JPH0733623A - 白木クラゲからなる水溶性多糖類及びその製造方法 - Google Patents

白木クラゲからなる水溶性多糖類及びその製造方法

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JPH0733623A
JPH0733623A JP6129415A JP12941594A JPH0733623A JP H0733623 A JPH0733623 A JP H0733623A JP 6129415 A JP6129415 A JP 6129415A JP 12941594 A JP12941594 A JP 12941594A JP H0733623 A JPH0733623 A JP H0733623A
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water soluble
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jellyfish
shiraki
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Hogai Kin
鵬凱 金
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Abstract

(57)【要約】 【目的】未熟の白木クラゲを原料とし、簡単な方法で新
規水溶性多糖類を生産する、それを元に新型化粧品、飲
料、食品を開発する。 【構成】白木クラゲの自然性質によって、物理方法で加
工する。 【効果】新しい増粘多糖類素材として多くの産業に応用
される可能性がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は増粘多糖類の製造及び利
用に係るものであり、詳しくは未成熟の白木クラゲから
安全性が高く、廉価、環境に優しい、しかも性能に優れ
た植物由来の増粘多糖類の製造及び利用に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】増粘多糖類を製造する原料には動物由来
のものと、植物由来のものがある、製造方法も多種多様
である。白木クラゲを原料とする増粘多糖類の製造と利
用については産業上の参考はなかった。
【0003】
【発明が解決しようする課題】増粘多糖類は食品、化粧
品、医薬品等多くの産業に渡って増粘剤、品質改良剤、
保湿剤、等として利用されている。例えば化粧品類のシ
ャンプー、パーマ処理液、皮膚用クリーム類、ローショ
ン類などの如く湿潤性を付与することを目的として用い
る製品には素材の保湿性、湿潤性、成膜性、滑性効果が
要求される。これらの能力の高い物質には有機物、無機
物を合わせるとかなりの種類はあるが、まず安全性、そ
してpH、温度に対する安定性、経済性或は製品の形態
安定性等の必要性から考えると実際に用いられるものは
限られている。石油系由来の化粧品素材の安全性、機能
性についてはすでに多くの欠陥が気つかれ、代替物とし
て動物性、植物性由来の素材の開発が盛んに進められて
いる、例えば、ヒアルロンサン、キトサン等がある。特
にキトサンは高粘度有し、保湿性に富み、使用感良好な
ので注目されている。しかし、その原材料は主に蟹、海
老の甲殼など限られた資源から得たキチンを元に、更に
複雑の生産工程を経てキトサンを生産する、これにあた
っては、大量の労力を費やし、そして多量の水と化学薬
品(希水酸化ナトリウム水溶液、希塩酸、濃アルカリ、
濃水酸化ナトリウム水溶液等)を使い、多大なエネルギ
ーを消耗しながら、環境汚染の恐れもある。そして、キ
トサンは水に不溶のため、溶解補助剤として酢酸、ギ
酸、塩酸を用いて水溶液となしてから、これらの酸を用
いて溶解させた液をもとに化粧品への製剤化がなされて
いる。従って、処方中の酸の匂い、pH域の限定、粘度
の低下などの制約がある。しかも、ヒアルロンサンも、
キトサンも値段が高いため、応用範囲は制限されてい
る。
