JPH0733745B2 - 窓枠への装飾部材取付け構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業の利用分野】本発明は、各種の窓枠にガラス周縁
部と窓枠との間に形成される隙間を覆うための装飾部材
を取付ける装飾部材取付け構造に関し、更に詳述する
と、軽量化が達成されると共に、窓枠の角部における仕
上り性を向上させることができる窓枠への装飾部材取付
け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、窓枠にガラスを取付ける場合、窓
枠とガラスとの隙間を帯状の装飾部材により被覆して美
観を向上させると共に、雨水や埃が隙間に侵入すること
を防止することが行われている。

【０００３】例えば、窓枠の内周縁部に形成したガラス
取付け用段部にガラスの周縁部を接着固定すると共に、
該ガラス取付け用段部を構成する壁部に周方向に沿って
帯状の装飾具取付け部材を取付け、この取付け部材に装
飾部材を係合させて該装飾部材を窓枠とガラスとの間に
形成された隙間を被覆するように取り付けることが行わ
れている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記取
付け構造により窓枠に装飾部材を取り付ける場合、窓枠
の角部において装飾具取付け部材が該角部の角度に良好
に追随せず、このため装飾部材が窓枠の周縁部に沿って
良好に装着されず、満足な美観が得られなかったり、雨
水や埃が隙間に侵入する恐れが生じる場合がある。ま
た、このような不都合を回避するために、窓枠の角部を
鋭角に構成することが難しく、このため窓枠の形状を自
由に設計することができない場合があり、例えば自動車
のフロントガラスやリヤーガラスに採用した場合には運
転者の視界を狭くする原因の一つとなる場合もある。

【０００５】また、このように装飾部材を取り付けた窓
枠構造は、どうしても重量の増加を招くことになり、こ
のため少しでも軽量化することが望まれ、特に各部分の
軽量化が設計上の重要な課題となる自動車などにおいて
は、軽量化の達成が重要な課題の１つである。

【０００６】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、有効な軽量化が達成されると共に、窓枠の設計、特
に角部の角度が制限されるようなことがなく、しかも良
好な仕上り性が得られる窓枠への装飾部材取付け構造を
提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、窓枠のガラス取り付け用段部にガラスの周
縁部を接着固定すると共に、帯状の主体に長さ方向に沿
って装飾具取付け用係止部を形成してなる装飾具取付け
部材を上記段部を構成する壁部の内周面に周方向に沿っ
て取付け、ガラス縁部と装飾具取付け部材との間に装飾
部材の係止体を挿入することにより該係止体と装飾具取
付け部材とを係合させて、窓枠縁部とガラス縁部との隙
間を覆う装飾部材を取り付けるようにした窓枠への装飾
部材取付け構造において、上記装飾具取付け部材の主体
の厚さを０．５〜１ｍｍとしたことを特徴とする窓枠へ
の装飾部材取付け構造を提供する。

【０００８】この場合、本発明の好適な実施態様とし
て、上記装飾具取付け部材の主体の幅と厚さとの比を１
５／１〜２５／１とした上記取付け構造が提供される。

【０００９】

【作用】本発明のガラス取付け構造は、上述のように、
窓枠のガラス取り付け用段部にガラスの周縁部を接着固
定すると共に、帯状の主体に長さ方向に沿って装飾具取
付け用係止部を形成してなる装飾具取付け部材を上記段
部を構成する壁部の内周面に周方向に沿って取付け、ガ
ラス縁部と装飾具取付け部材との間に装飾部材の係止体
を挿入することにより該係止体と装飾具取付け部材とを
係合させて、窓枠縁部とガラス縁部との隙間を覆う装飾
部材を取り付けるようにしたものである。

【００１０】この場合、本発明の構造においては、上記
装飾具取付け部材を構成する帯状主体の厚さを０．５〜
１ｍｍと薄くしたので、この装飾具取付け部材を窓枠に
取り付ける際、窓枠の角部に応じて容易に湾曲し、窓枠
角部の角度に良好に追随し、窓枠の内周面に沿って良好
に取り付けることができる。このため、隙間などを生じ
ることなくきれいに装飾部材を取り付けることができ、
また窓枠の角部を鋭角に形成することも可能となる。ま
た、上記主体の薄肉化により、有効な軽量化も達成され
るものである。

【００１１】即ち、本発明者は、仕上り性、特に窓枠角
部における仕上り性が良好であり、しかも有効な軽量化
を達成することができる装飾部材の取付け構造について
種々検討を重ねた結果、装飾具取付け部材の帯状主体の
厚さを０．５〜１ｍｍ、より好ましくは更に主体の幅と
厚さの比を１５／１〜２５／１とすることにより、窓枠
角部における追随性が顕著に向上して良好な仕上り性が
得られると共に、有効な軽量化が達成され、しかも装飾
部材の係止体との良好な係合力を確保することができ、
装飾部材を綺麗に、かつ簡単に外れてしまうようなこと
なくしっかりと取り付けることができることを見出し、
本発明を完成したものである。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例にかかる窓枠への装
飾部材取付け構造につき、図１及び図２を参照して説明
する。

