JPH0733858A - エポキシ樹脂組成物、その硬化物および半導体装置 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物、その硬化物および半導体装置Info
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- JPH0733858A JPH0733858A JP15658593A JP15658593A JPH0733858A JP H0733858 A JPH0733858 A JP H0733858A JP 15658593 A JP15658593 A JP 15658593A JP 15658593 A JP15658593 A JP 15658593A JP H0733858 A JPH0733858 A JP H0733858A
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- JP
- Japan
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- epoxy resin
- resin composition
- imide
- resin
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- Epoxy Resins (AREA)
- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 (A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有
するエポキシ樹脂と(B)式(I)で表される軟化点6
0〜140℃、平均分子量350〜5000、イミド基
/水酸基モル比3:97〜80:20の範囲にあるイミ
ド基含有フェノール樹脂をベースとする硬化剤とを配合
して成るエポキシ樹脂組成物、これを用いる半導体封止
用樹脂組成物および半導体装置。 【効果】 耐熱性、耐湿性に優れたエポキシ樹脂組成
物、これを用いた信頼性の高い半導体装置を提供する。
するエポキシ樹脂と(B)式(I)で表される軟化点6
0〜140℃、平均分子量350〜5000、イミド基
/水酸基モル比3:97〜80:20の範囲にあるイミ
ド基含有フェノール樹脂をベースとする硬化剤とを配合
して成るエポキシ樹脂組成物、これを用いる半導体封止
用樹脂組成物および半導体装置。 【効果】 耐熱性、耐湿性に優れたエポキシ樹脂組成
物、これを用いた信頼性の高い半導体装置を提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、注型、積層、接着、成
形、封止、複合材等の用途に対する耐熱性、耐湿性に優
れたエポキシ樹脂組成物およびその硬化物に関し、特
に、半導体装置封止用として好適なエポキシ樹脂組成
物、その硬化物、それを用いた半導体装置に関する。
形、封止、複合材等の用途に対する耐熱性、耐湿性に優
れたエポキシ樹脂組成物およびその硬化物に関し、特
に、半導体装置封止用として好適なエポキシ樹脂組成
物、その硬化物、それを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール系樹脂を耐熱性複合材用マト
リックス樹脂や耐熱性成形材料などに利用することは、
近年、ますます多種多様化され、工業的に重要になって
きている。これらの先端分野では、フェノール樹脂自体
に高度な性能が求められる。例えば、IC封止材分野で
は、エポキシ樹脂として、または、その硬化剤として利
用され、全体として、接着性、耐熱性、耐湿性等に高い
性能が求められている。従来、この分野のフェノール系
樹脂としては、オルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂とフェノールノボラック樹脂を硬化剤とする組み合
わせが主流であった。
リックス樹脂や耐熱性成形材料などに利用することは、
近年、ますます多種多様化され、工業的に重要になって
きている。これらの先端分野では、フェノール樹脂自体
に高度な性能が求められる。例えば、IC封止材分野で
は、エポキシ樹脂として、または、その硬化剤として利
用され、全体として、接着性、耐熱性、耐湿性等に高い
性能が求められている。従来、この分野のフェノール系
樹脂としては、オルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂とフェノールノボラック樹脂を硬化剤とする組み合
わせが主流であった。
【0003】近年、電子部品のプリント配線板への高密
度実装化が進むにつれ、電子部品は、従来のピン挿入型
パッケージから、表面実装型のパッケージが主流になっ
てきている。IC、LSIなどの表面実装型ICは、実
装密度を高くし、実装高さを低くするために、薄型、小
型のパッケージになってきており、素子のパッケージに
対する占有体積が大きくなり、パッケージの肉厚は非常
に薄くなってきた。さらに、これらのパッケージは、従
来のピン挿入型のものと実装が異なっている。即ち、ピ
ン挿入型パッケージは、ピンを配線板に挿入した後、配
線板裏面からはんだ付けを行うために、パッケージが直
接高温にさらされることがなかった。しかし、表面実装
型ICは、配線板表面に仮止を行い、はんだバスやリフ
ロー装置などで処理されるため、直接はんだ付け温度に
さらされる。現在、ICパッケージを配線板に実装する
場合、IRリフローによる方法が主流となっているが、
この方法による適用温度は215℃程度が一般的であ
る。しかしながら、生産性の改善に伴い、はんだ付け温
度は、240℃〜265℃とより高温度での処理が求め
られており、このような高温度領域での使用において
は、ベース樹脂の耐湿性や耐熱性が極めて重要である。
度実装化が進むにつれ、電子部品は、従来のピン挿入型
パッケージから、表面実装型のパッケージが主流になっ
てきている。IC、LSIなどの表面実装型ICは、実
装密度を高くし、実装高さを低くするために、薄型、小
型のパッケージになってきており、素子のパッケージに
対する占有体積が大きくなり、パッケージの肉厚は非常
に薄くなってきた。さらに、これらのパッケージは、従
来のピン挿入型のものと実装が異なっている。即ち、ピ
ン挿入型パッケージは、ピンを配線板に挿入した後、配
線板裏面からはんだ付けを行うために、パッケージが直
接高温にさらされることがなかった。しかし、表面実装
型ICは、配線板表面に仮止を行い、はんだバスやリフ
ロー装置などで処理されるため、直接はんだ付け温度に
さらされる。現在、ICパッケージを配線板に実装する
場合、IRリフローによる方法が主流となっているが、
この方法による適用温度は215℃程度が一般的であ
る。しかしながら、生産性の改善に伴い、はんだ付け温
度は、240℃〜265℃とより高温度での処理が求め
られており、このような高温度領域での使用において
は、ベース樹脂の耐湿性や耐熱性が極めて重要である。
【0004】ベース樹脂のエポキシ樹脂組成物では、一
般に耐湿性と耐熱性は相反する関係にある。即ち、耐熱
性を向上させるために架橋密度を増加させれば吸湿性が
大きくなり、吸湿性を下げるために架橋密度を減少させ
れば耐熱性に問題が残る。現在、半導体封止材料で主流
となっているフェノールノボラック構造では、耐熱性に
優れている反面、吸湿性が大きいために前述したような
高温での使用はパッケージが吸湿した場合、はんだ付け
時に吸湿水分が急激に膨張し、パッケージをクラックさ
せてしまう。現在、この現象が表面実装型ICに係わる
大きな問題となっている。このような問題に対し、樹脂
の構造自体を改良する方法が幾つか試みられている。例
えば、一般式(II)(化2)で表されるキシリレン結合
を有するフェノール樹脂を使用する方法である(特開昭
59−105018号公報、特公昭62−28165号
公報、特開平3−90075号公報、特開平4−933
20号公報)。
般に耐湿性と耐熱性は相反する関係にある。即ち、耐熱
性を向上させるために架橋密度を増加させれば吸湿性が
大きくなり、吸湿性を下げるために架橋密度を減少させ
れば耐熱性に問題が残る。現在、半導体封止材料で主流
となっているフェノールノボラック構造では、耐熱性に
優れている反面、吸湿性が大きいために前述したような
高温での使用はパッケージが吸湿した場合、はんだ付け
時に吸湿水分が急激に膨張し、パッケージをクラックさ
せてしまう。現在、この現象が表面実装型ICに係わる
大きな問題となっている。このような問題に対し、樹脂
の構造自体を改良する方法が幾つか試みられている。例
えば、一般式(II)(化2)で表されるキシリレン結合
を有するフェノール樹脂を使用する方法である(特開昭
59−105018号公報、特公昭62−28165号
公報、特開平3−90075号公報、特開平4−933
20号公報)。
【0005】
【化2】 (式中、Aはフェノール、ナフトール等を、lは整数を
表す)
表す)
【0006】しかしながら、これらのフェノール樹脂を
使用した封止材料では、ノボラック構造に比べて低吸湿
性となる反面、耐熱性を表すガラス転移温度(Tg)が
150〜160℃台とまだ不十分である。即ち、240
〜265℃のはんだ付温度でのパッケージのフクレ等の
問題は解消され得ない。一方、吸湿性を少々犠牲にして
耐熱性を向上させる方面からは、フェノールノボラック
構造にアミノ基やイミド基を導入し架橋密度を向上させ
る方法も試みられている(特開平5−105734号公
報、特開平4−227624号公報)。しかしながら、
この方法では耐熱性のみを向上させただけであり、吸湿
性の増大を伴うため、パッケージクラックの発生を抑制
することは出来ない。
使用した封止材料では、ノボラック構造に比べて低吸湿
性となる反面、耐熱性を表すガラス転移温度(Tg)が
150〜160℃台とまだ不十分である。即ち、240
〜265℃のはんだ付温度でのパッケージのフクレ等の
問題は解消され得ない。一方、吸湿性を少々犠牲にして
耐熱性を向上させる方面からは、フェノールノボラック
構造にアミノ基やイミド基を導入し架橋密度を向上させ
る方法も試みられている(特開平5−105734号公
報、特開平4−227624号公報)。しかしながら、
この方法では耐熱性のみを向上させただけであり、吸湿
性の増大を伴うため、パッケージクラックの発生を抑制
することは出来ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ベー
ス樹脂組成物において、吸湿性を損なうことなく、今一
段の耐熱性向上を達成するためのエポキシ樹脂組成物を
見い出すことにある。さらに、それを用いることによ
り、信頼性の優れた半導体装置を提供することにある。
ス樹脂組成物において、吸湿性を損なうことなく、今一
段の耐熱性向上を達成するためのエポキシ樹脂組成物を
見い出すことにある。さらに、それを用いることによ
り、信頼性の優れた半導体装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した。その結果、エポキシ樹