【0004】また、食品製造にあたっておかず、スー
プ、飲料、果汁等の食感、風味を改善するには、または
ケーキのシロップ類、ドレッシング、タレ類を調製する
には製品の粘度、質感を向上する必要がある、そうする
にはよく増粘材が使われる、その素材は澱粉、蜂蜜、砂
糖、水飴のようなものが多い、しかし、これらの物はカ
ロリーが高いため食用の制限があり、消費者から敬遠さ
れる傾向が年年強まっている、食感、、ダイエットの両
立は出来ないのが現実である。又、合成増粘剤、CMC
(カルボキシメチルセルロース)の安全性は昔から指摘
されてきた。
【0005】そこで本発明者は、高粘度、高保湿性、高
安全性、低カロリー、食感、使用感良好、生産するには
環境に優しい増粘多糖類を開発すべく、廉価な天然植物
に着目して研究試験を行なった結果、資源として豊富
で、しかも現在のところ有効に利用されていない、白木
クラゲの主成分(成分表参照)である炭水化物はムコ多
糖類であり、そして未成熟の内に水溶性の性質があり、
熱水により抽出した成分が、増粘多糖類として優れた特
性を有することを見い出し本発明を完成した。従って、
前述の課題を解消するための代替物とその製造方法を提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明における水溶性多
糖類成分を得るには、白木クラゲを未成熟の内(通常の
成熟度の9割位)に採取して乾した物を原料とする。そ
れは、白木クラゲの子実体が成熟するとセルロース化と
なり、水溶性が失い熱水で抽出することは出来なくなる
ためであり、この点は重要である。乾燥状態の原料を水
に充分浸漬したあと、抽出過程の時間、エネルギーを省
くために、粉砕してから、熱水で抽出する、そして残渣
を濾別して、水分を蒸発(真空若しくは凍結乾燥)して
微黄色のフレーク状のものを得る。但しこのフレーク状
のものを再び水に溶解することは可能であるが、少々時
間がかかるので商品として使用上高濃度の液状のほうが
好ましい。またこの抽出溶液には目的とするムコ多糖類
物質の他にアミノ酸、無機質、その他を含み、そのらも
使用し得る。
【0007】
【作用】上記のように本発明は資源豊富な白木クラゲを
極めて簡単且つ環境に優しい生産方法で得た広範に渡り
有用な増粘多糖類成分はすでに日常摂食している食品に
起源する物質であるから、安全性が高いことはすでに確
認されている。この多糖類成分を含有する水溶液は幾つ
かの優性特徴がある。pHに対する安定性について見る
と図1に示す如く粘度は3〜11の広範囲なpH域での
変化に対して非常に安定である。温度に対する粘度の変
化について見ると図2に示す如く温度の変化に対して急
激の変化はなく、硬化、白濁化現象が起こることなく、
または凍結前まで冷してもゼラチン質のように固まる現
象はなく、流動的、透明な状態を保ち、そして粘度は可
逆的である。保湿性について見ると図3に示す如く白木
クラゲ0.3%濃度の溶液と対照物のヒアルロンサン
0.3%溶液及び水各5gを別々に直径10CMの蒸発
皿にとり、温度20℃、湿度25%の環境に置き水分蒸
発により重量の減少を測定した。結果として本発明品の
方は蒸発が一番遅かった。本発明品の物性は無色透明、
無臭、無味、微量でも良好の粘度を有し、長時間放置し
たり、撹拌したりしても粘度の低下、分離、沈殿するこ
とがなく、フィルム形成能力が優れており、性能はヒア
ルロンサン、脱アセチル化キトサン水溶液と非常に類似
して、保湿性、成膜性、組織親和力、特有の滑性フィー
リング効果が優れる。また本発明品は他の高分子多糖
類、またはアルコール、有機溶剤、各種界面活性剤との
相溶性は良好で、併用しても効果を損なわれることはな
い。従って、化粧品類においては透明な化粧水などの液
体製品から加熱処理や加熱滅菌操作など必要とするクリ
ームや乳液などの基礎化粧品類やコールドパーマにおけ
るpHの高い液体製品まで、広範囲に増粘または保湿剤
としての利用ができ、食品についても同じく、本発明品
の添加により、商品の品質改善が期待できる。