【００１３】図中１は、ガラス取付け用段部２が形成さ
れた窓枠であり、この窓枠１の段部２にガラス３の周縁
部がダンパー４を介して接着固定されていると共に、段
部２を構成する壁部５内面に両面粘着テープ６により断
面略Ｊ字状の帯状装飾具取付け部材７が周方向に沿って
取り付けられている。

【００１４】上記装飾具取付け部材７は、断面Ｊ字状の
帯状主体８を具備しており、その上端縁部外側及び内側
には、主体８の長さ方向に沿って突条９，１０がそれぞ
れ突設されていると共に、その内側突条１０は先端側が
内側に向けて湾曲している。また、主体８の下端側は、
Ｊ字状に湾曲していると共に、その湾曲部１１の先端部
には、主体８の長さ方向に沿って係止突条１２が形成さ
れており、該係止突条１２の下端部は、主体８の湾曲部
１１内に向けて斜め下方に突出していると共に、上端部
は外側斜め上方に向けて突出している。更に、この湾曲
部１１の先端側外面下部には長さ方向に沿って固定突条
１３が突設されている。

【００１５】この装飾具取付け部材７は、上述したよう
に、その主体８の非湾曲部外面を両面粘着テープ６で窓
枠１の壁部５内面に接着固定することにより窓枠１に取
り付けられているが、この場合主体８の上端部に形成さ
れた外側突条９下面が窓枠１の上面に密着していると共
に、湾曲部１１の先端側外面下部に形成された固定突条
１３がガラス３と段部２との間を気密に閉塞するシーラ
ント（シール剤）１４中に埋設された状態に固定されて
いる。

【００１６】図中１５は、装飾具係止体で、この係止体
１５は先端部が三叉の略ホーク状に形成された板状の装
飾具嵌着部１６の基端部下面に先端部に係合鉤部１７が
形成された係止脚１８を突設したものであり、この係止
体１５の上記嵌着部１６は、断面が略Ｃ字状に形成され
た帯状の装飾部材１９の中空部に嵌着固定されていると
共に、係止脚１８は上記装飾具取付け部材７の湾曲部１
１の中空部に挿入されてその係合鉤部１７が取付け部材
７の係止突条１２下端側突部１２ａに係合している。こ
れにより、装飾部材１９がガラス３の周縁部と窓枠１の
段部２を形成する壁部５との間に形成された隙間を被覆
するように取り付けられている。

【００１７】この場合、装飾部材１９の幅方向一端縁部
（壁体５側）１９ａは、上記装飾具取付け体７の基体８
上端部に形成された内側突条１０の上面（外側面）にこ
れを押圧した状態に当接しており、これにより突条１０
が内側（壁部５側）に撓み、その弾発力により突条１０
が装飾部材１９の幅方向一端縁部にぴったりと密着して
いる。また、装飾具係止体１５は、嵌着部１６の先端側
と係止脚部１８の先端側が互いに外側に開くように撓ん
だ状態で取り付けられており、このためこれらが元の状
態に復帰しようとする弾発力により、装飾部材１９の幅
方向他端縁部下面１９ｂがガラス３の周縁部にぴったり
と密着しているものである。

【００１８】なお、図中２０は、装飾具取付け部材７の
主体８に長さ方向に沿って埋設されたガラス繊維等の補
強材である。

【００１９】ここで、上記装飾部材の取付け構造におい
て、装飾具取付け部材７の主体８は、その厚さが０．５
〜１ｍｍ、好ましくは０．５〜０．７とされる。この場
合、厚さが１ｍｍを超えると、窓枠１の角部（図示せ
ず）における取付け部材の追随性が悪くなり、装飾部材
を窓枠の周縁部に沿って綺麗に取り付けることが困難に
なると共に、有効な軽量化も達成し得ない。一方、厚さ
が０．５ｍｍ未満であると、取付け体７の強度が不十分
になり、装飾具係止体１５の脚部１８との間に良好な係
合力が得られなくなる場合が有り、装飾部材１９が外れ
易くなってしまう。また、この場合特に限定されるもの
ではないが、主体８の幅Ｗに対して厚さを１５／１〜２
５／１、特に２０／１とすることが好ましく、これによ
り装飾具取付け部材７の角部追随性がより向上するもの
である。