脂組成物において、硬化剤として、キシリレン結合を有
するフェノール樹脂構造にアミノ基を導入したものを用
いることにより、前記目的を達成しうることを見い出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
(A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキ
シ樹脂と、(B)一般式(I)(化3)で表される軟化
点40〜120℃、平均分子量300〜5000、イミ
ド基/水酸基のモル比が、3:97〜80:20の範囲
にあるイミド基含有フェノール樹脂を含む硬化剤とを配
合してなるエポキシ樹脂組成物、およびこのエポキシ樹
脂組成物に、50重量%以上の無機充填剤を配合して成
る半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関するものであ
り、さらに、これらの硬化物並びに前記無機充填剤を配
合させた硬化物により封止された半導体装置に関するも
のである。
を解決するために鋭意検討した。その結果、エポキシ樹
脂組成物において、硬化剤として、キシリレン結合を有
するフェノール樹脂構造にアミノ基を導入したものを用
いることにより、前記目的を達成しうることを見い出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
(A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキ
シ樹脂と、(B)一般式(I)(化3)で表される軟化
点40〜120℃、平均分子量300〜5000、イミ
ド基/水酸基のモル比が、3:97〜80:20の範囲
にあるイミド基含有フェノール樹脂を含む硬化剤とを配
合してなるエポキシ樹脂組成物、およびこのエポキシ樹
脂組成物に、50重量%以上の無機充填剤を配合して成
る半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関するものであ
り、さらに、これらの硬化物並びに前記無機充填剤を配
合させた硬化物により封止された半導体装置に関するも
のである。
【0009】
【化3】 (式中、R1 、R2 は水素原子、ハロゲン原子、水酸
基、またはC1 〜C12のアルキル基、アリール基、シク
ロアルキル基、アラルキル基を示し、同一でも異なって
もよく、R1 とR2 は環を形成しても良い。R3 、R4
は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、イミド基、C1
〜C12のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、
アラルキル基、イミド基置換アラルキル基、ヒドロキシ
基置換アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、イミド基置換アリールオキシ基、ヒドロキシ基置換
アリールオキシ基を示し、同一でも異なってもよく、R
3 とR4は環を形成してもよい。また、ZはC2 〜C24
の不飽和脂肪族基、不飽和単環式脂肪族基、不飽和縮合
多環式脂肪族基、環式脂肪族基が直接または架橋員によ
り相互に連結された不飽和非縮合多環式脂肪族基、置換
基として鎖状脂肪族基を有する単環式芳香族基、置換基
として鎖状脂肪族基を有する縮合多環式芳香族基、置換
基として不飽和単環式脂肪族基、置換基として不飽和単
環式脂肪族基を有する縮合多環式芳香族基、から成る群
より選ばれた2価の基を示す。但し、m,nは0〜20
を示し、m+n≠0である。末端はフェノール化合物及
び/または芳香族イミド化合物であり、フェノール化合
物と芳香族イミド化合物の結合順序は限定されない。)
基、またはC1 〜C12のアルキル基、アリール基、シク
ロアルキル基、アラルキル基を示し、同一でも異なって
もよく、R1 とR2 は環を形成しても良い。R3 、R4
は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、イミド基、C1
〜C12のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、
アラルキル基、イミド基置換アラルキル基、ヒドロキシ
基置換アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、イミド基置換アリールオキシ基、ヒドロキシ基置換
アリールオキシ基を示し、同一でも異なってもよく、R
3 とR4は環を形成してもよい。また、ZはC2 〜C24
の不飽和脂肪族基、不飽和単環式脂肪族基、不飽和縮合
多環式脂肪族基、環式脂肪族基が直接または架橋員によ
り相互に連結された不飽和非縮合多環式脂肪族基、置換
基として鎖状脂肪族基を有する単環式芳香族基、置換基
として鎖状脂肪族基を有する縮合多環式芳香族基、置換
基として不飽和単環式脂肪族基、置換基として不飽和単
環式脂肪族基を有する縮合多環式芳香族基、から成る群
より選ばれた2価の基を示す。但し、m,nは0〜20
を示し、m+n≠0である。末端はフェノール化合物及
び/または芳香族イミド化合物であり、フェノール化合
物と芳香族イミド化合物の結合順序は限定されない。)
【0010】本発明のエポキシ樹脂組成物では、耐熱性
と耐湿性が共に優れ、耐衝撃性等の機械的強度も優れる
ため、先端材料の耐熱性複合材用マトリックス樹脂に好
適であり、特に半導体封止材料では、従来はんだ耐熱や
実装装置におけるヒートサイクルで使用に耐えなかった
ものが問題なく使用できることから、信頼性の高い樹脂
封止装置が得られる。又、本発明のエポキシ樹脂組成物
において、硬化剤として使用されるイミド基含有フェノ
ール樹脂は、連結基にキシリレン結合を有するため、耐
酸化安定性に優れ、軟化点や溶融粘度も低く、作業性に
優れることも特徴である。さらに、マレイミド基、ナジ
ックイミド基の不飽和基を有するフェノール樹脂では、
イミド基どうしの反応により、架橋密度が上昇する。こ
の結果、耐熱性も大幅に向上する。本発明のエポキシ樹
脂組成物では、硬化剤として前記一般式(I)で表され
るイミド基含有フェノール樹脂、またはこのイミド基含
有フェノール樹脂を一部含むものを使用する。この場
合、イミド基含有フェノール樹脂の割合は、硬化剤全体
の15重量%以上、好ましくは30重量%以上あればよ
く、その他は公知のエポキシ樹脂用硬化剤の1種または
それ以上を併用することができる。
と耐湿性が共に優れ、耐衝撃性等の機械的強度も優れる
ため、先端材料の耐熱性複合材用マトリックス樹脂に好
適であり、特に半導体封止材料では、従来はんだ耐熱や
実装装置におけるヒートサイクルで使用に耐えなかった
ものが問題なく使用できることから、信頼性の高い樹脂
封止装置が得られる。又、本発明のエポキシ樹脂組成物
において、硬化剤として使用されるイミド基含有フェノ
ール樹脂は、連結基にキシリレン結合を有するため、耐
酸化安定性に優れ、軟化点や溶融粘度も低く、作業性に
優れることも特徴である。さらに、マレイミド基、ナジ
ックイミド基の不飽和基を有するフェノール樹脂では、
イミド基どうしの反応により、架橋密度が上昇する。こ
の結果、耐熱性も大幅に向上する。本発明のエポキシ樹
脂組成物では、硬化剤として前記一般式(I)で表され
るイミド基含有フェノール樹脂、またはこのイミド基含
有フェノール樹脂を一部含むものを使用する。この場
合、イミド基含有フェノール樹脂の割合は、硬化剤全体
の15重量%以上、好ましくは30重量%以上あればよ
く、その他は公知のエポキシ樹脂用硬化剤の1種または
それ以上を併用することができる。
【0011】前記一般式(I)で表されるイミド基含有
フェノール樹脂は、本発明者らによって新規に見いださ
れたものであり、その製造方法を以下に記す。はじめ
に、一般式(III)(化4)で表されるフェノール類およ
び一般式(IV)(化4)で表される芳香族アミン類との
モル比0.97:0.03〜0.2:0.8の混合物1
モルと、一般式(V)(化4)で表されるアラルキル化
合物0.1〜0.95モルとを、酸触媒を用いて反応さ
せる。
フェノール樹脂は、本発明者らによって新規に見いださ
れたものであり、その製造方法を以下に記す。はじめ
に、一般式(III)(化4)で表されるフェノール類およ
び一般式(IV)(化4)で表される芳香族アミン類との
モル比0.97:0.03〜0.2:0.8の混合物1
モルと、一般式(V)(化4)で表されるアラルキル化
合物0.1〜0.95モルとを、酸触媒を用いて反応さ
せる。
【0012】
【化4】 (式中、R1 〜R4 は、前記と同様の意味を表し、Xは
ハロゲン原子、水酸基、C1 〜C4 のアルコキシ基を表
す)
ハロゲン原子、水酸基、C1 〜C4 のアルコキシ基を表
す)
【0013】次に、得られた一般式(VI)(化5)で表
されるアミノ基含有フェノール樹脂に、ジカルボン酸無
水物を反応させて、イミド基含有フェノール樹脂を製造
する。なお、一般式(VI)で表されるアミノ基含有フェ
ノール樹脂は、平均分子量範囲300〜5000程度で
あり、アミン価150〜2000g/eq、軟化点40
〜120℃程度である。
されるアミノ基含有フェノール樹脂に、ジカルボン酸無
水物を反応させて、イミド基含有フェノール樹脂を製造
する。なお、一般式(VI)で表されるアミノ基含有フェ
ノール樹脂は、平均分子量範囲300〜5000程度で
あり、アミン価150〜2000g/eq、軟化点40
〜120℃程度である。
【0014】
【化5】 (式中、R1 〜R4 およびm、nは、前記と同様の意味
を表す)
を表す)
【0015】この方法で使用できる式(III) のフェノー
ル化合物としては、一価または二価フェノール、および
ビスフェノール、トリスフェノール等が挙げられる。具
体的には、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾー
ル、p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチ
ルフェノール、o−イソプロピルフェノール、p−se
c−ブチルフェノール、p−シクロヘキシルフェノー
ル、p−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、p
−ブロモフェノール、2,4−キシレノール、2,6−
キシレノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチ
ルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェ
ノール、p−フェニルフェノール、o−フェニルフェノ
ール、p−フェノキシフェノール、o−メトキシフェノ
ール、p−メトキシフェノール、レゾルシン、カテコー
ル、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ジヒドロキシジフェニルメタン、α
−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。