【0008】そして、本発明品を食用にあたっては特別
なボリューム感、滑らかな喉越し感を有しながら、エネ
ルギーが低いのも大きな優性である、100gの0.5
%濃度の溶液の粘度は250cps位で、エネルギーは
2Kcal以下に対して、同量、同粘度の水飴溶液の方
は150Kcal位である。従って、本発明品を調味
料、甘味料、果汁、香料、アルコール等の成分と適当に
配合すれば、超低カロリーの食品、飲料の骨材、添加剤
として利用することができ、食生活を豊かにし、一般の
人は勿論のこと、特別体質の人にも適用されると考えら
れる。
【0009】本発明品は耐熱性が優れるから化粧品、食
品への添加の時期は任意であり、例えば食品製造時また
は製造後のいずれであってもよい。又、添加量の好まし
い範囲は製品の0.1〜2重量%であり、この以下の添
加量では添加効果が不十分であり、以上になると液状商
品の場合には流動性が低下するので好ましくない。
【0010】白木クラゲは古来から中華料理食材であ
り、漢方薬膳の材料でもある、漢方医学理論によると白
木クラゲは味甘、性平、無毒、補腎、潤肺の効用があ
り、肺は肌の元、肺の調子が良ければ、肌も潤うと記し
ており、そして、滋養、健身、美容、抗腫瘍、抗癌、コ
レステロールの摂取を低下させる効果があるとの報告が
あり、その効能を生かしながら、本発明品単独でまたは
ベースとして栄養成分、生薬成分等の中から適当なもの
を選択し適宣配合して、機能性食品、飲料を開発利用す
ることが出来る。
【0011】
【実施例】
生産例 10g乾燥の白木クラゲを容器に入れ、精製水に4時間
位浸漬、重さは約130gになり、粉砕機に掛け、1〜
5mm角に粉砕して、精製水1.5Kgを加え、3時間
位煮沸、白木クラゲの水溶性多糖類成分が水に溶け、液
体の粘稠度も高くなり、充分溶けてから、残渣を濾別
し、そして、抽出残渣に再び精製水1Kgを加え、30
分位煮沸してから、残渣を濾別する。二回の濾液を合し
2Kg位の濃度0.3%位、粘度180cps位(20
℃の場合)、pH値5.77の無色透明、無臭、無味の
抽出液を得られ、さらに、この抽出液を凍結乾燥して微
黄色のフレーク状のもの6gを得た。
【0012】 本発明品を未添加の場合と対照に使用して比べた結果、
このクリームは使用感が優れ、水分蒸発を防ぎ、塗擦後
の感触が良かった。
【0013】 上記リンスを使用後、毛髪はベトつかずにソフトな光沢
を与えしっとりした感じを付与された。
【0014】ドレッシング 食酢、醤油、サラダ油及び香料からなる市販の中華ドレ
ッシング100gに2%濃度の本発明品10gを添加す
る、このもの及び本発明品を未添加の同量ものを別々に
ガラス瓶にとり、両者を同一条件で20秒間振った後、
静置して様子を見たところ、本発明品を未添加のものは
静置後直ちに油が分離し、元の状態に戻ったに対して、
本発明品を添加した場合は油滴の分離は起こるが、その
時間は十分遅く、また分離した油滴の直径はほぼ0.3
〜1mm程度に揃っており、外観が良く、そして食品素
材に対する付着性が良好で、またこのものを食べたとこ
ろ本発明品を添加していない場合と比べて風味がなめら
かになっていた。そして、本発明品はコレステロールの
摂取を低下させる効果があるので、健康上も好ましい。
【0015】 ドリンク剤 白木クラゲ0.3%満度の溶液 100ml ダイエット甘味料 2g 香料 若干 このドリンクの粘度は20℃では180cps位で、5
℃前後まで冷しても固まることはなく、飲んだところ、
まろやかな食感と滑らかな喉越し感があり、エネルギー
は2Kcal未満である、さらに、このドリンク剤に糖
類、果汁、ビタミン剤、栄養剤、アルコール、香料等を
配合することもでき、そして甘さと関係なく粘度を調整
することもできる。そして、白木クラゲの薬用効果があ
る。
【0016】インスタントラーメン 一般市販のインスタントラーメン二人前を用意、一方に
白木クラゲの2%の溶液10gを添加、熱湯を入れる、
対照としてもう一方の方に熱湯だけを入れる、食べ比べ
たところ、本発明品を添加した方は麺のコシが強く、ス
