー46D、ビーエーエスエフジャパン製)を、軽質炭酸カルシウムに対し2000ppm添加し、10分後、濾紙で濾過して粉体の白色度と色相を測定した。
(実験例2−4)
軽質炭酸カルシウムのスラリーに、黄色系着色料(塩化鉄(III)六水和物、和光純薬工業製和光一級)を、軽質炭酸カルシウムに対し2000ppm添加し、10分後、濾紙で濾過して粉体の白色度と色相を測定した。
実験例2−1〜実験例2−4で得られた炭酸カルシウムの白色度と色相の測定結果を表1に示す。
Figure 0005365898
実験例2から、軽質炭酸カルシウムの白色度を低下させb*を増加させる着色料として、塩化鉄(III)が有利であることがわかる。
なお、実験例1、実験例2における、白色度と色相の測定方法は次のとおりである。
(白色度)JISP8148:2001「紙、板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法」に準じて測定した。
(色相)JISZ8729:2004「色の表示方法−L*a*b*表色系及びL*u*v*表示系」に準じて測定した。
実験例1、実験例2の結果をまとめると次のことがいえる。
▲1▼黄色系着色料が、b*を増加させるのに有利である。
▲2▼青色系着色料が、b*を減少させるのに有利である。
▲3▼黄色系着色料と青色系着色料を組み合わせることで、L*あるいはb*を単独で調整することが可能であり、白色度と色相の調整が容易になる。
▲4▼黄色系着色料の添加率を増減させるより青色系着色料の添加率を増減させることによって、白色度と色相を調整するのが有利である。
▲5▼軽質炭酸カルシウム(填料)の白色度を低下させb*を増加させる着色料として、塩化鉄(III)が有利である。
これらの結果を本発明の技術思想である填料を着色して紙料に添加すること、に適用すると、黄色系着色料(b*を増加させる着色料)により填料を着色して紙料に定量添加し、青色系着色料を紙料に添加して添加率を増減させることにより新聞用紙の白色度と色相を調整することによって、新聞用紙の白色度と色相の調整が容易となることがわかる。さらに、填料のb*を増加させる着色料として塩化鉄(III)が好ましいことがわかる。
本発明の新聞用紙の製造方法によれば、紙料に白色度60〜85%に着色された填料が添加されているので、紙料に添加する着色料が少量でよく、新聞用紙の白色度と色相の調整が容易となる。また、生産品種を変更する際、例えば填料の添加率が大きく異なる品種へ変更するときに、白色度や色相の変化が少ないので、白色度や色相の調整による生産ロスを少なくすることができる。

以上

Claims (4)

  1. 紙料に填料が定量添加されて抄紙された原紙に、表面処理剤を塗工、乾燥してなる新聞用紙の製造方法において、前記填料が黄色系着色料により白色度60〜85%に着色されており、紙料に青色系着色料を添加することにより、白色度と色相が調整されることを特徴とする白色度が50〜65%の新聞用紙の製造方法。
  2. 前記填料が炭酸カルシウムであり、塩化鉄(III)により着色されていることを特徴とする請求項1に記載の新聞用紙の製造方法。
  3. 表面処理剤に顔料を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の新聞用紙の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって得られる新聞用紙。
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