JPH0733273A - 自動給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複写機等の画像記録装置に用いられる自動給
紙装置に関するもので、用紙の種類（特にコシの強弱）
にかかわらず、重送する事無く確実に用紙を分離するこ
とを可能にする自動給紙装置を提供する。 【構成】 回転軸７ａを中心に回動するさばき台７の一
端部に設けられた第一の摩擦部材層５に加えて、他端部
にも第二の摩擦部材層６を設け、通常の１用紙の供給時
には、前記第一の摩擦部材層５を使用して重送を防止
し、コシの強い用紙１の使用時には前記さばき台７が回
動して、前記第二の摩擦部材層６により用紙分離する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ装置や複
写機等の画像記録機に用いられる、積載した複数枚の用
紙を順次自動的に送り出すための自動給紙装置に関する
もので、特に、一度に複数枚を送り出してしまう重送を
防止する重送防止手段に特徴を有するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、重送防止手段を有する自動給紙装
置として、給紙台より用紙を送り出す給紙ローラに、送
り出された用紙を介して圧接する摩擦部材を設け、用紙
の分離を行う自動給紙装置が安価な給紙方式として広く
用いられている。

【０００３】図３はこの種の一般的な自動給紙装置を示
すもので、給紙台３上に積載された用紙１は、バネ４で
給紙ローラ２に所定の力で押し当てられている。７は表
面に摩擦部材層５を有するさばき台であり、軸７ａを中
心に回動自在に配置されており、常に前記摩擦部材層５
が給紙台３より送り出された用紙１を介して給紙ローラ
２に所定の力で押し当てられるようにバネ８により付勢
されている。

【０００４】９ａ，９ｂは、給紙台３より送り出された
用紙１を挟持搬送する一対の搬送ローラ対であり、１０
ａ，１０ｂは、給紙台３より送り出された用紙１の先端
を前記搬送ローラ対９ａ，９ｂに導く搬送ガイドであ
る。

【０００５】いま、図３の状態において、用紙１と給紙
ローラ２との間の摩擦力をＦ１、用紙１と摩擦部材層５
との間の摩擦力をＦ２、用紙１間の摩擦力をＦ３とする
とき、Ｆ１＞Ｆ２＞Ｆ３の関係を満足させておけば、重
送の防止をすることができる。

【０００６】すなわち、給紙ローラ２によって送り出さ
れた用紙１は、給紙ローラ２と摩擦部材層５との圧接部
分で分離される。分離された一枚目の用紙は搬送ローラ
対９ａ，９ｂに到達する。

【０００７】このとき、用紙１のコシが所定の値より小
さい場合には、用紙１は図３のように搬送ガイド１０ａ
に沿って変形し、さばき台７をバネ８に抗して大きく押
し下げることもなく、二枚目以降の用紙は給紙ローラ２
と摩擦部材層５との圧接部分で止まって重送は阻止され
る。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、コシの強い用
紙（ハガキ等）を使用するとき、図４のように搬送ロー
ラ対９ａ，９ｂが給紙ローラ２と摩擦部材層５間より送
り出された用紙１の進行方向に対して下方に配置されて
いる場合、給紙ローラ２と摩擦部材層５とで分離された
一枚目の用紙１は、搬送ガイド１０ａに沿ってその進行
方向が変化され、そのコシの強さでさばき台７をバネ８
の付勢力に抗して反時計方向に回動させ、摩擦部材層３
と給紙ローラ２との当接力が小さくなる。

【０００９】この結果用紙１と摩擦部材層５間の摩擦力
Ｆ２が小さくなり、摩擦力Ｆ３より摩擦力Ｆ２の方が小
さくなると重送が生じてしまう。このとき、さばき台３
が容易に回動しないようにバネ８の付勢力を高めると、
今度は、コシの弱い通常の用紙に対して、先端折れや給
紙ミス等が生じてしまう。

【００１０】本発明は、上記従来の問題点を解決するも
ので、用紙のコシの強弱にかかわらず、重送する事なく
確実に用紙を分離することができる自動給紙装置を提供
することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の自動給紙装置は、従来の回動するさばき台の
一方の端部に設けられた第一の摩擦部材層に加えて、こ
の第一の摩擦部材層よりも上流側に、用紙に対してこの
第一の摩擦部材層と逆方向に連動する第二の摩擦部材層
を設けている。