ル化合物としては、一価または二価フェノール、および
ビスフェノール、トリスフェノール等が挙げられる。具
体的には、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾー
ル、p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチ
ルフェノール、o−イソプロピルフェノール、p−se
c−ブチルフェノール、p−シクロヘキシルフェノー
ル、p−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、p
−ブロモフェノール、2,4−キシレノール、2,6−
キシレノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチ
ルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェ
ノール、p−フェニルフェノール、o−フェニルフェノ
ール、p−フェノキシフェノール、o−メトキシフェノ
ール、p−メトキシフェノール、レゾルシン、カテコー
ル、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ジヒドロキシジフェニルメタン、α
−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。
【0016】又、式(IV)の芳香族アミン化合物として
は、アニリン、2−メチルアニリン、2−クロルアニリ
ン、2−エチルアニリン、m−フェニレンジアミン、p
−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、
3,5−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノジフェ
ニルメタン、1,3,5−トリアミノベンゼン、p−ア
ミノフェノール、m−アミノフェノール、4−アミノ−
4' −ヒドロキシジフェニルエーテル、4−アミノ−
4' −ヒドロキシプロパン、2−アミノ−1,3−レゾ
ルシン、4−アミノ−1,3−レゾルシン、2−アミノ
ハイドロキノン、2−メトキシアニリン、4−メトキシ
アニリン、2−イソプロポキシアニリン、2,4−ジメト
キシアニリン、o−イソプロピルアニリン、m−イソプ
ロピルアニリン、p−イソプロピルアニリン、o−n−
プロピルアニリン、o−tert−ブチルアニリン、p
−tert−ブチルアニリン、p−sec−ブチルアニ
リン、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、2,
6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリ
ジン、2−メチル−3−エチルアニリン、2−メチル−
4−イソプロピルアニリン、2,6−ジエチルアニリ
ン、2−エチル−5−tert−ブチルアニリン、2,4−
ジイソプロピルアニリン、2,4,6−トリメチルアニ
リン、4−クロロアニリン、4−ブロモアニリン、4−
フルオロアニリン、3−クロロアニリン、3−ブロモア
ニリン、3,4−ジククロロアニリン、3−クロロ−o
−トルイジン、3−クロロ−p−トルイジン、2,6−
ジメチル−4−クロロアニリン、2−アミノ−4−クレ
ゾール、4−アミノ−2−tert−ブチルフェノール、
2,6−ジメチル−4−アミノフェノール、2,6−ジ
クロロ−4−アミノフェノール、2−アミノ−1,3−
レゾルシン、4−アミノ−1,3−レゾルシン、1,1
−ジメチル−4−アミノインダン、o−フェニレンジア
ミン、2,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノエ
チルベンゼン、2,6−ジアミノエチルベンゼン、2,
4−ジアミノイソプロピルベンゼン、2,4−ジアミノ
−tert−ブチルベンゼン、2,6−ジアミノ−te
rt−ブチルベンゼン、2,4−ジアミノ−1,3−ジ
メチルベンゼン、1,1−ジメチル−4−アミノインダ
ン、1,1−ジメチル−4,6−ジアミノインダン等が
挙げられる。好適な化合物はアニリンである。
は、アニリン、2−メチルアニリン、2−クロルアニリ
ン、2−エチルアニリン、m−フェニレンジアミン、p
−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、
3,5−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノジフェ
ニルメタン、1,3,5−トリアミノベンゼン、p−ア
ミノフェノール、m−アミノフェノール、4−アミノ−
4' −ヒドロキシジフェニルエーテル、4−アミノ−
4' −ヒドロキシプロパン、2−アミノ−1,3−レゾ
ルシン、4−アミノ−1,3−レゾルシン、2−アミノ
ハイドロキノン、2−メトキシアニリン、4−メトキシ
アニリン、2−イソプロポキシアニリン、2,4−ジメト
キシアニリン、o−イソプロピルアニリン、m−イソプ
ロピルアニリン、p−イソプロピルアニリン、o−n−
プロピルアニリン、o−tert−ブチルアニリン、p
−tert−ブチルアニリン、p−sec−ブチルアニ
リン、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、2,
6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリ
ジン、2−メチル−3−エチルアニリン、2−メチル−
4−イソプロピルアニリン、2,6−ジエチルアニリ
ン、2−エチル−5−tert−ブチルアニリン、2,4−
ジイソプロピルアニリン、2,4,6−トリメチルアニ
リン、4−クロロアニリン、4−ブロモアニリン、4−
フルオロアニリン、3−クロロアニリン、3−ブロモア
ニリン、3,4−ジククロロアニリン、3−クロロ−o
−トルイジン、3−クロロ−p−トルイジン、2,6−
ジメチル−4−クロロアニリン、2−アミノ−4−クレ
ゾール、4−アミノ−2−tert−ブチルフェノール、
2,6−ジメチル−4−アミノフェノール、2,6−ジ
クロロ−4−アミノフェノール、2−アミノ−1,3−
レゾルシン、4−アミノ−1,3−レゾルシン、1,1
−ジメチル−4−アミノインダン、o−フェニレンジア
ミン、2,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノエ
チルベンゼン、2,6−ジアミノエチルベンゼン、2,
4−ジアミノイソプロピルベンゼン、2,4−ジアミノ
−tert−ブチルベンゼン、2,6−ジアミノ−te
rt−ブチルベンゼン、2,4−ジアミノ−1,3−ジ
メチルベンゼン、1,1−ジメチル−4−アミノインダ
ン、1,1−ジメチル−4,6−ジアミノインダン等が
挙げられる。好適な化合物はアニリンである。
【0017】アラルキル化合物は、式(V)で表される
化合物であり、Xが塩素原子、臭素原子、フッ素原子等
のハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基
である。例えば、α,α' −ジヒドロキシ−o−キシレ
ン、α,α' −ジヒドロキシ−m−キシレン、α,α'
−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α' −ジメトキシ
−m−キシレン、α,α' −ジメトキシ−p−キシレ
ン、α,α' −ジエトキシ−o−キシレン、α,α' −
ジエトキシ−m−キシレン、α,α' −ジエトキシ−p
−キシレン、α,α' −ジイソプロポキシ−o−キシレ
ン、α,α' −ジイソプロポキシ−m−キシレン、α,
α' −ジイソプロポキシ−p−キシレン、α,α' −ジ
−n−プロポキシ−p−キシレン、α,α' −ジ−n−
ブトキシ−m−キシレン、α,α' −ジ−n−ブトキシ
−p−キシレン、α,α' −ジ−sec −ブトキシ−p−
キシレン、α,α' −ジイソブトキシ−p−キシレン、
α,α' −ジクロロ−o−キシレン、α,α' −ジクロ
ロ−m−キシレン、α,α' −ジクロロ−p−キシレ
ン、α,α' −ジブロモ−o−キシレン、α,α' −ジ
ブロモ−m−キシレン、α,α' −ジブロモ−p−キシ
レン、α,α' −ジフルオロ−o−キシレン、α,α'
−ジフルオロ−m−キシレン、α,α' −ジフルオロ−
p−キシレン、α,α' −ジョード−o−キシレン、
α,α' −ジョード−m−キシレン、α,α' −ジョー
ド−p−キシレン等を挙げることが出来る。好適な化合
物としては、α,α' −ジヒドロキシ−p−キシレン、
α,α' −ジクロロ−p−キシレン等が挙げられる。
化合物であり、Xが塩素原子、臭素原子、フッ素原子等
のハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基
である。例えば、α,α' −ジヒドロキシ−o−キシレ
ン、α,α' −ジヒドロキシ−m−キシレン、α,α'
−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α' −ジメトキシ
−m−キシレン、α,α' −ジメトキシ−p−キシレ
ン、α,α' −ジエトキシ−o−キシレン、α,α' −
ジエトキシ−m−キシレン、α,α' −ジエトキシ−p
−キシレン、α,α' −ジイソプロポキシ−o−キシレ
ン、α,α' −ジイソプロポキシ−m−キシレン、α,
α' −ジイソプロポキシ−p−キシレン、α,α' −ジ
−n−プロポキシ−p−キシレン、α,α' −ジ−n−
ブトキシ−m−キシレン、α,α' −ジ−n−ブトキシ
−p−キシレン、α,α' −ジ−sec −ブトキシ−p−
キシレン、α,α' −ジイソブトキシ−p−キシレン、
α,α' −ジクロロ−o−キシレン、α,α' −ジクロ
ロ−m−キシレン、α,α' −ジクロロ−p−キシレ
ン、α,α' −ジブロモ−o−キシレン、α,α' −ジ
ブロモ−m−キシレン、α,α' −ジブロモ−p−キシ
レン、α,α' −ジフルオロ−o−キシレン、α,α'
−ジフルオロ−m−キシレン、α,α' −ジフルオロ−
p−キシレン、α,α' −ジョード−o−キシレン、
α,α' −ジョード−m−キシレン、α,α' −ジョー
ド−p−キシレン等を挙げることが出来る。好適な化合
物としては、α,α' −ジヒドロキシ−p−キシレン、
α,α' −ジクロロ−p−キシレン等が挙げられる。
【0018】酸触媒としては、無機または有機の酸、例
えば、塩酸、燐酸、硫酸または硝酸、あるいは塩化亜
鉛、塩化第二錫、塩化アルミニウム、塩化第二鉄のよう
なフリーデルクラフツ系触媒、メタンスルホン酸、ナフ
ィオンH(商品名:デュポン社製)のような超強酸等で
あり、これらは単独で使用しても、併用してもよい。ま
た、活性白土、ゼオライト類の固体酸触媒やヘテロポリ
酸類も使用できる。工業的に好ましいのは安価な塩酸で
ある。触媒の使用量は、フェノール化合物と芳香族アミ
ン化合物の合計に対して、3モル%以上、好ましくは5
〜80モル%である。固体酸触媒の場合は、全原料に対
