JPH0733575U - 可搬形電動ステープル打機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 建築用可搬形電動ステープル打機の安全性と
機能の向上を図る。 【構成】 トリガレバー３によってオン／オフするトリ
ガ操作検出スイッチ５と、コンタクトアーム２３によっ
てオン／オフする接触検出スイッチ２５と、プランジャ
１７によってオン／オフするサイクル終了検出スイッチ
２１を設ける。また、１サイクル動作と連続動作とを切
換えるモード切換スイッチを設け、各スイッチを制御回
路２６へ接続する。接触検出スイッチ２５がオフでトリ
ガレバー３が操作されたときは、制御回路２６のタイマ
部がクロックパルスをカウントし、設定時間に達したと
きにトリガ操作検出スイッチ５のオン信号をオフ処理す
る。また、連続動作設定時には自動電源切断機能を解除
し、トリガ操作検出スイッチ５或いは接触検出スイッチ
２５がオフするまでモータ７の駆動を継続し、打込みを
連続して行うことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は電動ステープル打機に関するものであり、特に、建築材料の接合作 業等に用いる可搬形電動ステープル打機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、建物の内装工事等において使用される電動ステープル打機は、バネの弾 発力を利用してステープルドライバを駆動し、ステープルを打込むように構成さ れている。ステープルドライバはプランジャに結合され、プランジャに圧縮バネ を介装してステープルドライバを射出方向へ付勢している。プランジャはカム機 構を介してモータにより引上げられ、上死点近傍でカムがプランジャの係合部か ら離脱し、圧縮バネの弾発力によりステープルドライバが急激に下降してステー プルが建築材料へ打込まれる。

【０００３】 モータの起動スイッチ機構は、誤射防止のためトリガレバーと、ステープル射 出口近傍に設けた接触検出用のコンタクトアーム等とによって機械的なＡＮＤ機 構を構成するとともに、カムによる自動スイッチ切断機構を設けて１サイクルの 動作終了時に電源が切断されて停止するように形成されている。即ち、電動ステ ープル打機の射出口を目的の部位に当接させてコンタクトアーム等を押し込み、 トリガレバーを引くことによってモータが起動され、ステープルドライバがステ ープルを打込んだ後にプランジャが上死点近傍の待機位置まで引上げられ、カム 機構により電源スイッチがオフされて１サイクルの動作を終了する。そして、上 述した操作を反復することにより、ステープルを１本づつ打込むことができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の電動ステープル打機は、トリガレバーとコンタクトアーム等によって機 械的なＡＮＤ機構を構成している。従って、トリガレバーのみの操作ではモータ は起動せず、電動ステープル打機を目的の場所に押しあててトリガレバーを操作 する２段階の操作でステープルが発射されるように構成し、誤操作による事故を 防止している。しかしながら、例えば使用者が電動ステープル打機を移動或いは 運搬する際等において、トリガレバーを引いた状態で電動ステープル打機のコン タクトアームが人体等に接触した場合は、モータが起動してステープルが発射さ れ、傷害事故を惹起こす虞れがある。

【０００５】 また、ステープル打込み作業時には１サイクル毎に自動的に電源が切断されて 動作を停止するので、打込みの都度、トリガレバーを操作しなければならず、連 続的に打込み作業を行う場合においては操作が煩瑣であるという欠点がある。 そこで、誤操作によるステープル発射事故の虞れを解消して安全性の向上を図 るとともに、連続打込み作業における操作性を改善して作業能率を向上するため に解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本考案は上記課題を解決するこ とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記目的を達成するために提案するものであり、建築工事等に用 いる可搬形電動ステープル打機であって、ステープル射出口と打込み対象との接 触を検出する検出部とトリガレバーとによって機械的安全機構或いはＡＮＤ回路 を構成し、前記ステープル射出口と打込み対象とが接触し、且つ、トリガレバー が操作されたときに電動アクチュエータが起動してステープルを発射するように 構成した可搬形電動ステープル打機に於て、前記トリガレバーが操作され、且つ 前記ステープル射出口が非接触状態の場合に計時を開始するタイマ手段と、予め 設定した基準時間と前記タイマ手段による計測時間とを比較する手段と、計測時 間が基準時間に達したときは前記トリガレバーのスイッチオン信号をオフ処理し 、且つ、前記タイマ手段の計測値をリセットする手段とを備えたことを特徴とす る可搬形電動ステープル打機、及び、１サイクルの動作終了後に電動アクチュエ ータへの供給電源を切断する自動電源切断機能を有する可搬形電動ステープル打 機に於て、前記自動電源切断機能を制御する手段と、１サイクル動作と連続動作 とを切換えるモード切換スイッチとを設け、前記モード切換スイッチの操作によ って自動電源切断機能を解除できるように形成したことを特徴とする可搬形電動 ステープル打機を提供するものである。