【００２０】なお、この装飾具取り付け部材７、装飾具
係止体１５及び装飾部材１９は、従来より用いられてい
る通常の材質とすることができ、特に制限されるもので
はないが、装飾具取付け部材７の主体８は特にポリアミ
ド中で硬質系１２ナイロンとエラストマー系の軟質１２
ナイロンとを同時押出成形したものなどが好適に使用さ
れる。

【００２１】この取付け構造により、装飾部材１９を窓
枠１に取り付ける場合は、図２に示したように、まず窓
枠１の段部２にガラス３の周縁部をダンパー４を介して
接着固定すると共に、上記装飾具取付け部材７を両面粘
着テープ６により上記段部２を形成する壁部５内面に周
方向に沿って取り付ける。この時、装飾具取付け部材７
は、その主体８の厚さが０．５〜１ｍｍと薄く形成され
ているので、窓枠１の角部においてもその角度に良好に
追随し、窓枠の周縁部に沿って綺麗に取り付けることが
できる。

【００２２】そして、この取付け部材７の湾曲部１１中
空部に、その嵌着部１６を装飾部材１９の中空部に嵌着
した装飾具係止体１５の係止脚部１８を挿入し、該係止
脚部１８の係合鉤部１７を取付け部材７の係止突条１２
の下端側突部１２ａと係合させ、この係止体１５と取付
け部材７との係合操作を装飾部材１９の長さ方向沿って
数個所行うことにより、装飾部材１９を窓枠１の周縁部
に沿って取り付ける。このとき、装飾具取付け部材７が
上述したように窓枠部１の角部においてもその角度に良
好に追随し、周縁部に沿って綺麗に取り付けられている
ので、装飾部材１９が窓枠１周縁部に沿って綺麗に取り
付けられるものである。

【００２３】このように、上記装飾部材取付け構造によ
れば、装飾部材を窓枠の周縁部に沿って綺麗に取り付け
ることができ、また装飾具取付け部材７の主体８の厚さ
を０．５〜１ｍｍと薄く形成したので、従来の構造に比
べて約２０％近くも軽量化することができるものである
（従来の構造においては、装飾具取付け部材の主体の厚
さは、約１．５ｍｍとされている）。更に、上記装飾具
取付け部材７の角部追随性が優れているので、窓枠の角
部を従来に比べて鋭角に構成することが可能となり、窓
枠を比較的自由に設計することが可能となるものであ
る。

【００２４】なお、本発明の窓枠への装飾部材取付け構
造は、上記実施例に限定されるものではなく、例えば上
記実施例においては、装飾部材１９を装飾具係止体１６
を用いて取り付けるように構成したが、装飾部材に装飾
具取付け部材８の係止突条１２と係合する係止脚部を一
体に形成することもでき、また装飾具取付け部材も上記
のような断面Ｊ字状のものに限定されず、種々の形状の
ものとすることができ、これら装飾部材、係止体及び装
飾具取付け部材の形状やこれらの係合方法などは種々変
更することができる。更に、その他の構成についても本
発明の要旨を逸脱しない限り、種々変更して差し支えな
い。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の窓枠への
装飾部材取付け構造によれば、有効な軽量化が達成され
ると共に、窓枠の設計、特に角部の角度が制限されるよ
うなことがなく、しかも良好な仕上り性が得られるもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る装飾部材取付け構造を
示す断面図である。

【図２】同取付け構造を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 窓枠 ２ 段部 ３ ガラス ５ 壁部 ７ 装飾具取付け部材 ８ 主体 １２ 係止突条（装飾具取付け用係止部） １５ 装飾具係止体 １８ 係止脚部（装飾部材の係止体） １９ 装飾部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 窓枠（１）のガラス取り付け用段部
   （２）にガラス（３）の周縁部を接着固定すると共に、
   帯状の主体（８）に長さ方向に沿って装飾具取付け用係
   止部（１２）を形成してなる装飾具取付け部材（７）を
   上記段部（２）を構成する壁部（５）の内周面に周方向
   に沿って取付け、ガラス縁部と装飾具取付け部材（７）
   との間に装飾部材（１９）の係止体（１８）を挿入する
   ことにより該係止体（１８）と装飾具取付け部材（７）
   とを係合させて、窓枠縁部とガラス縁部との隙間を覆う
   装飾部材（１９）を取り付けるようにした窓枠への装飾
   部材取付け構造において、上記装飾具取付け部材（７）
   の主体（８）の厚さを０．５〜１ｍｍとしたことを特徴
   とする窓枠への装飾部材取付け構造。
2. 【請求項２】 装飾具取付け部材（７）の主体（８）の
   幅（Ｗ）と厚さとの比が１５／１〜２５／１である請求
   項１記載の装飾部材取付け構造。