JPH0734271U - ソレノイド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ソレノイドバルブ等に用いるソレノイドに関
し、作動性の向上を図る。 【構成】 可動部材５を固定部材４から離間する方向に
付勢する付勢手段１６をロッド６に当接させると共に、
ロッド６と前記可動部材５をソレノイド本体１Ａオフ時
自由状態としたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、たとえばソレノイドバルブ等に用いられるソレノイドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種のソレノイドとしては、たとえば図２に示すようなソレノイドバ ルブに用いられるソレノイドがある。このソレイド１００は、内部にガイド孔１ ０２を有するソレノイド本体１０１と、ソレノイド本体１０１のガイド孔１０２ にスリーブ１０６を介して摺動自在に挿入される磁性体製の可動部材１０４と、 可動部材１０４と対向して同軸的に設けられた磁性体製の固定部材１０３と、可 動部材１０４に当接して設けられ、固定部材１０３から可動部材１０４を離間す る方向に付勢する付勢手段１０９と、可動部材１０４に前記固定部材１０３の反 対側に一体的に作動連結されたロッド１０５とを備えている。

【０００３】 ソレノイド本体１０１には弁本体１０１Ａが一体的に設けられている。この弁 本体１０１Ａは、弁体１０７と、弁体１０７が接離する弁座１１０と、弁座１１ ０に開口する流体圧を入力する入力ポート１１１と、流体圧を外部に出力する出 力ポート１１２とを備えている。

【０００４】 ソレノイド本体１０１オフ時は、付勢手段１０９の付勢力により可動部材１０ ４に作動連結されたロッド１０５の先端が、弁本体１０１Ａ内に設けられている インナーシール１０８の貫通孔を介して弁体１０７を押圧する。そのため、弁体 １０７は、弁座１１０と接することになり、入力ポート１１１は閉じられている 。

【０００５】 一方、ソレノイド本体１０１オン時は、付勢手段１０９の付勢力に抗して可動 部材１０４が固定部材１０３側に磁気吸引されるので、可動部材１０４に作動連 結されているロッド１０５は弁体１０７から離間し、弁体１０７は入力ポート１ １１からの流体圧によって入力ポート１１１は開かれる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来技術の場合では、可動部材１０４は付勢手段１０ ９に当接した状態より付勢手段１０９の付勢力に抗して移動開始するため、移動 し始めではスリーブ１０６との摺動抵抗が大きく、ソレノイド本体１０１として 磁気吸引力に余裕がなかったため、作動不良が頻発していた。

【０００７】 本考案は上記した従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的 とするところは、作動性の向上を図り得るソレノイドを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案にあっては、内部にガイド孔を有するソレ ノイド本体と、ソレノイド本体のガイド孔に摺動自在に挿入される磁性体製の可 動部材と、該可動部材と対向して同軸的に設けられた磁性体製の固定部材と、該 固定部材から前記可動部材を離間する方向に付勢する付勢手段と、前記可動部材 に作動連結されたロッドとを備えて成り、前記ソレノイド本体オン時、前記付勢 手段の付勢力に抗して前記ロッドが作動連結された可動部材を前記固定部材に磁 気吸引するソレノイドにおいて、前記付勢手段を前記ロッドに当接させると共に 、該ロッドと前記可動部材を前記ソレノイド本体オフ時自由状態としたことを特 徴とする。

【０００９】

【作用】

上記構成のソレノイドにあっては、ソレノイド本体オフ時、可動部材は、可動 部材を固定部材から離間する方向に付勢する付勢手段を当接させたロッドと自由 状態となっているため、ソレノイド本体オン時は、可動部材は付勢手段の付勢力 が作用していない自由状態より移動し始め、その後可動部材とロッドが作動連結 されてロッドと共に移動する。

【００１０】

【実施例】

以下に本考案を図示の実施例に基づいて説明する。本考案の一実施例に係るソ レノイドを示す図１において、１はソレノイドバルブに用いられたソレノイドを 示しており、概略、内部にガイド孔１７を有するソレノイド本体１Ａと、ソレノ イド本体１Ａのガイド孔１７の中径部１７Ａにスリーブ７を介して摺動自在に挿 入される磁性体製の可動部材としてのプランジャ５と、プランジャ５に作動連結 されるロッド６と、プランジャ５と対向して同軸的に設けられる磁性体製の固定 部材としてのセンタポスト４と、ロッド６に当接して設けられるプランジャ５を センタポスト４から離間する方向に付勢する付勢手段としてのスプリング１６と 、ソレノイド本体１Ａと一体的に設けられている弁本体２とから構成されている 。