【０００７】

【作用】

請求項１記載の可搬形電動ステープル打機に設けたタイマ手段は、トリガレバ ーが操作され、且つ、射出口がステープルの打込み対象に接触していない状態の 場合に時間計測を開始する。そして、同一状態の継続時間が例えば数秒に設定し た基準時間に達したときは、トリガレバーのオン信号を切断する。従って、トリ ガレバーを操作して一定時間経過後は、射出口が人体等に接触してもステープル は発射されない。

【０００８】 請求項２記載の可搬形電動ステープル打機は、１サイクルと連続サイクルの動 作モード切換スイッチを備えており、１サイクルモードに切換えた場合は、射出 口をステープル打込み対象に押当ててトリガレバーを操作すると、ステープルを 打込み後に１サイクルの動作終了が検知され、モータが停止されてスタンバイ状 態となる。また、切換スイッチを連続モードに切換えた場合は、上述した打込み 操作によってモータが起動してステープルを打込み、トリガレバーの操作を解除 するか、或いは射出口を打込み対象から離さない限り、モータの回転が継続され てステープルを連続的に発射する。よって、ステープルを連続して打込む場合に 、１サイクルの動作終了の都度トリガレバーを操作する必要がない。

【０００９】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図１乃至図３に従って詳述する。図１は可搬形電 動ステープル打機１を示し、外筐であるダイキャスト製フレーム２の側面中央部 位に長円孔が開設されて把手部２ａが形成されている。把手部２ａの前部にはト リガレバー３が配設され、トリガレバー３は圧縮バネ４の付勢によって長円孔内 に突出し、このトリガレバー３を人指し指で操作してトリガ操作検出スイッチ５ をオンするように形成されている。フレーム２の下部にはステープルマガジン６ が設けられ、門形のステープルを多数接着してアングル鋼状に整列させた連結ス テープル（図示せず）をステープルマガジン６に収納する。

【００１０】 フレーム２内の中央部位にはモータ７が配設され、モータ７の軸に嵌着したピ ニオンギヤ８とフレーム２に固定された内歯リングギヤ９との間に遊星ギヤ１０ ，１０が介装されている。遊星ギヤ１０，１０は中間ピニオンギヤ１１の後部円 盤部１１ａに回転自在に軸着され、中間ピニオンギヤ１１は遊星ギヤ１０，１０ の公転によってモータ７の回転速度よりも減速されて回転する。

【００１１】 中間ピニオンギヤ１１は、その上部に縦列配置されて相互に噛合している一対 の平歯車１２，１３の下方の平歯車１２に噛合し、モータ７の回転により上下の 平歯車１３，１２を相互に逆回転させる。上下の平歯車１３，１２には夫々前面 の回転中心から変位した位置にローラ１４，１５が軸着され、平歯車１２，１３ の回転に伴ってローラ１４，１５が公転する。

【００１２】 平歯車１２，１３の前方には上下方向へシリンダ部１６が形成され、シリンダ 部１６にプランジャ１７が遊嵌されている。シリンダ部１６の内部天面とプラン ジャ１７との間には圧縮コイルバネ１８，１９が介装され、プランジャ１７を下 方へ付勢している。 プランジャ１７の前面には板状のステープルドライバ２０が固着されており、 同図に示すように、プランジャ１７が下降したときに、ステープルドライバ２０ はフレーム２の前部下面に設けた射出口２ｂを通じて下方へ突出する。また、プ ランジャ１７の背面には後方へ突出する凸部１７ａ，１７ｂが形成され、平歯車 １２，１３の回転時には、先ず下方の平歯車１２のローラ１４が下方の凸部１７ ａに係合してプランジャ１７をローラ１４の上死点近傍迄押上げ、ステープルド ライバ２０が射出口２ｂ内に引込まれる。続いて上方の平歯車１３のローラ１５ が上方の凸部１７ｂに係合してプランジャ１７を更に上方へ引上げる。

