JPH07328532A - 撥水性被膜 - Google Patents

撥水性被膜

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JPH07328532A
JPH07328532A JP12527594A JP12527594A JPH07328532A JP H07328532 A JPH07328532 A JP H07328532A JP 12527594 A JP12527594 A JP 12527594A JP 12527594 A JP12527594 A JP 12527594A JP H07328532 A JPH07328532 A JP H07328532A
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JP
Japan
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water
fine particles
coating film
resin
contact angle
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JP12527594A
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English (en)
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Takashi Osugi
高志 大杉
Shigeki Nomura
茂樹 野村
Atsuyoshi Nagata
敦善 永田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】種々の基材に適応でき、安定した撥水性能と、
いわゆる蓮の葉の表面を水滴が転がるのと同様の優れた
撥水性を有する被膜を提供する。 【構成】少なくとも表面が疎水性の粒径1nm〜1mm
の微粒子と樹脂塗膜からなり、該微粒子が該樹脂塗膜表
面積の20%以上の領域に露出されて固着されており、
表面に凹凸形状を有する。微粒子は水との接触角が90
°以上の基材からなる微粒子、又は表面に低級アルキル
基を有する疎水性シリカ微粒子が特に好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水材、氷雪固着防止
剤、防汚材等に利用される撥水性被膜に関する。
【0002】
【従来の技術】撥水性を付与する素材としては、従来か
らシリコーン系又はフッ素系樹脂化合物が多く用いら
れ、撥水性の被膜を形成する方法としては、一般的には
テフロン等のフルオロカーボン系微粉末をエタノール等
に懸濁させた塗料を塗布し、乾燥後約400℃で1時間
程度焼き付け処理を行う方法等が多く用いられている
(特開昭62−186133号公報)。
【0003】しかしながら、フッ素系樹脂の焼き付けに
よる方法では表面が平坦化されるため、撥水性としては
テフロン樹脂プレートと同程度(水との接触角で110
゜程度)が限界であり、いわゆる蓮の葉が水を弾くよう
な撥水性は得られない。その上約400℃の高温で焼き
付け工程を行うため、木材やプラスチックプレート等に
は適用が不可能である。
【0004】また、表面に微細な凹凸形状を設けること
によって撥水性を発現する方法についても、基材表面を
物理的にサンドブラスト法等で粗面化した後にフッ素系
化合物でコーティングを行う方法(特開平4−3437
64号公報)、樹脂中にシリカ等の無機微粒子や有機微
粒子を混合させる方法(特開平3−244679号公
報)等が開示されている。
【0005】しかしながら、表面に凹凸形状を持つもの
は蓮の葉に近い、或いは同程度の撥水性を発現するもの
の、粗面化を行う前処理が必要であったり、樹脂中に粉
体を分散させて凹凸形状を発現するため、粉体の分散の
むらにより撥水性能にばらつきが生じる。さらに粉体の
上に樹脂層が覆うため、凹凸形状が発現しにくい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みてなされたものであり、その目的は種々の基材に適