【００１１】 ソレノイド本体１Ａは、両端を開口するケース３と、そのケース３内に収納さ れる軸方向に貫通するガイド孔１７を有するボビン９に巻き付けられたコイル１ ２と、ケース３の一方の開口端部側のボビン９に埋設された磁路をケース３に案 内するサイドプレート１１とから成っている。

【００１２】 ボビン９は、弁本体２と連続して一体的となっており、ガイド孔１７は弁本体 ２にも通じており軸方向に貫通して形成されている。このガイド孔１７は、段付 で、弁本体２の反対側から、順に、孔径が大，中，小となっており、大径部１７ Ｄはセンタポスト４をガイドするもので、中径部１７Ａはスリーブ７を介してプ ランジャ５をガイドするもので、そして弁本体２の部分が小径部１７Ｂとなって いる。

【００１３】 サイドプレート１１は、外向きのフランジ部１１Ｂを有する円筒状部材で、そ の円筒部１１Ａはコイル１２の内周側に埋設され、内径はガイド孔１７の中径部 １７Ａの内径とほぼ同一と成っており、その円筒部１１Ａの内周面と中径部１７ Ａの内周面にスリーブ７が配設されている。また、フランジ部１１Ｂの外周面は 、ケース３の内周面に当接している。

【００１４】 そして、スリーブ７内に摺動自在にプランジャ５が摺動自在に挿入され、その プランジャ５と対向して同軸的にセンタポスト４が設けられている。このセンタ ポスト４は、外向きのフランジ部４１を有する断面Ｔ字形状で、その棒部４２が ガイド孔１７の大径部１７Ｄに挿入されており、フランジ部４１の端面がボビン ９の端面にシム１０を介して当接してケース３の一方の開口端部にてカシメ固定 され、位置決めされている。尚、ボビン９はケース３の他方の開口端部にてスペ ーサ１５を介してカシメ固定されている。そして、棒部４２には、中心軸線上に 貫通する流体圧を排出するためのドレインポート１９が形成されている。

【００１５】 一方、プランジャ５は、断面略コ字形状で、その外周面にはプランジャ５の両 端面側の流体を許容する通路５３を有し、内部にはセンタポスト４側を開口する 凹部５２を有し、その底部を中心軸線上に貫通する貫通孔５１が形成されている 。

【００１６】 このロッド６は、プランジャ５と別体で、ロッド部６２と、その一端に形成さ れた外向きのフランジ部６１とから成っており、フランジ部６１がプランジャ５ の凹部５２内に位置し、ロッド部６２の先端がプランジャ５の貫通孔５１を介し て弁本体２の小径部１７Ｂ内に臨んでいる。そして、ロッド６のロッド部６２と プランジャ５の貫通孔５１との間は所定間隙を有しており、ロッド６は貫通孔５ １に対して往復動自在になっている。つまり、プランジャ５とロッド６とは自由 状態になっている。

【００１７】 そして、プランジャ５の凹部５２内にプランジャ５をセンタポスト４から離間 する方向に付勢するためのスプリング１６が設けられている。このスプリング１ ６は、一端がセンタポスト４の端面に当接し、他端が凹部５２内に配置されてい るロッド６のフランジ部６１の端面に当接してロッド６をセンタポスト４から離 間する方向に付勢している。ロッド６とプランジャ５とは自由状態であるため、 プランジャ５の凹部５２の底面にロッド６のフランジ部６１の端面が当接するこ とによて、プランジャ５にスプリング１６のスプリング力がセンタポスト４から 離間する方向に作用する。

【００１８】 一方、弁本体２は、ガイド孔１７の小径部１７Ｂに挿入される弁体としてのボ ール８と、ボール８が接離する弁座であるバルブシート１３と、バルブシート１ ３に開口する流体圧を入力する入力ポート１３Ａと、流体圧を外部に出力する弁 本体２を径方向に貫通する出力ポート１８と、ガイド孔１７の小径部１７Ｂのプ ランジャ５側に流体密に挿入されるインナーシール１４とを備えている。

【００１９】 バルブシート１３は、リング状部材で、ガイド孔１７の小径部１７Ｂの軸方向 出力ポート１８よりもガイド孔１７の開口端部側に設けられた嵌合部１７Ｃに固 定されている。

【００２０】 インナーシール１４は、外向きのフランジ部１４Ａを有する円筒状部材となっ ており、フランジ部１４Ａの端面がガイド孔１７の中径部１４Ａと小径部１４Ｂ との段部に当接して円筒部１４Ｂが小径部１４Ｂ内に挿入されている。そして、 円筒部１４Ｂの内周にロッド６のロッド部６２が往復動自在に挿入されている。