し、1〜100wt%、好ましくは5wt%以上であ
る。この範囲以上でも反応における問題はないが、経済
的でない。式(V)で表されるアラルキル化合物とし
て、ビスハロゲノメチル誘導体を用いる場合には、触媒
の不存在下でも反応を行うことが出来るが、反応を速め
る目的で酸触媒を用いてもよい。その酸触媒としては、
前記の酸触媒のいずれも使用可能であり、工業的に好ま
しいのは安価な塩酸である。
えば、塩酸、燐酸、硫酸または硝酸、あるいは塩化亜
鉛、塩化第二錫、塩化アルミニウム、塩化第二鉄のよう
なフリーデルクラフツ系触媒、メタンスルホン酸、ナフ
ィオンH(商品名:デュポン社製)のような超強酸等で
あり、これらは単独で使用しても、併用してもよい。ま
た、活性白土、ゼオライト類の固体酸触媒やヘテロポリ
酸類も使用できる。工業的に好ましいのは安価な塩酸で
ある。触媒の使用量は、フェノール化合物と芳香族アミ
ン化合物の合計に対して、3モル%以上、好ましくは5
〜80モル%である。固体酸触媒の場合は、全原料に対
し、1〜100wt%、好ましくは5wt%以上であ
る。この範囲以上でも反応における問題はないが、経済
的でない。式(V)で表されるアラルキル化合物とし
て、ビスハロゲノメチル誘導体を用いる場合には、触媒
の不存在下でも反応を行うことが出来るが、反応を速め
る目的で酸触媒を用いてもよい。その酸触媒としては、
前記の酸触媒のいずれも使用可能であり、工業的に好ま
しいのは安価な塩酸である。
【0019】この方法では、芳香族アミン化合物と式
(V)のアラルキル化合物の反応は、二段階の反応によ
って得られる。即ち、一段目の反応に於いては第二アミ
ンを含む樹脂が生成するが、この第二アミンを転移反応
(第二段の反応)によって第一アミン樹脂に導くことが
できる。その転移反応は前記の酸を触媒として達成され
るが、アラルキル化合物としてビスハロゲノメチル誘導
体を用いた場合には第二アミン樹脂が生成する際に発生
するハロゲン化水素を触媒としてこの転移反応が達成さ
れる。この転移反応を速めるには、第二アミン樹脂が生
成される反応条件よりも、(イ)同種または異種の触媒
量の増加(ロ)反応温度を上げる(ハ)反応時間を長く
する等の手段により行われる。アラルキル化合物として
ビスハロゲノメチル誘導体を用い自己触媒によって反応
を行う場合にも、先に述べたように上記の酸触媒を使用
することにより反応を速めることが出来る。この方法で
はこのような第一段階〜第二段階の反応の途中、フェノ
ール化合物とアラルキル化合物との反応も同時に起こ
る。その結果、本願において硬化剤として使用されるア
ミノ基含有フェノール樹脂が製造される。
(V)のアラルキル化合物の反応は、二段階の反応によ
って得られる。即ち、一段目の反応に於いては第二アミ
ンを含む樹脂が生成するが、この第二アミンを転移反応
(第二段の反応)によって第一アミン樹脂に導くことが
できる。その転移反応は前記の酸を触媒として達成され
るが、アラルキル化合物としてビスハロゲノメチル誘導
体を用いた場合には第二アミン樹脂が生成する際に発生
するハロゲン化水素を触媒としてこの転移反応が達成さ
れる。この転移反応を速めるには、第二アミン樹脂が生
成される反応条件よりも、(イ)同種または異種の触媒
量の増加(ロ)反応温度を上げる(ハ)反応時間を長く
する等の手段により行われる。アラルキル化合物として
ビスハロゲノメチル誘導体を用い自己触媒によって反応
を行う場合にも、先に述べたように上記の酸触媒を使用
することにより反応を速めることが出来る。この方法で
はこのような第一段階〜第二段階の反応の途中、フェノ
ール化合物とアラルキル化合物との反応も同時に起こ
る。その結果、本願において硬化剤として使用されるア
ミノ基含有フェノール樹脂が製造される。
【0020】反応温度は、反応全体としては0〜220
℃であるが、第一段階の反応においては、0〜130
℃、好ましくは20〜110℃であり、第二段階の反応
においては、150〜220℃であり、第二段階の反応
時間をできるだけ短縮するためには170℃以上の反応
温度が望ましい。反応時間は、第一段階の反応では1〜
5時間であり、第二段階の反応では3〜20時間であ
る。
℃であるが、第一段階の反応においては、0〜130
℃、好ましくは20〜110℃であり、第二段階の反応
においては、150〜220℃であり、第二段階の反応
時間をできるだけ短縮するためには170℃以上の反応
温度が望ましい。反応時間は、第一段階の反応では1〜
5時間であり、第二段階の反応では3〜20時間であ
る。
【0021】このアミノ基含有フェノール樹脂では、フ
ェノール類と芳香族アミン類の合計に対するアラルキル
化合物のモル比を変えることにより、低分子量樹脂か
ら、高分子量樹脂まで、種々の形態のフェノール樹脂を
用途に応じて製造できる。すなわち、液状−低軟化点の
フェノール樹脂は、その縮合反応の際に、アラルキル化
合物に対してフェノール類と芳香族アミン類の合計モル
比を大きくすれば得ることが出来る。一方高軟化点の芳
香族アミン樹脂は、その縮合反応の際に、アラルキル化
合物に対してフェノール類と芳香族アミン類の合計モル
比を理論量に近いところにすれば得られる。即ち、フェ
ノール類と芳香族アミン類の合計モル比に対し、アラル
キル化合物を0.1〜0.95モル比の範囲で反応させ
ることにより、得られるアミノ基含有フェノール樹脂の
分子量範囲300〜5000程度、樹脂の軟化点範囲4
0〜120℃程度、アミン価150〜2000g/eq
程度であるアミノ基含有フェノール樹脂を得ることがで
きる。なお、この方法では反応に不活性な溶媒を使用し
てもよいが、通常は無溶媒で反応を行う。反応終了後、
反応で触媒として使用した酸または反応で生成した酸
は、例えば、アンモニア水等の希アルカリ水溶液で中和
する方法が採られる。この際、未反応のフェノール類、
芳香族アミン化合物等は、これを真空下で留去するか、
あるいは水蒸気蒸留によって留去する。また、中和で副
生した無機塩等は、反応系にベンゼン、トルエン、ME
K等の、水と混和しない溶剤を加え、水洗分液法で除去
すればよい。この後、脱溶剤を行って目的物を得ること
が出来る。なお、固体の酸触媒を用いた場合は濾過する
ことによって除去することができる。
ェノール類と芳香族アミン類の合計に対するアラルキル
化合物のモル比を変えることにより、低分子量樹脂か
ら、高分子量樹脂まで、種々の形態のフェノール樹脂を
用途に応じて製造できる。すなわち、液状−低軟化点の
フェノール樹脂は、その縮合反応の際に、アラルキル化
合物に対してフェノール類と芳香族アミン類の合計モル
比を大きくすれば得ることが出来る。一方高軟化点の芳
香族アミン樹脂は、その縮合反応の際に、アラルキル化
合物に対してフェノール類と芳香族アミン類の合計モル
比を理論量に近いところにすれば得られる。即ち、フェ
ノール類と芳香族アミン類の合計モル比に対し、アラル
キル化合物を0.1〜0.95モル比の範囲で反応させ
ることにより、得られるアミノ基含有フェノール樹脂の
分子量範囲300〜5000程度、樹脂の軟化点範囲4
0〜120℃程度、アミン価150〜2000g/eq
程度であるアミノ基含有フェノール樹脂を得ることがで
きる。なお、この方法では反応に不活性な溶媒を使用し
てもよいが、通常は無溶媒で反応を行う。反応終了後、
反応で触媒として使用した酸または反応で生成した酸
は、例えば、アンモニア水等の希アルカリ水溶液で中和
する方法が採られる。この際、未反応のフェノール類、
芳香族アミン化合物等は、これを真空下で留去するか、
あるいは水蒸気蒸留によって留去する。また、中和で副
生した無機塩等は、反応系にベンゼン、トルエン、ME
K等の、水と混和しない溶剤を加え、水洗分液法で除去
すればよい。この後、脱溶剤を行って目的物を得ること
が出来る。なお、固体の酸触媒を用いた場合は濾過する
ことによって除去することができる。
【0022】次に、この様にして得られたアミノ基含有
フェノール樹脂に、ジカルボン酸無水物を反応させてイ
ミド基含有フェノール樹脂を得る方法を説明する。ここ
で使用できるジカルボン酸無水物としては、無水マレイ
ン酸、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボ
ン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水
物、2,3−ジカルボンキシフェニルフェニルエーテル
無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルエーテ
ル、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−
ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボン酸
フェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキ
シフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボ
キシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカ
ルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−
ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジ
カルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無
水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,
3−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9−アント
ラセンジカルボン酸無水物、シクロブタン−1,2−ジ
カルボン酸無水物、シクロブタン−1,3−ジカルボン
酸無水物、1,2−シクロペンタンジカルボン酸無水
物、1−メチル−1,2−シクロペンタンジカルボン酸
無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、2−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−シクロヘキ
セン−1,2−ジカルボン酸無水物、1−シクロヘキセ
ン−1,3−ジカルボン酸無水物、3−シクロヘキセン
−1,3−ジカルボン酸無水物、4−シクロヘキセン−
1,3−ジカルボン酸無水物、1,3−シクロヘキサジ
エン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,4−シクロヘ
キサジエン−1,2−ジカルボン酸無水物、2,4−シ
クロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸無水物、2,
5−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸無水