応可能で、安定した撥水性能を有する被膜を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の撥水性被膜は、
少なくとも表面が疎水性である微粒子が樹脂塗膜表面積
の20%以上の領域に露出されて固着された、表面に凹
凸形状を有する被膜である。
【0008】上記微粒子の平均粒径は、小さくなると凹
凸形状の効果が低下して接触角が小さくなり、大きくな
ると細かい水滴に対する撥水性が低下するので、1nm
〜1mmに限定される。
【0009】上記微粒子としては、例えば、水との接触
角が90°以上である基材からなる微粒子、表面に低級
アルキル基等を有する微粒子等が挙げられる。
【0010】上記水との接触角が90°以上である基材
としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、フ
ッ化黒鉛、含フッ素樹脂、オルガノポリシロキサン等が
挙げられる。
【0011】上記含フッ素樹脂としては、例えばテトラ
フルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフ
ルオロビニルエーテル(パーフルオロメチルエーテル
等)、パーフルオロアリルエーテル、パーフルオロプロ
ピレン、ビニリデンフルオライド等のフッ素含有重合性
モノマーの単独重合体(ポリテトラフルオロエチレン、
ポリビニリデンフルオライド等)、それらの共重合体
(ポリビニリデンフルオライド−ポリテトラフルオロエ
チレン−パーフルオロプロピレン共重合体、ビニリデン
フルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフル
オロエチレン共重合体等)、その一部変性品(前記重合
体のエチレン又はプロピレン変性品等)などが挙げられ
る。
【0012】上記基材と水との接触角が小さくなると、
撥水力より濡れ表面を大きくしようとする力の方が大き
いため、凹凸形状になっても撥水性が向上しないので、
水との接触角は90°以上が好ましく、さらには、微細
な凹凸では水が入り込めなくなって水滴が浮いたような
状態となり、表面を水滴が転がるような撥水性を発現す
るためには95°以上がより好ましい。
【0013】上記表面に低級アルキル基等を有する微粒
子としては、例えば表面にメチル基やその他アルキル
基、又はフッ化アルキル基を有する無機又は有機の微粒
子が挙げられ、特に表面にメチル基、エチル基等の低級
アルキル基を有する疎水性シリカ微粒子が好適に使用さ
れる。
【0014】上記疎水性シリカ微粒子としては、例えば
AEROSIL R972D(日本アエロジル社)、N
ipsil SS−50及びNipsil SS−30
S(日本シリカ工業社)等、一般に市販されているもの
が使用可能である。
【0015】上記微粒子は単独で使用してもよいし、2
種以上を併用してもよい。上記微粒子が樹脂塗膜を被覆
する面積は、少なくなると塗膜表面の水接触角が小さく
なり撥水性が低下するので、20%以上に限定され、さ
らには、表面を水滴が転がるような撥水性能を安定して
発現するためには70%以上がより好ましい。上記微粒
子が樹脂塗膜を被覆する面積は、例えば塗膜表面を電子
顕微鏡写真に撮り、これを画像処理して微粒子が露出し
た表面積の割合を求めることができる。
【0016】本発明に使用される樹脂塗膜の樹脂として
は、例えば溶媒乾燥型、熱硬化型、光硬化型、電子線硬
化型等の樹脂や乾性油が挙げられる。
【0017】上記樹脂を硬化させる際には必要に応じて
重合開始剤が添加される。さらにこれらの樹脂主成分以
外にも、溶媒、顔料、揺変剤、充填剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、重合禁止剤、表面改質剤、脱泡剤、硬化助
剤等の各種添加剤を使用してもよい。
【0018】樹脂塗膜の膜厚は、小さくなると微粒子が
十分に固着されず、撥水性能の耐久性が低下するので、
使用する微粒子の平均粒径の3分の1以上であることが
好ましい。
【0019】本発明の撥水性被膜は例えば以下のような
工程で製造される。 <第1の工程> 樹脂を基材に塗布する。上記基材とし
ては、特に限定されるものではなく、例えばプラスチッ