【００２１】 このように構成されたソレノイドバルブ１は次のように作動する。

【００２２】 ソレノイド本体１Ａオフ時は、ロッド６のフランジ部６１に当接して設けられ ているスプリング１６のスプリング力によってロッド部６２の先端を介してボー ル８を押圧するため、ボール８はバルブシート１３に接し、入力ポート１３Ａは 閉じられている。このとき、ロッド６のフランジ部６１の端面とプランジャ５の 凹部５２内の底面との間に隙間が生じるように設定されており、ロッド６とプラ ンジャ５とは自由状態になっている。

【００２３】 一方、ソレノイド本体１Ａオン時は、オフ時にロッド６とプランジャ５とが自 由状態となっているので、まずプランジャ５のみがセンタポスト４に磁気吸引さ れ、上記設定された隙間がなくなったときロッド６のフランジ部６１に当接して ロッド６が作動連結されてプランジャ５がロッド６と共に、スプリング１６のス プリング力に抗してセンタポスト４側に移動する。この移動により、プランジャ ５に作動連結されたロッド６のロッド部６２の先端はボール８から離間し、ボー ル８は入力ポート１３Ａからの流体圧によって入力ポート１３Ａが開かれ、入力 ポート１３Ａと出力ポート１８とが連通して流体圧が出力ポート１８を介して外 部に出力される。

【００２４】 上記構成のソレノイドにあっては、ソレノイド本体１オフ時、プランジャ５と ロッド６はスプリング１６のスプリング力が作用していない自由状態となってい ることから、ソレノイド本体１オン時、プランジャ５は自由状態より移動し始め 、その後プランジャ５が、ロッド６のフランジ部６１に当接してプランジャ５に スプリング１６のスプリング力が作用するが、移動している状態で作用すること になるので、動き始めの時と比べ、スリーブ６との摺動抵抗は小さくなる（静摩 擦係数＞動摩擦係数の関係より）。よって、従来技術と同じ磁気吸引力でも作動 性の向上を図ることができる。

【００２５】 上記実施例では、可動部材としてのプランジャ５がガイド孔１７の中径部１７ Ａにスリーブ７を介して摺動するものを例にとって説明したが、スリーブ７を介 さずにガイド孔に摺動する場合も同様に適用することができる。

【００２６】

【考案の効果】

本考案は、以上の構成および作用を有するもので、ソレノイド本体オフ時、可 動部材は、可動部材を固定部材から離間する方向に付勢する付勢手段を当接させ たロッドと自由状態となっているので、ソレノイド本体オン時は、可動部材は付 勢手段の付勢力が作用していない自由状態より移動し始めることになり、その後 ロッドと作動連結されて可動部材に付勢力が作用するが、移動している状態で作 用することになるので、動き始めの時と比べ、ガイド孔との摺動抵抗は小さくな る。このように摺動抵抗が小さくなるので、従来技術と同じ磁気吸引力でも作動 性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の一実施例に係るソレノイドを適
用したソレノイドバルブの全体縦断面図である。

【図２】図２は従来のソレノイドを適用したソレノイド
バルブの全体縦断面図である。

【符号の説明】

１ ソレノイド １Ａ ソレノイド本体 ２ 弁本体 ３ ケース ４ センタポスト（固定部材） ４１ フランジ部 ４２ 円筒部 ５ プランジャ（可動部材） ５１ 貫通孔 ５２ 凹部 ５３ 通路 ６ ロッド ６１ フランジ部 ６２ ロッド部 ７ スリーブ ８ ボール ９ ボビン １０ シム １１ サイドプレート １１Ａ 円筒部 １１Ｂ フランジ部 １２ コイル １３ バルブシート １３Ａ 入力ポート １４ インナーシート １４Ａ フランジ部 １４Ｂ 円筒部 １５ スペーサ １６ スプリング（付勢手段） １７ ガイド孔 １７Ａ 中径部 １７Ｂ 小径部 １７Ｃ 嵌合部 １７Ｄ 大径部 １８ 出力ポート １９ ドレインポート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部にガイド孔を有するソレノイド本体
   と、 該ソレノイド本体のガイド孔に摺動自在に挿入される磁
   性体製の可動部材と、 該可動部材と対向して同軸的に設けられた磁性体製の固
   定部材と、 該固定部材から前記可動部材を離間する方向に付勢する
   付勢手段と、 前記可動部材に作動連結されたロッドとを備えて成り、 前記ソレノイド本体オン時、前記付勢手段の付勢力に抗
   して前記ロッドが作動連結された可動部材を前記固定部
   材に磁気吸引するソレノイドにおいて、 前記付勢手段を前記ロッドに当接させると共に、該ロッ
   ドと前記可動部材を前記ソレノイド本体オフ時自由状態
   としたことを特徴とするソレノイド。