物、2,6−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン
酸無水物、3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジカ
ルボン酸無水物、シクロヘキセニルコハク酸無水物、5
−ビシクロ[2,2,1]ヘプテン−2,3−ジカルボ
ン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3
−ジカルボン酸無水物、2−ビシクロ[2,2,1]ヘ
プテン−2,3−ジカルボン酸無水物、2−ビシクロ
[2,2,2]オクテン−2,3−ジカルボン酸無水物
5−ビシクロ[2,2,2]オクテン−2,3−ジカ
ルボン酸無水物等が挙げられる。好適な化合物はマレイ
ン酸、フタル酸及びナジック酸である。
フェノール樹脂に、ジカルボン酸無水物を反応させてイ
ミド基含有フェノール樹脂を得る方法を説明する。ここ
で使用できるジカルボン酸無水物としては、無水マレイ
ン酸、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボ
ン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水
物、2,3−ジカルボンキシフェニルフェニルエーテル
無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルエーテ
ル、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−
ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボン酸
フェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキ
シフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボ
キシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカ
ルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−
ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジ
カルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無
水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,
3−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9−アント
ラセンジカルボン酸無水物、シクロブタン−1,2−ジ
カルボン酸無水物、シクロブタン−1,3−ジカルボン
酸無水物、1,2−シクロペンタンジカルボン酸無水
物、1−メチル−1,2−シクロペンタンジカルボン酸
無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、2−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−シクロヘキ
セン−1,2−ジカルボン酸無水物、1−シクロヘキセ
ン−1,3−ジカルボン酸無水物、3−シクロヘキセン
−1,3−ジカルボン酸無水物、4−シクロヘキセン−
1,3−ジカルボン酸無水物、1,3−シクロヘキサジ
エン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,4−シクロヘ
キサジエン−1,2−ジカルボン酸無水物、2,4−シ
クロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸無水物、2,
5−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸無水
物、2,6−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン
酸無水物、3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジカ
ルボン酸無水物、シクロヘキセニルコハク酸無水物、5
−ビシクロ[2,2,1]ヘプテン−2,3−ジカルボ
ン酸無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3
−ジカルボン酸無水物、2−ビシクロ[2,2,1]ヘ
プテン−2,3−ジカルボン酸無水物、2−ビシクロ
[2,2,2]オクテン−2,3−ジカルボン酸無水物
5−ビシクロ[2,2,2]オクテン−2,3−ジカ
ルボン酸無水物等が挙げられる。好適な化合物はマレイ
ン酸、フタル酸及びナジック酸である。
【0023】この製造方法においては、まずアミノ基含
有フェノール樹脂にカルボン酸無水物を反応させたの
ち、この付加物を加熱脱水閉環するか、酸性触媒の存在
下、所定の溶媒中で加熱還流することにより脱水縮合さ
せるものである。触媒を用いずに加熱脱水閉環する方法
は、常圧もしくは減圧下において加熱脱水を行う。この
時、反応温度は150〜200℃である。反応は通常無
溶媒で行うが、反応に不活性な溶媒を使用してもよい。
この方法では上記のカルボン酸無水物のいずれも使用で
きるが、特に不飽和脂肪族カルボン酸無水物を除くカル
ボン酸無水物が好適である。
有フェノール樹脂にカルボン酸無水物を反応させたの
ち、この付加物を加熱脱水閉環するか、酸性触媒の存在
下、所定の溶媒中で加熱還流することにより脱水縮合さ
せるものである。触媒を用いずに加熱脱水閉環する方法
は、常圧もしくは減圧下において加熱脱水を行う。この
時、反応温度は150〜200℃である。反応は通常無
溶媒で行うが、反応に不活性な溶媒を使用してもよい。
この方法では上記のカルボン酸無水物のいずれも使用で
きるが、特に不飽和脂肪族カルボン酸無水物を除くカル
ボン酸無水物が好適である。
【0024】酸性触媒を用いて脱水閉環させる場合で
は、酸性触媒として、硫酸、塩酸、リン酸等の鉱酸、リ
ンタングステン酸、リンモリブデン酸等のヘテロポリ
酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有
機スルホン酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸等の
ハロゲン化カルボン酸、シリカアルミナ等の固体酸、カ
チオン型イオン交換樹脂等が使用できる。特に硫酸、リ
ン酸、p−トルエンスルホン酸が好適である。またこれ
らの酸は、アミンとの塩の形となっていてもよい。これ
らの酸性触媒は、その種類によっても異なるが、一般に
ジカルボン酸無水物と前記アミノ基含有フェノール樹脂
との合計量当り、0.1〜10重量%の量で使用するこ
とが望ましい。触媒量が、0.1重量%よりも少ない場
合には所望の触媒効果が達成されず、また10重量%よ
り多く用いたとしても一定以上の効果が得られず、経済
的に不利となるばかりか、残存触媒の除去が困難にな
る。
は、酸性触媒として、硫酸、塩酸、リン酸等の鉱酸、リ
ンタングステン酸、リンモリブデン酸等のヘテロポリ
酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有
機スルホン酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸等の
ハロゲン化カルボン酸、シリカアルミナ等の固体酸、カ
チオン型イオン交換樹脂等が使用できる。特に硫酸、リ
ン酸、p−トルエンスルホン酸が好適である。またこれ
らの酸は、アミンとの塩の形となっていてもよい。これ
らの酸性触媒は、その種類によっても異なるが、一般に
ジカルボン酸無水物と前記アミノ基含有フェノール樹脂
との合計量当り、0.1〜10重量%の量で使用するこ
とが望ましい。触媒量が、0.1重量%よりも少ない場
合には所望の触媒効果が達成されず、また10重量%よ
り多く用いたとしても一定以上の効果が得られず、経済
的に不利となるばかりか、残存触媒の除去が困難にな
る。
【0025】縮合反応に際して用いる溶媒としては、ヘ
キサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族
または脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素およびそのハロゲン化物、N,N−
ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセト
ニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド、スルホラン、アニソール、n−ブチルエー
テル等の含酸素ないしは含硫黄極性溶媒が使用される。
溶媒量は、一般に前記アミノ基含有フェノール樹脂およ
びカルボン酸無水物との合計量の1〜20倍、特に2〜
10倍の範囲にあることが好適である。
キサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族
または脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素およびそのハロゲン化物、N,N−
ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセト
ニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド、スルホラン、アニソール、n−ブチルエー
テル等の含酸素ないしは含硫黄極性溶媒が使用される。
溶媒量は、一般に前記アミノ基含有フェノール樹脂およ
びカルボン酸無水物との合計量の1〜20倍、特に2〜
10倍の範囲にあることが好適である。
【0026】加熱還流下における反応温度は、用いる溶
媒等によっても若干異なるが、一般に80〜190℃、
特に100〜160℃の範囲が好適である。圧力は、加
圧、常圧、減圧のいずれでもよく、用いる溶媒と反応温
度とに応じて適宜選択される。反応時間は、一般に0.
5〜20時間、特に1〜15時間の範囲である。尚、ジ
カルボン酸無水物とアミノ基含有フェノール樹脂の仕込
量は、アミノ基含有フェノール樹脂成分に対して、ジカ
ルボン酸無水物量を若干過剰とすることが好適である。
一般には、モル基準で、アミノ基含有フェノール樹脂中
の全アミノ基に対して、カルボン酸無水物が1.03〜
1.50倍となるように仕込めばよい。縮合反応完了
後、反応混合物を水洗して、残存触媒、未反応カルボン
酸無水物を除去したのち、溶媒を留去して濃縮物を得
る。このようにして得られるイミド基含有フェノール樹
脂は、平均分子量範囲350〜5000、イミド基/水
酸基のモル比が3:97〜80:20、軟化点60〜1
40℃程度である。
媒等によっても若干異なるが、一般に80〜190℃、
特に100〜160℃の範囲が好適である。圧力は、加
圧、常圧、減圧のいずれでもよく、用いる溶媒と反応温
度とに応じて適宜選択される。反応時間は、一般に0.