【００１３】 シリンダ部１６の上部にはプランジャ１７によって作動されるサイクル終了検 出スイッチ２１を固設し、上昇されたプランジャ１７の上端部がサイクル終了検 出スイッチ２１を押すことによってプランジャ１７が上部停止位置に達したこと が検出される。 そして、更にモータ７を駆動した場合は、プランジャ１７がやや上昇した後に 、上方の平歯車１３のローラ１５とプランジャ１７の凸部１７ｂとの係合が解除 され、プランジャ１７は圧縮コイルバネ１８，１９の付勢によって急激に下降し 、ステープルドライバ２０の先端部にてステープルを射出口２ｂから下方へ発射 する。下降したプランジャ１７は、シリンダ部１６の下部に配設したバンパ２２ に衝突して停止されるとともに衝突時の衝撃を緩和される。

【００１４】 また、ステープルの射出口２ｂの前部には、更にガイド孔２ｃが形成されてコ ンタクトアーム２３がガイド孔２ｃに沿って昇降自在に装着されている。コンタ クトアーム２３は、上部を後方へ折曲され、この折曲部２３ａとフレーム２とに 圧縮コイルバネ２４を介装してコンタクトアーム２３を下方へ付勢し、コンタク トアーム２３の先端部をガイド孔２ｃから下方へ突出させている。そして、折曲 部２３ａの後方に接触検出スイッチ２５を配置し、コンタクトアーム２３の先端 部がガイド孔２ｃ内へ押込まれることによって接触検出スイッチ２５がオンして 射出口２ｂと打込み対象との接触が検出される。

【００１５】 また、フレーム２内の後方下部には制御回路２６を搭載した回路基板２６ａが 配設され、同図には表われない１サイクル／連続サイクルのサイクルモード切換 スイッチが制御回路基板２６ａの手前側に配置されてフレーム２の側面に露出す るように構成している。また、制御回路基板２６ａの上方にはバッテリ収納部２ ｄが形成され、充電式バッテリパック２７が装填される。

【００１６】 図２は、可搬形電動ステープル打機１の駆動回路ブロック図であり、前述した トリガ操作検出スイッチ５とサイクル終了検出スイッチ２１と接触検出スイッチ ２５、並びにサイクルモード切換スイッチ２８が制御回路２６のＣＰＵ２９に接 続され、タイマ部２９ａを有するＣＰＵ２９が各スイッチ５，２１，２５，２８ の状態に応じてモータ駆動回路３０を制御する。

【００１７】 次に、可搬形電動ステープル打機１の動作の流れを図３に従って説明する。先 ず、主電源スイッチ（図示せず）がオンされると（ステップ１０１）、ＣＰＵ２ ９が初期化されてプログラムがロードされる（ステップ１０２）。 続いて、トリガレバー３が操作されるまで待機状態となり（ステップ１０３） 、トリガレバー３が操作されたことを検出するとステップ１０４へ進み、コンタ クトアーム２３が押込まれたか否かを判断する。コンタクトアーム２３が押込ま れて接触検出スイッチ２５がオンしたときは、モータ７の電磁ブレーキを解除し （ステップ１０５）、モータ７を起動して（ステップ１０６）、上部待機位置の プランジャ１７の固定を解除し、ステープルが打込まれる。

【００１８】 続いて、サイクルモード切換スイッチ２８のポジションを判断し（ステップ１ ０７）、１サイクルモードの場合は、プランジャ１７がステープル打込み後に上 昇されて所定位置に達したことを、ステップ１０８においてサイクル終了検出ス イッチ２１が検出した時点から、予め設定されている待機時間を計測（ステップ １０９）した後にモータ駆動電流をオフし（ステップ１１０）、モータ７にブレ ーキをかけて（ステップ１１１）ステップ１０３へ戻り、次のトリガ操作の待機 状態となる。

【００１９】 一方、ステップ１０４に於て接触検出スイッチ２５がオフのとき、即ち、トリ ガレバー３が引かれて射出口２ｂが対象に接触していない場合は、ＣＰＵ２９の タイマ部２９ａがクロックのカウントを開始し（ステップ１１２）、同一状態が ２秒経過したときは、ステップ１１３からステップ１１４へ進みトリガ操作検出 スイッチ５のオン信号を切断するオフ処理を実行し、タイマ部２９ａのカウント 値をクリアして（ステップ１１５）、ステップ１０３へ戻る。

【００２０】 また、タイマ部２９ａが２秒を計測する以前にトリガレバー３がオフとなった ときは、ステップ１１３からステップ１０３へ戻り待機状態となる。また、打込 み作業時において、２秒経過以前にコンタクトアーム２３を押当てたときはステ ップ１１３→１０３→１０４→１０５と進み、ステープルの打込みが行われる。 このように構成したことにより、運搬時等において可搬形電動ステープル打機 １のトリガレバー３が引かれた状態で、誤まってコンタクトアーム２３が人体等 に接触して押込まれたときにステープルが発射されることを防止している。