【００１２】

【作用】この構成によれば、搬送ローラ対が、給紙ロー
ラと第一の摩擦部材層間より送り出された用紙の進行方
向に対して下方に配置されており、そして、用紙のコシ
が強く、前述のようにさばき台が回動し、第一の摩擦部
材層と用紙間の摩擦力が小さくなっても、その第一の摩
擦部材層に代わって、第二の摩擦部材層が給紙ローラに
当接し、この第二の摩擦部材層により分離が行われるた
め、用紙の種類にこだわる事なく確実に用紙を分離する
ことができる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。

【００１４】図１において、前述の従来例と同一の構成
部分には同一の符号を付している。本実施例と従来例と
の差異は、回転軸７ａを挟んでさばき台７の第一の摩擦
部材層５の形成された端部と反対側に第二の摩擦部材層
６を形成した点にある。すなわち、第一の摩擦部材層５
が前記給紙ローラ２に所定の圧力で当接している間は、
第二の摩擦部材層６は給紙ローラ２より離反しており、
第一の摩擦部材層５が給紙ローラ２より離反する方向に
大きく移動すると第二の摩擦部材層６が給紙ローラ２に
所定の圧力で当接するように構成されている。

【００１５】そして、このとき用紙１と給紙ローラ２と
の間の摩擦力をＦ１、用紙１と第二の摩擦部材層６の間
の摩擦力をＦ２、用紙１間の摩擦力をＦ３とするとき、
Ｆ１＞Ｆ２＞Ｆ３の関係を満足するように構成されてい
る。

【００１６】以上の構成によれば、通常の用紙を供給す
るときには、図１に示すように従来と同様に動作し、重
送は阻止される。

【００１７】一方、用紙１のコシが所定の値より大きい
場合には、第一の摩擦部材層５で分離された一枚目の用
紙が搬送ガイド１０ａに沿って送り出されると、そのコ
シの強さでさばき台７を下に押し下げ、二枚目以降の用
紙を給紙ローラ２と第一の摩擦部材層５とで挟み込むこ
とができず、前述の条件を満たすことができなくなり、
この場所では、重送を防ぐことができなくなる。しかし
本実施例においては、図２に示すようにさばき台７が倒
れることを利用して、第二の摩擦部材層６が給紙ローラ
２に押し当てられるようになっており、この場所で前述
の条件が満足され、二枚目以降の用紙の重送を確実に止
めることができる。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明は、従来の摩擦部材
層に加えて、この摩擦部材よりも上流側に、この摩擦部
材層に連動する第二の摩擦部材層を給紙ローラと協働し
得る位置に設けることにより、用紙の種類を限定する事
なく確実に用紙を分離することができる優れた自動給紙
装置を実現できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の自動給紙装置の一実施例の通常の動作
状態を示す要部側面図

【図２】同実施例の他の動作状態を示す要部側面図

【図３】従来の自動給紙装置の通常の動作状態を示す要
部側面図

【図４】同従来の自動給紙装置の他の動作状態を示す要
部側面図

【符号の説明】

１ 用紙 ２ 給紙ローラ ３ 給紙台 ５ 第一の摩擦部材層 ６ 第二の摩擦部材層 ７ さばき台 ９ 搬送ローラ対

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給紙すべき複数枚の用紙が積載された給紙
   台と、その積載された用紙の最上部に圧接して前記給紙
   台より用紙を送り出す給紙ローラと、前記給紙ローラに
   より送り出された用紙を挟持搬送する一対の搬送ローラ
   対と、前記給紙台と前記搬送ローラ対との間に、前記給
   紙ローラとの協働により前記用紙の分離を行う第一の摩
   擦部材と、前記第一の摩擦部材より上流に位置し、前記
   用紙に対して前記第一の摩擦部材と逆方向に連動する第
   二の摩擦部材と、前記給紙ローラに前記第一の摩擦部材
   を押圧するように付勢する弾性付勢手段を有し、予め定
   められた値以下のコシを有する用紙に対しては、前記第
   一の摩擦部材の表面で前記用紙を前記給紙ローラに押圧
   し、前記の予め定められた値より大なるコシを有する用
   紙に対しては、第二の摩擦部材の表面で前記用紙を前記
   給紙ローラに押圧するように配置した自動給紙装置。