ープの粘度が高く、滑らかな食感があり、一層風味が向
上したことを認められた。こういった方法は別のスープ
類、汁類にも適用することができる。
【0017】ケーキシロップ 次の処方に従って構成物を調製した。 白木クラゲ2%濃度の溶液 100ml ダイエット甘味料 3g カラメル色素 微量 香料 微量 上記材料で調製したシロップは市販品に近い370cp
s位の粘度を有し,ケーキにかけて食べたところ、透明
度、質感、食感は従来の蜂蜜、水飴、砂糖が主材料とな
るシロップより劣らないだけでなく、本発明品の100
gあたりのエネルギーは10Kcal未満に対して、市
販品の方は270Kcal位であることが分かった。そ
して、本発明品は甘さと関係無く粘度調整することがで
き、さらに必要に応じて水あめ、蜂蜜、砂糖を加えるこ
ともできる。また、このような方法は別の菓子類、タレ
類にも応用することができる。
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、以下に記載されるような効果を奏する。
【0018】白木クラゲの従来の固形の形でしか利用で
きない歴史を終わらせ、資源は人工栽培により無限とも
言えるほど豊富であり、そして有機溶媒を使わず、操作
的にも簡単で、環境に優しい生産方法で広範に渡り有用
な水溶性多糖類を得ることに成功した、従って、装置
(生産設備)等の資金も少なくで済み、生産原価に低減
が可能である。
【0019】本発明品溶液は無色透明で特異な匂いは
無、pH、熱の変化対して安定性が良好であり、安全性
が高く、保湿性、湿潤性、成膜性、高粘性、組織親和
力、特有の滑性効果が優れ、そしてヒアルロンサン、キ
トサンにない天然植物由来の多種類のアミノ酸を含まれ
ているから、肌、髪に潤いを与え、乾燥を防ぐ効果があ
り、そして形成される膜は弾力性があり、ヘアウエーブ
を保持する効果が強いだけではなく、通常セット効果の
強い整髪料を多量に用いると、膜剤の小片がまるでフケ
のように剥がれ落ちることは良くあるが本発明品ではそ
のような現象は見られない。こうした優性を生かして化
粧品の新基材として広範に渡り有用性があると考えら
れ、開発の将来性が大きい。
【0020】白木クラゲ本来の無毒性、滋養、健康、美
容効果及び独特なボリューム感と喉越しの食感を活か
し、調味料、甘味料等と組合せて応用すれば低カロリー
食品増粘剤、添加剤として手軽に利用することが出来、
新型飲料、食品の開発に役立ち、大きな経済効果を期待
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】濃度0.3重量%、20℃の場合。pHに対す
る粘度の変化。
【図2】濃度0.3重量%の場合、温度に対する粘度の
変化。
【図3】濃度0.3%の白木クラゲ溶液とヒアルロンサ
ン0.3%濃度の溶液及び水各5gを、別々に直径10
CMの蒸発皿にとり、同条件の温度20℃、湿度25%
の環境に静置して、蒸発残量減少の比較。図中(A)は
本発明品(B)はヒアルロンサン(C)は水である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/00 103 G

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未熟白木クラゲ(Tremella Fu
    ciformisBERK 異型担子菌類の子実体)か
    らなる水溶性増粘多糖類成分を含有することを特徴とす
    る化粧品。
  2. 【請求項2】未熟白木クラゲからなる水溶性増粘多糖類
    成分を含有することを特徴とする食品。
  3. 【請求項3】請求項1、2の未熟白木クラゲからなる水
    溶性増粘多糖類の製造方法。
JP6129415A 1993-05-17 1994-05-09 白木クラゲからなる水溶性多糖類及びその製造方法 Pending JPH0733623A (ja)

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