5〜20時間、特に1〜15時間の範囲である。尚、ジ
カルボン酸無水物とアミノ基含有フェノール樹脂の仕込
量は、アミノ基含有フェノール樹脂成分に対して、ジカ
ルボン酸無水物量を若干過剰とすることが好適である。
一般には、モル基準で、アミノ基含有フェノール樹脂中
の全アミノ基に対して、カルボン酸無水物が1.03〜
1.50倍となるように仕込めばよい。縮合反応完了
後、反応混合物を水洗して、残存触媒、未反応カルボン
酸無水物を除去したのち、溶媒を留去して濃縮物を得
る。このようにして得られるイミド基含有フェノール樹
脂は、平均分子量範囲350〜5000、イミド基/水
酸基のモル比が3:97〜80:20、軟化点60〜1
40℃程度である。
【0027】本発明において、(B)成分として前記の
イミド基含有フェノール樹脂と併用される他の硬化剤と
しては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノー
ル、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビス
フェノールFなどのフェノール類とホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアル
デヒド、サリチルアルデヒド等を、酸性触媒下で縮合反
応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノ
ール等のキシリレン結合によるアラルキル樹脂、フェノ
ール−ジシクロペンタジエン樹脂などが挙げられ、これ
らは単独でも、又は二種以上併用してもよい。
イミド基含有フェノール樹脂と併用される他の硬化剤と
しては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノー
ル、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビス
フェノールFなどのフェノール類とホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアル
デヒド、サリチルアルデヒド等を、酸性触媒下で縮合反
応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノ
ール等のキシリレン結合によるアラルキル樹脂、フェノ
ール−ジシクロペンタジエン樹脂などが挙げられ、これ
らは単独でも、又は二種以上併用してもよい。
【0028】本発明において用いられる(A)成分であ
る1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
脂としては、エポキシ樹脂として一般に使用されている
ものであればよく、例えば、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
を始めとするフェノール類とアルデヒド類から得られる
ノボラック樹脂をエポキシ化したもの、フェノール、ナ
フトール類のキシリレン結合によるアラルキル樹脂のエ
ポキシ化物、フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂の
エポキシ化物、ビスフェノールA、ビスフェノールF、
ビスフェノールS、チオジフェノール、ビスフェノー
ル、置換ビスフェノール、ジヒドロキシナフタレンなど
のジグリシジルエーテル、フタル酸、ダイマー酸などの
多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応によって得られる
グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニ
ルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、イソシアヌル
酸などのポリアミンとエピクロルヒドリンの反応によっ
て得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂などがあ
り、これらを適宜何種類でも併用することもできる。エ
ポキシ樹脂と全硬化剤との当量比は特に限定はされない
が、0.5〜1.5が好ましい。
る1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
脂としては、エポキシ樹脂として一般に使用されている
ものであればよく、例えば、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
を始めとするフェノール類とアルデヒド類から得られる
ノボラック樹脂をエポキシ化したもの、フェノール、ナ
フトール類のキシリレン結合によるアラルキル樹脂のエ
ポキシ化物、フェノール−ジシクロペンタジエン樹脂の
エポキシ化物、ビスフェノールA、ビスフェノールF、
ビスフェノールS、チオジフェノール、ビスフェノー
ル、置換ビスフェノール、ジヒドロキシナフタレンなど
のジグリシジルエーテル、フタル酸、ダイマー酸などの
多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応によって得られる
グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニ
ルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、イソシアヌル
酸などのポリアミンとエピクロルヒドリンの反応によっ
て得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂などがあ
り、これらを適宜何種類でも併用することもできる。エ
ポキシ樹脂と全硬化剤との当量比は特に限定はされない
が、0.5〜1.5が好ましい。
【0029】半導体封止用エポキシ樹脂組成物では、無
機充填剤(C)を必須成分として使用する。この無機充
填剤の使用量は全エポキシ樹脂組成物の50重量%以上
であるが、耐湿性や機械的強度向上の観点から70重量
%以上が特に好ましい。無機充填剤としては、シリカ、
アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、タルク、ケイ酸カルシ
ウム、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、チタンホワイ
ト等の粉体、ガラス繊維、カーボン繊維等の繊維体が例
示される。これらの中で熱膨張率と熱伝導率の点から、
結晶性シリカおよび/または溶融性シリカが好ましい。
更に、樹脂組成物の成形時の流動性を考えるとその形状
は球形、または球形と不定型の混合物が好ましい。
機充填剤(C)を必須成分として使用する。この無機充
填剤の使用量は全エポキシ樹脂組成物の50重量%以上
であるが、耐湿性や機械的強度向上の観点から70重量
%以上が特に好ましい。無機充填剤としては、シリカ、
アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、タルク、ケイ酸カルシ
ウム、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、チタンホワイ
ト等の粉体、ガラス繊維、カーボン繊維等の繊維体が例
示される。これらの中で熱膨張率と熱伝導率の点から、
結晶性シリカおよび/または溶融性シリカが好ましい。
更に、樹脂組成物の成形時の流動性を考えるとその形状
は球形、または球形と不定型の混合物が好ましい。
【0030】本発明において、樹脂組成物を硬化させる
にあたっては硬化促進剤を使用することが望ましい。硬
化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、2−メチ
ル−4−エチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダ
ゾール等のイミダゾール類、トリエタノールアミン、ト
リエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等のアミン
類、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、
トリトリルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフ
ェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリエチ
ルアンモニウムテトラフェニルボレート等のテトラフェ
ニルボロン類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7およびその誘導体がある。これらの
硬化促進剤は、単独で用いても2種類以上を併用しても
よい。これら硬化促進剤の配合は、エポキシ化物または
エポキシ化合物および硬化剤の合計量100重量部に対
して0.01〜10重量部の範囲で用いられる。
にあたっては硬化促進剤を使用することが望ましい。硬
化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、2−メチ
ル−4−エチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダ
ゾール等のイミダゾール類、トリエタノールアミン、ト
リエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等のアミン
類、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、
トリトリルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフ
ェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリエチ
ルアンモニウムテトラフェニルボレート等のテトラフェ
ニルボロン類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7およびその誘導体がある。これらの
硬化促進剤は、単独で用いても2種類以上を併用しても
よい。これら硬化促進剤の配合は、エポキシ化物または
エポキシ化合物および硬化剤の合計量100重量部に対
して0.01〜10重量部の範囲で用いられる。
【0031】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
機械的強度、耐熱性の点から各種の添加剤をも配合する
ことが望ましい。すなわち、樹脂と無機充填剤との接着
性向上の目的でカップリング剤を併用することが好まし
く、かかるカップリング剤としては、シラン系、チタネ
ート系、アルミネート系およびジルコアルミネート系等
のカップリング剤が使用できる。その中でも、シラン系
カップリング剤が好ましく、特にエポキシ樹脂と反応す
る官能基を有するシラン系カップリング剤が最も好まし
い。かかるシラン系カップリング剤の例としては、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N
