JPH07335487A - 電子部品及びその製造方法 - Google Patents

電子部品及びその製造方法

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JPH07335487A
JPH07335487A JP6122478A JP12247894A JPH07335487A JP H07335487 A JPH07335487 A JP H07335487A JP 6122478 A JP6122478 A JP 6122478A JP 12247894 A JP12247894 A JP 12247894A JP H07335487 A JPH07335487 A JP H07335487A
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JP
Japan
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electrode
electronic component
electrodes
surfactant
layer
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JP6122478A
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Inventor
Hideki Suzuki
英樹 鈴木
Kunihiko Hamada
邦彦 浜田
Tatsuo Kunishi
多通夫 国司
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外部電極を電子部品素体から遠ざける方向に
外力が加わった場合であっても、電子部品素体における
クラック等が生じ難い電子部品を提供する。 【構成】 外部電極14,15が、電極14a〜14
d,15a〜15dを積層した構造を有し、外部電極1
4,15内に、はんだにより溶融しない金属からなる電
極14c,15cの内側に界面活性剤層14e,15e
が形成されている電子部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部電極を有する電子
部品及びその製造方法に関し、特に、外部電極構造が改
良された電子部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子部品の一例を図1を参照して
説明する。図1は、従来の積層コンデンサを基板上に実
装した状態を示す縦断面図である。
【0003】積層コンデンサ1は、セラミック焼結体2
内に複数の内部電極3a〜3fをセラミック層を介して
重なり合うように配置した構造を有する。焼結体2の一
方端面2aには、外部電極4が、他方端面2bには外部
電極5が形成されている。外部電極4,5は、例えば、
それぞれ、内側から順に、AgまたはAg−Pd合金な
どよりなる電極4a,5aと、Niなどからなる電極4
b,5bと、SnやPb−Snもしくははんだ等よりな
る電極4c,5cとを有する。
【0004】電極4a,5aがAgやAg−Pd合金に
より構成されているのは、内部電極3a〜3fとの電気
的接続の信頼性を高め、かつ充分な導電性を外部電極
4,5に与えるためである。また、AgやAg−Pd合
金などのAg含有材料により電極4a,5aが形成され
ているため、はんだ付けに際し、はんだと電極4a,5
aとが接触すると、はんだ食われ現象が生じる。従っ
て、電極4a,5aをはんだと接触させないために、N
iなどよりなる電極4b,5bが形成されている。さら
に、Niよりなる電極4b,5bは、はんだ付け性が充
分でないため、はんだ付け性に優れたSnなどよりなる
電極4c,5cが最外側層に形成されている。
【0005】図1では、基板6上の電極ランド6a,6
bに、外部電極4,5がはんだ7,8により接合され、
それによって積層コンデンサ1が基板6上に面実装され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図1に示したように積
層コンデンサ1が基板6に面実装された状態において、
周囲温度が変化した場合、基板6やはんだ7,8が膨張
あるいは収縮する。その結果、はんだ7,8により基板
6に接合されている積層コンデンサ1に対して、上記膨
張や収縮による物理的ストレスが与えられる。また、周
囲温度の変化だけでなく、外力により基板6がたわんだ
りすることもあり、そのような場合においても、物理的
ストレスがはんだ7,8を介して積層コンデンサ1に与
えられる。
【0007】上記のような物理的ストレスが与えられた
場合、特に、基板6の積層コンデンサ1側の主面が凸状
となるように、基板6がたわんだ場合には、外部電極
4,5を焼結体2から遠ざける方向にストレスが加わ
る。その結果、外部電極4,5間が遠ざかる方向に加わ
るストレスにより、セラミック焼結体2にクラックが生
じることがあった。
【0008】本発明の目的は、電子部品が結合されてい
る基板などのたわみ等に起因する外力が電子部品に与え
られた場合であっても、電子部品素体のクラック等が生