クプレートやフィルム、木材合板、金属板等が使用さ
れ、また、繊維強化プラスチック(FRP)等の成形体
でもよい。
【0020】樹脂を基材に塗布する方法としては、使用
する樹脂や目的に応じて適当な方法が選択されるが、例
えば一般的には刷毛塗り、スプレーコート法、バーコー
ト法、ドクターブレード法、ロールコート法、ディッピ
ング法等が利用できる。
【0021】<第2の工程> 第1の工程で塗布した塗
膜が未硬化又は半硬化の状態において、塗膜に表面が疎
水化された微粒子を付着させる。微粒子を付着させる前
に塗膜を硬化すると微粒子を塗膜に固定することができ
ないので、第2の工程は塗膜が未硬化又は半硬化状態で
行う。
【0022】微粒子を付着させる方法としては、特に限
定されるものではないが、例えば塗膜上に直接微粒子を
散布する方法、微粒子の入ったパレット等の容器に、樹
脂を塗布した基材を塗膜面が微粒子と接するように載せ
る方法、微粒子中に基材及び塗膜ごと浸漬する方法等が
利用でき、未硬化又は半硬化状態の塗膜に微粒子を接触
させ付着させればよい。さらに、微粒子を付着させた後
に付着表面を軽くプレスしてもよい。
【0023】<第3の工程> 第2の工程で得られた未
硬化又は半硬化状態の塗膜を硬化させた後、塗膜に固定
されなかった過剰の微粒子を取り除く。硬化方法は、使
用した樹脂に応じて適当な方法が選択される。
【0024】塗膜に固定されなかった過剰の微粒子を取
り除く方法としては、特に限定されるものではないが、
例えばエアースプレーにより除去する方法等が利用でき
る。尚、未硬化又は半硬化状態での塗膜の粘着性の大き
い樹脂の場合は塗膜の硬化前に過剰の微粒子を取り除
き、その後樹脂を硬化させてもよい。取り除かれた過剰
の微粒子は回収して再利用することによって、使用する
微粒子の量を最小限に抑えることができる。
【0025】
【実施例】以下に本発明を実施例につき説明する。以下
「部」としたものは「重量部」を意味する。 (実施例1)アルミニウム板上に、不飽和ポリエステル
樹脂(三井東圧化学社製:エスターV262−G)10
0部に熱重合開始剤として55%メチルエチルケトン−
ジメチルフタレート溶液1部、硬化助剤として6%ナフ
テン酸コバルト溶液0.1部を添加した樹脂をスプレー
コート法により塗布した。これを表面が疎水性である微
粒子(日本アエロジル社製:AEROSIL R972
D、表面メチル基一次粒子平均粒径14nm)で満たし
た容器中に浸漬することによって表面に微粒子を付着さ
せた後、過剰の微粒子をエアースプレーで除去して60
℃で1時間加熱することにより塗膜の硬化を行い、撥水
性被膜を得た。この被膜につき、被膜表面5mm×5m
mの顕微鏡写真を画像処理することで微粒子が露出した
表面積の割合を求め、その結果を表1に示した。また室
温23℃、湿度50%の室内において、針先に小さい水
滴をつけ、これを上記被膜上に付着させ、その状態で接
触角計(協和界面科学社製:接触角計CA−D型)を使
用して接触角の測定を行い、撥水性の評価を行った。結
果を表1に示した。
【0026】(実施例2)木材合板上に、多官能アクリ
レート樹脂(日本化薬社製:カヤラッド DPCA−3
0、カプロラクトン変性ジペンタエリスルトールヘキサ
アクリレート)100部に光反応開始剤(チバガイギー
社製:イルガキュア I−184、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン)2部、硬化助剤(日本化薬
社製:カヤキュアー EPA、p−ジメチルアミノ安息
香酸エチル)0.7部を添加した樹脂をバーコーターを
使用して塗布した。これを50℃で10分間熱風乾燥さ
せた後にこの塗膜に表面が疎水性である微粒子(日本シ
リカ工業社製:NipsilSS−50、表面ジメチル
シリコーンオイル処理 一次粒子平均粒径24nm平均
粒径1〜2μm)を散布し、直ちに過剰の微粒子をエア
ースプレーにより除去した。これを高圧水銀ランプによ
り照射量が2000mJ/cm2 になるように紫外線硬
化させ、撥水性被膜を得た。この被膜につき、実施例1
と同様にして微粒子露出表面積及び水との接触角を測定
し、結果を表1に示した。