−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、3−アニリノプロピルトリエトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン等を挙げることができ、これらを単独、あるいは併
用して使用することができる。これらのシラン系カップ
リング剤は、予め無機充填剤の表面に吸着あるいは反応
により固定化されているのが好ましい。
機械的強度、耐熱性の点から各種の添加剤をも配合する
ことが望ましい。すなわち、樹脂と無機充填剤との接着
性向上の目的でカップリング剤を併用することが好まし
く、かかるカップリング剤としては、シラン系、チタネ
ート系、アルミネート系およびジルコアルミネート系等
のカップリング剤が使用できる。その中でも、シラン系
カップリング剤が好ましく、特にエポキシ樹脂と反応す
る官能基を有するシラン系カップリング剤が最も好まし
い。かかるシラン系カップリング剤の例としては、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N
−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、3−アニリノプロピルトリエトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン等を挙げることができ、これらを単独、あるいは併
用して使用することができる。これらのシラン系カップ
リング剤は、予め無機充填剤の表面に吸着あるいは反応
により固定化されているのが好ましい。
【0032】また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物には、内部応力の低減のためにシリコーン化合物
を加えてもよい。このシリコーン化合物としては特開平
4−155940で開示されたような末端および分岐末
端にアミノ基、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基また
はシクロヘキセンオキサイド基を有するポリシロキサン
類が挙げられる。このようなシリコーン化合物の添加量
は全組成物に対して多くても5重量%であり、通常は
0.5〜3重量%の範囲である。
組成物には、内部応力の低減のためにシリコーン化合物
を加えてもよい。このシリコーン化合物としては特開平
4−155940で開示されたような末端および分岐末
端にアミノ基、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基また
はシクロヘキセンオキサイド基を有するポリシロキサン
類が挙げられる。このようなシリコーン化合物の添加量
は全組成物に対して多くても5重量%であり、通常は
0.5〜3重量%の範囲である。
【0033】更に、本発明の樹脂組成物には、上記各成
分の他、必要に応じて脂肪酸、脂肪酸基、ワックスなど
の離型剤、ブロム化物、アンチモン、リン等の難燃剤、
カーボンブラック等の着色剤等を配合し、混合、混練し
てIC封止用の成形材料とすることができる。本発明の
エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子の封止を行う方
法は、特に限定されるものではなく、通常のトランスフ
ァー成形等の公知のモールド方法によって行うことがで
きる。このような方法によって得られる半導体装置は、
半田浸漬時における優れた耐クラック性を有し、高集積
度ICとして長期に亘る使用で安定であり、そのため高
信頼性が得られる。
分の他、必要に応じて脂肪酸、脂肪酸基、ワックスなど
の離型剤、ブロム化物、アンチモン、リン等の難燃剤、
カーボンブラック等の着色剤等を配合し、混合、混練し
てIC封止用の成形材料とすることができる。本発明の
エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子の封止を行う方
法は、特に限定されるものではなく、通常のトランスフ
ァー成形等の公知のモールド方法によって行うことがで
きる。このような方法によって得られる半導体装置は、
半田浸漬時における優れた耐クラック性を有し、高集積
度ICとして長期に亘る使用で安定であり、そのため高
信頼性が得られる。
【0034】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。 合成例1 攪拌器、温度計及び還流冷却器を備えたガラス製反応容
器に、フェノール193.0g、アニリン181.5g
を装入し、内温を105℃まで昇温した。次にp−キシ
リレンジクロライド175.0gを装入し、内温を同温
度に保ちつつ、2.5時間攪拌を続けた後、内温を18
0℃まで昇温してさらに9.5時間攪拌を続けた。反応
終了後、内温を60℃まで徐冷し、28%アンモニア水
280gを装入し中和した。次いで水、未反応のフェノ
ール及びアニリンを真空蒸留により除去し、残渣にトル
エン、水を装入して水洗して塩化アンモニウムを除い
た。水洗終了後、トルエン、微量の水を減圧蒸留によっ
て除去し、得られた赤褐色透明樹脂を熱時に排出した。
収量は215gで、軟化点(JIS−K−2548)は
62.4℃であった。この樹脂の水酸基当量(g/e
q)は201で、アミン価(g/eq)は820であっ
た。また、GPCによる樹脂の平均分子量は620であ
った。次に、撹拌器、温度計、還流冷却器及び水分離器
を備えたガラス製反応容器に、トルエン50gおよびp
−トルエンスルホン酸0.8gを装入し、昇温してトル
エンの還流状態で1時間還流脱水を行った。次に、無水
マレイン酸7.75g(0.08モル)を加え、更に1
時間還流脱水を行った。これに、あらかじめ上記のアミ
ノ基含有フェノール樹脂を50gのトルエンに加熱溶解
した溶液を2時間で滴下ロートより滴下した。滴下終了
後、更に6時間熟成した。滴下開始から熟成終了までの
間、反応で生成する水を還流冷却器に備え付けてある水
分離器に依って捕集した。反応終了後、内温を80℃ま
で徐冷し、水を加えてp−トルエンスルホン酸、未反応
の無水マレイン酸を水洗で取り除いた。減圧蒸留で溶媒
を留去し、得られた赤褐色樹脂を熱時に排出した。収量
は54gで軟化点(JIS−K−2548)は71.5
℃であった。なお、この樹脂のマレイミド基/水酸基の
モル比は19.7/80.3であった。
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。 合成例1 攪拌器、温度計及び還流冷却器を備えたガラス製反応容
器に、フェノール193.0g、アニリン181.5g
を装入し、内温を105℃まで昇温した。次にp−キシ
リレンジクロライド175.0gを装入し、内温を同温
度に保ちつつ、2.5時間攪拌を続けた後、内温を18
0℃まで昇温してさらに9.5時間攪拌を続けた。反応
終了後、内温を60℃まで徐冷し、28%アンモニア水
280gを装入し中和した。次いで水、未反応のフェノ
ール及びアニリンを真空蒸留により除去し、残渣にトル
エン、水を装入して水洗して塩化アンモニウムを除い
た。水洗終了後、トルエン、微量の水を減圧蒸留によっ
て除去し、得られた赤褐色透明樹脂を熱時に排出した。
収量は215gで、軟化点(JIS−K−2548)は
62.4℃であった。この樹脂の水酸基当量(g/e
q)は201で、アミン価(g/eq)は820であっ
た。また、GPCによる樹脂の平均分子量は620であ
った。次に、撹拌器、温度計、還流冷却器及び水分離器
を備えたガラス製反応容器に、トルエン50gおよびp
−トルエンスルホン酸0.8gを装入し、昇温してトル
エンの還流状態で1時間還流脱水を行った。次に、無水
マレイン酸7.75g(0.08モル)を加え、更に1
時間還流脱水を行った。これに、あらかじめ上記のアミ
ノ基含有フェノール樹脂を50gのトルエンに加熱溶解
した溶液を2時間で滴下ロートより滴下した。滴下終了
後、更に6時間熟成した。滴下開始から熟成終了までの
間、反応で生成する水を還流冷却器に備え付けてある水
分離器に依って捕集した。反応終了後、内温を80℃ま
で徐冷し、水を加えてp−トルエンスルホン酸、未反応
の無水マレイン酸を水洗で取り除いた。減圧蒸留で溶媒
を留去し、得られた赤褐色樹脂を熱時に排出した。収量
は54gで軟化点(JIS−K−2548)は71.5
℃であった。なお、この樹脂のマレイミド基/水酸基の
モル比は19.7/80.3であった。
【0035】合成例2 撹拌器、温度計、還流冷却器を備えたガラス製反応容器
に、無水フタル酸9.03g(0.061モル)および
実施例1のアミノ基含有フェノール樹脂50gを装入
し、内温を150℃に保ちつつ、1時間撹拌を続け、次
いで、内温を180℃にして、減圧下で90分間保持し
た後、得られた赤褐色樹脂を熱時に排出した。収量は5
7gで軟化点(JIS−K−2548)は75.0℃で
あった。なお、この樹脂のフタルイミド基/水酸基のモ
ル比は19.7/80.3であった。
に、無水フタル酸9.03g(0.061モル)および
実施例1のアミノ基含有フェノール樹脂50gを装入
し、内温を150℃に保ちつつ、1時間撹拌を続け、次
いで、内温を180℃にして、減圧下で90分間保持し
た後、得られた赤褐色樹脂を熱時に排出した。収量は5
7gで軟化点(JIS−K−2548)は75.0℃で
あった。なお、この樹脂のフタルイミド基/水酸基のモ
ル比は19.7/80.3であった。
【0036】合成例3 撹拌器、温度計及び還流冷却器を備えたガラス製反応容
器に、α−ナフトール259.6g(1.8モル)、ア
ニリン111.7g(1.2モル)を装入し、内温を9
5℃まで昇温した。次に、p−キシリレンジクロライド
105.1g(0.6モル)を装入し、内温を同温度に
保ちつつ、3時間撹拌を続けた後、内温を180℃まで
昇温して、さらに10時間撹拌を続けた。反応終了後、
内温を60℃まで徐冷し、28%アンモニア水157.
7gを加え中和した。ついで水、トルエンを加えて分
液、水洗により塩化アンモニウムを除去した後、トルエ
ン、残存する未反応のα−ナフトールを減圧蒸留により
除いた。ついで無水フタル酸23.0g(0.16モ
ル)を装入し、内温を160℃まで昇温し、1時間撹拌
しつつ撹拌を行った。次いで内温を180℃に保ちつつ
減圧下で90分間保持後、黒褐色樹脂を熱時に排出し
た。収量は180gであった。またこの樹脂の軟化点
(JIS−K−2548)は92℃であった。なお、こ
の樹脂のフタルイミド基/水酸基のモル比は、途中のア
ミノ基含有樹脂の分析から求めた結果、24.7/7
5.3であった。
器に、α−ナフトール259.6g(1.8モル)、ア
ニリン111.7g(1.2モル)を装入し、内温を9
5℃まで昇温した。次に、p−キシリレンジクロライド
105.1g(0.6モル)を装入し、内温を同温度に
保ちつつ、3時間撹拌を続けた後、内温を180℃まで
昇温して、さらに10時間撹拌を続けた。反応終了後、
内温を60℃まで徐冷し、28%アンモニア水157.