じ難い、電子部品及びそのような電子部品の製造方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電子部品は、上
記課題を達成するために考えられたものであり、電子部
品素体と、前記電子部品素体の外表面に形成された複数
層の電極よりなる外部電極と、前記外部電極内におい
て、はんだにより溶融しない金属からなる電極よりも内
側に形成されている界面活性剤層とを備える、電子部品
である。
【0010】また、本発明の電子部品の製造方法は、上
記電子部品を製造するための方法であり、第1の製造方
法は、電子部品素体の外部電極形成領域に少なくとも1
層の第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極を形
成する工程の後に、界面活性剤含有メッキ浴を用いて電
解メッキすることにより界面活性剤層及び第2の電極を
形成する工程とを備える、電子部品の製造方法であり、
第2の製造方法は、電子部品素体の外部電極形成領域
に、少なくとも1層の第1の電極を形成する工程と、前
記第1の電極を形成する工程の後に、電子部品素体の少
なくとも第1の電極が形成されている領域を界面活性剤
水溶液に浸漬して界面活性剤層を形成する工程と、前記
界面活性剤層上に第2の電極を形成する工程とを備え
る、電子部品の製造方法である。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電子部品は、電子部品素体の外表面に形成された外部電
極が複数層の電極により構成されており、かつ外部電極
内において、上記界面活性剤層が設けられていることを
特徴とする。界面活性剤層は、上記のように、はんだに
溶融しない金属からなる電極よりも内側に形成されてい
ることが必要である。
【0012】界面活性剤層は、外部電極が電子部品素体
から分離しようとする方向にストレスが加わった際に、
部分的に内側の電極から剥離することにより、上記スト
レスを緩和させるために設けられている。また、界面活
性剤層は、その内側に位置する電極と、外側に位置する
電極との電気的接続の信頼性を損なうものであってはな
らない。従って、界面活性剤層は、内側及び外側の電極
に比べ、非常に薄い厚みの層、例えば100Å〜500
Å程度の層として形成される。
【0013】上記界面活性剤層は、はんだに溶融しない
金属からなる電極よりも内側に形成されることが必要で
ある。界面活性剤層の外側に位置する電極がはんだによ
り溶融する金属のみの場合、例えばSnなどからなる電
極のみの場合には、はんだ付けに際し該Snなどよりな
る電極が溶融し、界面活性剤層が溶融状態にある高温の
はんだに直接さらされることになり、界面活性剤層が消
失してしまう。従って、最終的に得られた電子部品にお
いて、界面活性剤層の上記ストレス緩和作用を期待する
ことができなくなる。よって、界面活性剤層は、はんだ
に溶融しない金属からなる電極よりも内側に形成される
ことが必要である。
【0014】なお、はんだに溶融しない金属からなる電
極よりも内側に形成されていることが必要であるだけで
あり、はんだに溶融しない金属からなる電極と界面活性
剤層との間に、はんだにより溶融する電極が介在されて
いてもよい。
【0015】界面活性剤層を構成するための界面活性剤
としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性
剤、カチオン系界面活性剤などの適宜の界面活性剤を使
用することができる。このような界面活性剤の具体的な
例としては、日本油脂社製ナイミーン(商品名)、三洋
化成社製カチオンLQ(商品名)などを挙げることがで
きる。
【0016】本発明の電子部品は、上記界面活性剤層の
ストレス緩和作用により、物理的なストレスが電子部品
素体に及ぶのを緩和することに特徴を有するものであ
る。従って、その他の構造については、特に限定される
ものではない。
【0017】例えば、電子部品素体としては、セラミッ
クスを利用したものの他、圧電単結晶などのセラミック
ス以外の材料を用いたものであってもよい。また、外部
電極についても、従来より電子部品に用いられている複
数層の電極からなる適宜の外部電極を採用することがで
きる。さらに、外部電極を構成している複数の電極の形
成方法についても特に限定されない。例えば、メッキ、
蒸着もしくはスパッタリングなどの適宜の方法で各電極
を形成することができる。
【0018】さらに、本発明の電子部品は、チップ型電
子部品に好適に用いることができ、例えば図1に示した
積層コンデンサ1において基板6のたわみに起因するス
トレスを上記界面活性剤層の作用により緩和させ、セラ
ミックスのクラックを防止することができる。しかしな
がら、例えばリード付きの電子部品にも本発明を適用す
ることができ、その場合には、外部電極に接合されたリ
ード端子からの外力による電子部品素体のクラック等を
同様に効果的に防止することができる。
【0019】次に、本発明の製造方法につき説明する。
本発明の電子部品の製造方法では、まず、電子部品素体
の外部電極形成領域に、少なくとも1層の第1の電極を