【0027】(実施例3)アクリル樹脂プレート上に、
溶媒乾燥型塗料(大日本色材社製:ノバフッソPF−2
50、クリアーフッソ樹脂塗料<ベース樹脂:ポリビニ
リデンフルオライド−ポリテトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロプロピレン共重合体>)をドクターブレード
を使用して塗布した。この塗膜に表面が疎水性である微
粒子(日本シリカ工業社製:Nipsil SS−30
S、表面ジメチルシリコーンオイル処理 一次粒子平均
粒径16nm 平均粒径100μm)を散布した後に室
温で5時間乾燥して塗膜の硬化を行った。硬化後、過剰
の微粒子をエアースプレーにより除去し、撥水性被膜を
得た。この被膜につき、実施例1と同様にして微粒子露
出表面積及び水との接触角を測定し、結果を表1に示し
た。
【0028】(実施例4)アルミニウム板上に、不飽和
ポリエステル樹脂(三井東圧化学社製:エスターV26
2−G)100部に熱重合開始剤として55%メチルエ
チルケトン−ジメチルフタレート溶液1部、硬化助剤
0.1部を添加した樹脂をスプレーコート法により塗布
した。これを疎水性微粒子(セントラル硝子社製:セフ
ボン CMA、フッ化黒鉛 平均粒径2μm)で満たし
た容器中に浸漬することによって表面に微粒子を付着さ
せた後、過剰の微粒子をエアースプレーで除去して60
℃で1時間加熱することにより塗膜の硬化を行い、撥水
性被膜を得た。この被膜につき、実施例1と同様にして
微粒子露出表面積及び水との接触角を測定し、結果を表
1に示した。また同様にして、疎水性微粒子の基材の水
との接触角を測定し、その結果を表1に示した。
【0029】(実施例5)木材合板上に、多官能アクリ
レート樹脂(日本化薬社製:カヤラッド DPCA−3
0、カプロラクトン変性ジペンタエリスルトールヘキサ
アクリレート)100部に光反応開始剤(チバガイギー
社製:イルガキュア I−184、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン)2部、硬化助剤(日本化薬
社製:カヤキュアー EPA、p−ジメチルアミノ安息
香酸エチル)0.7部を添加した樹脂をバーコーターを
使用して塗布した。これを50℃で10分間熱風乾燥さ
せた後にこの塗膜に疎水性微粒子(住友スリーエム社
製:THV200P、ポリビニリデンフルオライド−ポ
リテトラフルオロエチレン−パーフルオロプロピレン共
重合体 平均粒径280μm)を散布し、直ちに過剰の
微粒子をエアースプレーにより除去した。これを高圧水
銀ランプにより照射量が2000mJ/cm2 になるよ
うに紫外線硬化させ、撥水性被膜を得た。この被膜につ
き、実施例1と同様にして微粒子露出表面積及び水との
接触角を測定し、結果を表1に示した。また同様にし
て、疎水性微粒子の基材の水との接触角を測定し、その
結果を表1に示した。
【0030】(実施例6)アクリル樹脂プレート上に、
溶媒乾燥型塗料(大日本色材社製:ノバフッソPF−2
50、クリアーフッソ樹脂塗料<ベース樹脂:ポリビニ
リデンフルオライド−ポリテトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロプロピレン共重合体>)をドクターブレード
を使用して塗布した。この塗膜に疎水性微粒子(ダイキ
ン工業社製:ルブロン L−2、ポリテトラフルオロエ
チレン 平均粒径5μm)を散布した後に室温で5時間
乾燥して塗膜の硬化を行った。硬化後、過剰の微粒子を
エアースプレーにより除去し、撥水性被膜を得た。この
被膜につき、実施例1と同様にして微粒子露出表面積及
び水との接触角を測定し、結果を表1に示した。また同
様にして、疎水性微粒子の基材の水との接触角を測定
し、その結果を表1に示した。
【0031】(実施例7)実施例4において疎水性微粒
子をポリエチレンからなる疎水性微粒子(東ソー社製:
ペトロセンパウダー NC−11PW、 低密度ポリエ
チレン 平均粒径17μm)としたこと以外は同様にし
て、撥水性被膜を得た。この被膜につき、実施例1と同
様にして微粒子露出表面積及び水との接触角を測定し、
結果を表1に示した。また同様にして、疎水性微粒子の
基材の水との接触角を測定し、その結果を表1に示し