7gを加え中和した。ついで水、トルエンを加えて分
液、水洗により塩化アンモニウムを除去した後、トルエ
ン、残存する未反応のα−ナフトールを減圧蒸留により
除いた。ついで無水フタル酸23.0g(0.16モ
ル)を装入し、内温を160℃まで昇温し、1時間撹拌
しつつ撹拌を行った。次いで内温を180℃に保ちつつ
減圧下で90分間保持後、黒褐色樹脂を熱時に排出し
た。収量は180gであった。またこの樹脂の軟化点
(JIS−K−2548)は92℃であった。なお、こ
の樹脂のフタルイミド基/水酸基のモル比は、途中のア
ミノ基含有樹脂の分析から求めた結果、24.7/7
5.3であった。
【0037】実施例1〜4 エポキシ樹脂にo−クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂(商品名 EOCN−102S、(株)日本化薬製)
およびビフェニル型エポキシ樹脂(商品名 YX−40
00H、(株)油化シェルエポキシ製)を用い、硬化剤
として合成例1〜3で得られたイミド基含有フェノール
樹脂およびフェノールノボラック樹脂(商品名 BRG
#558、(株)昭和高分子製)、無機充填剤として球
形溶融シリカ(ハリミックS−CO、(株)マイクロン
製)と不定形溶融シリカ(ヒューズレックスRD−8、
(株)龍森製)の50/50(重量比)の混合物、その
他の添加物を表−1(表1)に示す配合(重量部)で加
え、温度100℃のミキシングロール機で3分間混練を
行ってエポキシ樹脂組成物を得た。この組成物を注型加
工し、得られた硬化物の物性を測定した。物性測定用の
試験片はトランスファー成形(180℃、30Kg/c
m2 、3min)により成形し、表−1に示す条件で後
硬化を行った。また、上記エポキシ樹脂組成物を用い
て、フラットパッケージ型半導体装置用リードフレーム
の素子搭載部に半導体素子(10mm×10mm角)を
搭載した後、トランスファー成形(180℃、30Kg
/cm2 、3min)により半導体装置を得た。この半
導体装置について、V.P.Sテスト(クラック発生テ
スト)を行った。結果を表−1に示した。
脂(商品名 EOCN−102S、(株)日本化薬製)
およびビフェニル型エポキシ樹脂(商品名 YX−40
00H、(株)油化シェルエポキシ製)を用い、硬化剤
として合成例1〜3で得られたイミド基含有フェノール
樹脂およびフェノールノボラック樹脂(商品名 BRG
#558、(株)昭和高分子製)、無機充填剤として球
形溶融シリカ(ハリミックS−CO、(株)マイクロン
製)と不定形溶融シリカ(ヒューズレックスRD−8、
(株)龍森製)の50/50(重量比)の混合物、その
他の添加物を表−1(表1)に示す配合(重量部)で加
え、温度100℃のミキシングロール機で3分間混練を
行ってエポキシ樹脂組成物を得た。この組成物を注型加
工し、得られた硬化物の物性を測定した。物性測定用の
試験片はトランスファー成形(180℃、30Kg/c
m2 、3min)により成形し、表−1に示す条件で後
硬化を行った。また、上記エポキシ樹脂組成物を用い
て、フラットパッケージ型半導体装置用リードフレーム
の素子搭載部に半導体素子(10mm×10mm角)を
搭載した後、トランスファー成形(180℃、30Kg
/cm2 、3min)により半導体装置を得た。この半
導体装置について、V.P.Sテスト(クラック発生テ
スト)を行った。結果を表−1に示した。
【0038】比較例1 硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(商品名 BR
G#558、(株)昭和高分子製)およびザイロック樹
脂(商品名 ミレックスXL−225−3L、(株)三
井東圧化学製)を使用した以外は、実施例と同様にして
エポキシ樹脂組成物および半導体装置を得た。これらの
評価結果を表−1に示した。
G#558、(株)昭和高分子製)およびザイロック樹
脂(商品名 ミレックスXL−225−3L、(株)三
井東圧化学製)を使用した以外は、実施例と同様にして
エポキシ樹脂組成物および半導体装置を得た。これらの
評価結果を表−1に示した。
【0039】
【表1】 本発明のイミド基含有フェノール樹脂を用いたエポキシ
樹脂組成物は、実施例1と比較例1を比べて判るように
同様の骨格を有するフェノール樹脂に対してガラス転移
温度が大巾に向上し、吸湿性はそれほど変わらない。
又、ノボラック型のフェノール樹脂と比べると吸湿性が
低い。
樹脂組成物は、実施例1と比較例1を比べて判るように
同様の骨格を有するフェノール樹脂に対してガラス転移
温度が大巾に向上し、吸湿性はそれほど変わらない。
又、ノボラック型のフェノール樹脂と比べると吸湿性が
低い。
【0040】なお、各種物性等の試験方法は以下の通り
である。 ・ガラス転移温度:TMA法(島津、TMA−DRW
DT−30で測定) ・煮沸吸水率:100℃で沸騰水中で2時間煮沸後の重
量増加を測定 ・V.P.Sテスト:試験用の半導体装置を65℃、9
5%の恒温恒湿槽に、168時間放置した後、直ちに2
40℃のフロナート液(住友スリーエム製、FC−7
0)に投入し、パッケージ樹脂にクラックが発生した半
導体の数を数えた。試験値を分数で示し、分子はクラッ
クの発生した半導体装置の数、分母は試験に供した半導
体装置の数である。また、試験に供した添加剤およびエ
ポキシ化物、硬化剤は以下の通りである。 ・C11Z:ウンデシルイミダゾール(四国ファインケ
ミカル製) ・無機充填剤:球形溶融シリカ(ハリミックS−CO、
(株)マイクロン製50重量部と不定型溶融シリカ(ヒ
ューズレックスRD−8、(株)龍森製)50重量部の
混合物 ・シランカップリング剤:(SZ−6083、東レダウコー
ニングシリコーン製) ・EOCN−102S:o−クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂 (株)日本化薬製、エポキシ当量214 ・BRG #558:フェノールノボラック樹脂 (株)昭和高分子製、水酸基当量102 ・YX−4000H:ビフェニル型エポキシ樹脂 (株)油化シェルエポキシ製、エポキシ当量190g/
eq ・XL−225−3L:ザイロック樹脂〔下記式(化
6)〕 (株)三井東圧化学製、水酸基当量174g/eq
である。 ・ガラス転移温度:TMA法(島津、TMA−DRW
DT−30で測定) ・煮沸吸水率:100℃で沸騰水中で2時間煮沸後の重
量増加を測定 ・V.P.Sテスト:試験用の半導体装置を65℃、9
5%の恒温恒湿槽に、168時間放置した後、直ちに2
40℃のフロナート液(住友スリーエム製、FC−7
0)に投入し、パッケージ樹脂にクラックが発生した半
導体の数を数えた。試験値を分数で示し、分子はクラッ
クの発生した半導体装置の数、分母は試験に供した半導
体装置の数である。また、試験に供した添加剤およびエ
ポキシ化物、硬化剤は以下の通りである。 ・C11Z:ウンデシルイミダゾール(四国ファインケ
ミカル製) ・無機充填剤:球形溶融シリカ(ハリミックS−CO、
(株)マイクロン製50重量部と不定型溶融シリカ(ヒ
ューズレックスRD−8、(株)龍森製)50重量部の
混合物 ・シランカップリング剤:(SZ−6083、東レダウコー
ニングシリコーン製) ・EOCN−102S:o−クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂 (株)日本化薬製、エポキシ当量214 ・BRG #558:フェノールノボラック樹脂 (株)昭和高分子製、水酸基当量102 ・YX−4000H:ビフェニル型エポキシ樹脂 (株)油化シェルエポキシ製、エポキシ当量190g/
eq ・XL−225−3L:ザイロック樹脂〔下記式(化
6)〕 (株)三井東圧化学製、水酸基当量174g/eq
【0041】
【化6】 (式中、pは0〜20の整数を示す)
【0042】
【発明の効果】本発明のイミド基含有フェノール樹脂を
用いたエポキシ樹脂組成物は、類似の骨格を有するフェ
ノール樹脂に比してガラス転移温度が大巾に向上し、且
つ、吸湿性はほとんど変わらず、一方、ノボラック型の
フェノール樹脂と比べると吸湿性が低い。このことか
ら、本発明のエポキシ樹脂組成物は、半導体封止材とし
て好適であり、これを用いて封止された装置は高い信頼
性が得られる。
用いたエポキシ樹脂組成物は、類似の骨格を有するフェ
ノール樹脂に比してガラス転移温度が大巾に向上し、且
つ、吸湿性はほとんど変わらず、一方、ノボラック型の
フェノール樹脂と比べると吸湿性が低い。このことか
ら、本発明のエポキシ樹脂組成物は、半導体封止材とし
て好適であり、これを用いて封止された装置は高い信頼
性が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 (A)1分子中に2個以上のエポキシ基
を有するエポキシ樹脂と、(B)一般式(I)(化1)
で表される軟化点60〜140℃、平均分子量300〜
5000、イミド基/水酸基のモル比が、3:97〜8
0:20の範囲にあるイミド基含有フェノール樹脂を含
む硬化剤とを配合してなるエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 、R2 は水素原子、ハロゲン原子、水酸
基、またはC1 〜C12のアルキル基、アリール基、シク
ロアルキル基、アラルキル基を示し、同一でも異なって
もよく、R1 とR2 は環を形成しても良い。R3 、R4
は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、イミド基、C1
〜C12のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、
アラルキル基、イミド基置換アラルキル基、ヒドロキシ
基置換アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、イミド基置換アリールオキシ基、ヒドロキシ基置換
アリールオキシ基を示し、同一でも異なってもよく、R
3 とR4は環を形成してもよい。また、ZはC2 〜C24
の不飽和脂肪族基、不飽和単環式脂肪族基、不飽和縮合
多環式脂肪族基、環式脂肪族基が直接または架橋員によ
り相互に連結された不飽和非縮合多環式脂肪族基、置換
基として鎖状脂肪族基を有する単環式芳香族基、置換基
として鎖状脂肪族基を有する縮合多環式芳香族基、置換
基として不飽和単環式脂肪族基、置換基として不飽和単
環式脂肪族基を有する縮合多環式芳香族基、から成る群
より選ばれた2価の基を示す。但し、m,nは0〜20
を示し、m+n≠0である。末端はフェノール化合物及
び/または芳香族イミド化合物であり、フェノール化合
物と芳香族イミド化合物の結合順序は限定されない。) - 【請求項2】 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物に、
50重量%以上の無機充填剤を配合してなる半導体封止
用エポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1記載のエポキシ樹脂組成物を硬
化させることにより得られる硬化物。 - 【請求項4】 請求項2記載のエポキシ樹脂組成物を硬
化させることにより得られる硬化物。 - 【請求項5】 請求項4記載の硬化物により封止された
半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15658593A JP3214757B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | エポキシ樹脂組成物、その硬化物および半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15658593A JP3214757B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | エポキシ樹脂組成物、その硬化物および半導体装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0733858A true JPH0733858A (ja) | 1995-02-03 |
JP3214757B2 JP3214757B2 (ja) | 2001-10-02 |
Family
ID=15630985
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15658593A Expired - Fee Related JP3214757B2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | エポキシ樹脂組成物、その硬化物および半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3214757B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220158795A (ko) | 2020-05-11 | 2022-12-01 | 닛테츠 케미컬 앤드 머티리얼 가부시키가이샤 | 열경화성 수지 조성물 및 그 경화물 |
KR20240051917A (ko) | 2021-08-30 | 2024-04-22 | 닛테츠 케미컬 앤드 머티리얼 가부시키가이샤 | 알릴에테르 화합물, 수지 조성물 및 그 경화물 |
-
1993
- 1993-06-28 JP JP15658593A patent/JP3214757B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220158795A (ko) | 2020-05-11 | 2022-12-01 | 닛테츠 케미컬 앤드 머티리얼 가부시키가이샤 | 열경화성 수지 조성물 및 그 경화물 |
KR20240051917A (ko) | 2021-08-30 | 2024-04-22 | 닛테츠 케미컬 앤드 머티리얼 가부시키가이샤 | 알릴에테르 화합물, 수지 조성물 및 그 경화물 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3214757B2 (ja) | 2001-10-02 |
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