形成する。この少なくとも1層の第1の電極の形成につ
いては、適宜の方法により行い得る。例えば、蒸着、メ
ッキもしくはスパッタリングなどの薄膜形成法や、導電
ペーストを塗布し焼き付ける方法等を採用することがで
きる。もっとも、複数層の電極からなる外部電極を形成
する場合には、電極の連続的形成が容易であるためメッ
キ法を採用することが好ましい。
【0020】本発明の第1の電子部品の製造方法では、
上記第1の電極の形成に引き続き、界面活性剤含有メッ
キ浴を用いて電解メッキすることにより、上記界面活性
剤層及び第2の電極が形成される。すなわち、第1の方
法では、界面活性剤層と第2の電極とが同一工程により
形成される。この場合、界面活性剤は、第2の電極を形
成するためのメッキ浴に予め含有されており、従って、
メッキ浴に電子部品素体を浸漬した際に、第1の電極上
に界面活性剤が付着されることになる。また、上記メッ
キ浴中の界面活性剤層の濃度を調整することにより最適
な厚さの界面活性剤層を形成することができる。第2の
電極としては、はんだにより溶融しない金属からなるの
もを形成することが必要である。なぜならば、界面活性
剤層の外側に第2の電極が形成されるからである。
【0021】なお、第2の電極を形成した後に、さらに
SnやSn−Pbなどのはんだ付け性に優れた金属材料
により第2の電極上に他の電極を形成してもよい。
【0022】本発明の第2の電子部品の製造方法では、
上記第1の電極を形成した後に、電子部品素体の少なく
とも第1の電極が形成されている部分を界面活性剤水溶
液に浸漬することにより界面活性剤層が形成される。こ
の場合、電子部品素体全体を界面活性剤水溶液に浸漬し
てもよく、あるいは第1の電極が形成されている部分の
みが界面活性剤水溶液に浸漬されるようにしてもよい。
【0023】また、界面活性剤水溶液に浸漬した後に、
好ましくは、界面活性剤水溶液に浸漬された部分を水に
より洗浄することにより、界面活性剤層の厚みを薄く
し、それによって所望の界面活性剤層を形成してもよ
い。もっとも、浸漬により所望の厚さの界面活性剤層を
形成し得る場合には、上記のような洗浄作業を省略して
もよい。
【0024】次に、上記界面活性剤層上に、第2の電極
が形成される。第2の電極の形成は、メッキ、蒸着、ス
パッタリングなどの薄膜形成法や、導電ペーストを塗布
し焼き付ける方法等の適宜の方法により形成し得る。
【0025】また、第2の電極を構成する金属として
は、第1の方法の場合と同様に、Niなどのように、は
んだに対して溶融しない金属を使用することが必要であ
る。さらに、第2の電極上に、さらにSnやSn−Pb
などのはんだ付けに優れた金属よりなる電極を1層以上
形成してもよい。
【0026】本発明は、上述した電子部品及び電子部品
の製造方法であるが、適用される電子部品としては、上
述したように、面実装に適したチップ型電子部品に限ら
ず、リード端子付きの電子部品であってもよい。もっと
も、面実装可能なチップ型電子部品に適用した場合に
は、図1に示した基板6のたわみ等に起因する実装状態
におけるストレスを効果的に緩和することができるた
め、チップ型電子部品に好適に本発明を適用することが
できる。
【0027】
【作用】複数の電極よりなる外部電極内に上記界面活性
剤層が形成されているため、本発明の電子部品及び本発
明の製造方法により得られる電子部品では、外部電極が
電子部品素体から遠ざかる方向に物理的ストレスが加え
られた場合、該界面活性剤層が部分的に内側の電極から
剥離する。その結果、電子部品素体への上記ストレスの
伝達を緩和することができる。従って、電子部品素体の
クラック等を効果的に防止することができる。
【0028】また、界面活性剤層は、上記のように部分
的に剥離するものであるため、その両側の電極間の電気
的接続の信頼性を損なわない。従って、上記部分的剥離
が生じた場合であっても、電子部品は実装状態において
確実に機能する。
【0029】また、本発明の第1の製造方法では、界面
活性剤含有メッキ浴を用いて電解メッキすることによ
り、まずメッキ浴に浸漬された電子部品素体の第1の電
極上に界面活性剤が付着し、次に第2の電極が形成され
る。すなわち、第1の方法で界面活性剤層と第2の電極
とが同一工程で形成されるため、本発明の電子部品を効
率よく形成することができる。特に、界面活性剤層及び
第2の電極が上記界面活性剤含有メッキ浴を用いて形成
されるため、第1の電極形成工程についてもメッキ法を
用いた場合には、メッキ法により上記界面活性剤層を内
部に有する外部電極を、より一層効率よく形成すること
ができる。
【0030】さらに、本発明の第2の電子部品の製造方
法では、第1の電極形成後に、界面活性剤水溶液に少な
くとも第1の電極が形成されている部分を浸漬すること
により界面活性剤層が形成されるため、界面活性剤水溶
液の濃度を調整したり、そのあとに必要に応じて洗浄を
行うことにより、所望の厚みの界面活性剤層を確実に形
成することができる。
【0031】
【実施例の説明】以下、実施例を説明することにより、
本発明を明らかにする。図2は、本発明の一実施例に係
る電子部品として積層コンデンサを示す縦断面図であ
る。