【００２１】 また、サイクルモード切換スイッチ２８が連続サイクル位置にあって、ステッ プ１０６にてモータ７が起動された場合は、ステップ１０７からステップ１１６ ，１１７と進んでトリガレバー３とコンタクトアーム２３がともにオンである限 りモータ７が連続運転され、ステープルを連続して打込むことができる。 そして、トリガレバー３をオフしたときにステップ１１６からステップ１０８ へ進み、現在のサイクルを終了後にモータ７が停止されて待機状態となる。また 、可搬形電動ステープル打機１を打込み対象から離したときは、接触検出スイッ チ２５がオフすることによりステップ１１７からステップ１０８へ進み、現在の サイクル終了後にステップ１０３の待機状態となる。

【００２２】 このように、ステープルを連続的に打込む場合は、サイクルモード切換スイッ チ２８を切換えることによって１サイクル開始の都度トリガレバー３を操作する 必要がなく、能率的に作業を実行することができる。 尚、この考案は上記一実施例に限定するものではなく、例えば制御部をマイク ロコンピュータに代えて他の論理回路で構成してもよい。

【００２３】

【考案の効果】

請求項１記載の考案は、可搬形電動ステープル打機のトリガレバーが引かれ、 射出口の接触が検出されないときは、タイマ部がカウントを開始し、同一状態の 継続時間が基準時間に達したときにトリガ信号を切断するので、電動ステープル 打機を把持して移動する際等において、射出口が人体等に接触してステープルが 発射される不慮の事故を防止できる。また、トリガレバーを操作して、基準時間 内に射出口をステープルの打込み個所に押当てればステープルが打込まれ、通常 の作業には何等支障をきたすことなく安全性を向上できる。

【００２４】 請求項２記載の考案は、１サイクル動作と連続打込みとを切換えられる機能を 設けたので、連続打込み動作を選択することによりトリガレバーを操作して射出 口を打込み対象に押当てれば、トリガレバーをオフにするか、或いは電動ステー プル打機を打込み個所から離反させない限り、連続的にステープルを打込むこと ができる。従って、従来形とは異なりステープルを１回打込む都度、トリガレバ ーを操作する必要がなく、作業性が著しく向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の可搬形電動ステープル打機を示し、そ
の縦断側面図。

【図２】本考案の可搬形電動ステープル打機の回路ブロ
ック図。

【図３】本考案の可搬形電動ステープル打機の制御フロ
ーチャート。

【符号の説明】

１ 可搬形電動ステープル打機 ２ フレーム ２ａ 把手部 ２ｂ 射出口 ２ｃ ガイド孔 ３ トリガレバー ５ トリガ操作検出スイッチ ７ モータ １７ プランジャ ２０ ステープルドライバ ２１ サイクル終了検出スイッチ ２３ コンタクトアーム ２５ 接触検出スイッチ ２６ 制御回路 ２８ サイクルモード切換スイッチ ２９ ＣＰＵ ２９ａ タイマ部 ３０ モータ駆動回路

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建築工事等に用いる可搬形電動ステープ
   ル打機であって、ステープル射出口と打込み対象との接
   触を検出する検出部とトリガレバーとによって機械的安
   全機構或いはＡＮＤ回路を構成し、前記ステープル射出
   口と打込み対象とが接触し、且つ、トリガレバーが操作
   されたときに電動アクチュエータが起動してステープル
   を発射するように構成した可搬形電動ステープル打機に
   於て、前記トリガレバーが操作され、且つ前記ステープ
   ル射出口が非接触状態の場合に計時を開始するタイマ手
   段と、予め設定した基準時間と前記タイマ手段による計
   測時間とを比較する手段と、計測時間が基準時間に達し
   たときは前記トリガレバーのスイッチオン信号をオフ処
   理し、且つ、前記タイマ手段の計測値をリセットする手
   段とを備えたことを特徴とする可搬形電動ステープル打
   機。
2. 【請求項２】 建築工事等に用いる可搬形電動ステープ
   ル打機であって、１サイクルの動作終了後に電動アクチ
   ュエータへの供給電源を切断する自動電源切断機能を有
   する可搬形電動ステープル打機に於て、前記自動電源切
   断機能を制御する手段と、１サイクル動作と連続動作と
   を切換えるモード切換スイッチとを設け、前記モード切
   換スイッチの操作によって自動電源切断機能を解除でき
   るように形成したことを特徴とする可搬形電動ステープ
   ル打機。