た。
【0032】(比較例1)実施例1において表面が疎水
性である微粒子のかわりに疎水化処理していない微粒子
(日本アエロジル社製:AEROSIL 200、表面
水酸基 一次粒子平均粒径12nm)を使用したこと以
外は同様にして、撥水性被膜を得た。この被膜につき、
実施例1と同様にして微粒子露出表面積及び水との接触
角を測定し、結果を表1に示した。
【0033】(比較例2)実施例2において、表面が疎
水性である微粒子を散布するのでなく、樹脂中に15重
量%で添加し、ディゾルバーで分散させて使用したこと
以外は同様にして、撥水性被膜を得た。この被膜につ
き、実施例1と同様にして微粒子露出表面積及び水との
接触角を測定し、結果を表1に示した。
【0034】(比較例3)実施例3において微粒子を使
用しなかったこと以外は同様にして、撥水性被膜を得
た。この被膜につき、実施例1と同様にして微粒子露出
表面積及び水との接触角を測定し、結果を表1に示し
た。
【0035】(比較例4)実施例2において、表面が疎
水性である微粒子の散布量を減らしたこと以外は同様に
して、撥水性被膜を得た。この被膜につき、実施例1と
同様にして微粒子露出表面積及び水との接触角を測定
し、結果を表1に示した。
【0036】(比較例5)実施例4において疎水性微粒
子のかわりにアクリル樹脂からなる親水性微粒子(住友
化学社製:スミペックス LO−6、ポリメタクリル酸
メチル 平均粒径100μm)を使用したこと以外は同
様にして、撥水性被膜を得た。この被膜につき、実施例
1と同様にして微粒子露出表面積及び水との接触角を測
定し、結果を表1に示した。また同様にして、疎水性微
粒子の基材の水との接触角を測定し、その結果を表1に
示した。
【0037】(比較例6)実施例5において、疎水性微
粒子を散布するのでなく、樹脂中に25重量%で添加
し、ディゾルバーで分散させて使用したこと以外は同様
にして、撥水性被膜を得た。この被膜につき、実施例1
と同様にして微粒子露出表面積及び水との接触角を測定
し、結果を表1に示した。
【0038】(比較例7)実施例5において、疎水性微
粒子の散布量を減らしたこと以外は同様にして、撥水性
被膜を得た。この被膜につき、実施例1と同様にして微
粒子露出表面積及び水との接触角を測定し、結果を表1
に示した。
【0039】
【表1】
【0040】実施例1〜6については被膜の撥水性が高
いためにテフロンコーティングの針を使用しても被膜に
水滴を落とすことができなかった。接触角160°の時
は水滴を落とすことができたため、この時の接触角は1
60°以上とした。尚、実施例1〜6の被膜については
直接水滴を滴下すると水滴は転がり落ちた。また、比較
例1では水滴を落とすと同時に水滴が広がり測定不能で
あった。
【0041】
【発明の効果】本発明の撥水性被膜は上述のとおりであ
り、少なくとも表面が疎水性である微粒子を、樹脂塗膜
に固着することにより表面に凹凸形状を設けて粗面化し
たので、基材をあらかじめ粗面化する必要がなく、安定
した撥水性能を有し、また表面を一層被覆する量の微粒
子だけで、蓮の葉の表面を水滴が転がるのと同様の優れ
た撥水性を発現する。さらに、塗膜となる樹脂が限定さ
れず幅広い基材に対して撥水性を付与することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/00 R 3/18 104

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表面が疎水性である平均粒径1
    nm〜1mmの微粒子と樹脂塗膜からなり、該微粒子が
    該樹脂塗膜表面積の20%以上の領域に露出されて固着
    されていることを特徴とする撥水性被膜。
  2. 【請求項2】請求項1記載の微粒子が、水との接触角が
    90°以上である基材からなることを特徴とする撥水性
    被膜。
  3. 【請求項3】請求項1記載の微粒子が、表面に低級アル
    キル基を有する疎水性シリカ微粒子であることを特徴と
    する撥水性被膜。
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