【0032】本実施例の積層コンデンサ11は、セラミ
ック焼結体12を有する。セラミック焼結体12は、例
えばチタン酸バリウム等の誘電体セラミックスよりな
り、内部に内部電極13a〜13fを有する。セラミッ
ク焼結体12の端面12a,12bには、それぞれ、該
端面12aまたは12bに引き出された内部電極に電気
的に接続されるように、外部電極14,15が形成され
ている。外部電極14,15は、それぞれ、4つの電極
層を有する。すなわち、内側から順に、AgまたはAg
−Pdよりなる電極14a,15a、Niなどのはんだ
により溶融されない金属材料よりなる電極14b,15
b、同じくはんだにより溶融されないNiなどよりなる
電極14c,15c及びはんだ付け性に優れた金属材
料、例えばSn、Sn−Pbまたははんだよりなる電極
14d,15dを有する。そして、本実施例の特徴は、
上記電極14b,15bと、電極14c,15cとの間
に、界面活性剤層14e,15eが形成されていること
にある。
【0033】界面活性剤層14e,15eは、それぞ
れ、電極14b,15bと、電極14c,15cとの間
の電気的接続の信頼性を損なわない程度の厚みに形成さ
れている。従って、界面活性剤層14e,15eが存在
したとしても、外部電極14,15の電気的な機能には
影響を与えない。
【0034】界面活性剤層14e,15eは、上記のよ
うに非常に厚みの薄い層として構成されているため、外
部電極14,15が電子部品素体としてのセラミック焼
結体12から遠ざかる方向に外力が加わったとしても、
界面活性剤層14e,15eが内側の電極14b,15
bから部分的に剥離することにより、外力のセラミック
焼結体12への伝達を緩和することができる。従って、
セラミック焼結体12のクラックを効果的に防止するこ
とができる。
【0035】なお、上記のような外力が加わり、界面活
性剤層14e,15eが部分的に剥離したとしても、そ
の他の部分では、外部電極として充分に機能するため、
電子部品11は、上記のような外力が加わった後におい
ても、面実装状態においてその機能を確実に果たす。
【0036】次に、具体的な実験例につき説明する。以
下の実施例1,2及び比較例においては、図2に示した
積層コンデンサ11を作製し、評価した。実施例1 内部電極13a〜13fが形成されたセラミック焼結体
12の両端面に、Ag含有導電ペーストを塗布し、乾燥
し、しかる後800℃の温度で焼き付けることにより、
電極14a,15aを形成した。
【0037】次に、電極14a,15a上に、下記の表
1に示す組成のメッキ浴を用いることにより電解バレル
メッキ法により、厚み2〜3μmのNiメッキ層よりな
る電極14b,15bを形成した。
【0038】次に、下記の表2に示す界面活性剤含有メ
ッキ浴を用い電解バレルメッキを行うことにより、電極
14b,15b上に、極めて厚みの薄い界面活性剤層1
4e,15eと、厚み10〜15μmのNiよりなる電
極14c,15cとを同一工程により形成した。
【0039】さらに、電極14c,15c上に、メッキ
により厚み3μmのSn−Pbメッキ層よりなる電極1
4d,15dを形成した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】実施例2 実施例1と同様にして、電極14a,15a及び電極1
4b,15bを形成した後、セラミック焼結体12を界
面活性剤含有水溶液中に浸漬し、次に純水で3回洗浄し
た。使用した界面活性剤水溶液は、界面活性剤として日
本油脂社製のナイミーン(商品名)を1重量%含む水溶
液である。上記のようにして、極めて厚みの薄い界面活
性剤層14e,15eを形成した。
【0043】次に、表1に示した組成のメッキ浴を用い
電解バレルメッキを行い、厚み10〜15μmのNiメ
ッキ層よりなる電極14c,15cを形成した。さら
に、電極14c,15c上に、電解メッキ法により、厚
み3〜5μmのSn−Pbメッキ層よりなる電極14
d,15dを形成した。
【0044】比較例 実施例1,2で用いたセラミック焼結体12に、実施例
1,2と同様にして、電極14a,15a及び電極14
b,15bを形成した後、直ちに、厚み3〜5μmのS
n−Pbメッキ層よりなる電極を形成した。
【0045】評価 上記実施例1,2及び比較例で得た積層コンデンサ各3
6個を用い、下記の要領で評価した。
【0046】上記積層コンデンサをアルミニウム基板に
はんだ付けし、−55℃→125℃→−55℃の温度変
化を与える工程を1サイクルとし、冷熱サイクル試験を
行った。該冷熱サイクル試験後、セラミックスにクラッ
クが生じているものを不良品として計算し、各36個の
積層コンデンサ中の不良品数を調べた。結果を下記の表
3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】表3から明らかなように、比較例では、5
0サイクルの冷熱サイクル試験後に、不良品の発生が得
られたのに対し、実施例1,2では、上記冷熱サイクル
を200サイクル経過した後であっても不良品数は0で
あった。従って、上記界面活性剤層を設けたことによ
り、セラミック焼結体への外力の伝達を効果的に緩和し
