JPH0522513Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、カツト紙の用紙送り出し装置に関す
るものである。

〔考案の背景〕

カツト紙を用いる印刷機等の用紙送り出し装置
において、給紙カセツトに積載された用紙を給紙
ローラによつて引き出す際に、同時に複数枚の用
紙が重なつて引き出される場合がある。（以下
“重送”と称す）この重送を阻止するために、用
紙の進行方向に分離ローラを設け、更に、分離ロ
ーラの外周面に一定圧で接触し、しかも分離ロー
ラの摩擦係数より若干小さい摩擦係数を持つ摩擦
部材を設け、この分離ローラと摩擦部材の間を重
送された用紙が通過する際に１枚ずつ分離する重
送分離機構を用いることは一般的手段である。か
かる構造の用紙送り出し装置において、給紙カセ
ツトから正常に１枚ずつ送り出された用紙が重送
分離機構部を通過する際、摩擦部材から抵抗を受
けるために用紙にたわみが生じ、このたわみが斜
行等の用紙搬送障害の一原因となるので、分離ロ
ーラ手前に押え部材を設けることによりこのたわ
みを抑えている。既押え部材と下側ペーパガイド
とのギヤツプ（図１中Ｇで示す）は、通常２mm程
度にしている。

以上説明した用紙送り出し装置は、一般の薄紙
を使用する場合のものであるが、近年は、ニーズ
の多様化により、例えば連量110Kg以上の厚紙を
使用したいという要求がある。しかしながら、前
述した用紙送り出し装置において、厚紙を使用す
ると、給紙カセツトから用紙送が重送した場合、
重送分離機構部での重送阻止率が大きく低下する
という問題がある。また、給紙カセツトから用紙
が正常に１枚ずつ引き出された場合でも、重送分
離機構部の手前で紙づまりが発生し易くなるとい
う問題がある。これら厚紙での用紙搬送不良の発
生原因は、分離ローラ手前に設けられた押え部材
と、下側ペーパガイドとのギヤツプが狭いためで
ある。すなわち、厚紙は、用紙の腰が強いため
に、給紙カセツトから重送した場合には、押え部
材からの反力が用紙自身が前へ進もうとする力と
なり、重送分離機構部で重送を阻止しづらくな
る。また、用紙のカール量が大きい場合などは、
押え部材が負荷となつてしまい紙づまりが発生す
る。

以上のことにより、厚紙用の用紙送り出し装置
を提供する場合には、分離ローラ手前の押え部材
と、下側ペーパガイドとのギヤツプを変更する必
要がある。しかし、従来、押え部材は、上側ペー
パガイドに溶接もしくはネジ止めによつて固定さ
れているが、組立工数を低減する意味からも、無
調整になつていることが多く、厚紙用用紙送り出
し装置を提供する場合には、部品を交換しなけれ
ばならないという欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、重送、紙づまり等の用紙搬送
不良を防止した厚紙用用紙送り出し装置を容易に
提供することにある。

〔考案の概要〕

本考案は、厚紙を使用した時に用紙送り出し装
置内で発生する用紙搬送不良の原因が、分離ロー
ラ手前に設けられた押え部材と下側ペーパガイド
とのギヤツプが狭いためである。という点に着目
し、前記ギヤツプを部品の交換なしで容易に調整
できる様、押え部材の取り付け方法を工夫し、厚
紙用用紙送り出し装置を容易に提供できる様にし
たものである。

〔考案の実施例〕

本考案の一実施例を図面を用いて説明する。

第１図は、通常の用紙（連量45〜70Kg程度）の
み使用可能な用紙送り出し装置を示す。分離ロー
ラ２と固定摩擦ローラ３とから成る重送分離機構
部での用紙搬送不良を防止するために、押え部材
６が設けられているが、この押え部材６は、下側
ペーパガイド５とのギヤツプがＧになる様調整さ
れている。実験等によればＧは約２mm程度が良
い。

第２図は、厚紙用用紙送り出し装置を示す。第
１図と比較して判る様に、構成部品は通常の用紙
送り出し装置と全く同じであり、異なるのは押え
部材６と下側ペーパガイド５とのギヤツプがＧか
らG′に広がつたことだけである。G′は５mm程度
であり、ギヤツプを広げたことにより、厚紙がス
ムーズに搬送されることになる。第１図〜第３図
に示す様に押え部材６は、上側ペーパガイド４に
ネジ７によつて固定されているが、上側ペーパガ
イド４には長穴１１があいており、ネジ７の固定
位置を変えることによつて、押え部材６と下側ペ
ーパガイド５とのギヤツプを調整できる様になつ
ている。

以上の様に、本考案は部品を変更せず、押え部
材６と下側ペーパガイド５とのギヤツプを調整す
るだけで、容易に厚紙用用紙送り出し装置を提供
できる様にしたものであるが、この厚紙用用紙送
り出し装置において、通常の用紙を使用すること
も可能である。ただし、この場合、押え部材６と
下側ペーパガイド５とのギヤツプが通常より広い
ため、この部分での用紙搬送不良の発生率は若干
高くなる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、部品を変更することなく分離
ローラ手前の押え部材と、下側ペーパガイドとの
ギヤツプを調整するだけで厚紙搬送時の用紙搬送
不良を防止できるので、厚紙用用紙送り出し装置
を容易に提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案による用紙送り出し装
置の一実施例を示す側面図、第３図は上面図であ
る。 図において、１は給紙ローラ、２は分離ロー
ラ、３は固定摩擦ローラ、４は上側ペーパガイ
ド、５は下側ペーパガイド、６は押え部材、７は
ネジ、８は軸、９は用紙、１０は給紙カセツト、
１１は長穴である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 給紙カセツト１０内に積み重ねられた用紙９を
   給紙ローラ１により送り出し、下側ペーパガイド
   ５上面と上側ペーパガイド４に設けられた押え部
   材６との間で形成される搬送ギヤツプＧを経て、
   前記用紙を分離ローラ２側へ送り込む用紙送り出
   し装置において、 前記上側ペーパガイド４に前記押え部材６の移
   動を案内する長穴１１を設けると共に、前記押え
   部材６には前記下側ペーパガイド５上面に対し平
   行に配置される底面部と前記上側ペーパガイド４
   に支持される支持部を設け、前記長穴に沿つて前
   記支持部を移動させることにより下側ペーパガイ
   ド５上面と前記押え部材６底面部の間隔を調整自
   在としたことを特徴とする用紙送り出し装置。