得ることがわかる。
【0049】なお、実施例1,2の積層コンデンサを、
上記冷熱サイクル後に調べたところ、電極14b,15
bと電極14c,15cとの間において部分的な剥離が
生じていることが認められた。従って、上記界面活性剤
層により、部分的剥離が引き起こされ、それによって焼
結体に加わるストレスが緩和されていることがわかる。
【0050】なお、実施例1,2の積層コンデンサにつ
いて、上記冷熱サイクル試験後の電気的特性を測定した
ところ、電気的特性に劣化はみられなかった。従って、
上記のような部分的な剥離が生じていたとしても、積層
コンデンサとしての電気的特性には影響を与えないこと
がわかる。
【0051】
【発明の効果】本発明の電子部品では、外部電極を構成
している複数の電極内に上記界面活性剤層が形成されて
いるため、電子部品に内部電極をセラミック焼結体から
遠ざける方向に外力が加わったとしても、界面活性剤層
の部分的な剥離により外力の電子部品素体への伝達を緩
和することができる。従って、周囲温度の変化などのよ
うな熱ストレスが加わったり、電子部品が実装されてい
る基板のたわみ等により外力が加わったとしても、電子
部品素体のクラックを確実に防止することが可能とな
る。
【0052】しかも、界面活性剤層が部分的に剥離した
としても、外部電極としての機能には影響を与えない。
従って、例えば面実装型電子部品に適用した場合には、
実装状態における信頼性の優れた電子部品を提供するこ
とが可能となる。
【0053】また、本発明の電子部品の製造方法では、
上記のような界面活性剤層が外部電極内に配置された信
頼性に優れた電子部品を提供することができ、第1の方
法では、界面活性剤含有メッキ浴を用い、電解メッキに
より、界面活性剤層及び第2の電極が同一工程により構
成されるため、界面活性剤層を有する上記電子部品を効
率よく生産することができる。
【0054】また、第2の方法では、界面活性剤水溶液
に電子部品素体を浸漬することにより界面活性剤層が形
成されるものであるため、界面活性剤水溶液の濃度を調
整したり、そのあとの必要に応じて行われる洗浄作業を
調節することにより、所望の厚みの界面活性剤層を確実
に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の積層コンデンサを基板上に実装した状態
を示す縦断面図。
【図2】実施例の積層コンデンサを説明するための縦断
面図。
【符号の説明】
11…積層コンデンサ 12…セラミック焼結体(電子部品素体) 14,15…外部電極 14a,15a…電極 14b,15b…電極 14c,15c…電極 14d,15d…電極 14e,15e…界面活性剤層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品素体と、 前記電子部品素体の外表面に形成された複数層の電極よ
    りなる外部電極と、 前記外部電極内において、はんだにより溶融しない金属
    からなる電極よりも内側に形成されている界面活性剤層
    とを備える、電子部品。
  2. 【請求項2】 電子部品素体の外部電極形成領域に少な
    くとも1層の第1の電極を形成する工程と、 前記第1の電極を形成する工程の後に、界面活性剤含有
    メッキ浴を用いて電解メッキすることにより界面活性剤
    層及び第2の電極を形成する工程とを備える、電子部品
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 電子部品素体の外部電極形成領域に、少
    なくとも1層の第1の電極を形成する工程と、 前記第1の電極を形成する工程の後に、電子部品素体の
    少なくとも第1の電極が形成されている領域を界面活性
    剤水溶液に浸漬して界面活性剤層を形成する工程と、 前記界面活性剤層上に第2の電極を形成する工程とを備
    える、電子部品の製造方法。
JP6122478A 1994-06-03 1994-06-03 電子部品及びその製造方法 Pending JPH07335487A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018049884A (ja) * 2016-09-20 2018-03-29 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品
JP2018049885A (ja) * 2016-09-20 2018-03-29 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品
WO2024090008A1 (ja) * 2022-10-28 2024-05-02 株式会社村田製作所 積層セラミックコンデンサ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018049884A (ja) * 2016-09-20 2018-03-29 株式会社村田製作所 積層セラミック電子部品
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